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ファニー・アルダン来日/『灰と血』など@東京日仏学院
2012年 05月 16日 |
東京日仏学院は、創立60周年!それを祝してまた素晴らしいイベントを催してくれました。感謝、感謝。




東京日仏学院と同じ年に作られた映画の無料上映というオツな企画もあり、私はジャック・ベッケルの1952年の作品『エストラパード街』を初鑑賞。英語字幕ではあったけれど、これはわかりやすい会話がほとんどだったので、美しいモノクロフィルムと軽快で小粋な楽しい夫婦劇を楽しむことができました。

そして、このたびは大女優ファニー・アルダンの来日!彼女の監督作品を鑑賞し、その後に青山真治監督を交えたトークショーという心躍るイベントに参加することができました。そんな豪華な内容なのに、記念イベントにつき無料ということで、想像通り人気/競争率は高かったけれど、はりきってでかけた甲斐のあるステキなひとときを過ごせました。ファニー・アルダンという女優には、顔立ちの印象からか役柄によるものか、どちらかというと気の強そうな少し怖そうな女性というイメージを抱いていたのだけど。そんな自分の安直な先入観が恥ずかしくなるほどに、気品あふれ華やかで、快活でありながらも柔和な女性で、可愛らしさを随所にのぞかせてくれる方でした。大女優なのだから特別とはいえ、1949年生まれでこんなにも若々しくチャーミングでいられるということに驚いてしまうくらいに感激。ステキなステキな女性でお目にかかれて本当によかった。

ファニー・アルダンが監督した2008年の映画『灰と血』Cendres et Sang はバルカン半島を舞台とした文学性を感じさせる壮大で硬質なドラマ。これまでフランスの女性監督作品を多数鑑賞してきたけれど、その多くが等身大のフランス女性の身近な出来事を描いたものだったのと異なり、ファニー・アルダンは初めてにしてこのような題材でメガホンをとるのですからさすがです。異国を舞台にしたギリシャ悲劇的な一族の物語。トランシルバニアで撮影したというその絶景は(私の好きなミルチョ・マンチェフスキーの映画で目にしたような)まさにバルカンそのものという感じの神々しい大自然。俳優たちも知らない人ばかりなのに人物像に深みを感じさせる魅力があり、荒々しい動物たちの撮影がまた見事で。気高く美しく力強い劇画調なのに寓話的でもあるその映像に強く引きこまれました。英語字幕では物語の細部がよくわからなかったというのに、気持ちが離れることなくその映画に魅了されてしまいました。

そんな映画を撮るファニー・アルダンは、トークの内容から、この世界の捉え方・ものごとの見据え方にとてもおおらかなものを感じる人でした。自分語りに重心が傾くことがあまりなくて、自分がどうのというより、常によき人たちとの出会いがあったことや、世の中の映画が大好きな人たちのことを言葉にしてくれる。トリュフォーにまつわる話を期待する空気の中、慎ましやかにフランソワの名前を出してくれたことももちろん感慨深いのですが、それ以上にもっと普遍的に映画について、映画を愛する人々について真摯に語ってくれたことにグッときました。対談相手の青山監督などはどちらかというと一人称を主語に話すことが中心だったのですが。セルジュ・トゥビアナもユーモアにあふれた余裕の語らい。またしてもフランスの映画人の大人で熱い映画愛にふれることができて感無量。映画もトークも手ごたえのあるものでした。

ファニー!






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