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『リミッツ・オブ・コントロール』 The Limits of Control
2009年 09月 24日 |
物語なんていらないんだよ。想像力さえあれば。芸術があれば、哲学があれば。問答無用。というか永遠に問答を続けるってこと。SUSPICION!



『ブロークン・フラワーズ』 はさほどお気に入り度が高くなかったんだけど、それは他の誰もが題材にしそうな物語の色が濃かったからなのかもしれない。ジム・ジャームッシュには、ジム・ジャームッシュにしか撮れない映画を撮ってほしいってことなんだよね。シンプルでミニマムな方がいい。音楽のような映画を、絵画のような映画を撮ってくれればいい。そんなわけで、このたびのジャームッシュならではの仕事ぶりには嬉しくなっちゃったね。中心も端もない宇宙の中にポッカリと浮かぶ私たちの世界は案外とステキだ。

ジム・ジャームッシュは言うなれば、映画の仙人のようだ。巨匠っていうんじゃないもの。導師と呼ぼう。そう感じるのは、寡黙なLone Man がホテルの部屋で一人ゆったりと太極拳みたいな運動をする姿が印象的だったからというだけではなくて。道教的宇宙観というか何というか、そういうのは本当はよくわからないけれど、東洋思想チックなものが漂っているのだよね。そうそう、Moleculesは「スーフィー」の話もしていたし。回る、回る。感性で受け止める映画のようでいて、何だか左脳も休むことなく。

舞台がスペインで、撮影がクリストファー・ドイルで、これだけの豪華キャストだなんて素晴らしすぎる。有名な観光名所なんて登場しないところがクール。それなのに、何気ない路地といい、車窓に映る大地といい、そこに映し出されたスペインすべてが絵になっていて、ドイルのカメラに魅せられるばかり。コードネームで呼ばれる者たちは装いもカッコよく、完璧すぎる存在感。映画はこうでなくちゃ。多くを語らず謎めいてくれる方がいい。久しぶりにティルダ・スウィントンの正しい使い方をしている映画に出逢ったな。Nudeちゃんのぽってりとした唇もとてつもなく魅力的。ジーンズのガエルくんもチャーミングさ。

会話の少ない分、限られた台詞が深く心に響いてくるの。大体、ブロンドの映画観にはいたく感激しちゃうよね。最高の映画とは見なかった夢のこと、とか何とかいう言葉に同感なのだ。ジャームッシュはそんな映画の作り手なんだよなって思う。彼らの映画バナシをもっと聞いていたかった。福岡氏の「動的平衡」のことを思い出しつつ、工藤さんが語る分子の話も好きだったな。スペインを旅しながら、宇宙と分子に思いを馳せる感覚がね。そして、楽器の話も大好き。木製の楽器は、分子が共振するんだって。哲学も科学も芸術も共振するのだ。ハーモニーの中を漂う私たち。

私もマドリーのソフィア王妃芸術センターに行ったよーって、AVEに乗って南下して、アンダルシアを目指したよーって、スペインの旅路にもワクワク。スペインにはエグザイルがよく似合う。そして、愛より強い旅。セビージャのシークエンスにはそれはもうしびれちゃった。ここは、ジプシーが流浪の旅の果てに辿り着いたイベリア。常にストイックで任務のためにまっしぐらなLone Manが閉店時のタブラオに引き寄せられ、哀愁のフラメンコの調べに釘づけになってしまうなんて。木製の楽器はいいよね、そう、フラメンコ・ギターなんて最高。2杯のエスプレッソだけを飲み続けた男が、そっとテーブルにビールを差し出される。

