かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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第18回東京国際L&G映画祭2009
2009年 07月 20日 |
今年も東京国際レズビアン&ゲイ映画祭へ。



何しろ去年のお気に入りのベスト中のベストになったのは、この映画祭で上映された映画だった私。

今年は、キェシロフスキ特集と日にちがかぶっていたりで、あまりたくさんは足を運べず、4本鑑賞。
でも、最初は1,2本鑑賞にとどめようかと思っていたほどだったんだけど、初日に観たものがとってもおもしろかったので、もっと観たいと思わずにはいられなかったのでした。
思うに、笑って心温まるコメディ×ヒューマンドラマなんかに限っては、ヘタな一般公開映画よりも、本映画祭の上映作の方がよほどに平均点が高いんじゃないかなって。
そんなことを思うほどに手ごたえのある面白さのあるものでした。
映画を観る設備としては、バルト9の方が断然いいんだけれど、会場が沸くスパイラルホールはコメディ映画鑑賞をするのには楽しい環境なのかも。

-鑑賞メモ-               公式サイト

『 パトリックは1.5歳 』  Patrik 1,5 2008
 監督 エラ・レムハーゲン Ella Lemhagen /スウェーデン

一軒家を購入し郊外の住宅地に引っ越してきたゴランとスヴェン。養子を迎える申請をするも紹介はなかなかなく、ある日、1歳半のパトリックがやってくるとの突然の連絡が。しかし、二人の前に現れたのは、犯罪歴がある15歳の不良少年パトリックだった。

こういうタッチのコミカルなスウェーデン映画は初めて観るかも。てっきりゲイのカップルが小さな子どもを養子にしててんやわんやするドラマだと思っていたので、予想外の15歳の問題児少年とのやり取りが危なっかしくもデリケートとても面白くて、感動をよぶのでした。小さな子どもを養子にするのだったら、主に大人たちの思いだけがドラマになるのだけど、この物語の場合は少年パトリックの変化が核になっているのがよかったな。傍からみたらものすごく変な家族構成なんだけど、孤独だったパトリックが自分の居場所を見つけていくのがとても嬉しいの。


『 ニューワールド 』  Le Nouveau Monde 2007
 監督 エティエンヌ・デーヌ Etienne Dhaene /フランス

パリに住むルーシーとマリオンは、ラブラブなビアンカップル。二人の仲が深まるにつれ子供を持ちたいと思い始めたルーシー。周囲から色々言われながらも、結局は、親友からタネを提供してもらうことに。

これはTV映画らしく画質はあまりよくなかったんだけど、テンポのいい中味の詰まった面白さでした。ちょっとブラックな笑いに包まれつつ、レズビアンカップルと2人の親たちと精子提供者の血縁上の父と複雑な人間模様が興味深く面白く。他の国々よりも同性愛者が市民権を得ていると思われるフランスゆえ、もはやカップル単体の関係性を描くにはとどまらない設定のドラマがうまれるのだね。でも、どんな状況であれ新しい生命の輝きは同じなんだなぁって。


『ファロへの道』  Mein Freund aus Faro 2008
 監督 ナナ・ノイル Nana Neul /ドイツ
工場で働くメルは22歳、短い髪とダブダブの服で見た目は完全に男の子。ある日メルはヒッチハイクをしていたジェニーとビアンカに出会い一目惚れしてしまう。彼女たちはメルのことをポルトガルの男だと勘違いし、メルはこれをチャンスとばかりに男になりきることにする。

でも、性別を偽って、好きになった若い女の子に近づくという姿にはとてもハラハラさせられました。“ボーイズ・ドント・クライ” を彷彿とさせるというけれど、そこまで痛々しいドラマではなく、それでも嘘を重ねるたびに歯がゆく苦々しく。映像のタッチがかなり好みでした。


『ドロール』  Drool 2009
 監督 ナンシー・キッサム Nancy Kissam /アメリカ
アノーラの人生は最悪。夫のチェブは人種差別主義のDV男、二人の子供には見下され、自分を見失い、現実逃避しては甘~い白昼夢に浸る日々。そんなある日ココア色の肌のコスメ販売員のイモジーンが隣に越して来る。元気で活発な彼女にアノーラは惹かれていき、そして友人以上の関係に…。そんな二人の関係を知ったチェブは、怒り狂って二人を殺そうとするが、その結果…。

“テルマ&ルイーズ”をしのぐ、新しいロードムービー!というコピーがついていたのだけど、テルマ&ルイーズに似ている要素はほとんどなくて、私が思い出したのは、『リトル・ミス・サンシャイン』と『リリィ はちみつ色の秘密』 など。『マルホランド・ドライブ』のローラ・ハリングがここでは思いきり虐げられる哀れな主婦の役。そんな彼女が隣人との出会いによって明るく前向きに変化していく様が痛快。コネタも好みで、ブラックユーモア炸裂でとても楽しいロードムービーでした。


一般公開されるコメディ映画って、あまり面白いと思えないものも多いのに、比べるとこういう同性愛者ものはブラックユーモア度の高いものが多いから、私好みの笑いにあふれていたりするのだよね。そして、ヒューマンドラマとしても定番のものよりも一捻りがあって、考えさせられるポイントや目新しい感動があったりもするの。というわけで、内容的にはかなり満足な楽しい映画祭でありました。びあーん。
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by CaeRu_noix | 2009-07-20 11:00 | CINEMAレヴュー | Trackback | Comments(2)
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Commented by Moe at 2009-07-22 02:49 x
毎年いい映画がかかるので、楽しみにしています。
今年は多忙で2本だけの鑑賞のせいか、ガツン!とくるものが
なかったのですが、これは観て良かったです。

ま、現実逃避的な夫スヴェンの浮気癖は直らないような気がしますが、
養父母(?)がどうあれ、パトリックの変化していくサマに
心もほっこりして、後味のよい映画でしたね。
Commented by CaeRu_noix at 2009-07-22 23:22
Moe さん♪
お久しぶりです。
コメントありがとうございますー。
今年ももちろん行かれたのですねー。
そうなんですよ。ホント、よい映画、面白い映画がたくさんの水準の高い映画祭ですよねー。
お、あと1本は何をご覧になったのでしょうー?
『パトリックは1.5歳』は手ごたえのある映画でしたよねー。
スヴェンはどうなんでしょうね。浮気性なのかしら。でも、ゴランがまた素晴らしくいい奴じゃないですか。ゲイにしておくのはもったいないほどに。あまり人格者とはいえないスヴェンだけど、ゴランのような素晴らしいパートナーはそうそうにいないということは身にしみていると思うので、パトリックに刺激を与えてもらいながら、うまくやっていくんじゃないかとも思えるのですけどねー。
幼児を養子にしたいという発想の場合は半ばエゴに過ぎないとも思えるのですが、パトリックの親代わりになるということは段違いで人間としての愛のある選択なんですよね。
そんなわけで感動せずにはいられないステキな映画でしたー。
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