かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『くらげくん』
2010年 07月 20日 |
第32回ぴあフィルムフェスティバル 「PFFアワード2010」にて。



我想一個人映画美的女人blog のmigさんの弟さん、片岡翔監督による14分の短編映画。

― 女の子ちっくなくらげくんは虎太郎くんのことが大好き。

それは男の子二人の単なる友情物語に留まらず、今年の東京国際レズビアン&ゲイ映画祭でも上映されたということからも明らかな、ひと味違う一歩先の微妙な関係性を描いた物語。とてもよかった。ポップにラブリー♪

PFFの作品概説には"永遠のノスタルジーと現代が同居する新世代の子供映画が誕生!"って紹介されていたのだけど、まさにその通り。イマドキ感覚をしっかり取り入れつつ、今も昔も変わらない子どもの普遍的な魅力、微笑ましさにあふれているの。そこのところが絶妙。

例えば、真っ向からめいっぱい同性愛をテーマにするとなったら、我が国ではまだどう描くかがデリケートで難しい問題となるだろうね。変に笑いの材料にし過ぎても、深刻に取り扱い過ぎてもいただけない。それが短編の子ども映画ならば、こんなにも朗らかに楽しくハートウォーミングにできちゃうんだなってこと。

一昔前なら女の子っぽすぎる男の子はオカマとか言われてバカにされるだけだった気がする。周囲がそういうものだから、自ら女の子っぽい格好をしようという男の子はなかなか表立ってはいなかったよね。でも、今だったらくらげくんみたいな子はいそうだなーって思えるし、それを気にせずに仲良くできる男の子もいそう。そんな現代テイスト。

それでいて、監督自身も表現しているように、虎太郎くんは昭和の子どもって感じの懐かしさを感じさせる素朴な男の子。そういう対照的な二人が仲良しっていうのが微笑ましくて楽しいのだよね。仲良しながらも、さすがに男・虎太郎はくらげくんと特別な関係になるのは勘弁と思っていて。でも、仲良しのお友達でいることから逃げるまではしない。一線は守りつつ?!も一緒の二人がとてもいい。

二人の会話の内容はなかなかこまっしゃくれていて。でも、イマドキのリアリティがあるんだよね。大々的に日本全国で公開されている日本映画にも、それっていかにも大人が机上で考えた子ども像だよね、っていう不自然な演技、台詞を吐く子役が登場するけれど。そういう違和感がまるでなくて、このくらげくんと虎太郎くんのキャラクターと会話は生きているって感じ。

たった14分の中にたくさんの瑞々しさと笑いと切なさが詰まっていて。アイディアの勝利。それをうまく細やかに味付けたシナリオもナイスだよね。なんといってもこの魅力的な二人を起用したことが大勝利。それにしても演出上手。日本映画界の男性監督には子どもをわざとらしさ抜きで自然に演出できる人が少ない気がするけれど、若者の感性はそこが冴えているのかな。

そして、子どもがいいとか、ストーリーがうまいという断片に留まらず、映像のキラキラな仕上がりが素晴らしいなって。くらげくんのニックネームの由来が紹介される時の白い衣装のふわふわ感に始まり、対照的な二人の語らうツーショットといい、歩く二人の楽しげな姿と江ノ電車内で並んで座る姿の絵になる様。音楽のセンスのよさと相まって、ポップな感触にキュンとなりましたね。



