かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『ニューヨーク、アイラブユー』 New York,I Love You
2010年 03月 07日 |
アイラブユーが止まらない。

『パリ、ジュテーム』にインスパイアされる形で、今度はニューヨークの街を舞台に製作されたオムニバス・ラブストーリー。



満席のため、フィルム・センターの『踊るニユウ・ヨーク』(Broadway Melody of 1940)を見ることができなかった悲しさを吹き飛ばすべく、新しいニューヨークの物語に思いを馳せる雨の日曜。アステアー!

『パリ、ジュテーム』は格別に大好きな映画なので、楽しみにしていた本作。配給が危ぶまれた時期も越えて、やっとスクリーンで会えたのは嬉しい。まぁ、こちらは『パリ、ジュテーム』に比べると、監督の顔ぶれは全体的にはやや地味かなとも思えるのだけど、大好きな岩井俊二やファティ・アキンの名前を初めとして、イヴァン・アタルやミラ・ナイールなど気になる監督が参加していたわけで。結局のところ、それはある程度予想していたことだけど、パリに比べてしまうとこちらは見劣りがするといえるかもしれない。でもね、この手の映画が大好きな私にとっては、思った以上に手ごたえはあって、しっかりとお気に入りのオムニバス映画になったよ。胸キュンがいっぱい。

『バレンタインデー』なんかを見た時に、アメリカ人のまくしたてるような早口で滑舌のよい英語喋りの響きが苦手だなぁと感じた自分。というか、その喋りの勢いが不快というレベル。それなのに、なぜなんだろう、何が違うのだろう、本作『ニューヨーク、アイラブユー』においては、ニューヨーカーたちの会話にすっかりと幸せな気分にさせられてしまった。会話映画万歳。男と女の小粋な会話の数々に微笑んだり、切なくなったり。街が主役の映画であり、同時に、その場所はどこだってかまわないという感じがするところに、普遍的な人と人とのドラマが見出されるから、感銘が広がるの。この街は夢を求めた人々の集う特別な大都会でもあるんだけど、僕らのいる地球上のひとつの街に過ぎないという感覚をもたらせてくれるところが好き。

New Yorkには二度行ったけど、合計4,5泊ほどの滞在しかしたことがないから、体験的に街に馴染んだわけではない。でも、こうやってスクリーンでその街を眺めていると、街歩きの記憶が蘇ってくる。セントラル・パークに行くとリスを写したくなるよねなんて、些細なことが嬉しかったり。そして、旅体験以上に、数々の映画に登場してきた魅力あるNew Yorkの街の記憶をたどるのだった。好きなNY映画をあとでピックアップしてみよう。本作は人間ドラマとしての見ごたえが一番で、それほどに街の風景を切り取ることに時間を割いているエピソードは少なかった気がするのだけど、それぞれの物語のつなぐ街の描写には、観光客気分でわくわく。また行ける日はあるかなぁ。

どの監督の作品もよくて、イマイチかなーと思ったのはほんの1つくらいのもの。一番最初のヘイデンくんの出てたやつは映像のタッチがとっても好みだったので、そこでぐぐっと心つかまれたのがよかったのかも。アタルの会話ものはナイス・アイディアで雰囲気も、キャスティングも素晴らしくて魅力的な会話劇になっていたね。ドンデンオチのあるエピソードみたいなのがよくあった印象で、アプローチにやや似たようなものを感じてしまったのは少しもったいなかった気もするけど、設定や物語展開そのものは多様で、見るたびにハッピーが増幅していった。ナタリー・ポートマンの子どもの演出力は天才的。女性らしさを感じる素敵な一遍になっていた。アントン・イェルチンくんが出てたやつも最高。うん、みんな大好き。