夢の世界のような連なりの先、「自分こそ偉大だと思う男を墓場に送れ」という指令の標的がこういう人物像だった現実感にも好感。ハードボイルドが下敷きだからって、ギャングな悪党が的なのではなくて。何らかの地位、富、権力を持ち、全ては自分がコントロールできると思っているネクタイをきっちりしめた人を墓場に送る必要があったのだ。コントロールには限界がきっとある。想像力はそれに囚われることはなく。No Limits No Control. アンダルシアへ、宇宙へ。漂流は続く。
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by CaeRu_noix | 2009-09-24 23:59 | CINEMAレヴュー | Trackback(16) | Comments(25)
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タイトル : リミッツ・オブ・コントロール
 「リミッツ・オブ・コントロール」を吉祥寺バウスシアターで見ました。  この映画の監督であるジム・ジャームッシュの作品について、初期の「ストレンジャー・ザン・パラダイス」を見ていいなと思い、その後も「ブロークン・フラワーズ」とか「コーヒー&シガレッツ」を見たりしていましたので、この映画もぜひ見てみたいものだと思っていました。  この映画のストーリーはすこぶる単純で、殺し屋の主人公が、スペインに飛んで依頼通りに人を殺すというだけのものです。そればかりか、殺される人物がいる場所にまで主人公の辿り着く過...... more
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タイトル : リミッツ・オブ・コントロール
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Commented by とらねこ at 2009-09-26 16:46 x
うーん、さすがかえるさん、素敵なセンス~!
自分はこんなに書けなかったです・・書いたんならサッサトアップシロヨって,,,
コードネーム・ブロンドが、映画について語るところ、私も好きでしたー♪
ゲージュツがケイザイモンスターを殺すなんて素敵だわん。
みんなの力を少しづつ借りると、共鳴し合うような気がしましたヨ。
上からコーヒーカップを撮ると、ついつい『コーヒー&シガレッツ』を思い出しちゃいました。
コーヒーを向かいに座った相手が、勝手に好きなことをしゃべるのを、聞いているのって素敵。
Commented by mezzotint at 2009-09-26 20:10 x
かえるさん
今晩は☆彡お久しぶりです!
おぉ~ご覧になったんだ~~!こちらでは11月公開です。
予告編はちらっと観ましたです。私も楽しみです。
Commented by CaeRu_noix at 2009-09-27 10:21
とらねこさん♪
サッサトアップシロヨ~(笑)
全ての人物がよかったですけど、とりわけブロンドの映画的存在感の魅力的なことといったらなかったですよねー。
イデタチのカッコよさもさることながら、含蓄のある言葉がそれはもうステキでしたよねー。
映画の女神様って感じ。ミューズでシャーマン。
インタビュー記事によりますと、ジャームッシュはブロンドの台詞を考える際、ティルダが書いた「映画とは何か?」というエッセイからアイデアをもらったそうです。
彼女の8歳の息子が「映画ができる前の人々の夢はどんなものだったんだろう?」と問いかけたなんてエピソードなど。
エスプレッソ二つオーダーもイザックが実際にやったことだそうで。
全てを勝手に創作しているわけでもなく、現実世界のきらめきが取り込まれているから、突飛なのに胸をうつものになるのかなぁって。
いくつかの過去作品を思い出しちゃう場面もあって、それもまた楽しかったですよねー。
工藤さんのシークエンスはトレイン内なのも嬉しく。
スペインに行った時はついつい、バルでアルコールってパターンでしたが、オープンカフェでエスプレッソもいいなぁって。
Commented by CaeRu_noix at 2009-09-27 10:26
mezzotint さん♪
11月公開ですかー。楽しみですねー
日本人女優工藤さんが出演しているからか、この手の映画にしては日本公開が早かった気もしますー。
さて、mezzotint さんは気に入りますでしょうか??
例えば、『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』なんかをわけわからん!って思っちゃう人は、コレもつまらんって思っちゃうんじゃないかなという気もしますが、11月の感想を楽しみにしています。
感性を研ぎ澄ませて挑んでくださーい。
Commented by にいな at 2009-09-27 19:53 x
直接的には『ゴーストドッグ』と、『コーヒー&シガレッツ』を思い出しましたが、いやはやまったく新しい彼の世界を楽しむことができました。
おっしゃるとおり、忘れられない言葉がいくつも出てきましたね。極めつけはガエル君の乗っていたトラックの後ろに書かれていた言葉です。
“La vida no vale nada”・・・人生なんて生きる価値はない
行き着くところはここなんでしょうか。
美術館で見る絵も印象的でした(風景画は『マルメロの陽光』の画家、アントニオ・ロペス=ガルシア。最後の絵はタピエス)。

