かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『ヴィザージュ』 Face - Visages 
2009年 11月 28日 |
素晴らしき 「TOKYO FILMeX 2009」
オープニング作品は、好き好き大好きな蔡明亮の監督作品。

「サロメ」をモチーフに映画を撮ろうとする映画監督・・・。



今回のフィルメックスには、ツァイ・ミンリャンも来日してくれてお話を聞くことができたので、映画の味わいも深まり。私が常々思っていることをツァイ監督の口から聞けて大感激。「映画は、ストーリーを追うものではなく、イメージでとらえるもの」なのだ。イメージの大波小波、イマジネーションの海を漂流することの心地よさがたまらない。

それにしてもルーブル美術館は偉大。『ダヴィンチ・コード』に美術館内の撮影を許可した時は多額の使用量を払わせて、ツァイ・ミンリャンにはもちろん無料提供で依頼して資金を与えて記念映画を撮らせるなんて素晴らしい。商業主義の渦の中でアートなものの居場所が失われていることを痛感する昨今、そんなエピソードにはニンマリとしてしまう。ツァイ・ミンリャンにやりたい放題に撮らせてくれてメルシー、ボークー。

予告は観ない主義の私だけど、本作に関してはあまりにも心惹かれるものがあったので、youtube でトレーラーを何度もリピートしちゃったんだよね。そして、半ば予想していた通り、トレーラーを観た時の印象そのままの本編であった。本編が超長編トレーラーみたいな感じ。今まで以上に物語的なものが存在していないという感触。でも、もちろん私にとってはそんなことは重要ではないの。予告を見て、これって、めちゃめちゃ好みな感じ!って思った通りそのままに、本篇も私好みの世界観に包まれていて、大いにワクワクと耽溺。シカはいいよね。

ツァイ・ミンリャン映画お馴染みのアジアン・キャストとフランスの名優たちが共演しちゃうっていう豪華さにうっとり。ジャンヌとファニーとナタリーの乾杯なんてゴージャス過ぎるよ。トレーラーで目にしたリー・カンションとマチュー・アマルリックの対面ツーショットはやはりやはりの展開で。『ふたりのとき、ふたつの時間』に続いてのジャン=ピエール・レオの出演も素晴らしいよ。雪の森で、言葉も通じないリー・カンションとレオーが小鳥ちゃんティティと片言の映画人名トークでコミュニケーションするシークエンスはそれはもう感動的。ファニーの手にしたアントワーヌのパラパラ写真映像もとてもとてもステキだ。ツァイ・ミンリャン自身の映画を総括しながら、シネマ全般への愛をも感じさせるのだ。

この世界にすっかりハマり込んで妖しくエロティックに歌い踊るレティシア・カスタもあまりにも魅力的。まったくもって不思議なシチュエーションなのにごくごく自然にその歌とダンスが展開されるので嬉しくなってしまう。歌の選曲もよくて、きらびやかな衣装に独特の振り付けに魅了されるばかり。ワイズマンもオペラ座の地下を見逃していなかったけど、やっぱりルーブルにしてもパリの地下水道という舞台は最高だよね。ツァイ・ミンリャン世界はやっぱり湿度だよね。湿度がチャイナとラテンな音楽にすごくハマるの。いくつもの顔合わせに心躍らせながら、次はどんな場面が登場するんだろうって、とっても楽しかったよ。真っ当なルーブル美術館内がやっと映し出されたと思ったら、王がそんなところから!


監督:ツァイ・ミンリャン
出演: リー・カンション、ジャン=ピエール・レオ、レティシア・カスタ、ファニー・アルダン、ジャンヌ・モロー、ナタリー・バイ、マチュー・アマルリック、チェン・シャンチー。
 カンヌ映画祭コンペティション上映