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by CaeRu_noix | 2010-07-20 07:22 | CINEMAレヴュー | Trackback(5) | Comments(13)
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Commented by ノルウェーまだ~む at 2010-07-20 09:58 x
かえるさん、先日はお会いできてよかったです♪
すばらしいレビューをさっそく書かれたのですね。
クラゲくんは、短いのに心に残る素敵な作品でした。
トップのお気に入りブログにリンクさせていただきますね。
これからもよろしくお願いします~
Commented by mig at 2010-07-20 10:38 x
先日はホントウに観て下さってありがとうございました〜。
いやん!かえるさん!素敵なレビューに感動しましたわ!!
いろいろ観てるかえるさんからこんなに言ってもらえるとは嬉しい限り。
翔にももちろんみてもらいます
今はバタバタでツイッターでお礼すら発言してませんが、、、
いまさらながらわたしもリンクいれさせてもらいますね。
普段見てる映画はあまり違うし、マメにまわったりはしてないけれど。。。。
ぴあで賞とるのは難しいけど、今後どんどんいろんな作品にチャレンジしてもらって、
いつか観せられるような長編とったときにまたかえるさんはじめ
応援してくれてる皆様に意見きかせてもらいたいな!
Commented by CaeRu_noix at 2010-07-20 13:54
ノルウェーまだ〜むさん♪
ありがとうございます。
興味があったし都合がよかったから観てみようと思ったという軽い食いつきだったのですが、ラッキーにもちょうど日本にいらしているノルウェーまだ〜む母娘にもお目にかかることができてよかったですー。
私はヨーロッパ好きなので、海外暮らしのお話はいくらでもおうかがいしたかったですし。
お嬢さんが自分の趣味の世界を確立しているということにも感心、興味深かったですー。
残りの日本滞在の日々も満喫してくださいませ。
リンクもありがとうございます。
こちらこそ今後ともよろしくお願いします。
Commented by CaeRu_noix at 2010-07-20 13:57
migさん♪
ありがとうございます。
チケットから食事会手配もろもろお世話になりました。
この機会がなくても観に行こうかなと思っていたのですが、せっかくなので皆さんとご一緒できてよかったですー。
ブロガーさんとのブログ上交流をめっきりサボっている私なのに、仲間に入れてもらえてー。

いやー、確かにmigさんとは普段観る映画の好みがかなり違うのですが、その弟翔さんが作る映画はとても好みの感触でありました。
私は心にもないお世辞などは言わない方なので、よかった!という感想は本物ですw
それと、ハリウッドメジャーものが得意のmigさんが、弟さんのことをきっかけに、低予算の自主映画などにもふれる機会をたびたび持つことになったというのが、逆に私は嬉しい気がします。

ぴあFFで短編作品の受賞は難しいということですが、とれたらすごいですよね。
そしたら、スカラシップで長編が作れたりするのかな?
そうでなくてもやはり長編も観てみたいって思います。
そのセンス、才能をよりいっそうはばたかせてほしいですねー。
Commented by KLY at 2010-07-20 20:17 x
こんにちは。先日はお疲れ様でした。
実に豊富なアート系作品の鑑賞量に、どんな方なのかと実はお会いするのが楽しみでした。お会いして、なるほど素敵なサイトと文章にピッタリの素敵な方だなぁと納得です。^^
席が2つに分かれてしまったのが誤算で、中々接点が出来ないままになってしまった皆さんがいらっしゃったのですが、宜しかったらまたやりましょう。それでは!
Commented by ネコメ at 2010-07-21 14:38 x
かえるさん

PFFきてくださって、そしてこんなにもありがたきコメントを!
本当にありがとうございます!

映画というものは、人それぞれ好みや考え方感性によって、万人にうけるものはほぼ皆無です。
そんな中、自分の表現したかったことを、解説することなく本編だけで受け取って頂けることは、何よりの喜びです。