>永遠に問答を続けるってこと。SUSPICION!
我々にいろんなヒントを与えてくれながら導いてくれるのは、こんな世にあってもいろんな夢をみながらやっていこうよ~ということなんでしょうか。とても面白かったです。
Commented by 丞相 at 2009-09-27 21:57 x
こんばんは。TB&コメントありがとうございました。
私は『ブロークン・フラワーズ』も楽しめたので、
『リミッツ~』もはじめはその流れで見ていたのですが、
あまりのぶっ飛びように驚いてしまいました。
セリフを極力そぎ落とした、これぞミニマリズムの極致という
作品でしたね。昨今のわかりやすい映画に慣れた脳みそには
格好のカンフル剤になるかと思いきや、「否」の意見のほうが
多いのが残念なところです。
私は絵画に詳しくないのですが、『リミッツ~』は、
ピカソなどの「キュビズム(立体派)」とも関連があるのでしょうか。
映画の抽象的なテイストは、キュビズムにもつながっているように
思えます。
とにかく、『リミッツ~』は、「わからない」「つまらない」で切り捨てるには、
あまりにももったいない作品でしょうね。
Commented by CaeRu_noix at 2009-09-28 01:25
にいな さん♪
ご覧になりましたかー。
この孤独な男は、『ゴースト・ドッグ』の武士道を愛する殺し屋に通じるものもありましたよね。
でも、そう、今までになかったタイプといえるかもしれませんね。
だけど、というか、それゆえに、集大成っていう感じもしちゃったり。

そうそう、ガエルくんのトラックの言葉にもグッときましたわ。
スペイン語で書いていただけて感謝。そうかー。
「La vida no vale nada」っていうタイトルのメキシコ映画もあるみたいですね。
価値なんてないし、そもそも価値のあるなしをはかるものでもないんでしょうね。

映画に出てくる美術館のシーンっていいですよねぇ。
マドリードのあの美術館はスペイン旅行の時に行ったので嬉しかったです。
といっても、記憶にあるのはピカソや何やらで登場した絵画は誰のものなのかはわからなかったです。
そんなわけで、教えていただきありがとうございます。
『マルメロの陽光』の画家のものなんですかー。それはステキ。

答えなんてないのだけど、それを追求するように、芸術と出会い、文学と出会い、人と出会い・・・と、探求の旅を続けていこうって感じで。
にいなさんも気に入られて嬉しいっす。
Commented by CaeRu_noix at 2009-09-28 02:04
丞相 さん♪
こちらこそありがとうございます。
そうですね。最初は普通に、物語的なものが展開するのかなぁと思っていました。
でも、すぐに、ずっとこの調子でいきそうだなぁと察知。
ドイルのカメラと被写体が素晴らしいので、何かが始まらなくても退屈はしないんですよね。
終わってみたら、ホントにミニマリズムが極められていたって感じで。

某タルベーラ新作のサイトのコメントにあった『選挙』『精神』の想田監督の言葉「離乳食みたいな映画ばかり観て喜んでいる現代人に対する挑戦状だ」っていうのが本作にもいえるかもしれませんー。
あと私は、ある部分では、松本『しんぼる』もジャームッシュのこれも似たようなことをやっているように思えたのでした。
あちらもまた平均点は低いみたいですね。物語輪郭がないから。
わからなさがあるからこそ魅力も増すというのものなのに、ホント、わかりやすい物語を常に求める人が多いようで・・・。
「常に」求めなくても・・・って思います。

キュビズムの絵画の手法と映画の作り、物事の見方も重なりますねー。
そうやって、いくらでもいろいろな見方ができそうで味わい深いですよね。
Commented by Nyaggy at 2009-09-28 13:32 x
かえるさん、こんにちは。
見てきましたー、初ジャームッシュ。
なんかもう、衝撃的でした…!
かえるさんのシビれるようなレビューを読んでたら、またふつふつと感動が
よみがえってきて、今すぐまた見返したくなりました~。
本当に、音楽のような、絵画のような映画ですね。
映画の仙人って、なんだかステキだわ。
王立ソフィアは私もお気に入りですー。
時間がなくて、ピカソのゲルニカくらいしか覚えてないのですが。
これを見て、また無性に行きたくなっちゃいました。
Commented by ぺろんぱ at 2009-09-28 19:32 x
かえるさん、こんばんは。

