かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式』 Death at a Funeral
2009年 08月 12日 |
おくりびとには裏事情はわからないものだってこと。

イギリス郊外の一軒家。ハウエルズ家で行われる葬儀に参列するため、故人の親族や友人たちが続々と集まってきた。



お葬式にはドラマがいっぱい。その人の死で哀しみに包まれるばかりとは限らず、身内は金銭問題に悩まされたり、ただ葬儀を滞りなく終わらせることでまずは頭がいっぱいだったりする。案外とそこに真実があるかもしれないと思わせられる。おくりびとのベタベタな感動をひっくり返すような勢いで展開していく、ブラックさが小気味いいほどの愉快なコメディ。

お葬式が題材のコメディといったら、ブラックユーモアが散りばめられているともちろん予想はつくのだけど、イギリス舞台に即して、そのスタイルはまさに英国調コメディでシュールでブラックなネタのオンパレード。それでいて思った以上に、体を張ってのてんやわんや、ドタバタ模様もエスカレートしていき、クスクス笑いでは済まされないハジケっぷり。イギリス的なものがアメリカン風味で味付けされているのがほどよく楽しかったな。これ、ハリウッド・リメイクされるそうなのですが、そうなるとこのバランスは崩れてしまいそうだよね。

そんな感じで下ネタもバランスよく?下ネタ系ブラック・ユーモアというと、アジアン・コメディは排泄ネタが、ヨーロッパは性にまつわるものが中心という印象なんだけど、本作ではトイレ系もベッド系もあり。勢いで笑わせるドリフ系ノリから、大人系の不謹慎ネタまで盛り込み。性や死を笑いにすることそのものもブラックなのに加え、厄介者の存在を隠避しようとしちゃう人間の心理がまたブラックブラック。闖入者を死に至らしめた罪より何より、面倒はとにかく避けたいと思う人々の姿が何だかリアルで、そういった不謹慎さがドタバタの中でサラリと笑いに昇華しているところが何とも面白い。ピーターさん起用からして潔いもの。

マシュー・マクファディンって、もっと青年風なイメージの人だったんだけど、ここでは思いきり中年の悲哀と疲労を滲ませるおとっつぁん風情。でも、そんなウダウダキャラがハマっている。俳優たちはそれぞれにウマく、キャラクターの味わいを大いに表現してくれたよね。私は、クリス・マーシャルにやけに惹かれましたね。そして、ラリった演技が素晴らしかったサイモン役のアラン・テュディックの目つきも忘れがたいな。窓から屋根に向かった開放的なサイモンのキテレツ行動と、奥の部屋でこっそり秘密と事件の対処にあたふたする兄弟たちの密室場面が交互に展開するのがとてもいいリズムになっていた。かなりふざけたお話なのに、まとまりのよさも感じられるほどに痛快。
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by CaeRu_noix | 2009-08-12 12:00 | CINEMAレヴュー | Trackback(5) | Comments(4)
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Commented by KLY at 2009-08-12 14:38 x
いや面白かったですよねぇ。確かにイギリスのちょっと格式ばった儀式的な部分とのギャップで笑わせる部分が多くて、その部分伊丹監督の「お葬式」とも通じるところがあると思うんですよね。日本もイギリスも儀式大好きですから。アメリカ的な厳粛ではあるけども格式ばった雰囲気を持たない中で、アメリカンテイストなネタをふると、きっとアメリカ~ンなコメディになってしまいそうです。それはそれで面白いのかもしれませんけどね。^^;
Commented by とんきち at 2009-08-12 19:11 x
うふふ、だーいすきなんですよ、この映画。
中流のあんまぱっとしない家族のぱっとしないお葬式で冷静に考えればあるはずないことが、何気にありそうな感じでどんどん出てくる、テンポもまとめ具合もよかったです。
そもそも冒頭の車のルートをつーっと追いかけといて、お棺を開けて「あれっ?」からもうぐっと惹き付けられて。ラリってる娘のフィアンセがうちのほうでは大人気でした。
全体のらーくらーという感じが良かったんですが、アメリカンにしたら、どうなるのでしょうねえ。
Commented by CaeRu_noix at 2009-08-12 23:19
KLY さん♪
楽しかったですねー。
もうちょっとユルめ脱力系を予想していたのですが、意外とサクサクテンポよく、ビジュアル的にわかりやすい笑いもふんだんでしたよねー。
笑っちゃいけない場だからこそより可笑しい。『お葬式』に通じるものがありますよね。で、同じような部分に笑いを生んだとしても、仏教式とキリスト教式の葬儀の違いがあるから、ネタのパターンは違うものになりうるのでしょうね。日本だと、正座してお経をきいたり、お焼香したり、笑いの元になりそうなネタがあふれていますけど、逆に故人が実は○○っていうネタは英国ならではですよね。日本じゃせいぜい普通に愛人がいたことが発覚する程度。お国柄で不謹慎さのポイントが変わってくるのが興味深いかも。アメリカ版はどういう設定、ノリになるのでしょう~?
Commented by CaeRu_noix at 2009-08-12 23:30
とんきち さん♪
おお、そうなんですかー。
こちらではわりとマイナーな扱いの単館ものなんですが、そちらでは多くの方がご覧になったのでしょうかね。
もちろん、こーんなことは現実にはそうそうにはないだろうと思いつつ、あり得るかもしれないお話だから笑えるんですよねー。
そうそう、思った以上にテンポがよくて、ソツのない編集がされていた気がします。
英国コメディだと、理屈っぽく台詞で笑わせるというパターンも多いと思うのだけど、棺桶ショットや屋根ショットなど、映画ならではのワンショットでどかーんな笑いをちゃんとおさえていて上手いなぁと。
ラリってる娘のフィアンセは、日本でもたぶん人気で??私の鑑賞時にも一番会場の笑いをとっていた気がしますー。
彼は、「3:10 TO YUMA」にも出てましたねー。
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