かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『エル・カンタンテ』
2009年 08月 11日 |
描かれているその人以上に、熱いプエルトリカン魂をもつジェニロペ夫妻?

プエルトリコからやって来て、ニューヨークでサルサの黄金時代を築いたエクトル・ラボーの半生を描く。



ラテンな音楽ムービーははずせない。といいつつ、ジェニロペ・プロデュースで夫婦共演ものと知ると期待はあまり高まらず。だけど、期待もしなかったし、楽しみにもしていなかったとはいえ、あまりに観客数が少なめだったので心配になってしまった。年配のサルサ・ミュージックファン層?をターゲットにしていたのかもしれないけど、私からみると、そもそもジェニロペ主演作をシネスイッチ銀座上映にしたのが間違いだったように思えて。ヴァンサン・ルクールくん主演の『サルサ!』も確か、シネスイッチ銀座上映だったと思うのだけど、そんなサルサつながりもあったりするのかなぁ。あれはフランス映画なのに結構ヒットしていたよね?しかし、今やミニシアター冬の時代。音楽伝記ものも、アカデミー賞に絡んだりすると俄然注目を浴びるのだけど、そういう話題性もなく、描かれているアーティスト自身が今の日本でさほど有名でもなく、演じている俳優もそれほどに集客力がないっていうと、どうしたって観客数は限られてしまうようで。

じゃあ、そんなに注目されないことが悔しいほどに本作が素晴らしい映画であるかというと、確かにそういうわけでもないんだけどね。伝記ものとしては、いたって普通。今まで知らなかったエクトル・ラボーという伝説のサルサ・シンガーのことを知り得ることができたということに尽きる。その人が人格的にどうのというのは抜きにしても、『Ray』 や 『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』 なんかではもっとそのミュージシャンの人間性に魅力を感じ、その半生の物語に惹きこまれたはずなんだけど、本作鑑賞によって、エクトル・ラボーに対する好意や興味が増したとはいえず。夫婦のやり取りを傍観してしまった。結局のところ、伝説のサルサ・シンガーの物語でありながら、夫婦のドラマに重きを置いた構成になっていたことが功を奏したとは言い難い。妻ジェニロペ製作・出演ゆえにこうせざるを得なかったのかもしれないけど、妻の思い出として語られるというのではなく、ストレートにまるまるエクトル・ラボー主人公の音楽ムービーとして描ききった方がよかったんじゃないかな。この監督の『ピニェロ』はもっと魅力的な映画だったよね。

そんなわけで、ドラマ部分にはほとんど気持ちが入らず。いえ、決してジェニロペが嫌いなわけじゃないです。ソダーバーグの『アウト・オブ・サイト』はステキな映画だったもの。でもやっぱり、実の夫婦で夫婦役をやっちゃうのはよくないかもね。それが等身大のジェニロペ夫妻の姿に思えちゃうのだもの。ストローでクスリを吸っているシーンが映れば、話題ののりピーのことを思い出さずにはいられず、夫婦でクスリに溺れるのはいかんよねーって、思考が別のところに飛び移ってしまったり。とにかく、ドラマにはほとんどハマれず。だけど、ノリノリのサルサ・ミュージックが始まれば気持ちが高揚、ステージ・シーンは聴きごたえがあって、音楽映画の面目躍如。サルサというとダンスがイメージされるほどで、その音楽だけをじっくり聴く機会はあまりなかったんだけど、ちょっと懐かしさを感じる陽気さと哀愁の混じった心に響くラテン・ミュージックなのだ。マーク・アンソニーは俳優としては主演の風格があるタイプには思えなかったけど、シンガーとしては大いに聴かせてくれた感じ。プエルトリコの青空も素晴らしく。
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by CaeRu_noix | 2009-08-11 22:13 | CINEMAレヴュー | Trackback(1) | Comments(2)
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Tracked from LOVE Cinemas.. at 2009-08-12 00:24
タイトル : EL CANTANTE/エル・カンタンテ
プエルトリコ人のサルサ歌手、エクトル・ラボーの半生を描いた伝記映画。出演はラボーと同じくプエルトリコの血を引くジェニファーロペスとその夫で14週連続ビルボード誌のラテンチャート1位を記録したこともある現役サルサ歌手のマーク・アンソニー。監督はキューバ出身のレオン・イチャソ。エクトルは知らなくてもその歌は聴いたことがあるはずです。... more
Commented by acine at 2009-08-12 18:37
かえるさん こんにちは~!
私もこれ気になってたんですよね。予告を見た限りでは
かえるさんと同じく、いたって普通という感じが。
ジェニロペがラテンものだから張りきってる!という感じで。
どうも私の中でジェニロペはえせラテンという感じがするんですよね~(笑)。
都合のいい時だけ、ラテンイズムを押し出してるというか(笑)。
アメリカナイズされたラテンっぽくて、どうもわざとらしい感じがするんです~。
Commented by CaeRu_noix at 2009-08-12 23:29
acine さん♪
サルサ・ミュージックだけを楽しみにしていて、ドラマ部分には何の期待もしていなかったのですが、本当にいたって普通でしたわ・・・。
ミュージシャンはみんな酒とドラッグに溺れちゃうのねーって思うくらいで、エクトル・ラボーの生き様の特性をあまり掴めなかった感じなのでした。うーん。
ジェニロペは前面に出ない方がよかったんじゃないかと思えてなりません。
ホント、ハッキリ言って、ハリキリすぎ、でしゃばり過ぎでしたー。
ジェニロペは確かにえせラテンっぽいかも・・・。ラテンの魂を感じる女性では決してなくて、存在はとことんアメリカンですよねぇ。
決して嫌いじゃないんだけど、やっぱりあまりいいイメージはないかもー。
ごめんなさーい。
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