ビル・マーレイがどんな役なのか楽しみでしたが、最後に「納得!」のキャスティングだと感じました。
巷の「わかりにくい」っていう不評なんて吹き飛ばしちゃおう!って思えた、自分にとっては「いいじゃん!」な一作でした。
最後の最後に意外と明快なメッセージもくれたし。

>2杯のエスプレッソだけを飲み続けた男が、そっとテーブルにビールを

そういうところをちゃんと掬い上げて差し出して下さるかえるさん、やっぱり凄いです。



Commented by CaeRu_noix at 2009-09-29 00:44
Nyaggy さん♪
初がコレというのは難関そうな気もしつつ、その方が先入観がなくてよかったかもしれませんねー。
確かに、もう一回観たいという思いにかられますね。
ジャームッシュの映画はそういう魅力があるものが多いですー。
小説みたいな構造を映画にも求めちゃうむきが多い中、こういう表現の仕方ができちゃうってカッコいいですよねー。
どこかでは必ず、監督の独りよがりなんて言われちゃうのですが・。
仙人役を具現化するなら、トム・ウェイツにやってほしいですー。
王立ソフィアはそうそう、ゲルニカの印象があまりにも鮮烈で他のはあんまり憶えてないんですよね。
ダリとかミロとかも好きなので、全般的に好みの美術館だったのは確かでしたけど。
私もスペインに行って、セビージャのタブラオにフラッと立ち寄りたくなりましたよー。
Commented by CaeRu_noix at 2009-09-29 00:44
ぺろんぱ さん♪
カウリスマキネタなんかもありましたよね。
ポスターは各キャストが並列的に映っていたので、てっきりビル・マーレイもそのうち、「スペイン語は話せないのか?」って問いかけてくるのかなと思っていたのですよ。
そうしたら、ニヤリな役どころでしたよねー。
「わかる」「わからない」ということに重きをおかれることこそがわからないって感じで。
魅力を感じるか、感じないかっていう方がポイント。
欄外の特別ヒントみたいに、お告げのように、明確なメッセージもありましたねぇ。

フラメンコのシークエンスはホントによかったんですもん。
開店中じゃなくて、営業前の練習中っていう設定が最高。
だからか、彼もオフモードになるんですよね。
異国の音楽に魅せられ、それを受け入れるお店の人たちの心意気がいいですよね。
そして、ビール。大感激ですよねぇ
Commented by マサル at 2009-10-01 21:50 x
かえるさん、はじめまして。某所からリンクをたどってやってきました。

この作品、恥ずかしながら劇場では全く良さが理解できませんでした。もう眠くて眠くて..。

しかし、いろいろなブログ記事を拝見したり、自分のブログでのコメントのやりとりをするうちに、その理由が何となく分かってきた気がします。それは、「分かりやすく伝えようすると、伝えたいものが失われてしまう」が故の「分かりづらさ、伝わりづらさ」なのだろう、と。より具体的には、「非合理性が合理性に勝ることがある」ことを、合理性を用いて説明はできないということでしょうか。
Commented by マサル at 2009-10-01 21:51 x
「観察者による干渉」という概念がありますが、それと似た概念として「表現者による干渉」というものがあるのだろうと思います。伝えたいしそのために表現もしたい、しかし表現した瞬間に(その行為によって)失われてしまうものがある、そんなジレンマとこの映画の監督(これまた恥ずかしながら初観賞でした)は闘っているのかも...などと思ってしまいました。そして、例えば私のような「度し難い」連中に苛立っているのかも...とも。
Commented by マサル at 2009-10-01 21:51 x
とまぁ、こういう理屈を考えているようではこの映画を「観る力」という意味では失格で、ホントは映像から「感じる」ことが出来なきゃダメなんだとも思っています。(←とかいってる時点で「感じる」姿勢になってないのですが)しかし、生まれてこのかた美術館に「退屈」以外を感じたことのないような私には、得がたい能力なのかも...。orz

