かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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第6回ラテン・ビート映画祭2009
2009年 09月 23日 |
第6回ラテン・ビート映画祭へ行ってきました。



最近は、スペイン・ラテンアメリカ映画祭だったんだけど、今年はやっぱりラテン・ビートー
会場はバルト9に落ち着いた感じ?
バルト9はイスもコンフォタブルでスクリーンも大きく音響もダイナミックでいいんですけど、エレベーターが混み過ぎでたどり着くのがたいへーん。
休日の新宿のシネコンの賑わいぶりにビックリ。
豆乳入りラテはまずーい。

今年は7本鑑賞。
わりと親切なプログラム組みだったかと思うけど、観られないものは観られないー。

--鑑賞メモ--

『命を燃やして』 ARRA'NCAME LA VIDA  2008
 監督:ロベルト・スネイデル /メキシコ  サイト
 出演:アナ・クラウディア・タランコン(『アマロ神父の罪』)、ダニエル・ヒメネス・カチョ、ホセ・マリア・デ・タビラ
 アカデミー賞・外国語映画賞メキシコ代表作品
1932年メキシコ、プエブラ。剛腕アンドレス・アセンシオ将軍に見染められた少女カタリナは、無垢なまま16歳で嫁ぐ。革命の混乱が続く中、政治家に転身したアンドレスは州知事にのし上がるが、夫の背後に暴力と陰謀を垣間見るカタリナは、もはやチョコレートに目を輝かせるだけの少女ではいられなくなった。圧倒的な男性優位社会と独裁的で身勝手な夫を前に、己の非力さに絶望しつつも賢く自立した女性へと成長したカタリナは、真の愛に目覚め、自由と解放を渇望するようになる。メキシコ映画史上最高製作費を投じた、壮大な愛と裏切りの物語!

大河ロマン的に見ごたえのある大統領夫人にもなった女の半生の物語。辛く理不尽なことも多いのだけど、何とか乗り越えてたくましく生きていくカタリナ。圧倒的な男性優位社会かぁ。『アマロ神父の罪』の彼女が、こんなにへこたれない女に成長したなんて感無量。深刻なんだけど、それを達観した寛容さも感じられるので、痛々しさはなく。興味深く、胸を打つドラマでありました。撮り方や構成もしっかりエクセレントな印象。


『カミーノ』 CAMINO 2008
 監督:ハビエル・フェセル / スペイン サイト
 出演:ネレア・カマチョ、カルメン・エリアス、マリアノ・ベナンシオ
 2009年ゴヤ賞監督賞、作品賞、脚本賞、主演女優賞、新人女優賞、助演男優賞受賞
初恋に心弾ませる11歳の少女カミーノを襲った突然の病。オプス・デイの敬虔な信者である両親は神と医師にすがりつくが、数回に渡る手術もキリストも彼女を救えない。刻々と悪化する病状、あくまでも厳しく教えを実践し続ける母、弱音も吐かせてもらえないカミーノを見て、次第に教義に疑問を抱き始めるも何もできない父。幻想と現実、少女らしい想いと教えの間を生きたカミーノが最後に見た幸せな夢に現れるのは、果たして神なのか。ゴヤ賞6部門制覇の感動巨編は、実話を基に人の命と神、死と幸福の解釈を真正面から問いただした衝撃の話題作!

ファンタジーな浮遊があるところは好みなんだけど、ベースが難病ものなのが可哀想過ぎて困りもの。もっとほのぼの温かめで感情に訴えるタイプかと思いきや、信仰の背中合わせの良し悪しについて理性的に考えちゃいました。いえ、救いもあるのも事実だけど、オプス・デイのように厳格すぎるものはやっぱり恐ろしいですね・・。エネルギーは増えるのではなく、変化するものなのだ。