次は上海で会いましょう。

あらすじ転載
ニューヨーク。スリを生業とする青年ベン(ヘイデン・クリステンセン)は、中年紳士ギャリー(アンディ・ガルシア)から財布を盗む。中に入っていた写真の美女モリー(レイチェル・ビルソン)を偶然、街で見かけたベンは……。47丁目ダイヤモンド取引所。インド人の商人マンスークバイ(イルファン・カーン)のもとへ、結婚間近の仲買人リフカ(ナタリー・ポートマン)が訪れる……。アパートにこもって映画音楽を作曲する音楽家デイヴィッド(オーランド・ブルーム)は、顔も知らない監督アシスタントのカミーユ(クリスティーナ・リッチ)からの電話で、監督の奇妙な指示を伝えられる……。レストランの前では、作家の男(イーサン・ホーク)が魅惑的な女(マギー・Q)に火を貸し、女を口説き始める……。最近失恋した17歳の青年()は、近所の薬剤師リッコリ(ジェームズ・カーン)から、卒業プロムに一緒に行くようにと美しい娘(オリヴィア・サールビー)の写真を見せられる……。数日前に一夜限りのつもりで愛を交わしたリディア(ドレア・ド・マッテオ)とガス(ブラッドリー・クーパー)は、再会するためにバーへと向かっていた……。元オペラ歌手のイザベル(ジュリー・クリスティ)は5番街のホテルにチェックイン。足に障害のある外国訛りの若いホテルマン(シャイア・ラブーフ)と出会う……。セントラル・パーク。黒人青年ダンテ(カルロス・アコスタ)が、幼い白人少女と遊んでいる。ダンテは少女を母親マギー(ジャシンダ・バレット)のもとへ連れて行き、明日も迎えに来るように頼まれる……。チャイナタウンで働く若い女性(スー・チー)を、記憶を頼りに描き始めた画家(ウグル・ユーセル)。だが、どうしても彼女の目だけが描けなかった……。再びレストラン前。中年ビジネスマン、アレックス(クリス・クーパー)がタバコを吸いながら携帯電話で話していると、魅力的な女性アンナ(ロビン・ライト・ペン)が火を借りに来る……。老夫婦が歩いている。せっかちで心配性の妻ミツィー(クロリス・リーチマン)は、夫のエイブ(イーライ・ウォラック)に歩き方が遅いと小言を言うが、エイブも負けずに離婚して若い男を見つけろと言い返す……。至る所で愛が生まれる街、ニューヨーク。ビデオアーティストのゾーイ(エミリー・オハナ)は、タクシーの窓から、あるいは駅やカフェから、様々な愛を撮影している……。
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by CaeRu_noix | 2010-03-07 13:18 | CINEMAレヴュー | Comments(8)
Commented by ぺろんぱ at 2010-03-09 21:37 x
こんばんは。

お伺いしてみて、かえるさんが同日に同作品のレヴューを挙げておられたのを発見して(一人勝手に)喜んでおります。
『パリ・ジュテーム』は気になりつつ未見のままだったのですが、「早く観なきゃ!」と思わされた本作鑑賞日なのでした。

私はニューヨークには一度だけしか行ったことがなく、旅の当時は余りの「異空間」であった“かの街”が今回の鑑賞で少し違った目線で見ることができたのでしたが、かえるさんのレヴューの「僕らのいる地球上のひとつの街に過ぎないという感覚をもたらせてくれるところが好き」というご記述を拝読して「そうそう!そういうことなのだ!」と膝を打つ思いでした。

それぞれ色んな形の愛の表現で、「こんなかたちの愛もあるのね」っていう感じが嬉しい佳作たちで、した。(*^_^*)

