かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『ルド and クルシ』 Rudo y Cursi
2010年 02月 25日 |
ガエル×ディエゴが帰ってきたよ。ラテン魂に学ぶべし。

メキシコ北部のバナナ園で働くサッカーが得意のベトとタトの異父兄弟。



メキシコ映画界を引っ張るアルフォンソ・キュアロン、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、ギレルモ・デル・トロのスリーアミーゴスが立ち上げた製作会社“チャ・チャ・チャ”による第1弾の作品なのだって。地味めな映画をプロデュースしているガエルくんとディエゴの製作会社"Canana Film"とは違って、エンタメ路線でメキシコ映画を盛り上げていこうという感じなのかな。というわけで、主演がそのメキシコの輝けるスター、ガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナの黄金コンビ。なんて、豪華なんだ。コンスタントに活躍する二人ではあるけれど、アメリカ映画への出演も多かったりするから、こうやって丸ごとメキシコ映画で再共演を果たしてくれるのはとっても嬉しいよね。

それなのに、わが国世間一般的にはどうも注目度が低いらしくて、封切直後だというのに劇場はかなりすいていてちょっと寂しかったな。今の若い方々はやっぱりTVでお馴染みのアイドル俳優くんが出ていて大宣伝されている邦画が好きなのね?(人間失格は大盛況みたい。)ソーショク男子の類もよいとは思うのだけど、その対極にあるような底抜けに明るくてエネルギッシュなラテン男子の姿を見て笑って元気づけられる映画体験だってステキだよ。ガエルとディエゴは今やパパにもなっていて、もうただのやんちゃ坊主ではないはずなんだけど、いまだにノーテンキなやんちゃ坊主が似合っちゃう二人なんだよね。。年を重ねるごとに行動が保守的になってしまうのは寂しいことなのかもしれないなんて思いながら、ラテン男の熱さをとことん楽しもうよ。

ただのアイドル映画ではないはず。と思いつつももの足りない部分もあった。『天国の口、終りの楽園。』のイメージを抱いて臨んだら、これってコメディ映画なんだっけ?と思うほどに、予想外にユーモアの度合いが高くて軽めなノリでさくさく進むドラマであったことに最初は戸惑う。あれよあれよという間に、サッカーで活躍する大スター選手になっちゃうとは。企画モノということなのか、ガエル・ディエゴの兄弟役共演がウリである分、初めは、そのキャラクターや関係性がとってつけたようなものに感じられた。描きたいテーマが先にあるという感じではなく、まずキャスティングと設定があって、企画のためにそれを膨らませていったというような感じ。コメディ主体でもいいのだけど、私には、兄弟の関係性の歴史があまり見えてこなかったのは残念。異父兄弟なのだから似てなくてもいいのだけど、ライバル心絡み合う複雑な関係をもつ長年共に暮らしてきた二人に見えなかったんだよね。二人は友達が似合うのかな。

キュアロン弟の監督ぶりはまだよくわからない。撮り方は好みな感じではあったけど、もう一声ほしかった気もした。エキサイティングなシーンてんこ盛りのこのシチュエーションのドラマならもっともっと高揚感に満たされる痛快映画になり得たんじゃないかなって思うから。例えば、ファティ・アキンなんかが監督してくれていたらなぁなんて。ラテンの監督は意外にも陽気にハイテンションな作風の人は第一線にはいないのか?そんな風に高望みをしてしまった自分がいたのも事実なのだけど、なんだかんだいってラテンパワーには巻き込まれずにはいられないのだ。思いきりポジティブな熱いルドとクルシの波乱万丈な人生、その生き様を応援せずにはいられない。いや、応援するとかしないとかじゃなくて、ただ二人の元気でキュートな姿をひたすら笑って楽しんじゃった感じ。ノーテンキなだけじゃなく切実な痛みも描かれているのだけど、それをあえて湿っぽくしないところが気持ちいいんだよね。不運も受け入れて、笑いながら語らう海辺の二人がとてもよかったな。
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by CaeRu_noix | 2010-02-25 13:24 | CINEMAレヴュー | Trackback(6) | Comments(6)
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Commented by rose_chocolat at 2010-02-27 13:50 x
こんにちは~。
底抜けに明るかったですね。
おっしゃる通り、面白いんですがパーフェクトな伏線とは言いがたくて、私も★4にしました。
ただ、どこかコントみたいな筋書きなんで、これを楽しんだ方が断然お得なことは間違いないように感じました。
Commented by CaeRu_noix at 2010-03-01 00:25
rose_chocolat さん♪
ノーテンキで楽しかったですねー。
ラテンの映画って、意外と暗めのものも多いのだけど、これは明るかったなぁ。
今日聞いた話、メキシコでは日本でお馴染みのスポコンものタイプの物語はうけないそうです。
主人公がとことん努力して練習を重ねて、スポーツでサクセスを掴むっていうのは。
で、こういうラッキーにひょいひょい行っちゃう方がいいみたい。なるほど。
そういう出来すぎなお話のテンポが面白かったですねー。
『天国の口』のようなものを求めた自分もいたので、そこまで満足値は高くなかったというのはあります。
ガエルくんはまた『モーターサイクルダイアリーズ』みたいな映画に出てほしいー。
Commented by エマ at 2010-03-05 00:32 x
いや~ん、いつの間にやってたんでしょう? 何処かで予告編観て、観たいな~と思ってたんですが。
 
>それをあえて湿っぽくしないところが気持ちいいんだよね。不運も受け入れて、笑いながら語らう海辺の二人

こういう感じが私の好みドツボなんです。 ラテン系大好き。
そうね、二人はやっぱり友達が似合うかな?
エルネストのガエル君も懐かしいよね。
Commented by CaeRu_noix at 2010-03-05 07:19
エマさん♪
いつの間に・・・、2/20公開ですよー。
まだまだ始まったばかり、どうぞ劇場にかけつけてください。
新宿、川崎は上映回数多くないみたいですけど。

ラテン系、あっかるくていいですよねー。
でも、意外と映画祭にかかるものなんかは暗めの映画が多かったりするから、こういうノーテンキなものは嬉しくなっちゃいます。
兄弟という設定がわたし的には、ややとってつけたような感じがありましたの。
今回はノーテンキガエルだったので、好青年ガエルも久々に見たいなーって。
Commented by ヒデヨシ at 2010-05-13 12:47 x
なんだか物足りなかったですね~。『天国の口、終りの楽園。』のイメージが強すぎたのかなぁ~。ノーテンキはノーテンキでいいんだけど、ドラマが弱い。最後の右と左のPK戦も、そんなにハラハラしない。遊ぶのが基本的に好きな男と現実的な女は、そこには見えただけ。メキシコ男も、母の愛へのストレートな思いが強いんだなぁ~というのが驚きでした。
Commented by CaeRu_noix at 2010-05-14 12:48
ヒデヨシさん♪
そうなんですよ、ちょいと、ちょいと。
作り手に撮りたいテーマがあったのが先じゃなく、人気者のこのコンビ主演で映画作ったらヒットするだろうーなんて発想がまず先にあったのだろうなと思えてしまう感じ。
楽しい映画ではありましたが、せっかくの素晴らしき共演を思うと、やはり天国の口をもう一度、と願っちゃいますよね~。
アメリカにはバカっ母が出てくるドラマがおおいのですが(それも、ハリウッドの女性嫌悪映画の流れ? 片やイギリス映画はダメオヤジの登場が多いし)カトリックのラテンの国はマザコン指数が高いというか母への愛にあふれていますよねー。
映画でお国柄を知るのはまた面白く。
ガエルくんは今カンヌなんですよねー。
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