『フィッシュチャイルド - ある湖の伝説 - 』 EL NIN~O PEZ 2009
 監督:ルシア・プエンソ /アルゼンチン・仏・スペイン サイト
 出演:イネス・エフロン(『XXY』)、マリエラ・ビタレ(エンメ)、ディエゴ・ベラスケス
 ベルリン国際映画祭正式出品、マラガ映画祭審査員特別賞、撮影賞受賞
ブエノスアイレスの高級住宅地に住むララと、その邸宅で働くパラグアイ人メイドのアイリン。生まれも育ちも異なる少女達は秘かに愛し合い、アイリンの故郷にあるイポア湖畔に住むことを夢見て出発の日を指折り数えていた。しかし、現実はある日残酷に舵を切った。一人パラグアイへと向かったララは、イポア湖畔に秘められたアイリンの謎めいた過去を知ることになり・・・。同性愛、近親相姦、格差社会、尊属殺人、児童買春。重いテーマが複雑に絡み合う本作は、前作『XXY』で国際的に高い評価を得た監督が23歳で書き下ろした小説の待望の映画化だ。

この監督の前作同様にシビアにシリアスに重々しいものでした。アルゼンチン映画って、みんなこういう感じなんだろうか?見ごたえがあるのだけど、あまりにも重めな問題エピソードがいっぱいで、そんなに盛り込まなくても・・・と思ってしまった部分もあり。でも、それが現実に蔓延る問題でもあったりするそうなので、すみません。


『檻の中』 LEONERA 2008 
 監督:パブロ・トラペロ /アルゼンチン・韓国・ブラジル サイト
 出演:マルティナ・グスマン、ロドリゴ・サントロ、ラウラ・ガルシア
 カンヌ国際映画祭コンペテンション部門正式出品
ブエノスアイレス。フリアがある朝目覚めると、血まみれの男が2人床に転がっていた。1人は死亡、1人は重症。事件の記憶を失くしたまま逮捕されたフリアのお腹には小さな命が宿っていた。妊婦や幼児を抱える女囚特別房に収監され、刑務所生活と妊娠に嫌悪感を示すフリアだったが、その母性は時と共に姿を変えてゆく。檻の中での子育てが始まり、次第に“母親”になっていくフリアと、彼女を支える杖となっていく息子のトマス。しかし厳しい現実は二人を引き離すことに。母と子が共にいられること。それだけを求めてフリアが選んだ最後の手段とは。

これも重め暗めであることはタイトルとシノプシスで一目瞭然だったのだけど、最初から血まみれだったり、不遇の服役だったり、思った以上に酷な状況で・・・。アルゼンチン映画って、みんなこういう感じなんだろうか?いつも思うけど、南米の刑務所は私服だったり、同席の面会ができたりする自由さがあるのが興味深かったり。ロドリゴ・サントロが出ていて嬉しかったけど、ヒドい男なんだもの。


『サンティアゴの光』 LA BUENA VIDA / THE GOOD LIFE 2008
 監督:アンドレス・ウッド(『マチュカ』) /チリ・アルゼンチン・スペイン・仏 サイト
 出演:ロベルト・ファリアス、アリネ・クッペンヘイム、アルフレッド・カストロ
 2009年ゴヤ賞最優秀スペイン語外国映画賞受賞
チリの首都サンティアゴ。亡き父の墓を確保するため奔走するエドムンド、離婚した夫への複雑な想いを引きずるテレサ、望む仕事が得られないクラリネット奏者のマリオ、女手一つで幼い子を育てる病身のパトリシア。幸せを求めて懸命に生きる4人の人生が都会の喧騒の中、街角で、路上で、バスで気付かぬうちに交差する。誰もがどうしようもなく不器用で、足りない物が沢山ある上、毎日何かを失っていく。それでも淡々とした日常の中で大事なことに気づく瞬間があるから、きっと生きている。チリ傑作映画『マチュカ』の監督が現代を鋭く切り取った群像劇。

それぞれの悩みを持ちながら暮らす人たちの群像劇というのは好みだったのだけど、それほどの感銘もなく終わってしまったかな。現代の都市が舞台のチリ映画は初めて観ると思うので、その生活環境などについての興味深さはあったのだけど、誰かに強く感情移入することもない感じで。


