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2012年☆日本映画myベスト
2013年 01月 15日 |
ようやく。



-- 2012年日本映画myベスト15 --

(迷ったので順位はなし。本当は16本。鑑賞順で列挙。ロードショー公開新作に加え、リバイバル公開のもの、特集上映の初鑑賞作で新作と呼べる製作年のものなども合わせた中で、とにかく私が2012年に観て感銘を受けたものを選出。)

『陽炎座』(1981) 鈴木清順

絢爛豪華な映像美に酔いしれて妖しき世界に誘われて・・・。鮮やかニュープリントをありがとう。代表作の『ツィゴイネルワイゼン』はそれほどでもなかったのに、このたびは鈴木清順スゴいと感動した。@ユーロスペース


『なみのおと』 酒井耕、濱口竜介

ちょうど1年後の3月11日に鑑賞。その日に関するドキュメンタリーではもうこれを超えるものはないんじゃないかな。


『この空の花 長岡花火物語』 大林宣彦

「まだ戦争には間に合う」普遍的なメッセージ、今日だからこそのテーマ、冒険的な手法、濃密で熱くて、心震える紛れもない2012年を代表する1本@スバル座


『苦役列車』  山下敦弘

なぜこういう内容の小説をあえて今映像化する必要があるんだろうという企画自体への疑問はあるんだけど、山下監督の仕事ぶりは着実で手ごたえがあったな。


『こっぴどい猫』  今泉力哉

モト冬樹なんて嫌いだし、主演映画なんて気色悪くて観たくもないと思っていたのに、あら不思議と魅力的。やや長すぎるかなとは感じたけど、ひねりがあって軽妙で痛快。@新宿K's cinema
「ヴァージン」の『くちばっか』もよかった。


『親密さ』  濱口竜介

@オーディトリウム渋谷での監督特集にて。255分のロングヴァージョンを暑い夏のオールナイト上映で観たその体験は忘れがたいものだった。言葉から映像表現から、理性的にも感覚的にも、感銘が生まれて思考を誘う。濱口監督の才能に惚れ惚れした。


『桐島、部活やめるってよ』 吉田大八

タイトルといい、そのプロットといい、サスペンスフルで刺激的な1作。現代的で、それでいてどの世代にも親しめる普遍性をもつ学園モノ、青春映画の味わい。映画ネタももちろん楽しくて。


『かぞくのくに』 ヤン・ヨンヒ 

他でもない監督自身の実体験、辛い現実だから、アカデミー賞外国語映画賞の日本代表作品に選ばれたことなどには救われる思い。静かに描かれるからこそ、その理不尽さに歯がゆさをおぼえ、かぞくの立場と思いに胸が締め付けられた。@新宿テアトル


『適切な距離』 大江崇允

おかしな親子関係。日記に書かれた出来事が映画のシークエンスとなっている、という認識がそのうち揺らぎ、謎めいたその構成の面白さに引き込まれる。インディーズゆえの若手監督ゆえの軽妙さ、オツなユーモア。@新宿K's cinema


『ポッポー町の人々』 鈴木卓爾 

限られた時間と予算での実践映画塾「シネマ☆インパクト」の第1期作品上映@オーディトリウム渋谷にて。3月11日の1年後、架空の町、ポッポー町のファンタジックなコミカルさとそこに織り込まれた現実の切なさ。フィクションが現実に見事に繋がっていくラストシークエンスの素晴らしさ。


『夢売るふたり』 西川美和

前作はあまりピンと来なかったので、やっぱり西川監督はオリジナル脚本で撮るのが最良だよなと実感。その人間観は相変わらず一筋縄ではいかなくて鋭くて意地悪で、でもその洞察力が的確で、痛くも切実で面白い。


『ライク・サムワン・イン・ラブ』 アッバス・キアロスタミ

日本映画部門において、そのイランの巨匠の名前を記すことになろうとは。


『演劇1』『演劇2』 想田和弘

長時間に渡るドキュメンタリーなのに飽くことなく魅力的。精力的で平田オリザという人の凄さから、文化芸術社会全般へと思いは付きず。たった一人の人にスポットを当てながら、演劇と銘打ちながら、テーマは多重に響き、実に刺激的。@シアター・イメージフォーラム


『あの娘が海辺で踊ってる』 山戸結希

上智の女性大生監督による学生映画。それゆえに技術的にはチープさも垣間見えるのだけど、そんなことはどうでもよくなるくらいリズミカルでエネルギッシュで躍動するチャーミングな作品。圧倒されてゾクゾクした。LIVE付き上映がまたチョー楽しかった。@ポレポレ東中野


