かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『ヒックとドラゴン』
2010年 08月 31日 |
ドラゴンで飛ぶのもいいね。3Dの楽しさ満点。



3Dばっかりでうんざりしちゃう今日この頃だけど、これは評判どおり3Dで体験すべしな夢いっぱいのアドベンチャーだったよ。物語はいたってシンプルなんだけど、じっくり細やか丁寧な描写によって、シンプルゆえにストレートに染みてくる。浮き彫りになるテーマにも感動せずにはいられないし、そこに至る過程を描いた3Dによる映像表現にわくわく高揚感で満たされるの。かねてより空を飛びたい願望を抱えて生きてきた私は、映画での飛行体験が大好きなんだけど、ヒックがトゥースに乗って空高く飛翔するシーンの素晴らしさには大興奮。3Dばんざい。

かわいい愛玩動物の可哀想なオハナシでお涙頂戴しちゃおうっていう安直な企画の映画が巷にあふれているからこそ、おっかない野獣ドラゴンにスポットがあてられることが私は嬉しいの。イヌネコはそこらじゅうにいるからいちいち映画にしなくてよいでしょうよと思ったりする。架空の世界でしかお目にかかれないものを見せてほしいわけだ。未知の生物ドラゴンなのだけど、リアリティを感じさせる造形、骨格があって筋肉がちゃんとあるように見える動きが見事だったね。どう猛な顔を見せながら、徐々になついてきたトゥースの目がかわいくてたまらない。まるで馬を飼いならすように、ヒックは段階的にゆっくりとトゥースのことを理解して馴染んでいくところがとてもよかったな。

弱虫くんと思われていたヒックが、自ら見出した知恵によって害獣ドラゴンを手なずけ、みんなに一目置かれる存在となったことにも胸がすく。戦い倒すべき敵とみなしていたものと、共生する道を探り出すことができたというテーマはそれはもうステキだ。飛翔の映像体験の爽快感さめやらぬまま、これまでの常識を覆しての異種のと共生・共存という物語展開に感銘の涙。でも、そこに大いに感動した者からすると引っかかる点が2,3あったのは残念。せっかくドラゴンたちと歩み寄れたのに、巨大ドラゴンは悪役を担わされることからは免れず。やっぱりアメリカの映画には、絶対悪の権化の存在と、それをやっつけることが必要なのかなって。『キリクと魔女』のようにはいかないのだね。

そして、イヌネコものじゃなくてドラゴンならではの魅力にウキウキしていた私にとっては、最後の最後の締めのモノローグで使われていた「ペット」という言葉にもグワーンと残念な思いが広がった。その言葉によって、これまでじっくり丁寧に築き上げたものがひっくり返されちゃうじゃない。映画全体の手ごたえと素晴らしさは変わらないけれど、テーマが別ものになっちゃうよなぁ。ペット化することがさも美徳のように着地してしまったのが甚だ残念。子どもたちが見ることを思うと、ペットというのはわかりやすく馴染みやすい言葉なのかもしれないけれど。作り手と自分との価値観違いが最後にクローズアップされてしまったのは後味がよろしくなかったな。

それと義足にもギョッとした。だって主人公は子どもだよ。痛々しいにもほどがある。敵との戦いにはこのような犠牲がつきものなので、戦争はしないにこしたことがないよねっていうメッセージとして受け止めたらいいのだろうか。運命は受けいれるべしと思うけど、戦闘で子どもが大怪我しちゃうというのはあんまりだ。キレイごとばかりじゃ面白くないとは思うけど、全体がピュアでシンプルな物語になっているため、バランスがよくない気がして、その2,3の点については「えー!」とつっこみたくなった。まぁ、でも、そんなふうに解釈に戸惑う場面があることも含めて、味わい深いともいえるかな。ピクサーもジブリもいいけど、ドリームワークスもいいね。ペガサスに乗りたかったけど、ドラゴンもいいね。
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by CaeRu_noix | 2010-08-31 18:17 | CINEMAレヴュー | Comments(0)
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