かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『ドゥーニャとデイジー』
2009年 11月 22日 |
青春、ガーリー、旅ものはいいな。オランダ娘、モロッコへ行くー。

アムステルダムに暮らすモロッコ移民で厳格なイスラム教徒の娘ドゥーニャと、シングルマザーに育てられた自由奔放な生粋のオランダ娘デイジーは大の仲良し。18歳の誕生日を迎えたドゥーニャは嫌々ながら見合いをするため家族でモロッコへ里帰りすることになる。



02~04年に好評を博したオランダのTVドラマの映画化なんだそう。監督も主演キャストもTVドラマ版と同じ。女性監督だけあって、二人の女の子のキャラクターや友情模様がとてもリアルに繊細に描かれていた。連続ドラマ放映の中で、しっかりと培われてきたのであろう、正反対の二人のキャラクターや家族模様も、対照的に特徴的でありつつ、単純安直なものとは一線を画するみずみずしい魅力があった。TV版はおそらくアムステルダムの日常生活を描いていたんだろうと思うけど、映画版はちょっと特別な出来事と舞台ということで、モロッコの旅を味わえるっていうのがそれは嬉しく。カルチャーギャップネタも楽しく、私好みの青春ロードムービーでありました。

まずオープン・クレジットがすごくかわいくて、一気に引き込まれた。香水の瓶やビールの瓶のラベル、部屋やお店に並ぶ小物にキャストやスタッフの名前がクレジットされるのだ。そのガーリーガーリーなビジュアルがとてもいいの。全体的にはそれほどのガーリームービー色は強くなかったものの18歳の女の子二人が主人公のドラマを女性監督が撮っただけのことはあって、ファッションや小物もポップにかわいくて、主演の二人もすごくキュート。デイジーの行動は軽率過ぎるから、共感できる主人公じゃなくちゃダメな人にはOUTなキャラなのかもしれないけど、18歳のオランダの女の子の生態を眺めるのに道徳心は不要でしょう。それよりも彼女と付き合うなと母親に言われ続けても、デイジーの親友であり続けるドゥーニャの姿勢に心うたれ、二人の友情を見守ってしまうのだ。

そして、モロッコ旅情も私のツボ。モロッコを舞台にした映画はいくつか見てきているけれど、『シェルタリング・スカイ』を初めとしてアンニュイな雰囲気に包まれているものが多い気がした。それが本作は青春ものなので、これまで観たものとは違う朗らかさの中でエキゾチックなモロッコ旅情を体験できるの。本当にモロッコの街は西洋の若い女の子一人で旅すべき場所ではないのだろうけど、映画というフィクションの世界ではそれが実現できちゃうわけで。良くも悪くもやけに忠実に郷に従えを心得て外国と接してしまう真面目な日本人的には、そんな心がけ皆無のデイジーの行動が、あきれるっていうのを通り越してむしろほほえましくなってしまったり。世間の目や大人の目を気にしない、媚びない迎合しないってそれはそれですばらしいかも。というわけで、ドゥーニャがデイジーの旅に同行してくれたのは私も嬉しくて、二人の冒険旅行を満喫。マラケシュの広場の喧騒、スークのたたずまいにわくわく。ジグゾーパズルで登場したアイト・ベン・ハッドゥに到着したのはとても嬉しかったな。

この世代の物語というと、恋愛が中心に語られることが主流だと思うのだけど、本作は友情を主軸に、恋愛エピソードは重要な位置づけではなく、家族との関係に比重が置かれていたのが、ありふれていない感じでよかったかも。感動いっぱいの着地点。
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by CaeRu_noix | 2009-11-22 17:27 | CINEMAレヴュー | Trackback(1) | Comments(2)
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Tracked from 〜青いそよ風が吹く街角〜 at 2009-12-06 23:39
タイトル : 〜『ドゥーニャとデイジー』〜 ※ネタバレ有
2008年:オランダ+ベルギー合作映画、ダナ・ネクスタン監督、マリアム・ハッソーニ、エヴァ・ヴァンダー・ウェイデーヴェン主演。... more
Commented by BC at 2009-12-06 23:43 x
かえるさん、こんばんは。

確かに、こういう映画は恋愛に比重をおきすぎると
チープになってしまう気はしますね。。。
この作品はモロッコ移民ドゥーニャと生粋のオランダ人デイジーの家庭環境や
親の心境も描かれていたので作品的に軽くならなかったのが良かったです。

日本では18歳と言うとまだ若いという感覚のような気もするけど、
オランダでは見合いさせられたり、出産について考えたり
結婚や母になる事を視野に入れ始める時期の年齢なのかな?
Commented by CaeRu_noix at 2009-12-08 21:35
BCさん♪
アムスでは二度トランジットしたけど、オランダ入国未経験な私ですー。
オランダという国が興味深いことのひとつには、マリファナと安楽死が合法なこと。
オランダ映画ってそんなにたくさんは見たことないけど、奥ゆかしさとは対極にあるようなキャラクターもよく見かけます。
デイジーって、極端なキャラというのではなく、オランダ娘の象徴というような感じでもあるんでしょうか?
青春映画に恋愛はつきものなんだけど、あえてそれに重きをおかなかったのがよかったなーって思いました。
去年見た『ジョージアの日記』なんかも恋がメインだったけど。
ムスリムなモロッコ系のドゥーニャのアイデンティティにまつわるエトセトラについても興味深く観られましたよねー。
オランダでは・・・っていうことでもないと思うのですけど、厳格なムスリムの家庭ではお見合いばなしは若いうちから出てくるものなんでしょうね。
と、日本よりもオランダ、ヨーロッパの方がティーンの出産は受け入れられやすい環境なのかもっていうのも思いました。
シングルマザー二代目でも悲観的にならないというのは、日本と違うかなぁと思える晴れやかさがありましたねー。
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