かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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庭劇団ペニノ 「誰も知らない貴方の部屋」@アトリエ・はこぶね
2012年 04月 10日 |
評判の庭劇団ペニノ 「誰も知らない貴方の部屋」の追加公演に行ってきたよ。



観劇をする時は普通、規模の大小はあれど劇場に直接足を運ぶものなのに。本公演の観客は屋外、遊歩道に集合することから始まって、順番に5人ずつ会場へ誘導されて移動するという独特のスタイルが始まる前から面白くて。“アトリエ・はこぶね”というマンションの一室に靴を脱いで入り、少し窮屈ではある客席だけど、この密な空間だからこそ醸成される奇妙で幻想的な雰囲気。

舞台演劇というものでは、映像表現ほどに幻想・妄想の世界を完璧に作り出せないように思っていたけれど、こういう空間利用ならばそれがかなり可能になるのだね。豚と羊の妖精さんのいる部屋がすぐそこにあって、ステージと客席との隔絶した感じはなく、妖しい異空間の雰囲気が部屋に充満する奇妙でなファンタスティックな体験。

テキスト勝負の劇ではなくて、舞台設計、まずは美術が凝っているというのが実に好み。公共の貸しホールでは難しい試み、部屋ごと作りこめるってとてもいいね。壁に貼られたタイルのモザイクも、垂れ下がったランプもアーティスティックで、卑猥な形のテーブルとイスも妖精さんの住む世界においては味わいのあるものだったり。下の弟部屋は座る位置によって見づらくもあったけど、こんなに限られた狭いスペースで二層になっているのはお見事。

お部屋の豚さん、羊さんの妖精ぶりもかなり本格的で嬉しくなった。ダークなメルヘン世界、これは大好物。とぼけた会話がほほえましいし、人間キャラがやったら狙いすぎにいやらしい感じになるようなことも、豚と羊の妖精の動作になったらほのぼのしてしまうようなコミカル感。そのダーク・メルヘンにエロティックなものが奇怪に弾ける感じには、シュヴァンクマイエルの世界観を思い出したりもしたな。

出題の後に登場するチェスもよいし、そのフォルムの極めつけはやはりリコーダー。尺八じゃないのよ、リコーダーが正解かもしれない。奏でられたパッヘルベルのカノンはもの悲しくも美しく、こんなおちゃらけたシチュエーションで、思いのほか済んだ音色のハーモニーがその狭い部屋に響くなんてステキじゃないか。限定された空間のわずかな時間の物語だけど、普遍性を帯びるかのように。座る体勢に疲れながらも、愉快なヒトトキでした。

作・演出・美術:タニノクロウ 
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