くらげくんでは自分が描きたかったことや狙いが、
かえるさんに余すところなく伝わってくれたようで、本当にうれしいですし、今後の励みになります。

褒められたお返しをするわけではないですが、さすが!
たくさん映画を観られていて、感性が研ぎ澄まされているなぁと思いました。

まだまだもっと良い作品を目指して、がんばっていきますので、
今後も宜しくお願いいたします!
Commented by CaeRu_noix at 2010-07-21 14:55
KLYさん♪
先日はありがとうございました。
幹事さん、お世話になりました。
いえいえ、何をおっしゃいますかー。
前回の時に、SGAさんから皆さんの印象をチラリと聞いたので、今回はKLYさんのイメージにギャップはなかったのですけれど、それがなかったら、あんなにたくさんの映画をご覧になっているブログを思うと、籠り系文科系男性タイプ?とはまるで違うアクティブに頼もしい感じの印象のKLYさんにギャップを感じたかもしれませんw
そう、テーブル2つが並びじゃなかったのは残念でした。
でも、まあ、大人数だと仕方ないですよね。
是非またよろしくお願いしまーす。
Commented by CaeRu_noix at 2010-07-21 23:03
ネコメさん♪
お忙しい中、コメントありがとうございます。嬉しいです。
レズビアン&ゲイ映画祭でも観客賞を受賞したそうでおめでとうございまーす。
例えば、浴びるように映画を観ている私なんかは、ゲイ映画の類も普通に受け止めるのですが、世の中には偏見も多く、アメリカ映画などでは笑いのネタとして使われることがほとんどなんですよね。日本もどっちかというとそういう感じ。
そんな題材をラブリーな子どもの物語にすることで、差別的せせら笑いを煽るんじゃなく、観客が心からその思いを微笑ましいと温かな気持ちをもつことができるものにしている、それが本当に素晴らしいし、ウマいなーって思いましたよー。
そんな見事な仕事を、今後も見せてもらえたら嬉しいです。
そして、私にまでお褒めのお言葉をありがとうございますぅ。
本当に万人にうけるものなんて作れないのでしょうけれど、わかる人にはわかるはずなので、多くの観客ウケばかりを気にすることなく、描きたいものを撮りたいように撮ってほしいと思います。
応援していますよー。がんばってくださーい。翔べー
Commented by rose_chocolat at 2010-07-21 23:25 x
どうもです!
素晴らしい感想!
さすが、これだけ感じ取れるのはかえるさんの真骨頂かもしれません。

そっか、どうしてこの作品がL&Gなのかってことをよく考えなかった私。
ですけど全く普通に鑑賞してます!
いいものはいい。 ストンと心に入ってくる訳ですからね。

席が遠めで突っ込んだ話(笑)ができなかったんですが、
そのうち女子会でもしましょうか? f^^;
Commented by CaeRu_noix at 2010-07-22 01:11
rose_chocolat さん♪
お疲れ様でしたー。&ごちそうさまー
いやいや、とんでもないですが、本作はお見事に私好みにじゃすとみーとでしたー。
シノプシスを最初に読んだときに、L&G映画祭でかかってもいいかもって思ったんですが、本当に上映作になっていて、観客賞までとっちゃったのだからすごいですよねー。
くらげくんの思いまっすぐキューンと響きましたよねぇ。
神様に誓った時はじゃんけんで出すもの嘘ついちゃうのに、こたくんに誓った時は欺けないっていうところは泣きそうになりー。

今回はそう、残念ながら、ずっと違いテーブルだったのであんまりお話できませんでしたねー。
近くだったら、どんどんミニシアター映画の話にもっていったのにー。
そうですねぇ。少人数女子会とかもよいかもしれませんー。
Commented by にくきゅ~う★ at 2010-07-22 01:13 x
こんばんは~♪

う~ん、中々深い感想ですね。
東京国際レズビアン&ゲイ映画祭、なぜってさっきまで不思議に思ってました。
そういえばこの二人・・・男の子同士でしたね。
でも、自然な演技で可愛かったから、その様に思えなかった。

ツイッターでも書きましたが、お会いできて嬉しかったです。
色々な映画をご覧になってるんですね?
今度色々教えてください。
ジョニーは有名にならない方が良かったですか??(笑)
っていう事は、パイレーツより前の作品の方がお好きですか?
Commented by CaeRu_noix at 2010-07-22 12:51
にくきゅ~う★ さん♪
訪問ありがとうございますー。こちらこそ。
そうですね。どーせーあいだなんてことを意識さえしない、可愛い恋/友情の物語でしたね!
結婚しちゃいなよ~って思ってしまうくらいw

映画は本数だけはたくさん観てますよー。
メジャーなものよりマイナーなものを好む傾向にあり、先日はカザフスタン映画を喜んで観に行きました。新作もクラシック映画も観ますよー。
シネコンでやっているものばかりが映画じゃないってことをわかってもらえたら嬉しいですー。

ジョニーは好きなんですけど、人気スターになりすぎたことは残念に思ってますw
ジャック・スパロウというキャラそのものはすごく魅力的って思うんですけどね。
私がジョニデ出演作でもってるDVDは『アリゾナ・ドリーム』とかだったりしますー
Commented by るる at 2012-12-11 13:35 x
”男性監督では”と言ってますが、
女性の監督なら子供を自然の演技で撮る事ができるのでしょうか?
女性監督が圧倒的に少ない中、わざわざ”男性”と書いているところに差別的なものを感じますね。
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