『ふがいない僕は空を見た』 タナダユキ

空はしっかりと。映し出される風景と登場人物の心象が重なるような撮り方がよかったな。コスプレ情事を大胆に演出・映像化しながら、僕らのふがいなさ、途方もないやるせなさをポッカリと浮かび上がらせてくれた。深く沁みる味わい。



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リズムにしろユーモアにしろ情感にしろ、若手監督のセンスとか女性監督のセンスとかがやっぱり好きで、ベテランであっても遊び心あってエネルギッシュな巨匠が好きでっていう相変わらずの単純な自分の好み傾向。
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<女優賞>

安藤サクラ (『かぞくのくに』『その夜の侍』『贖罪』『愛と誠』)

・とりわけ安藤玉恵、『夢売るふたり』の女たち

高梨臨 (『ライク・サムワン・イン・ラブ』『生きてるものはいないのか』)


<男優賞>

染谷将太 (『ヒミズ』『悪の教典』『生きてるものはいないのか』)

山田孝之 (『闇金ウシジマくん』『その夜の侍』『ミロクローゼ』『悪の教典』)

モト冬樹 (『こっぴどい猫』 )

森山未來 (『苦役列車』『セイジ -陸の魚-』)

小日向文世他『アウトレイジ ビヨンド』の男たち

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特集上映・名画座鑑賞の旧作篇(久しぶりの再見作含む)

『港の日本娘』1933 清水宏 (柳下美恵さん伴奏で)

『祇園の姉妹』 1936 溝口健二 (山田五十鈴さん哀悼)

『おかあさん』 1952 成瀬巳喜男

『誘惑』 1957 中平康

『四畳半物語 娼婦しの』1966 成沢昌茂

  『セーラー服と機関銃』 1981 相米慎二

『あの夏、いちばん静かな海。』1991 北野武

  『スワロウテイル』 1996 岩井俊二

『月光の囁き』 1999 塩田明彦


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土曜は仕事なので初日の舞台挨拶などには行けない、行く習慣のない私でしたが、近年はインディ映画等のトークイベント付上映などには出向ける機会があって、そういったことも映画とともに印象に残る。
「にほんのうた フィルム映画祭」では連日トークがあって、瀬田なつき監督&染谷くんやら犬童監督&池脇ちーちゃんの生トークが聴けた。
池田千尋監督特集上映で敬愛する岩井俊二監督に。
豊田利晃監督特集で豊田監督に見出された新井浩文、渋川清彦両氏のお話も。
『かぞくのくに』で聡明なヤン・ヨンヒ監督とステキな井浦新さん、キュートな安藤サクラさんに会えた。
濱口竜介レトロスペクティブでの興味深い対談と岡本英之ライヴ。
想田和弘×志賀廣太郎さん。
七里圭監督特集もおめでたい。
エトセトラ。
観客にとっては何の魅力もない映画関係者や語り手を呼んで、しまりのない話をダラダラするトークショーの乱発はどうかと思うけど、貴重な機会になりうる監督や出演俳優の登壇のある上映はよいものだった。
そして映画館で聴けるささやかな音楽LIVEがとても素晴らしくて。

自分にとって身近なものが描写され、よく知る言語で表現される日本映画のピンポイントな味わいは、異国を知る映画体験とはまた次元の違う魅力があるのわけで。
日本映画公開数多すぎの中、話題性にとらわれず、自分好みの秀作を今後も追求していきたし。


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by CaeRu_noix | 2013-01-15 23:59 | 映画年間myベスト | Trackback | Comments(2)
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Commented by ヒデヨシ at 2013-01-18 13:44 x
やはり観てますね~。『なみのおと』『親密さ』『こっぴどい猫』『適切な距離』などインディーズの若手監督作品、観てみたい。大林の新作や山下敦弘、鈴木卓爾も見逃してるなぁ。参考になります!

Commented by CaeRu_noix at 2013-01-20 01:49
ヒデヨシ さん♪
インディーズの若手作品にわくわくした2012年でありましたー。
濱口竜介監督作品など素晴らしいのでご覧にいただきたいものですー。とはいえ自主映画は機会を得るのが難しいですよね。(卓爾監督のも普通に公開されたものではなかったし。)あ、『こっぴどい猫』は配給されたもので、札幌でもやったようですがご覧にはなりませんでしたかね。機会ありましたらぜひー。
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