かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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ニュージーランド映画祭で 『リバー・クイーン』、『ナンバー2』
2006年 05月 16日 |
ニュージーランド映画祭2006へ行ってみました。



今回が初回ということですが、日曜日はなかなかの盛況でした。
六本木という場所柄もあってか外国人の姿も多かったですね。
私の観る作品は舞台挨拶などがあるわけでもなく、ただ映画を観て終わりかなぁと思っていたので、上映の合間にマオリのダンスのショーがあったのはサプライズな嬉しいものでした。TV番組で見たことはあったけど生で観るのは初めて。楽しくて、見ごたえのあるダンスショーでした。
とりわけ、勝手に感動してしまったのは、最後に映画祭のスタッフの方なのか何なのか関係者と思しき日本人女性がステージに呼ばれて、挨拶をするだけかと思ったら、一緒にマオリのダンスを披露してくれたのです。すごーく上手で楽しそうでした。こんなふうに交流できるってすごくステキじゃないですか。お稽古ごと好きな日本人女子にはダンスを習っている人も多いと思いますが、こんなふうに現地の人たちと一緒に踊ることができたら素晴らしいよなぁと思いました。マオリのダンス「ハカ」を私も習得したいという妄想を抱いたことは言うまでもなく。(習いたいのはフラメンコじゃなかったのか?)
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▼『リバー・クイーン』

監督 ヴィンセント・ウォード
出演 サマンサ・モートン、キーファー・サザーランド、テムエラ・モリソン

--1868年、土地戦争真っ只中のニュージーランドを舞台に、戦いに翻弄されながらも運命に立ち向かう一人の女性の姿が描かれる壮大な人間ドラマ。激流のほとりにある入植地で育ったアイルランド人女性サラは、マオリの青年との間に男の子をもうけるが、息子はマオリ人の祖父に奪われてしまう。息子の生死さえ分からぬまま、サラは遠く離れた戦いの前哨地に息子を探しに向かう…。--

それがこの世界の歴史なんだということは百も承知なんだけど、こうやって西欧人は先住民が住む土地を奪って来たのだなぁというのをまざまざと見せられるのは居心地が悪い。『ニュー・ワールド』の時代はまだ「先住民を刺激しないようにしよう」という方針もあったのだけど、この時代のニュージーランドでは銃弾が飛び交っていた。やるせないのはアイルランド軍側にマオリ族が加わっていたりすること。主人公のサラもアイルランド人でありながら、マオリの血を引く息子を探し求めてマオリ軍と行動を共にしたり。そうやって何が敵味方なんだかよくわからないような状態でただ血が流されていくことが悲しい。マオリの側は銃をどこから調達していったの?

戦闘シーンが多いのがちょっとつらかったものの全般的には見ごたえのある壮大なドラマであった。サマンサ・モートンがすばらしい。彼女は表情でみせる女優だと思うので、たくさんの台詞を話す役より、こういうふうにじっくりクローズアップでとらえる方が断然いい。監督はサマンサ・モートンの魅力をとてもよくわかっているんだなぁ。共感するというのとは違うのだけど、サラの生き様に釘付けになってしまう。キーファー・サザーランドやマオリの俳優のテムエラ・モリソンもよかった。そして、息を飲むほどに美しい大自然の映像も満喫。

ニュージーランド出身の監督というと、ピージャクとジェーン・カンピオンとハリー・シンクレアとニキ・カーロくらいしか知らないと思っていたので、ノーチェックだったのだけど。ヴィンセント・ウォードって、聞いたことのある名前だと思ったのは気のせいではなくて、『心の地図』、『奇蹟の輝き』の監督だということを後で知った。『心の地図』はイヌイットとネイティブ・アメリカンの血を引く2人の物語で好みの題材だったし、『奇蹟の輝き』は油絵のような天国の映像が素晴らしくソウル・メイトな夫婦に心打たれた感動的なドラマ。そんな経歴を思うと、実力あるキャストを揃えてこのような壮大な物語を手がけたのも当然ですね。


▼『ナンバー2』

監督 トア・フレイザー
出演 ミア・ブレイク、ルビー・ディー、タウンガロア・エミール

--フィジー移民の年老いた家長マリアおばあさんは、薄れていく家族の絆を取り戻すため、昔のように盛大な家族パーティーを開き、その席で後継者を決めることを孫たちに宣言する。しぶしぶマリアおばあさんの家に集まった孫たちは、祖母の望み通りにしようとするのだが…。異なる世代、異なる文化、家族それぞれの思いが入り乱れて、混乱、衝突、そして、たっぷりの笑いのうちに、うだるように暑い夏の1日が過ぎていく。--

