かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『マラドーナ』 MARADONA BY KUSTURICA
2009年 12月 17日 |
パワフルな魂のコラボレーション。それはもうエキサイティング。

"アルゼンチン国民の英雄、ナポリの救世主、稀代のエンターテナー、そして薬に溺れた堕ちた偶像・・・。 20 世紀スポーツ界もっともスキャンダラスなスーパースター。“神の子”ディエゴ・アルマンド・マラドーナ48歳。名匠エミール・クストリッツァ監督が、ブエノスアイレスからナポリ、ベオグラードへと“魂の反逆児”の真実を追う。"



クストリッツァのことを知らないサッカーファン、マラドーナへの興味のみで本作を観た人はどんな感想を持つのかはよくわからないけど、クストリッツァが撮ったものだから観るという私にとっては、めちゃめちゃ上機嫌になれる楽しいドキュメンタリーだった。どうしたって、クストリッツァ節全開なんだもん。元サッカー選手を撮ったドキュメンタリーなのに、思いっきり音楽映画に仕上がっているから心は踊る。冒頭から、ノー・スモーキング・オーケストラのLIVEシーンが登場するんだもん。あー、楽しい。

クストリッツァ映画の映像と音楽もそこらじゅうに挿しこまれていて、ノースモサウンドに高揚しっぱなし。それは決して脈絡のないものじゃなくて、クストリッツァ自身がナレーションで語っているように、マラドーナその人の破天荒なほどに超絶なエネルギッシュな姿は、クストリッツァ映画の主人公そのものなのだ。伝説を作ったマラドーナの熱い生き様とクストリッツァ映画のハイテンションなパワーがいい感じで重なって、それはもうエキサイティング。テーマ曲のように繰り返し使われていた、ピストルズの「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」もバッチリハマっていたし。

インタビューにおけるマラドーナの率直な語りもとっても興味深かった。ワールドカップはのイングランド戦はフォークランド紛争の敵討ちの場だったのか。サッカーでならば、南米の貧しい国も先進国に勝つことができるんだっていう言葉が印象深い。だからこそ、マラドーナは世界の人達の英雄になったのだね。南米アルゼンチン人のマラドーナが、反英、反米の思いを抱き、ゲバラやカストロを評価するのはもっともなんだけど、そういうスタンスが彼の反骨精神あふれるパワーのもとともいえるのだなって納得。相手が英米のインタビュアーだったら、マラドーナはこんな風に話しはしなかっただろうけど、複雑な歴史をもつユーゴ出身の監督だからこそ、心開いてカメラに向かって語ってくれたのかなって思えるところが感慨深いのだ。

ダイジェスト版的に挿しこまれた神技のごとく見事なゴールシーンにも見入らずにはいられない。このプレイがあってこそ伝説の人となり、そして試合中のプレイだけにはとどまらないエネルギッシュな生き方、人間味に世界の人々は魅せられたのだね。娘について語る時の顔は皆と変わらない普通のお父さんだったりするのだけど。サッカー選手であるマラドーナがステージで歌うシーンも印象的に位置づけられているのもクストリッツァならではという感じで楽しさいっぱい。オレーオレオレオレー♪ディエゴ!ディエゴ!っていうフレーズがずっと心の中をリフレイン。マラドーナのスゴさをリアルタイムでは知らなかった私も、クストリッツァのお蔭で伝説となったその人の魅力を噛みしめることができるの。
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by CaeRu_noix | 2009-12-17 07:23 | CINEMAレヴュー | Trackback(2) | Comments(2)
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Tracked from Mani_Mani at 2010-01-16 02:07
タイトル : 「マラドーナ」エミール・クストリッツァ
マラドーナMARADONA BY KUSTURICA 2008スペイン/フランス 監督・脚本:エミール・クストリッツァ 出演:ディエゴ・マラドーナ 他 サッカーの王者マラドーナのドキュメンタリ。サッカーにはとんと疎いワタシが観にいく理由はひとえにこれがクストリッツァ監督作品だから。 期待に違わずドキュメンタリであると同時に、クストリッツァ丸出しの映画になっていた。 なにしろ映画の最初を飾るのはマラドーナの勇姿ではなくて、クストリッツァのバンド、ノースモーキングオーケストラでギターを弾くクストリッ...... more
Tracked from レザボアCATs at 2010-02-12 12:21
タイトル : ■6. マラドーナ
'08年、スペイン、フランス原題:Maradona by Kusturica監督・脚本:エミール・クストリッツァ製作:ホセ・イバネス製作総指揮:ベレン・アティエンサ、アルバロ・アウグスティン、オリビエ・デルボス、マルク・ミソニエ、ガエル・ヌエイーユ、バンサン・マラバル撮影:ロド....... more
Commented by とらねこ at 2010-02-12 12:27 x
かえるさん、こんにちは♪
「ディエゴ」のファンになって帰りました。この反骨精神が、モロ自分好みだったんです・・。ゲバラ好きなディエゴにも共感しちゃうし、ディエゴ好きなエミール・クストリッツァ監督にも嬉しくなってしまって。
で、この監督って、これが「らしさ」だったんですね。そーなんですか!それは私、見なくてはいけないです・・・遅らばせながら・ながら・ながら・・・。ぬぬー。それなのに、映画を今後は撮る気があまりない、とはこれいかに??
Commented by CaeRu_noix at 2010-02-13 01:46
とらねこ さん♪
ディエゴ、パワフルでしたねー。
マラドーナの実像ってほとんど知らなかったんですが、そのカリスマ性も納得の魅力的な熱い人でした。
うん、私も反骨精神の人が大好きなんすよね。w
長いものに巻かれちゃう生き方は寂しい。
そういう人間性が映画にもにじみ出ているからこそ、私はクストリッツァが大大大好きなんですよー。
今作は、聞き手でもあったのでわりと礼儀正しい感じでしたけど、『SUPER 8』などで、息子と本気で取っ組み合い喧嘩しそうになっちゃうところとか、悪ガキそのまんまって感じでいいんですよね。
およ、クストリッツァってどういう系の人だと思われていたのでしょう。
大きく分けたら、クストリッツァはギリアムと近いような反骨系?です。
『アンダーグラウンド』が批判された時に引退宣言したのですが、結局また復活はしてくれたわけです。
そんなに多作ではないけど、きっと撮ってはくれると信じて。
ラテンとバルカンには通じる熱いものがあるー
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