『壊れた神々』 LOS DIOSES ROTOS 2008
 監督:エルネスト・ダラナス /キューバ サイト
 出演:シルビア・アギラ、カルロス・エベル・フォンセカ、アニア・ブ・マウレ
 新ラテンアメリカ国際映画祭・観客賞、映画文化批評賞受賞、2008年度キューバ映画最優秀作品賞受賞
大学教授のラウラは、20世紀初頭ハバナに実在した伝説的売春斡旋業者、アルベルト・ヤリーニの研究を進めるうち、サン・イシドロ地区の娼婦を束ねる現在の親玉ロセンドに行き当たる。調査に現われたラウラを追い払うため、ロセンドは手下のアルベルトを使おうとするが、彼らの間にもまた、出所したての元娼婦サンドラを巡る三角関係があった・・・。ヤリーニ伝説とサン・イシドロ地区の現状を縦糸に、サンドラとアルベルトの情熱的な愛を横糸に、現代ハバナの複雑なモザイクを織り込んだ本作は、知られざるキューバの素顔を覗かせてくれる必見の力作だ!

今回観た中では一番、テンポのいい遊びのきいた編集が見え、そのスタイリッシュ感が気に入りました。キューバの街、サン・イシドロ地区の路地の映し方もよい感じで、画的に魅入る箇所も多く。これまたへヴィーな題材ではあるのだけど、ちょっとしたトーンの違いで、娯楽性を味わうことができた感じ。

『イブクロ / ある美食物語』 ESTO^MAGO 2007
 監督:マルコス・ジョルジ /ブラジル・イタリア  サイト
 出演:ジョアウ・ミゲル、ファビウラ・ナシメント、バブ・サンタナ
 リオ映画祭作品賞、監督賞、主演男優賞、審査員特別賞受賞、2008年ロッテルダム国際映画祭ライオン賞、2008年プンタ・デル・エステ映画祭2冠達成(最優秀作品賞・主演男優賞)、2008年ビアリッツ国際映画祭・特別審査員賞
大都会に流れついた貧乏人のノナトは、無銭飲食の代償として小さな食堂で下働きをする羽目になる。しかし料理の仕方を習ううち天賦の才能が開花!人生は一変する。有名店に引き抜かれたノナトは、食べっぷりのいい娼婦イリアに一途な想いを募らせながら、愛に仕事にと情熱を傾けるが・・・その先に待っていたのはなんと監獄だった。人の心ならず胃袋を掴み、シャバでも監獄でも料理の才能を武器に生きる場所を手に入れるノナトを巡る悲喜劇は、愛と美食の共通点と、果てなき欲望の罪深さを教えてくれる。世界で喝采を浴びたブラックコメディー!

コックの時代と刑務所生活が交互に映し出されるというプロットで、彼に何が起こったのかという興味が持続しつつ、とにかく次々に登場する美味しそうな食べ物にワクワクするばかり。料理映画は楽しいなぁって。本当に人間は、美味しいものさえ食べることができれば幸せになれるものかも。ローズマリーと黒コショウがあればいいのね。ゴルゴンゾーラ。こちらも殺人事件だのがあったりするんだけど、重苦しさはなくてエンタメ度高し。


今年は、コレ!といったスペシャルなお気に入り作品には出逢えなかったかも。
明るい青春映画が必要なのかもしれません。
あと、いつも必ず1本は観るフラメンコもの又は音楽ものがなかったので、エンタメな歓びを思いきり味わうこともなかったのですよね。

『クアホ、逆手のトリック』も観たかった。

今回観た中で面白かったものを3本挙げるとすると、『イブクロ / ある美食物語』、『壊れた神々』、『命を燃やして』 かな。

ゴヤ賞ということで期待していた『カミーノ』は思ったほどでもなかったし。
例によって、重めのドラマが多かったので、連続鑑賞する中では、ユーモアを感じられるものの方に好感をもってしまうのでした。
去年の『トニー・マネロ』のように辛辣ゆえに、手ごたえを感じるものもあるのだけど。