壮大な『リバー・クイーン』とうってかわって、とある一家の一日を描いたささやかな物語。この2作を通してのバランスがちょうどよかったな。気に入りました。
好みのテンポのドタバタ群像劇。どうもイマヒトツ団結しているとはいい難いマリアの孫たちのドタバタ模様がコミカルでとても楽しい。ニュージーランドに住むフィジー移民の一家にお目にかかることはめったにないけれど、どこの国のどんな民族の家族であっても、そう変わらないものなんだな。それでいて最後には、移住という大冒険を経て、苦楽を共にしてきた家族の結びつきが見えて心温まる。とても素晴らしいパーティだったな。それぞれの仲の悪さに気を使って家族親族たちがバラバラのままでは寂しいもの。時にはマリアばあさんのような強引な頑固さが必要なのかもしれない。ほのぼのステキな物語。

と、なかなかの満足感を感じたニュージーランド映画でした。

遠くて、近い、ニュージーランド&ニュージーランド映画/海から始まる!?
.
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by CaeRu_noix | 2006-05-16 12:09 | CINEMAレヴュー | Trackback(2) | Comments(12)
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Tracked from シャーロットの涙 at 2006-05-16 23:11
タイトル : リバークイーン~ニュージーランド映画祭~
リバークイーン・・・River Queen~ニュージーランド映画祭にて 公式サイト 1868年・・・英国からの入植者達に、先祖代々引き継いだ土地を守り戦う先住民マオリ族。 激流のほとりにある入植地で育ったアイルランド人、サラ(サマンサ・モートン)とマオリ族の青年との間には男の子がいた。 その青年はすぐに亡くなり、一人でその男の子ボーイ(ラウリ・ペネ)を育てるが、その子の祖父であるマオリ人に連れ去られてしまう… 唯一の友人ドイル(キーファー・サザーランド)と一緒にマオリ族の住む土地に息子を探しに...... more
Tracked from Movies!! at 2006-05-19 10:03
タイトル : リバー・クイーン(ニュージーランド映画祭2006)
5月11日から14日まで東京六本木のオリベホールにて、ニュージーランド映画祭2006が開催されています。 昨日はオープニング上映のこの映画を見てきました。 ニュージーランド映画祭の公式サイトはこちら。 私がなぜこの映画祭に行ったのかについてはこちらにレビューを書きましたので、興味のある方はご覧下さい。 出演者を見れば、バレバレですが(爆)。 昨日は、オープニング上映という事で、舞台挨拶と上映後のトークショーがありました。 来日ゲストは監督のヴィンセント・ウォード氏、出演者のテムエラ・モリソン氏、脚本...... more
Commented by Chocolate at 2006-05-16 14:02 x
あー私コレ行きたかったんですよー。
でもスケジュールの都合がつかず断念したんだけど
「リバークイーン」よかったみたいですねー。
羨ましいわっ。
これはキーファーが出てるなら「24」効果で
そのうち一般公開されるかな・・・
Commented by ふぇあるーざ at 2006-05-16 18:42 x
2日目と3日目に行ってきました。
計3本。マオリのダンスショーも3回♪
喋らない方の太目の男性が好みでした。
『ナンバー2』ステキでしたよね。
「歌って、笑って、踊って、生きてほしい。あとケンカも!」
トア・フレイザー監督とちょっとお話できました♪
本編についての話はしなかったけど。。。
ふ:「お酒好きなんすね?」 ト:「うん、呑んだくれるのが好き♪」って。(笑)
Q&Aの時にはウォッカとなんとかのボトルを1本ずつ、サントラ盤を何枚か持ってきて、質問者に直接渡してました。気さくな人。

『見知らぬ他人』はとっつきが悪かったのですが、中盤以降に泳ぎついてみたら結構笑えてしまって。(←イイ意味で) サイコでコメディ。結局最後には満足でした。
『父の私室で』は胸の悪くなるような内容でしたが、見ごたえありました。
マシュー・マクファーデン(『プライドと偏見』)の21世紀なお姿は嬉しいギフトでした。いいですわ、この人。マッツッゲ、ナッガッ!きれいな眼!しかもこの作品はダーシー様と違って笑顔が多かったです。