長文の連投、大変失礼いたしました。m(__)m
Commented by CaeRu_noix at 2009-10-02 01:21
マサル さん♪
はじめまして。ようこそ、いらっしゃいませ。
全くいいと思わなかった映画に対して、それでも向き合おう、追究しようという姿勢がすばらしいですねー。
(そういう真摯さをもった方は少ないと感じる今日この頃ゆえ。)
映画が気に入るかどうかは、好みの問題、人それぞれの感性/感受性の差異によるものだと思いつつ、そうやって、なぜ自分には合わなかったのか、どこがダメだったのかを突き詰めていくのも面白いですよね。

考察を進めるにあたって「伝える」にポイントが置かれているのがまず興味深いです。
私はですね、ジャームッシュに「伝えたいこと」「伝えようとしていること」があるとはちいとも思っていなかったんですよ。
私の場合は、戦争映画や社会派作品に関しては、作り手が世の中に伝えたいこと・訴えたいテーマがあることが響いてくるものなのですが、それ以外のジャンルのものは、あまりそういう観点を持たずに映画と向き合っているかもしれません。
と、最初から、ズレがあるので、「表現者による干渉」というのも、わからなくはないけど、ピンとこない感じかもしれません。
Commented by CaeRu_noix at 2009-10-02 01:27
もちろん、観客のウケ(理解とか娯楽とか)と自身の本当にしたい表現手法の妥協点を探り、葛藤しながら映画を作っている作り手のたくさんいるのでしょうから、ジレンマのことはイメージできます。でも、この手の作家性の強い映画監督たちに限っては、表現しようという情熱はあっても、そもそも「伝える」に起点はない気がするので。
というわけで、自分にとって映画とは何ぞや、映画に求めるもの、等にまず差異があるのかもしれません。
マサルさんのような見方をする上では、その分析は大いに納得です。
私のようなタイプには、いやー、もうもう、理屈じゃないんすよーの一点なんですけどね。

そうなんですよ。映画は感じるものだと思っています。ただ受け止めるもの。
と、映画は(私のこよなく愛するタイプの映画ということですが)、そもそも単品では成り立っていなくって、他の映画の記憶が呼び起こされたり、自身の思い出とリンクしたり、音楽にアートに文学にと絡んで味わいが増すものであるんですよねー。
そうやって勝手にイメージを連鎖させて楽しんじゃっている感じです。

これに懲りずにこういう作家性の強い監督の映画をどんどん観ていただけたら嬉しいですー。
Commented by ガオ at 2009-10-02 19:41 x
ついでにコチラにもお邪魔しちゃいます。
とにかくアタシは、この映画は嬉しかったです。
まだまだ、こういう映画を作ってくれる
ジャームッシュ監督の存在そのものが嬉しかった。
自分の色を持っている監督が消えていく中で
メジャーになっても、こういう作家性を失わない映画を
生んでくれることが嬉しくて。
・・って、場違いで支離滅裂ですみません。
かえるさんのレビューが嬉しかったので、つい。
というか、「嬉しかった」しか言えないボキャブラリー
少なすぎる自分が情けないです(汗)
Commented by CaeRu_noix at 2009-10-03 22:35
ガオ さん♪
こちらにもありがとうございます。
そうなんです。こういう映画なのがむしろ嬉しい。
アメリカには(自分の知っている限りでは)こういうクッキリとした自分カラーをもつ映画監督が本当に少ないですからねー。
ガス・ヴァン・サントでさえ、こないだはちょっと針が違う方向に向いたほどなのに、ジャームッシュは徹底的。
50代を過ぎてもなお、こんなに自由に映画を作ってくれているのがステキですよねぇ。
人気者が主演してナンボのアメリカ映画界なのに、さらりとイザック・ド・バンコレに出ずっぱりの主演をまかせちゃう媚びなさがカッコよすぎです。
そんなわけで、嬉しいという言葉に同感いっぱいですよー。
退屈な映画と感じちゃう人も少なくない中、本作に会えたことを嬉しいこと思ってくれる人が一人でも多くいたら、私もまたうれしいー
Commented by こべに at 2009-10-05 16:40 x
こんにちわ~!かえるさん☆

うわ~い!かえるさんのレビューやっと読みにこれた!
やっぱり素敵!そかそか、うんうん!って読んじゃいました。
いつもありがとですっ☆

や~っと見てきましたよ!
映像と音楽がよければそれでいい的なところがあるので
目や耳が心地よくて見てて嬉しくなっちゃう映画だっただけど

見終わったあとからまた楽しくなってきて
一枚の絵画をじ~っと見ながら想像を広げていく楽しさとか
考えてたらどんどん楽しくなてきちゃいました。
言葉もいちいち好きでしたー!