舞台挨拶・監督Q&A/CINEMA TOPICS ONLINE

市山尚三×篠原弘子対談/webDICE


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by CaeRu_noix | 2009-11-28 12:58 | CINEMAレヴュー | Trackback | Comments(6)
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Commented by シャーロット at 2009-11-28 18:21 x
ぼんそわー。
結局私のフィルメックスは本作のみ(私は平日に観ました;)になっちゃったのですけど、この作品だけでも満足まんぞく。ホント、楽しかったですよね~。
いつものように何にも調べないで見に行っちゃったもんで、この豪華俳優陣にまたびっくり。レティシアに似てるなーなんて思って見てるぐらいで恥ずかしい;キュートなのにセクシーでぞくぞくしちゃいましたよ。
マチューの登場も嬉しく。予告編UPありがとう♪何度も見たみた。めるしぃ。
そうそう、王様登場シーンにはビックリ。そ、そんなところから出れるの?って。
始めの方の水浸しもハラハラで何気に面白く。
なんだか水のシーンが多かった?のも印象的でした。
音楽も◎♪
他作品のレビューも楽しみに待っとりまする
Commented by CaeRu_noix at 2009-11-29 02:05
シャーロット さん♪
フィルメックスは1本だけ鑑賞でしたかー。
宝くじ売り場は長蛇の列でしたよねー。
私はトレイラーを見まくったので豪華キャストなのは承知の上でしたが、こんなに贅沢な使い方をしているとはビックリ。
あんなにへんてこなことをどんどんやっちゃうレティシアもすんごく柔軟な女優さんだなぁって感激でしたよね。
クチぱくも上手だったし、とツァイ・ミンリャンもレティシアを何かと褒めてました。
終盤のエロティックダンスシーンは当初予定していた音楽がよくなくて無音でやったそうで、それがまた妙なエロさのある不思議なダンスシーンでしたよね。
マチューの出演シーンはほぼ予想通りではあったけど、やっぱり少なかった。w
ツァイ・ミンリャンといえば、水づかいが常に面白いしー。
王なのに、レオーなのに、そこ通らせるかーって面白すぎだしー。
すみからすみまでへんてこお茶目で愛おしい映画でしたよねー。
わかるとかわからないとかじゃなくて、ひたすら感性にうったえる魅力いっぱいでしたよねー。ぶらぼー
私はフィルメックスでもいっぱい観まくったのでレヴューはまとめ記事でゆるしてー。

忘年会やりましょー。ゼロ年代が終わるー
Commented by テンプルクラブ at 2009-11-30 10:47 x
はじめまして。
今年のフイルメックスは、ジャン・ピエール・メルヴィル監督の数作品が上映され、あまり観る機会の無かった作品が並んだので良かったと思います。フイルメックス、頑張っていますね。
東京国際映画祭は独自のガンバリがだんだん成果を上げて来たように思えていた矢先、援助金が「仕分け」されそうという噂。残念です。
フイルメックスで上映されなかった、ドキュメンタリー「コードネームはメルヴィル」が日仏でやっと公開されるので、当日の整理券をゲットするためには何時から並ぶか、いまから作戦を立てなければ。
Commented by CaeRu_noix at 2009-11-30 23:36
テンプルクラブ さん♪
はじめまして。ようこそです。
コメントありがとうございます。
フィルメックスは世界の新作映画ばかりでなく、ツウ好みな旧作の特集上映もするところが素晴らしいですよねー。
上映機会の多い超名作な有名作品ではなくて、なかなか上映される機会のないものを取り上げてくれるのがさすがです。
といいつつ、メルヴィルは私のマストという感じでもなく、今回は『ギャング』しか観ていなく、でもって、結構ウトウトしちゃったんですけど・・。
そんな私はさておき、テンプルクラブ さんは満喫されたようで何よりです。
一昨年まではTIFFよりフィルメックスの方が断然いいって言っていたんですが、ここのところのTIFFの充実ぶりは目を見張るものがありますよね。
な、なのに、仕分けの影響がそんなところにも?!・・・
そして、次は日仏ですね。
私の行ける日は日本語字幕がついてないものがほとんどでちょっと迷い中なのですが。
『コードネームはメルヴィル』は貴重な上映なんですね。
ぜひぜひ、がんばって整理券をゲットしてくださーい。
日仏は旧作もので満員で入れなかったことって私はないのですが、メルヴィルは人気あるのでしょうかね?
Commented by かりおか at 2009-12-03 09:09 x
東京フィルメックスはいつも興味深い作品を上映してくれるので、行ってみたいと思ってました!今年は6本くらいは観たのがあったのですが、銀座は遠くて、「春風沈酔の夜」だけで我慢してしまいました。。。
でも、この予告篇観ると「ヴィザージュ」観ればよかったと後悔です!
この雰囲気が全編に渡ってなんて、素敵すぎます。
たとえ難解でも、観たかったです。。。
東京フィルメックスで見逃すと、当分観れそうもないのが残念。
ジョニー・トー作品も映画祭で見逃して、いまだ観れないのがあり後悔してるので、観れる時に観ておかないと・・・と思うんですが・・・。
Commented by CaeRu_noix at 2009-12-05 00:56
かりおか さん♪
フィルメックスのプログラムはほんとに魅力的ですよねー。
一般公開されないものがほとんどなので、全部観たいくらいですよね。
でも、なかなかそうはいきませんよね。残念ながら。
ツァイ・ミンリャンふぁんな私は、このオープニングの「ヴィザージュ」をそれは楽しみにしたのですが、期待通りの美しい映画でしたよー。
監督自身が「難解」と紹介しちゃうほどだったんですが、物語が描かれていないところがむしろいいのです。
かりおかさんにもご覧いただきたかったですー。
これは出演者が豪華なので、配給される可能性もゼロではないと思いたいのですが、アート映画不況を思うとやはり難しいのかなぁ。
ジョニー・トーの『スリ』はDVDリリースになりましたが、日本でまだ公開されてないものもありますよね。
とにかく映画祭というのがとても貴重な機会になっているのは事実。
せめてDVDにはじゃんじゃんなってほしいのですが。
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