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『ゲンスブールと女たち』 Gainsbourg, vie héroïque
2011年 05月 29日 |
フレンチ・ポップスとバンドデシネ風味なセルジュもいいじゃない。

ミュージシャン、映画監督、俳優、画家とマルチな才能をもつアーティスト、セルジュ・ゲンスブールのセンセーショナルな生涯を恋の遍歴とともに描く。



今年はセルジュ・ゲンスブールの没後20周年。フランス映画とおフランス文化を愛するならば、興味を持たずにはいられない、多才なアーティストで伊達男のセルジュ・ゲンスブール。去年のフランス映画祭の団長ジェーン・バーキンの思い出話から、シャルロット・ゲンズブールのLIVEでの「Couleur cafe」という選曲から、たびたびセルジュに思いを馳せていた。主演俳優のモノマネぶりだけが評判なのだとしても、セルジュの映画が作られたのはとても嬉しい。

メガホンをとったのは漫画家―バンド・デシネ作家のジョアン・スファール。私はその名前を、マチュー・アマルリックが撮ったドキュメンタリー作品によって記憶した。マチューは映画監督・アーティストとして、BD作家のジョアン・スファールの創作に興味をもって彼を撮った。そして、その時の被写体であったスファールがここでは、マルチな伝説的アーティストのセルジュの物語を三次元の映像作品として創り上げている。そんな刺激の連鎖がステキ。

監督がバンド・デシネ作家だからこそ、マンガチックに戯画的な分身が登場するわけだ。ファンタジー作品でなら、そういう風貌のキャラクターはよく見かけるけれど、伝記映画においてはとても珍しいこと。だから、慣れないせいでのちょっとした違和感、それによるチープ感が感じられる危険性と背中合わせかもしれない。それでも、セルジュの人生をリアルに捉えるばかりだと、切実に重苦しくなってしまいそうなので、そういうコミカルなファンタジー色を入れることで、気楽なエンターテイメント度が増すという効果があったと思う。らしさを発揮した面白い試み。演じていたのは、なんと、あのダグ・ジョーンズ。

エリック・エルモスニーノの風貌、雰囲気は本当にところどころ本人にそっくりで感心。本物のセルジュは、顔のパーツは美しいわけじゃないけど、なんだかんだいって、セクシーな存在だったと思うけど、エルモスニーノは似ているながらも、存在感が軽めでコミカルなんだよね。でもそれがまた、ファンタジーでライトな作風にあっていたといえるかな。メイクの力が大きいと思うけど、レティシア・カスタはブリジット・バルドー風味いっぱいで感激。モノマネ映画は紙一重のものだけど、再現されるのは単純に楽しい。あの頃のジェーン・バーキンの魅力は自分にとっては格別なものなので、これはちょっとイメージ違ったけど、その当時のジェーンとセルジュの物語をなぞるだけで感無量。

セルジュその人の生き様に迫る伝記ものとしては不十分なのかなとは思うけれど。結局のところ、本作は全編に渡って、ココロ踊るナンバー満載の音楽映画であったから、とても楽しいひとときを過ごせた。お馴染みのフレンチ・ポップもあれば、キャバレーでピアニストでやっていた頃はこんな風に歌っていたのかという発見。映画づくりでは妙なこともやっていた印象のある不良中年だけど、ミュージシャンとしての才能は確かなもので、音楽に聴き入るだけでも大いに心地良くて。フランス映画らしからぬ、フレンチ・ポップスタッチのエンタメ作品という感じでお手軽に満喫。セルジュ・フォーエバー。


エリック・エルモスニーノ --- セルジュ・ゲンスブール
ルーシー・ゴードン ---  ジェーン・バーキン
レティシア・カスタ ---  ブリジット・バルドー
アナ・ムグラリス ---  ジュリエット・グレコ
ミレーヌ・ジャンパノイ ---  バンブー
サラ・フォレスティエ ---  フランス・ギャル

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by CaeRu_noix | 2011-05-29 16:06 | CINEMAレヴュー | Trackback(3) | Comments(2)
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Commented by rose_chocolat at 2011-06-04 05:36 x
エリック・エルモスニーノの起用は正解でしたね。
どことなくセルジュにも似ていたし。 軽めでコミカルとは言い得て妙、さすがかえるさん。
レティシア・カスタのBBもコケティッシュで可愛かったし。
この雰囲気をなぞらえることができたという時点で、本作十分楽しめちゃいました。
Commented by CaeRu_noix at 2011-06-04 10:10
rose_chocolat さん♪
エリック・エルモスニーノ!
よくこんなに似ている俳優さんがいたなーって感じですよね。
セルジュの物真似以外に活躍の場はあるのだろうかと思ってしまったりもしますが。
本当はセルジュ本人の方がもっともっと危険な香り漂うセクシーな伊達男だと思うのだけど、このファンタジー混じりの作風にはエルモスニーノの雰囲気があっていた気がしますー。
アーティストというと情熱的な人が多いから、伝記映画も大概はドロドロシリアスなものになりがちなところ、ここはあえて軽やかさを出して作るという冒険がそれはそれでよかったんじゃないかと思います。
女優陣も美しく豪華でわくわく。BBもそれっぽかったですよねー。
この時代の文化、ファッションを見られる映画はホントに魅力的。
セルジュの音楽もまとめて聴きなおしたくなりー。
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