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『ミツバチの羽音と地球の回転』
2011年 03月 08日 |
だからさぁ、この地震大国に原発は危険が多すぎるよ。-3月12日 am

ともあれ、このタイミングで観て考えることができてよかった1本。-2011.3-

...
・・・

何かできることはあるのかもしれないと思わせられてくるような。涙に明け暮れ、たっぷり考えさせられた意義深い時間だったよ。

山口県上関原発の問題と向き合う祝島の人々と、スウェーデンでの、地域自立型のエネルギーを創り出し持続可能な社会を模索する人々の取り組みを追ったドキュメンタリー。





先日、上関、田ノ浦の中国電力の工事強行現場がustream中継されていたけれど、あれは太陽光発電でやっていたのだね。

美しい海と大地、そこに生きるものたちの健やかな生の営みを壊さないでほしいというそれだけのこと。そんな思いを強固にしつつ、憤りを感じるばかりではなく建設的に考えさせてもくれる「優」印のドキュメンタリー。『六ヶ所村ラプソディー』もそうだったけれど、鎌仲監督とスタッフの穏やかなる向き合い方、その姿勢がとてもいいなって思った。テレビ番組のワイドショー系レポーターの不愉快この上ない図々しいインタヴューなんかとはまるで違う、当たり前の節度と親しみをもって、信頼関係を育んで祝島の人々の姿をカメラに捉える。必要以上に大げさに中国電力側の横暴さを描いているわけではなくて、そういうことよりもただ、島民の人たちの暮らしを守りたいというごく真っ当な取り組み、その思いががしっかりと私たちに伝わってくるから心揺さぶられるのだ。

電気なしでは生きていけない。コンセントから湧き出るごとくの電気の恩恵に預かって、便利な文明生活を謳歌する現代日本の私たち。それゆえに、原発反対、撤廃せよとは、声高に言える立場にはないのかなぁと考え込んでしまうこともある。けれど少なくとも、もう新たに作る必要があるとはどうしても思えないのは事実。供給が需要に追いつかない危機が刻一刻と迫っているわけじゃないのでしょう。この日本の狭い国土上に既に、全世界トップクラスの比率で数十基の原子力発電所設備が稼動しているというのに。それしか電気を作る方法がないというならともかく、そんなに危険と背中合わせの代物を、今ある地球上のかけがえないものを破壊してまで作り上げなくちゃいけない道理がどうにもわからない。安全な代替案があろうとも、大きな組織の大きな権益が絡む大きな計画は、良心の向くままに軌道修正はできないということなのだろうか、悲しいかぎり。

祝島の島民の平均年齢は高齢で、反対運動をする人にもお年寄りの姿ばかりが目立つ。ひょっとして計画推進サイドは、反対派の老人達はそのうち弱っていってフェードアウトしていくと目論んでるんじゃないかと思えたり・・・。いや、そういうなら、電力会社や関係各社、お役所のこの権益で甘い汁を吸えるポジションにいるお偉いさんたちもそのうちモウロクしてしまうかもっていうのは一緒だね。高齢化社会といえど、個々の人生は限りある短いものすぐに終わるの。だから、みんなが今の自分の利より、次世代の安泰、よりよい未来のことを考えればそれでいいはず。だけど、この社会のシステムはそういう仕組みにはなっていなくて、頭を抱えてしまうばかりなの。中国電力側での作業者はそれが仕事だから任務を遂行しているに過ぎないという感じで、何が何でもこの計画を進めたいという上の方の人は現場に立つことはなく、役所の人もそれは決まったことだからと伏し目がちに対応。それぞれの立場はわかるけれど。もう、そういう、建前、目先のことを重んじるんじゃなくて・・・。ため息。

お年寄りの姿ばかりだったら、ちょっと複雑な気持ちにもなったに違いないけれど、フィーチャーされている32歳のホープ山戸孝さんの存在には心の底から勇気づけられた。彼ががんばってくれていることで、希望も持てるし、抗うことも未来に繋がると確信できる。現代社会においてはしばしば、若者たちは老害を訴え、オヤジたちは今時の若い者はけしからんと嘆いているけど、そうやって世代で敵対することなく、孝さんは島のお年寄りたちと手をとりあって日々地道に生活している。そんな姿にめちゃめちゃ感動させられた。若い人は島から去るという選択肢だってあるわけだけど、そこで生きることを選んだ男の生きざまがカッコいいのだよね。目の前にあるものをじっくりと一つ一つやり遂げる。こんな人たちがこんな風に暮らしている場所ならば、うん、守っていきたいよねって思うわけなんだよ。

