かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
latchodrom.exblog.jp
(映画を見るのにいそがしくてブログはもう)
Top
アルノー・デプレシャン作品を堪能
2006年 01月 28日 |
いつも魅力的な特集上映を行っている日仏学院。
フランスの映画雑誌「カイエ・デュ・シネマ」とともに最新のフランス映画を紹介する「カイエ・デュ・シネマ週間」
監督がゲストで訪れるというアルノー・デプレシャンの新作『キングス&クイーン(仮題)』 に強く惹かれて観に行ってみた。
東京日仏学院



トークショーのある15時の回を観たかったのだけど、チケット発売の10時には既に長蛇の列。やむなく、追加上映の19時30分の回を。どの道予定は狂ったこともあり、ティーチインにひかれて、11時開始の旧作『エスター・カーン』 も観てしまった。

d0029596_14483643.jpg1960年生まれのアルノー・デプレシャン監督は、雑誌の写真を見た時に俳優かと思ってしまったほどの風貌。とてもステキなジェントルマン。穏やかさの中に知性がにじみ出る熱い語り。監督の話すフランス語の響きがとても心地よくて。

『エスター・カーン』 はハワード・ショアが音楽を手がけていて、その話もしてくれた。その時までは、現代を描いた映画の音楽ばかりを作っていたショアに、『エスター・カーン』のような19世紀の物語に曲をつけることを持ちかけて、その試みをおもしろいと思ってもらえたのだという。ハワード・ショアのような大物作曲家に依頼をするほどの予算のない作品でありながら、引き受けてもらえたというエピソード。そういわれてみれば、ハワード・ショアがヨーロッパ映画の音楽を担当したものは他に思い当たらないかもしれない。LotR前のショアにコンタクトをとったデプレシャン監督の手腕とセンスに今さら感動。異質とも感じられる重厚な音楽は印象的なわけだ。

そして、目当ての新作 『Kings and Queen』(Rois et reine/王と王妃) にはメロメロ。
d0029596_14482574.jpg これだからフランス映画が好きなんだーって実感させてくれる素晴らしさ。JLG作品を観た時のような興奮をもたらしてくれる語り口。監督本人の魅力にハマり、そして裏切られることなく、彼のつくった映画を大いに気に入ってしまった。ため息とときめきの連続の150分。アルノー・デプレシャンは健在なのだ。

本作に強い興味をもったのは、「FIGARO japon」6/20号のフランス映画特集 がきっかけだったと思うのだけど、私の気持ちは後追いでまんまとFIGAROな注目視点にフィット!
この特集で大きくとりあげられていた俳優は、ロマン・デュリスとマチュー・アマルリック。この雑誌を最初に見た時点ではそれほどに興味をもたなかったのに、フランス映画祭以降、ロマン・デュリスの魅力にすっかりハマってしまった。そして、このたびは一気に、マチュー・アマルリックが気になる存在になってしまった。セザール賞も受賞したその喜劇なキャラクタはサイコー。マチュー・アマルリックはスピルバーグの『ミュンヘン』にも出ているのだよね。