『リバー・クイーン』も観たかったな・・・
Commented by charlotte at 2006-05-16 23:18 x
こんばんは~
ナンバー2は見れませんでしたが、リバークイーン見ましたよ。
顔をしらないのにかえるさんを探しました。笑
そうそう、ニューワールドを思い出しましたね。もっと血なまぐさかったけど。結構見応えあって家についたらへたばってました。笑
あの日は混んでましたが、平日はもっとゆったりでダンスパフォーマンスもじっくり見れちゃいました。
Commented by リカ at 2006-05-17 00:14 x
こんにちは。
私も日曜日に「レイン」だけ観てきました(「リバー」はチケットが売り切れでした)
マオリのショーがあるとは知らず、いきなりでものすごくびっくりしたんですがとても面白かったです。
「リバー」も評判がいいようですし、他のも観に行けばよかったとちょっと後悔しています・・。
Commented by CaeRu_noix at 2006-05-18 00:53
Chocolate さん♪
よかったですよー。来年はぜひにー。
キーファー・サザーランドって、人気あるみたいですね。
「24」効果だったのか、なるほど。
ニュージランド映画といっても、出演者はかなりメジャーですもんね。
一般公開の可能性ありそうですね。
Commented by CaeRu_noix at 2006-05-18 00:53
ふぇあるーざ さん♪
3本ご覧とはうらやましい。
マオリのダンスショーも3回なんて。あれって、意外と飽きないですよね。2回の曲目が違っていたみたいだし。私は楽器を演奏していたやせている人がよかったかな。あと真ん中の太っちょな女性の表情に釘付けでした。
『ナンバー2』は楽しくてハートウォーミングでよかったですー。おお、監督に会えたんですね。Q&Aの時に質問をしたんじゃなくて、個人的に話す機会があったのかしら?そんな気さくなお話ができたなんてステキじゃないですか。飲んべえなのね。ああいう宴会のコミカルさを描く人って多くは酒好きなんだろうなぁと思ったりします。
『見知らぬ他人』はシリアスなサスペンスなのかと思っていましたが、そうではない楽しみどころもあったのね。『父の私室で』は日程があえば観たかったです。
マシュー・マクファーデンって名前も覚えてないですが、プラ偏のミスター・ダーシーも出ていたなんて!そのイメージしかないので、現代男役もぜひ観てみたいなー。私の中では西島っちと同系なので、大いにハンサムさんです。笑顔はさわやかそう。よかったですねー。
Commented by CaeRu_noix at 2006-05-18 00:54
charlotte さん♪
あら、リバー・クイーンは日曜に観に行かれたんですの?
なんだー。マオリのダンスで合図を送り合えばよかったですね♪
私は結構ギリギリ到着だったので、整理番号は後ろの方で、結構前の方の席でした。見ごたえはありましたよね。でも、ちょっと戦いのシーンや哀しいシーンの比率が多すぎる気がしました。どっと疲れますよねー。素材や演出はかなり好みでしたが。
平日はすいててよさげですよね。日曜はあんなに混んでいてビックリでした。
Commented by CaeRu_noix at 2006-05-18 00:54
リカ さん♪
「リバー・クイーン」はチケットが売り切れていましたよね。時間帯がちょうどよかったせいもあるんだろうけど、やっぱり出演者が有名なのが大きいのでしょうか。
そうなんです。私もショーのことは全然知らなかったから、突然始まってすごく嬉しかったです。
全作ともそれぞれにおもしろそうでしたよね。映画祭では一般公開されないものも観ることができるので、行ってみる価値はありますよね。私も他のも観たかったー。
Commented by umikarahajimaru at 2006-05-19 10:04 x
あれっ、かえるさんたらっ!今、この記事に気がつきましたよ。何度かTBやりとりした仲じゃないですか~。
ニュージーランド映画の記事は、頑張って書いたのに、反響が少なくて、ちょっと寂しく思ってたんですけどね~。
Commented by CaeRu_noix at 2006-05-19 13:25
umikarahajimaru さん♪
ふふっ。そんな仲ですともー。すみませーん。
反響少なかったですかぁ。新作映画に比べ、各国の映画祭に興味をもつ人は限られているようですね。映画祭にでかけた私としては、そちらの記事はたいへん役にたちましたよー。永久保存ものの充実した内容!
Commented by umikarahajimaru at 2006-05-20 00:24 x
すいませんねえ~。コメント要求したみたいで。あっちにもこっちにもコメント頂いちゃって、ありがとうございます。
かえるさんとは、きっと、どこかで接近遭遇してるとは思うんですが……。次は、7月のドイツ映画祭で会いましょう、なんちゃって!
私のブログでは数日中にオーストリア映画をリストアップする予定です。ハネケも凄いけど、『ドッグ・デイズ』も凄いですよ。
Commented by CaeRu_noix at 2006-05-20 11:40
umikarahajimaru さん♪
とんでもないですー。
そうですよね。きっとどこかで遭遇していますね。ドイツ映画祭もぜひぜひ行きたいですー。必見作品があったら紹介してくださいねー。
『ドッグ・デイズ』はすごいことになっているらしいですね。明日あたり観に行きたいと思っていますー。オーストリア映画って、あまり作られていないのか、日本で上映されないだけなのか、すごく少ない気がします。芸術活動や音楽系がメインになっている国だからでしょうか。オーストリア映画特集記事、楽しみにしていますねー。
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