かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『Touch the Sound』
2006年 03月 26日 |
気づきと感銘をもたらす興味深さがあった。

聴覚障害を持ちながも、パーカッションの演奏者として成功を収めたグラミー賞受賞アーティスト、エヴリン・グレニーを主人公としたドキュメンタリー



エヴリンに聴覚障害があることがわかると、医者は彼女は普通には暮らせないと聾唖学校に通うことをすすめたが、両親は何も変わらない、彼女はそれまでと同じように好きなことをやるんだと言ったそうだ。そんな話からとても感慨深い。障害というものに対する先入観が恥ずかしい。可能性の芽をつまれなくてよかったね。そんな両親の子どもとして育ったエヴリンはとてもエネルギッシュだった。

日本での場面はとりわけ興味深かった。いつも渋谷の駅前周辺の騒音を不愉快に思いながら歩いている私は、そんな場所に興味が向けられていることがおもしろかった。『ロスト・イン・トランスレーション』と同じような感覚でフシギなニッポンの賑やかな街に接近。ゲーセンだとかパチンコ屋の雑多な騒音は日常の音になってしまっているのだけど、やっぱりクレイジーだよね。

多様な道具を使って音を作りだすエヴリン。やっぱり日本の飲み屋では必然的に箸をスティックにしてみたくなるものだよね。食器を叩いて、リズムを刻む。子どもの頃にそんなことをしたら大人に叱られたに違いないけれど、アーティストのエヴリンの好奇心はとても気持ちのいいものだった。剣玉の音も立派に楽器になっていたのがおもしろかった。形式にこだわらずに自由に演奏するのって楽しそう。

音のパワーを伝えたいとエヴリンは力強い。聴覚に障害があることは少しも大したことではないという感じで。聴こえなくて音は感じることができるんだと。そのポジティブな生き様にはとても感動させられた。当たり前のものとなっている身近な音でさえ、本当はもっとステキなのかもしれない。音たちを見つめ直せたヒトトキ。
木琴の音って、やっぱり好きだなー

Touch the Sound 2004 ドイツ.イギリス
監督.撮影 トーマス・リーデルシェイマ
出演  エヴリン・グレニー、フレッド・フリス(ギタリスト)、オラシオ・エルナンデス(ドラム)、鬼太鼓座

(渋谷ユーロスペース)
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by CaeRu_noix | 2006-03-26 23:27 | CINEMAレヴュー | Trackback(1) | Comments(4)
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Tracked from 「朱雀門」という方法・第2章 at 2006-04-17 19:59
タイトル : タッチ・ザ・サウンド:まずは音に触れて下さい
★監督:トーマス・リーデルシェイマー(2004年 ドイツ・イギリス作品) 梅田ガーデンシネマにて鑑賞...... more
Commented by charlotte at 2006-03-27 20:20 x
こんにちは~。
何気にこの作品は気になってます。…というのも私は音の世界で生きる身でして。
アーチストの中には耳が聞こえなくても素晴らしい音を生み出す事ができる天才が存在します。多分身体全体で感じているんでしょうね。
(まあ、有名なのは晩年のベートーヴェンですが。最近ではフジコへミングとか。)騒音の中で生きている私には想像出来ません(^^ゞ
かえるさんのレビュー読んでますます見たくなってきました!
Commented by CaeRu_noix at 2006-03-28 00:34
charlotte さん♪
音楽に深く関わっている人はより楽しめるのかもしれません。
メロディを生み出すこととリズムとはまた違うのでしょうかね?
素人の私もあれこれ思いを馳せてしまいました。
ドキュメンタリーというのは時折かなり退屈なものもあるので、広くオススメはできないですけど、これはなかなか興味深かったです。ちゃんと美しい音色を聴く場面もあったりして、いくらかのショー的な要素もあり。
なんといってもこのエヴリンさんのポジティブさに心うたれました。
余裕があったら、ぜひぜひ観に行ってみてくださーい。
Commented by 朱雀門 at 2006-04-17 20:21 x
こんばんは、先日見てきました。
エヴリン・・・エネルギッシュで力強い女性でしたね。
同時に、音に対する独自の接し方に感心しました。「音楽とは音を楽しむことだ」とよく言われますが、彼女が演奏する姿はまさにそれを体現していたと思います。生み出される音のひとつひとつに愛おしさすら感じる作品でした。
あ、「ロスト・イン〜」で思い出しましたが、ビル・マーレイ主演の「ブロークン・フラワーズ」の公開が楽しみです。
Commented by CaeRu_noix at 2006-04-18 14:48
朱雀門 さん♪
エヴリンさん、パワフルでしたねぇ。
どこにいても、話をする時も何を叩いていても、実にエネルギッシュで圧倒されました。音を楽しむという基本的で大切なことを思い出させてもらえましたよね。箸で食器をたたくなんて、子どもの頃にやったら叱られそうな行為にさえ、音楽、リズムを生み出す歓びがあふれていましたよね。高級な楽器がなくても、本来の楽しみがそこにあるって感じられることはステキでしたー。
楽しみですよね!『ブロークン・フラワーズ』 は東京では 4/29から始まりますよー。4/29封切のミニシアター系作品はかなり魅力的なラインナップなんですよ。中でも一番楽しみなのが、ブロークンです♪
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