わたし的には大収穫となった日仏学院な1日。

東京日仏学院では、続いて"アルノー・デプレシャンによる特別セレクション"が、2~3月に上映されるもよう。日本語字幕の入る作品が限られているのが残念だけど、これまた非常に魅力的なラインナップ!
[PR]
by CaeRu_noix | 2006-01-28 23:29 | CINEMAレヴュー | Trackback(1) | Comments(9)
トラックバックURL : http://latchodrom.exblog.jp/tb/2606156
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Tracked from るしえるらめーる と申.. at 2006-02-06 00:38
タイトル : 神様、デプレシャンがいることを感謝します
あまりのよさに、茫然とした キングス&クイーン(Rois et Reine)のことだ 日仏学院のカイエ・デュ・シネマ週間で、 日本未公開(今秋予定らしい)を一足先に観てきた 人は、自分が正しいと思っている 時にそれは、傲慢でエゴイスティックな行動に いとも簡単に行き着いてしまう しかも、実のところ人は間違い、迷い、悩み苦しむものだ でもそれでいいのだ 意外で突然なことがあってこその人生なのだから イスマエルことマチュー・アマルリックが、 エリアスに語る長台詞、 ノラことエマニュエル・ドゥヴ...... more
Commented by kusukusu at 2006-01-29 21:49 x
あ、見ましたか。
僕は日仏にいった時にすでに15時の回のチケットはなく、19時30分の回は予定があったのであきらめ、代わりに16時からフィルムセンターでダクラス・サークの『第九交響楽』を見にいこうかと思っていたのだが、新宿をぶらぶらしてたら急に『三年身籠る』がふと見たくなったのでこれを見ることに。でも面白い映画だったので、まあ、良かったんですが、計画性がまったくないですね・・。
デプレシャンの新作、公開してほしいですね。
Commented by kusukusu at 2006-01-29 22:18 x
ちなみに、ヤフーのシネママさんのトピではわざと舞台挨拶はこむので外して『三年身籠る』を見たと書いたんだけど、実はそれは嘘です(笑)。ふらっと見に入ったら舞台挨拶がすでに終わった回だったので、なんだかくやしくてシネママさんのトピではああ書いたんです。
Commented by CaeRu_noix at 2006-01-30 00:26
kusukusu さん♪
残念でしたね。15時の回はあっという間に売り切れてしまいました。
日仏学院の会員の人も多いのでしょうけど人気があってビックリ。
1000円でティーチイン付きで、渋谷のどこぞのミニシアターなどよりも大きなスクリーンで見られることは確かにたいそう魅力的ですもんね。
ギャガ配給予定だったはずなんですが、どうなったんでしょう??
確実に公開してほしいですー。
計画通りにいかないこともよくあるので、あまりがちがちに固めない方がいいのかもしれません。観ようと思っていたものが観られない事態に合うと激しく絶望してしまったりするので。(笑)
柔軟な姿勢が大事ですよね。『三年身籠る』がおもしろくて何よりでした。
舞台挨拶のある回は競争率が高そうですよね。混むから避けるというよりはチケット奪取のためには早く行かなくちゃいけないのが大変そう。
あら、嘘でしたか。(笑) わざと避ける方が一見クールっぽくていいですけど、そんなことで嘘をつかなくてもぉー。
Commented by いわい at 2006-02-03 11:28 x
懐かしい気がします。アルノー・デプレシャン監督。
今は無きシネヴィヴァンで、『そして僕は恋をする』を観たことを思い出します。
新作も是非観たいです〜。
"アルノー・デプレシャンによる特別セレクション"のラインナップ。魅力的ですね。
『ヤンヤン/夏の思い出』は、絶対に観たいです。
Commented by CaeRu_noix at 2006-02-04 11:09
いわい さん♪
『そして僕は恋をする』 がいけるクチなら、新作にもご満足いただけると思いますー。私ももう一回観たいです。セザール賞ノミネート(男優賞受賞)のヒット作なのに、日本ではさくっと公開されないのがもどかしいです。デプレシャン、最高ですよ♪
『ヤンヤン/夏の思い出』 はいいですよねぇ。スクリーンで観るのは至福のヒトトキかも。
Commented by るしえるらめーる at 2006-02-06 00:37 x
コメントありがとうございました。Rois et Reine のあまりの良さに感動して、デプレシャンのDVD box を買ってしまいました(笑) これで思う存分、「そして僕は・・」を繰り返し観られます! それにしてもデプレシャン監督のあのシャイな笑顔・・・どなたかブログでサインをもらったと書いてる方がいて、私もお願いすれば良かったと後悔しきりです。TB、させていただきますね。
Commented by CaeRu_noix at 2006-02-07 10:59
るしえるらめーる さん♪
この感銘を共有できる方を発見できて嬉しかったですー。
最高でしたよねぇ♪「Rois et Reine」
デプレシャン監督もとてもステキですっかりファンになりました。
確かに快くサインに応じてくれそうな感じでしたよね。いいなー。
そして、DVD-BOXを買われたとはすばらしい。
私も「そして僕は恋をする」がまた観たくなったんですが、ツタヤンではレンタル中で出払っていました。残念。
Commented by kusukusu at 2006-06-26 14:54 x
こんにちは。
デプレシャンは才能、ありますねえ。
個人的に好きかどうかというと僕はちょっと微妙で、それはそのー、あまりにリアルすぎて、あまりに身近なことを語られているようでちょっと気恥ずかしくなってしまうというのか・・。
デプレシャンの映画と登場人物たちには好きというよりも先に気恥ずかしさが生じてきてしまいます。
でも、そのいわく言い難い感じを抱かせるところが才能なのかもしれないけれども。
この映画の話はどうも完全な創作というわけではなくて、デプレシャンの体験に基づくらしい。つまり、デプレシャン自身が夫を亡くした子持ちの女性と付き合ったことがある経験からつくったものらしいのですが、でも夫の死の真相とか、父親がヒロインにあてた手紙とか、ああいうディテールは創作なんでしょうね。ああいう「リアルな創作」をするところがデプレシャンの才能でしょう。
やっぱりこういう映画を撮れる才能はうらやましいです。僕はデプレシャンにはひかれるというより、嫉妬心を覚えます。「そして僕は嫉妬する」(笑)という感じです。
Commented by CaeRu_noix at 2006-06-27 11:28
kusukusu さん♪
これを観たら、デプレシャンの才能を感じずにはいられないですよね。
気恥ずかしいほどにリアルでしたか。そんなリアルが映画的ファンタジーで彩られているから気に入りました。登場人物もいつも人徳者にはほど遠くて、大人気なかったり狡かったりするんですよね。だから確かに、丸ごと大好きなキャラクタというのはいないかも。それなのに、多くに共感してしまうし、言葉の一つ一つ、演出の節々に感銘を受けるのです。そんなことも含めてやっぱり私は「好き」と言えるかな。ヒロイン・ノラなんて、かなり酷い女なのに、その悲しみには心寄り添ってしまったし、その強さにには感慨を受けました。人の残酷さや欠点もリアルなんですよね。不思議な魅力にあふれる映画。
そうそう、彼と付き合っていた有名人女性がこの映画は自分のことだとクレームを発しているという記事を読みました。モトカノの体験を勝手に映画するっていうのは彼女としては不愉快な話でしょうけど、こんなに素晴らしい映画が生まれたのはもとに本物の素材があったからなのかもしれませんね。でも、それをこんなふうに料理してしまうのはやっぱり他ならないデプレシャンの才能ですよね。嫉妬もわかります。
<< 『スパングリッシュ 太陽の国か... PageTop 『ホテル・ルワンダ』 >>
XML | ATOM

個人情報保護
情報取得について
免責事項
Beige Shade by Sun&Moon