かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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「フレデリック・バック展」+「フレデリック・バックの映画」
2011年 08月 24日 |
よかった!!

アカデミー賞短編映画アニメーション賞を二度受賞したモントリオール在住のアーティスト、フレデリック・バック(Frédéric Back 1924年~ )の作品を一挙に。




まずは東京都現代美術館にて開催中の「フレデリック・バック展/ L'Homme qui Plantait des Arbres」に行き、ドローイングなど1000点にのぼる作品を見て、フレデリック・バックというアーティストの歩みを辿り、その後神保町シアターにて、その後にアニメーション全9作品をスクリーンで鑑賞。

このたっぷりじっくりコースは大正解で、フレデリック・バックのすばらしさを大いに堪能。ドローイングのタッチもすごく自分好みなもので、絵画もいいのだけど、本の挿絵の風合いなんかがとてもステキで、ケースの中に展示されていた「ブルターニュのシードル史」という本が欲しくなりました。技術的な部分、やわらかなタッチが好きというのと同時に、バックが絵の題材にしている対象も共感するものが多くて、そんなことも合わせて興味はつきません。

「メアリー・ブレア展」や「東京アートミーティング トランスフォーメーション」 展も楽しかったけれど、現代美術館の企画にはいつも格別に楽しませてもらえるなって。どうせ催す以上は、これだけの作品数を持ってきてくれるとやはり充実した時間が過ごせませす。見ていくうちにどんどん高揚感が訪れて、楽しくなっちゃう。

ヨーロッパ生まれのバックが文通していた女性と会うために、彼女が手紙で教えてくれた大自然を見るという目的を合わせてカナダを訪れて、すぐさまその女性にプロポーズしてモントリオールに住むことになったというのには驚きました。そしてそんな運命に沿って、カナダのラジオ局で職を得て、アニメーション作家としての地位を築くことになったのですね。潔くもドラマティックでアーティストらしいなぁ。

多数のドローイング作品に心惹かれ、画家としてのフレデリック・バックもかなり好きだなぁと思った後に、今度は一つ一つアニメーション作品が紹介されるという展覧会の構成がナイス。モニターでその作品の抜粋映像が映し出されていたら、やっぱり全部を見たくなるわけで。『クラック!』の祝宴のような楽しい舞踊シーンや、『大いなる河の流れ』の海洋の生き物たちが大きな画面に映される様には見入ってしまいました。


そして、その足で半蔵門線で神保町シアターに向かえるのが最高。渋谷のアンジェリカなき後、ジブリプレゼンツの海外アニメーションはどうなるんだろうと思っていましたが、同じアーティストの美術展から行きやすい場所のシアターで上映というのはちゃんと考えてるなと思いました。

そんな流れで、アニメ9作品も大いに満喫。やっぱり大好きです。カレル・ゼマンクラスに殿堂入りさせたいくらい。ジブリの『コクリコ坂から』を観た時に、もっとアニメーションでしか表現できないものをふと求めてしまった私なのですが、フレデリック・バックの表現にはそのへんのところが満たされました。現実世界とイマジネーションの世界の境界は不要。

今回の映画の代表作になっている『木を植えた男』はナレーションで進んでいくせいか、実はそれほどに好きではなくて。ポップでカラフルにリズミカルな作品にハマりました。『クラック!』なんかは本当に大好き。文明社会への警鐘というようなテーマも盛り込まれているので、そういうのが説教臭くて好きじゃない人もいるかもしれないけれど、そういうのってアニメという表現を通して示唆されると、私の心には響いてくるのですよね。

出会えてよかった、フレデリック・バック。
アートアニメーション好きは必見。




--アニメーション作品--

『アブラカダブラ』(1970年 / 約9分)
(Abracadabra)
魔法使いに奪われた太陽を探しに旅に出た少女が、旅先で出会ったさまざまな人種の子どもたちとともに太陽を取り戻そうとする。

『神様イノンと火の物語』(1972年 / 約10分)
(Inon ou la Conquete du Feu)
北米先住民族のアルゴンキン族に伝わる民話が題材。クマが見た夢のお告げにより、火の神・イノンから火を手に入れるため、タカ、ビーバー、オオカミが夕日の沈む山に向けて出発する。

『鳥の誕生』(1972年 / 約10分)
(La Creation des Oiseaux)
カナダ東南部の先住民族、ミックマック族の民話が題材。自然とともに暮らす人々の生活と四季の移り変わり。

『イリュージョン?』(1975年 / 約12分)
(Illusion?)
田舎で暮らす子どもたちの前に現れた魔法使いが、自然のものを次々と工業製品に変える。魔法はどんどんエスカレート・・。

『タラタタ』(1977年 / 約8分)
(Taratata)
少年は愛犬とパレード見物にでかけるが、大人たちの人垣で見えない。

『トゥ・リアン』(1978年 / 11分)
Tout-Rien
生きものたちを次々と作り出していった創造主が、最後に人間を作る。しかし、人間は欲望を膨れ上がらせ、殺戮を繰り返してしまう...。

『クラック!』(1981年 / 15分)
CRAC!
一脚のロッキングチェアが辿る運命を通じて、失われつつあるケベックの伝統的な生活や文化、家族愛、自然への共感、現代文明批判などをユーモラスに描く。

『木を植えた男』(1987年 / 30分)
L'Homme qui Plantait des Arbres
羊飼いのエルゼアール・ブッフィエは、たった一人で荒地に木を植え続けていた。ブッフィエの無償の行為は、不毛の地に緑をしたたらせ、生命の輝きに満ちた場所に甦らせた。

『大いなる河の流れ』(1993年 / 24分)
Le Fleuve aux Grandes Eaux
北米を流れる大河、セント・ローレンス(サン・ローラン)河を舞台に、河に生きる生命の力強さと、生態系を破壊し汚染する人間の愚かさをドキュメンタリータッチで描く。

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by CaeRu_noix | 2011-08-24 11:09 | Art.Stage.Book | Comments(0)
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