感動しつつも胸の痛くなる祝島パートとは違って、爽やかな気持ちで興味深く見つめることができたスウェーデンパート。社会の仕組み、政策が違うから仕方ないとはいえ、当たり前のことの違いに愕然とする。それが簡単に変えられることじゃないとはわかっているけれど、とにかくまずはただ電力を自由化すればいいんじゃないということで。『フード・インク』の結びもそんな感じだったけど、消費者が自由意志で健全な商品を選択することができればそれでいいのだよね。自分で好きなものを選べるのなら、風によって作られる電気がいいかな。前に風力発電は日本には相応しくないというようなことを聞いた気がするけれど、その根拠も定かではないし、スウェーデンの一地域よりは日本の方が仕事率がいいらしいじゃない。厳密な所は素人にはわからないものの、でも少なくとも原発が必須というわけじゃないことは確かだよね。よりよい方法を模索することが大事だし、ビジネスとしてであれ何であれ、それを進めている人たちだって沢山いる。ちゃんと考えて、取り組む余地が大いにあるよねって前向きになれる。追い風。

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『ミツバチの羽音と地球の回転』オフィシャルサイト

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by CaeRu_noix | 2011-03-08 23:58 | CINEMAレヴュー | Trackback(4) | Comments(4)
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Tracked from まてぃの徒然映画+雑記 at 2011-03-12 23:13
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Tracked from LOVE Cinemas.. at 2011-04-05 11:33
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2/19桼?ڡǸƤκʡ ̺ҤƤⵯʤƤ3/11ǥ桼?ڡǤξǤϽλ 3/12ϥǥȥꥦëǸͽǤ ̺ҤαƶȱDzƤθ3/12ξǤϰ ٻߡ 4/2ԥȥԸ졢Ǥ4/16ä ǥȥꥦëǸޤ ɤ˾ߤͳˤĤƥ᡼䤤碌ֻʹ ɤƤ⡢ʤޤ ᡼ȴ Ƥ˴ؤޤƤϡ̤Υͥ륮ɤ롩ȤơޤΤȡ ⳤνȤ1000ǯδȵȤˤƼ뼫­餷Ƥοͤ ܤڤʳΩƤƷͽξȯ28ǯδȿФ...... more
Tracked from よしなしごと at 2012-04-16 18:35
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Commented by rose_chocolat at 2011-03-16 00:10 x
これこないだトスカーナを観に行った時に確か初日か何かで、
監督さんの舞台挨拶&本買った人にサインしてたのよ。
気になったんだけど、時間がなくて観れずー。
行きたいと思ってたんだけど、なんか3月いっぱいは休映なんだって??
4月になってもやっててくれるといいんですけど・・・。
Commented by CaeRu_noix at 2011-03-16 10:53
rose_chocolt さん♪
これなかなか大盛況みたいでしたよねー。
私が見た前の回もトークショーをやっていて満席だったようでロビーで監督がサインしてました。
ホント、これは今見るのにふさわしい内容の映画です。
ユーロの上映の後は2Fのオーディトリウムでやる予定だったのですが、地震で中止になったのかな。
でもそう4月には再開するらしいのでぜひ御覧ください。
これ普通のロードショー映画とは違って、日本ではミニシアターでやってますけど、地方では自主上映の形をとっていることが多く、一定の期間でおしまいじゃなくて、ずっとどこかで上映され続けたりっていう感じなんです。たぶん。
こういう状況ですから、ポレポレ東中野とかまたどこかで上映される可能性も高いのじゃないかと思います。ぜひ。
Commented by KLY at 2011-04-05 11:39 x
こんにちは。

そうなんだよね。声高にやたらと原発反対を唱える映画じゃなくて、現在の原発の恩恵を享受していることを前提に、これから先私たちはどう生きていったら良いのか、その選択肢のひとつを提示してくれていました。私は賛成にしろ反対にしろ、高圧的にこうあるべきだといわれるのが嫌いなので、こうした静かな訴えにとても共感できます。
とにかく電力の自由化!これやらなきゃ。それでも地域住民が原発を選ぶならそれはそれで仕方ないと思う。でも日本人はそこまでバカじゃないよね。
Commented by CaeRu_noix at 2011-04-06 01:17
KLY さん♪
ドキュメンタリーっていろんな切り口があるとは思いますが、主張が声高で押し付けがましいのって逆効果だったりしますよね。
とことん距離をおいて、クールに冷徹にというのもまた一つの賢い方法だけど、そういう感じでもなく、本作はきちんと被写体に歩み寄る、あたたかさが持ち味でもありー。
理性と感性にバランスよく刺激を受けた感じで、ホント、共感したし、考えさせられましたよねぇ。
奇しくもとてもタイムリーな映画になったわけですけど、鎌仲監督は、同じテーマをじっくり追究してきただけで。
見側の私たちはとてもいいタイミングで感じ、考えることができましたね。
平常時なら既得権益の砦を動かすのは難しいことだったんでしょうけど、国民が安全を望む今、方向転換のチャンスですよね。
脱原発依存ー。
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