かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『トイ・ストーリー3』
2010年 08月 17日 |
最新映像技術で昔ながらのおもちゃを描くことの巧妙さ。



ピクサーはやっぱりスゴいなーって興奮、感嘆の映画体験。実写のハリウッド映画に心の底から面白いと感じられるものが少なくなった昨今、すれてしまった自分はもうエンターテインメントな映画を存分に楽しめる純粋さを失ってしまったのだろうかと悲しく思ったりしたこともあったけれど。いや、そうじゃなかった。CGアニメーションのおもちゃたちの奮闘にこんなにワクワクドキドキしてしまうなんて。「おもちゃのチャチャチャ」っていう歌が子どもの頃にお馴染みのものだったから、人間の知らないところでおもちゃたちが活動しているということ自体はとても単純でありがちな発想だと思ってた。それをストーリーテリングや技術の細やかな巧みさで、他では真似できないようなドラマチックな活劇に仕上げちゃうのだからさすがだよね。

おもちゃの世界のビジュアルにはウキウキしちゃうといえど、本当いうと個人的にはアメリカンなその風合いは決して好みじゃない。どっちかといったら チェコアニメの『屋根裏のポムネンカ』のような手作りレトロな味わいのものが好き。カウボーイのお人形だの宇宙飛行士だのっていかにもアメリカ人の男の子の所有するものだもんね。それでも、主人公がカウボーイというアメリカの活劇定番の配役が中心に据えられながら、ポテトヘッド夫妻だとか愛嬌いっぱいのへんてこキャラも仲間の一員として大いに活躍しちゃうのがアニメによるおもちゃな世界の楽しさよ。ポテトのやつのトルティーヤ作戦は見事だったな。ケンのファッションショーはそれはもう楽しかったしね。とウッディもバズもそんなに好きじゃないはずの私が、あれよあれよとおもちゃたちに夢中になった。誰もが想像しうるおもちゃの世界を軽やかに飛び越えて、3Dの醍醐味いっぱいに遊び心弾けるカラフル映像が素晴らしかった。

ストーリー展開にもやられましたね。11年ぶりの続編ということなんだけど、その年月の流れをそのままウマく物語のテーマにしちゃっているところがお見事。戦闘場面が物語の山場になっているドラマにはどうしても気持ちが離れがちな私は(それがエンタメ・アクション・活劇の王道だとわかってはいるけれど)『カールじいさん』の後半の運びは残念なものだったから、本作の展開は実に気持ちよかったな。エンタメ・フィクションに堅いことは言いたくないと思いつつ、敵を倒すことが疑いなく正義の行いとして正当に輝いちゃうことにはスッキリしない思いが残るので、戦う・敵を倒すが目的・見せ場にならなくて、脱出ものとして盛り上がるっていうのには完全な応援態勢になれて、思う存分ワクワク高揚。そして、正直いって、ウッディがアンディに固執し続けるというのが好みじゃなかったんだけど。だからこそ、最後にやられた。アンディの選択にね。最初に彼らが望んだかたちでのメデタシメデタシで結ばれるのではなく、ステキな着地が待っていたんだもの。己が所有することに拘らず、それを次の世代に受け継ごうっていうのが大好きなのです。循環。
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by CaeRu_noix | 2010-08-17 18:41 | CINEMAレヴュー | Comments(4)
Commented by KLY at 2010-08-18 00:18 x
作品そのものが世代を越えたものがありましたよね。1が公開されたときに5歳で観た子供が3では成人ですから、その親にしてみたらあまりにもリアルな時間の経過で、それはアンディのウッディたちに対する気持ちにも共通するところがあるんじゃないかなと思います。
もっともそのアンディごと見守ってきた方もいるんでしょうけども。
我家は私が高校の時に火事で全焼して、おもちゃどころか子供の頃の思い出となるようなものが何一つ残っていないんです。次世代に受け継げるアンディがちょっとばかり羨ましかったです。
Commented by CaeRu_noix at 2010-08-18 18:55
KLY さん♪
イキな続編ですよねー。とても普遍的なテーマでした。
1を観た時はまさかこんな風に繋がっていくとは思いもよらず。続編で、数年後が描かれるシリーズものはいくつもあれど、こういうふうにシンプルながら奥深く時の流れと人の成長にスポットをあてたものはなかなかなかったですよね。
ピクサー作品の中ではトイ・ストーリーはそれほど好きなわけではなかったけど、これで大躍進。
あら、おうちが火事とは、大変でしたね。高校生の頃じゃショックもおおきかったでしょう。
実は私の実家も数年前に同じ災難にあい、自分が置きっぱなしにしてたぬいぐるみなどが燃えちゃいました。もう別にそれを悔やむ年齢ではないわけですが。結局のところ、家族が無事でよかったということに限ります。
ウッディたちにはすまないけど(物を大切にすべしとは思いつつ)モノは所詮モノという気持ちもあって、おもちゃを受け継ぐよりか、親子や兄弟が一緒に遊ぶこと、体験を共有し、遊び方なんかを伝授することがより大事かなと思えますー。
Commented by templeclub at 2010-08-26 02:05 x
今敏さん(パプリカ)の遺稿です。なんでこんな若さで。才能の満開はこれからだったのに。
http://blog.livedoor.jp/goldennews/archives/51534087.html
Commented by CaeRu_noix at 2010-08-27 00:09
templeclub さん♪
今敏監督の訃報には驚き、ショックでした。だってまだ若いですもんね。
誰であれ、まだまだ生きていてほしい年齢。ましてや今監督のような才能ある人が逝ってしまうなんて悲しすぎますよねぇ。進行中の作品もあったようで。
私は『東京ゴッドファーザーズ』が好きでした。
ついこのあいだ、『インセプション』を観たときに、『パプリカ』のことを思い出していたんですよね。
遺書ともいえるそのブログの文章も胸をうつものでした。ああ、残念です・・・。
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