かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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「ボリス・バルネット傑作選」@ユーロスペース
2012年 02月 07日 |
10日(金)まで上映中のボリス・バルネット特集。



『国境の町』は去年フィルムセンターで観たので、このたびは他の4本を鑑賞した。レイトショーはちょっとつらいのだけど、がんばって観に行ってよかったと思える逸品。疲れも吹き飛ばす楽しさにあふれていたよ。

バルネット監督がプロボクサーとして活躍していたことがあるというのについ納得して、そこに関係性を見出さずにはいられないほどに、人物(動物)の動き、運動を捉えて追いかけることについてのこだわり、その鮮やかな描写には拍手したくなった。主人公のコミカルな動きが楽しくてたまらない。革新的に映像技術が発達した今だからこそ、シンプルな運動を撮っただけのものでも、加工が施されていないモノクロ映像の表現の豊かさに感動してしまう。映画の根源的な魅力って、こういうところにあるんだということを思い出す。

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<ボリス・バルネット> Boris Vasilyevich Barnet Борис Васильевич Барнет
1902年6月18日 - 1965年1月8日
エイゼンシュテインの同時代人で、ほぼ同時期に映画界に入る。美術学校に通いながら、実験演劇スタジオの小道具係として働いていたときロシア革命が始まり、赤軍に志願する。内戦終了後、プロボクサーとして活躍しているところをクレショフ監督に誘われて映画界に入る。「ミス・メンド」(1926)で監督デビューして以来、晩年にいたるまで、さまざまなジャンルで痛快な娯楽作品を発表したが、1965年に自殺。その後、欧米を中心に再評価が進んだ。


『帽子箱を持った少女』 1927/68分 サイレント 白黒
脚本:ワレンチン・トゥルキン/ワジム・シェルシェネヴィチ/撮影:ボリス・フランツィソン、ボリス・フィリシン
出演:アンナ・ステン、イワン・コワリ=サムボルスキー、ウラジーミル・フォーゲリ、セラフィーマ・ビルマン
帽子作りのナターシャは、貧しい学生イリヤと知り合い、モスクワで住む部屋を確保するため偽装結婚。

『国境の町』 1933年/96分 白黒
原作:コンスタンティン・フィン/脚本:コンスタンティン・フィン、ボリス・バルネット/撮影:ミハイル・キリロフ、A・スピリドノフ/音楽:セルゲイ・ワシレンコ
出演:エレーナ・クジミナ、セルゲイ・コマーロフ、ハンス・クレーリング、アレクサンドル・チスチャコフ
帝政ロシアの片田舎。ドイツとの静かな国境の町に、第一次世界大戦、そしてロシア革命の波が押し寄せる。資本家は、軍靴の製造でひともうけしようとし、若者は前線におくられる。ドイツ軍の捕虜とロシア人の靴屋の娘の許されざる愛を通して戦争の無意味さを静かに訴えるバルネットの代表作。

『青い青い海』 1935/71分 白黒
脚本:クリメンティ・ミンツ/撮影:ミハイル・キリロフ/音楽:S・ポトツキー
出演:ニコライ・クリューチコフ、レフ・スヴェルドリン、エレーナ・クジミナ
カスピ海で嵐にあって難破した船の乗組員、アリョーシャとユスフは、ある海辺の村で機関士として働くことに。やがて二人は、コルホーズの美しい娘に一目惚れしてしまい、ライバルに…。

『騎手物語』 1940/96分 白黒
脚本:ニコライ・エルドマン、ミハイル・ヴォリピン/撮影:コンスタンチン・クズネツォフ/音楽:ウラジーミル・ユロフスキー
出演:イワン・スクラートフ、アンナ・コモロワ、アレクサンドラ・サリニコワ、アレクサンドラ・デニソワ
引退を決意したベテランの競馬騎手トロフィーモフは、孫娘マリヤの励ましで競走馬の調教に専念することに。しかし一年後、村のコルホーズで偶然足の速い馬を見つけ、この馬を調教し再びライバルのパーヴェルに挑戦しようと決意。

『レスラーと道化師』 1957/100分/カラー
共同監督:コンスタンチン・ユージン/脚本:ニコライ・ポゴージン/撮影:セルゲイ・ポルヤノフ/音楽:ユーリー・ビリューコフ
出演:スタニスラフ・チェカン、アレクサンドル・ミハイロフ、イヤ・アレーピナ
実在したロシアサーカス界のスター、レスラーのポドゥヴヌイと道化師のドゥーロフをモデルにした作品。レスリングがサーカスの見世物の一部だった時代、力自慢のレスラーと、体制批判の毒舌が売り物の道化師が、オデッサのサーカスで出会う。
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『帽子箱を持った少女』 を観ると帽子箱を持って歩きたくなるよ。帽子箱の大きさ、形はなんて絶妙にいい具合の存在感なんでしょう。サイレントだからこそ、動作のチャーミングさが際立つのだよね。『青い青い海』は本当に海が青くてキラキラ輝いていたよ。モノクロなのにそのキラキラ加減はまぎれもなく青い青い海。水兵さんはいいなぁって。歌がまた聴かせてくれます。『騎手物語』の馬の疾走も圧巻。少女の勝気キャラも好き。カワスという飲み物が気になったよ。『レスラーと道化師』は大好きなサーカスもので、スッチャカメッチャカな感じはあったけど、ドタバタ感が楽しかった。ハラショー!

そういえば、青い青い海で「ハラショー」の言い方の応用を学んだ。単純に絶賛する時ばかりでなく、ちょっと皮肉めいた言葉に対して、「上等じゃん、受けてたとう」みたいなニュアンスで「ハラショー」って言うの。

活弁付き、ピアノ伴奏付きは今回は断念したけれど、行ける人はうらやましい。



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