かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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再び会えた『セーラー服と機関銃』
2012年 02月 03日 |
ドニ・ラヴァンのステージの日、キム・ギヨンの『下女』の最終上映を観るのと併せて、シネマヴェーラ渋谷にて是枝監督の『幻の光』と相米監督の『セーラー服と機関銃』の再見を果たした。



主目的の『下女』はそれほどにさほど面白みを感じなかったかわりに、どちらかといえばついでであったはずのなつかしのこの映画に大いに心を動かされたよ。

映画監督の名前なんて知りもしなかった頃に、薬師丸ひろ子主演の話題の角川映画を公開当時に観ていたのは憶えている。劇場鑑賞時の記憶というよりは、TV番組で何度も映されたシーンゆえの記憶なのかと思うけど、「めだか組4代目組長星泉」とか「愚かな女になりそう」とかスローモーションの機関銃の後の「カイカン」とか名台詞もしっかり憶えているよ。ひろ子ちゃん好きだったもの。でもたぶん、若手女優主演のポピュラーなアイドル映画とはいえ、女子児童が観て、心底面白い映画というんではなかった気もする。ドラえもん映画やたのきん映画の方が楽しめるものだったと思う、あの当時は。

そしてひろ子も私もすっかり年を重ねてしまった今、相米監督がもうこの世にはいない今、3D映画が次から次へと作られている今、なつかし昭和の角川映画に再会する嬉し恥ずかし感。女子高生がいきなりヤクザの組長だなんて今も昔もありえない感は変わらない思いっきりファンタジーだし。そこかしこにあふれる昭和くさいキャラクターや台詞にこっ恥ずかしさを覚えてしまうし。初めのうちは、興味深いけれど、ハマれるドラマではない感じだったのに。あれよあれよという間に、胸がいっぱいになってしまった。それが相米パワーなのかな。なんとも不思議なときめき。

その当時は気づきもしなかったことだけど、噂の長まわしに驚いてしまった。えー、今のシーン、ワンカットだったよね、すごいなって。公園で話してた奴らが、そのままバイクに乗って走り出していくのをずっとずっと同じカメラが切れ目なく撮っているじゃないか。技術的に技ありだなっていうのと、そういうことをやりきった拘りぶりとに感心しながら、その途切れずに映し出されることで、理屈ぬきにそこにある青春のきらめいた躍動がビンビン伝わってくるのだもの。昭和くささに辟易してたことも忘れて、キュンキュンの高揚。ひろ子に代わって、私が「カイカン」って言いたいくらいだ。

カメラでの撮影を射撃になぞらえることがよくあるけれど、パワフルな長まわしのワンカット撮影はまさに、機関銃の連打のような快感をもたらすということがわかったよ。フィルメックスの時に『台風クラブ』と『夏の庭』を観た時も、同じように胸はいっぱいになったけど、それらとはまた一味違う新鮮な体験であったよ。さよならは別れの言葉じゃなくて、再び逢うまでの遠い約束、ってまるで私のこの映画との再会についての歌でもあったわけだ。
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