というところでー。ぐらっしあす。あでぃおす。
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by CaeRu_noix | 2009-09-23 23:59 | CINEMAレヴュー | Trackback | Comments(4)
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Commented by Nyaggy at 2009-09-24 13:29 x
かえるさん、こんにちは。
おつかれさまです~。
ラインナップを見ると、確かに続けて観るのは少々キツそうなのが多いですね…。
個人的には、メキシコの『命を燃やして』が観たいです。
アカデミー外国語映画賞のメキシコ候補作らしいので、そこで健闘してくれれば
日本でも一般公開されないかなぁ…と淡~く期待してます(笑)
名古屋でも、10月末から「キューバ映画祭2009」の一部が上映される
らしいので、とりあえずは、そちらが楽しみです♪
Commented by Minita at 2009-09-24 23:33 x
かえるさん、こんばんは~!ラテンビートおつかれさまでした♪
いや~、確かに後味ずっしりくる映画が多かったですね。
私も9本鑑賞しましたが、ちょっと疲れました(苦笑)
音楽と踊りが楽しめる映画がなかったのは、残念です・・・・。
昨年はサウラ監督の映画が素敵でしたもんね。

「イブクロ」面白かったのですね~。観たかったです!!
観る予定でしたが、私、映画館についたとたん
チケット諸々はいった財布を忘れたことに気づき、結局みられず、サザエさん状態・・・。
というわけで私は3本あげるとしたら「カミーノ」「クアホ」「檻の中」が好きでした。
記事を書いたら、またTBいたしますね~!!

Commented by CaeRu_noix at 2009-09-25 02:04
Nyaggy さん♪
ありがとうございますー。
そう、ラテンアメリカは陽気なイメージなのと裏腹に、映画祭の上映作は、概してヘヴィーでシリアスなものがいつも多いんですよね。
重い映画も普段は好きなのだけど、こうやって連続鑑賞すると、何だか、息苦しくなっちゃうのでした。
で、遊びのきいたやや軽やかな映画の方に惹かれてしまいがち。
人が死なない、血の流れないものは1本もなかったような気がしますー。

『命を燃やして』はさすがに、映画の作りとしてもちゃんとしていたし、面白かったですよー。
社会的な背景を描きつつも女性主人公の大河ろまーんな感じなので、配給したら、ちゃんといい評判を得られそうに思うのですけどね。
ラテンの女優さんのチャーミングさは格別ー。

おお、「キューバ映画祭2009」、そちらでも開催されるのですかー。
過去の秀作を含め、なかなかの魅力的なラインナップですよねー。
「ブラジル映画祭」もあるのだった。
Commented by CaeRu_noix at 2009-09-25 02:32
Minita さん♪
お疲れ様でしたー。
9本鑑賞、素晴らしいー。
バルト9のイスでもさすがに連続鑑賞は疲れますよねー。
そうなの。音楽とダンスな映画はラテンビートの魅力なのに、今回は該当するものがなくて寂しかったですー。
文化は違うけど、強いて言えば、クアホは音楽ものだったのかしら?
去年のサウラのは素晴らしく心地よかったですよねー。

『イブクロ』はとにかく美味しそうなものがいっぱい出てきて、 Minita さんの心も踊ることウケアイって感じでしたよー。
あらあら、それは大変でしたね。悔しいアクシデント・・・
せっかくのパスポートがちょっと無駄になっちゃいましたね。
おまけに、お財布も忘れてしまったなんて身動きとれませんもんね。
財布を忘れたら、愉快じゃないよ、サザエさーん。

「カミーノ」もよかったですよねー。ゴヤ賞だもの。
ああ、やはり、「クアホ」も観たかった・・・。
では、Minita さんの個別感想を楽しみにしていまーす。
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