あ、『アンナと過ごした4日間』見ますね☆
Commented by CaeRu_noix at 2009-10-06 00:39
こべにさん♪
うわ~い!ご覧になりましたかー。
そうなんすよ。映像と音楽はめっぽう大事!
そこにセンスがなくちゃ、どんなに面白いお話であろうが、どんなに演技のウマい人が出ていようが、映画は映画の魅力を失っちゃうと思いまする。
その点、ホント、ジャームッシュは素晴らしいです。
全てのショット、全ての言葉がキラリン☆、きゅーんでしたよねー。
後から考えると、意外ともっと政治的な物語だったのかなぁって思えたり。
最後の方にメキシコ人、そして、中東女性ドライバーっていうのが何だか何だか。
何をどう解釈しても、面白みはいかようにも広がっていく感じ。
また観てみたくなりますよねー。
観た人全員が同じところに感動して、同じような思いを抱く映画なんてつまんないって思うから、こういうのはホントに楽しいなって。
こべにさんにも楽しんでいただき何より♪

アンナは秋にふさわしい大人の映画ですー。ぜひぜひ!
感想を楽しみにしていまーす。

Commented by きぐるまん at 2009-10-06 17:02 x
かえるさん、お邪魔します。
気に入った映画について書くときのかえるさんの文章にはいつも潔い清々しさがありますね。
このレビューも嬉しく読ませていただきました。
それにしてもこの 『リミッツ・オブ・コントロール』は素晴らしいですねえ。
登場人物たちがあの赤と青のマッチ箱を交換するくだり、あれがずっと繰り返されればいいのに、とつい思っちゃいました(笑)。
映画ですからそういうわけにいかないんですけど。
マッチ箱から紙片を取り出して読み、それをくしゃくしゃっと指先で丸めて口の中に入れてエスプレッソで押し流す。
かっこいいなあ(笑)。
Commented by CaeRu_noix at 2009-10-07 09:57
きぐるまんさん♪
ありがとうございますー。
気に入った映画のことはその思いをめいっぱい言葉にしたためたいですよねー。
映画にケチをつける時の方が威勢がいい人も時々いたりなんかしますけどね。w

きぐるまんさんも本作を素晴らしいと思われたなんて嬉しいです。
ジャームッシュは"バリエーション"が重要だったって述べているようなんですが、それは納得で、おんなじことが繰り返されながらも、都度その相手や話の内容が違うわけだから、次は誰がどんな風に訪れて、何を話すのだろうって楽しみになっちゃうんですよね。
マッチ箱にも目は釘づけになりましたよねー。
あの箱の絵柄デザインなんかも魅力的だったりして、間違い探しをするような気分で、スクリーンを凝視。
そうそう、真顔で紙を口に入れちゃうとこころがまた面白かったですよねぇ。クール!
ドラえもんの暗記パンみたく、胃腸から取り込んだ物が脳に作用するのかなって。
本当にこの旅路が永遠に続いてほしいと思っちゃいました。
ジブラルタル海峡からコートジボワールに行ってもいいかなぁ。
Commented by mezzotint at 2009-11-26 10:34 x
かえるさん
こんにちは♪
良かったです!謎だらけですが・・・・。何か色々想像しちゃうんですよね。スペインの風景もお決まりの観光地でないとところが良かったです。
TWO ESPRESSOSも気になりました。
Commented by CaeRu_noix at 2009-11-28 11:01
mezzotint さん♪
よかったとおっしゃっていただけて嬉しいです。
イマジネーションをかきたてる映画ってば素晴らしいと思います。
自分の知っているスペインの風景、自分の知らないスペインの風景、それぞれに魅力的でしたよね。
情熱のアンダルシアがジャームッシュの手にかかるとクールテイストになっちゃうんだなぁって。
カフェでエスプレッソ二つオーダーしたくなっちゃいますよねぇ。
イメージの海を彷徨う心地よさよー
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