かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『アバンチュールはパリで』 Night and Day
2009年 11月 11日 |
パリの韓国人だって、映画になるのさ。

画家のソンナムはとある事情により、妻をソウルに残して単身でパリへ渡り、韓国人下宿に泊まりながら毎日を過ごす。



ホン・サンスがお初にパリで海外ロケですって。パリの韓国人といえば、キム・ギドクの『ワイルド・アニマル』もそういえば、画家の主人公だったことを思い出し、設定は共通なのに、両者のトーンは180度違っているのが面白いなぁって。こちらのソンナムだって、ある部分ではワイルド・アニアルな本能をもっているともいえるのだけど、あたりはいたって草食動物。まったり、まったり、ウダウダウダ。

ソンナムったら、画家らしいんだけど、せっかくのパリを満喫しようともしやしなくて、韓国人の女子たちとあーどのこーだのウダウダするばかり。生産性は低く、バカンスな解放的歓びというものを体現しているわけでもない、しょぼい日常。せせせっかくのパパパリで、相変わらずなホン・サンスはもう本当に面白いよ。みんなのダメダメ加減が大好きだ。『女は男の未来だ』あたりでは、別段魅力的でもない男がモテモテだったりしたことに、女子目線で軽くムカついてきたような気がするのだけど、なんかもはや全てが微笑ましいような。

ロビーに貼ってあった映画評記事に、ホン・サンスの映画はフェミニストから見て批判もあるっていうようなことが書いてあって、そんな感じ方に身に覚えのあった私は納得しつつ、でも今回は、それはやっぱり違うんだって思った。ホン・サンスってば、ある意味、太宰治的に女性というものを解釈している気がしたりなんかして。場当たり的に安直な男にもついつい情を寄せちゃう女の本質を、愚かさだと思いながらも、どこかで賛美しているというか。まぁ、結局は男も女もどっちもどっちで、昼も夜も。

画家なのに、アーティスティックな感性を輝かせるって描写はもちろんなくて、街歩きの時は手にレジ袋っていうのがカッコ悪すぎて可笑しすぎ。画家なのに、オルセー美術館で惹かれる絵画は俗な目線で見る、裸体の「世界の起源」(クールベ)一点というのが可笑しすぎ。でも、ちょっと、『リミッツ・オブ・コントロール』的。浴場のすりガラスに映る豚の鼻が何だかとてもよかったり。ベートーベン第7づかいが妙過ぎ。もはや、パリで起こった男女の出来事はどういうものだったのか、筋立ててよく憶えてないほどなんだけど、ホン・サンスな世界は楽しめました。牡蠣が食べたくなった。
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by CaeRu_noix | 2009-11-11 12:28 | CINEMAレヴュー | Trackback | Comments(0)
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