Commented by CaeRu_noix at 2010-03-09 23:38
ぺろんぱ さん♪
おお、同日でしたかー。
私は水曜に見たのですが、最近めっきり当日や翌日にレヴューを書くことができなくなりました。
この時は、目当ての映画が満席で観られず、ポッカリ時間があいてしまったので、ネットカフェで急遽アップしたのでした。
時間が限られていたのでやや手抜きな内容だったかも・・・。
『パリ,ジュテーム』の時はすんごく気合いが入っていて、全部の監督作に言及したというのに・・・。
『パリ、ジュテ』は本当に素晴らしいですよ。大好き。
あちらの方がバラエティに富んでいたかなという感じで、こちらはやはりラブストーリーがテーマなので傾向が似ている印象でした。
自分が旅行している時は、なかなかじっくりと街の佇まいを堪能できませんよね。
観光するのが精一杯。
でも、そう映画で見ると、ひと味違う街の魅力を発見できますよね。
なんか、『ナイト・オン・ザ・プラネット』のことを思い出したりしたんですよ。
タクシー乗車の描写があったからかな。
僕らはみんな生きている@この地球って感じがよかったなぁって。
ぺろんぱ さんにも気に入ってもらえて嬉しいですー。
Commented by cinema_61 at 2010-03-10 20:16 x
こんばんは。
私も今日見てきました!
友人はオーリィ目当てで、私はイーサン目当て。
複雑に絡み合うお話がとってもよかったです~
とくに最後の老夫婦は心温まるシーンでしたね。
アンディ・ガルシアに久しぶりに逢えたのも嬉しかったし、エンドロールがすごく長く、その間音楽を楽しめて、心地よかったです。ニューヨークには1度しか行ったことないけど、思い出が蘇ってタイムスリップした気持ちです。
Commented by CaeRu_noix at 2010-03-11 13:36
cinema_61 さん♪
イーサンお目当てで行かれましたかー。
私は俳優目当てで映画に行くことはあまりないのですが、イーサンの出演を知った時はすごく嬉しかったです。
それも同じく俳優で映画監督なイヴァン・アタルの手がけるものに出るっていうのがいいなって。
そして、岩井俊二のものにはオーリーが出演というのもビックリ嬉しいですよね。
そんな珍しい魅力的なコラボが実現した素晴らしきオムニバスでありました。
オムニバスでありつつ全体は群像劇のように見えた、それぞれのドラマの登場人物が絡むつなぎの挿話も楽しかったですし。
エンドクレジットの時も物語りは続いているという感じで目が離せなかったですよね。
最初のガルシアもカッコよくて存在感抜群でしたね。
久しぶりだったので、あ、パチーノだ、って最初は思い、違う違う、マーク・ストロングだと思い直しました。それも違!
もうホント、このシリーズは大好きですー。
ヨーロッパ派、ユーラシア、南米派の私もニューヨークが恋しくなりましたー。
Commented by rose_chocolat at 2010-04-14 20:03 x
こんばんは。
きちんと2回目を鑑賞してよかったと思いましたね。
やっぱりちゃんとそれぞれのエピソードに味があるし、流れもスムーズなので、観ていて飽きません。
上海は一体どうなるんでしょうね。 アジア系の人が多く出てくるんだろうか~? 楽しみです。
Commented by CaeRu_noix at 2010-04-15 13:00
rose_chocolat さん♪
今度はしっかり堪能してもらえてよかった。
ニンジャ・アサシン鑑賞でほとんど寝てしまっても、リトライはしないけど、私もこれだったら、とう一度観に行きますな。
編集の仕方も面白かったですよね。
オムニバスとしてそれぞれが作られているんだけど、まるで一つの群像劇にも見えるよな。
そんな、広がり、繋がり感がよかったですー。
上海もまた楽しみですね。
アジアの俳優さんもたくさん出るのでしょうけど、上海なら欧米人も大勢いるわけだから、これまでとそんなに変わらないのかもしれないし。
昨日、スー・チーの映画を観た私。
Commented by きらり+ at 2010-04-15 13:12 x
かえるさんがいまいちだったという1つはどれだったのかすごく気になります(笑) たしかにオチがついている作品がパリと比べても多かったですよね。そこがまあアメリカ的というか。ナタリーの天才ぶりには同感です!
Commented by CaeRu_noix at 2010-04-16 22:21
きらり+ さん♪
遅くなりましたー。
ふふふ。いやー、いまいちってほどのものでもないんですけどね。
全部よかったです。はい。
比較的、私のココロに響かなかったものっていったら、アッパー・イースト・サイドだったかもしれません。
単品ならオチがついてる方が面白いんですが、そのつけ方が似通っているように感じられたのが複数あったので、ちょっとかぶってると思えたのがやや残念。
パリはもっと数が多かったのにかなりかなりバラエティに富んでいた印象。
スカちゃんの方は本編に採用されないという不遇だったのに、ナタポーの才能は輝いていましたよねー。
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