かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『プラハ!』
2006年 05月 17日 |
カラフルなビジュアルにウットリ。ゆるくて楽しい物語のせつないラストにもやられ・・。

1968年夏のチェコスロヴァキア。“プラハの春”を謳歌していたのどかな時代。ドイツ国境近くに住む3人の女子高校生テレザ、ブギナ、ユルチャは卒業を控え、恋の予感に燃えているが、クラスの男の子たちでは物足りない。そんな時、3人の若者シモン、ボブ、エマンに出逢う。



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本作の監督フィリプ・レンチは、映画学校で 『ひなぎく』(66)の監督ヒチロヴァーに教えを受けたのだそう。それも納得の『ひなぎく』を思わせるポップでカラフルなファッション!ポップなんだけどその時代ならではのレトロ感も入り交じっていてダサかわいー。これでミュージカルも始まっちゃうのだから、楽しくてしょうがない。ファンタジーのミュージカルシーンのステージもセットがチープなのがまたラブリー。
洗練されたミュージカルというのにはほど遠いんだけど、ウキウキ微笑ましいシーンが満載。美しい町の石畳の広場で踊っちゃうのはサイコー。
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主人公の女の子はすっごくカワイイのに、男の子チームがヤケにイケていないのが寂しいのだけど、そういう設定だから仕方ないか。ルックスのせいもあり、コミカル度が高めな前半。それぞれのキャラクターの個性も楽しい。どこの国でも青春期のウキウキ感は同じだけど、実はその社会的な背景は 『グリース』とは大違いなのがせつない。前半のゆるゆるノーテンキなテンションのまま、ずっと物語が進むのかと思いきや、出逢った青年たちがワケありだったりして・・・。ただのお気楽エンタメ映画では終わらず、その激動の時代を描き出しているのがすばらしい。3対3のトリプル・カップリングもみんなうまくいくわけじゃなくてもめちゃったりして。
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うまくいかないことは多いけれど恋する気持ちは抑えられない。シモンの運命がとてもせつない。チェコという国は、やっぱり物語がノーテンキにハッピーなだけで突き進めないほどの歴史を辿ってきたんだものね。青春期のウキウキ時代が永遠ではないようにプラハの春に影が射す。かけ離れたトーンの物語であったはずの『存在の耐えられない軽さ』の戦車を思い出した。

カラフルな美術に陽気で楽しいミュージカル。そして、物語の甘酸っぱさもオツ。

プラハ!  公式サイト
Rebelove' 2001 チェコ
監督.脚本.美術  フィリップ・レンチ
出演  ズザナ・ノリソヴァー、ヤン・レーヴァイ、トマス・ハナック

(渋谷 Q-AXシネマ)
.
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by CaeRu_noix | 2006-05-17 17:22 | CINEMAレヴュー | Trackback(13) | Comments(10)
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Commented by gionogiorno at 2006-05-17 20:51
面白そう~
先日プラハにいったばかりなので・・・
早速見てみます。 あん
Commented by CaeRu_noix at 2006-05-18 01:47
gionogiorno さん♪
レイトショーなのがツライですが、ぜひぜひご覧くださーい。
プラハに行かれたのですか。いいですね。
私も一度ちょろっと行きましたが大好きな街ですー。
Commented by MAR at 2006-05-18 09:04 x
>主人公の女の子はすっごくカワイイのに、
>男の子チームがヤケにイケていない

同感です(笑)
いけている男は、父親だけじゃんって思ってました。
ただ、今、思うと・・・ヒロインに嫌われまくった年寄りくさい男の子が、
一番いけてたかも(爆)
Commented by CaeRu_noix at 2006-05-18 23:50
MAR さん♪
カッコイイ男の子がひとりもいなくてちょっと寂しかったです。
でも、後であらすじを読んだら、"物足りないクラスの男の子"という物語上しかたないキャスティングだったのかと納得しましたー。
あの男の子は可哀想なほどでしたね。
パパの恋物語も楽しみどころでしたよねー。
Commented by 栗本 東樹 at 2006-05-25 01:33 x
こんばんは。
チェコが好きだから観に行ったまでで大して期待値は大きくなかったんですが、大当たりでした。
ヨーロッパで8日間ぐらいでややマイナーな国・・・ですか?(笑)
俺は行ったことありませんが、それならハンガリーで決まりでしょう。
要は、ハンガリー、オーストリア、チェコっていうドナウ川ラインが人気なんですよ。
あとそれに併せてポーランド南部っていう。
ポーランドと言ったらアウシュビッツとその基点になるクラクフなんで、
あまりワルシャワを旅行するという人はいないんですよね。
でも、ハンガリーは大丈夫だと思うんですけど、
ポーランドはやっぱり治安の面でまだまだ問題あるかもしれません。
まぁ俺は3,000円のホテル代が払えずに野宿しましたが(照)。
バルト三国は寒い時期に行ったりすると寂しいだけです(笑)。
あーこんなこと書いてたらチェコの黒ビールが呑みたくなってきたー!
Commented by CaeRu_noix at 2006-05-26 02:03
栗本 東樹 さん♪
大当たりでしたね。私の場合は、ちらしの写真を見た時から好みのビジュアルだったので期待していたのですが、想像通りのラブリーなミュージカルでした。ミュージカル自体はちょっとチープ感が漂い過ぎるかなぁという印象もあったのですが、予想外に物語のせつなさに引き込まれた後半の展開で、またお得感がアップしました。
あら、ハンガリーは行かれなかったんですか? ドナウ川ラインはいいですよね。ドナウ川に沿って移動してみたかったけど、電車にしてしまいました。ブダペストは意外と都会だったので、ちょっと落ち着かなかったです。プラハの旧市街の方が断然気に入ったかも。田舎の方に行けばまた違うのでしょうけどね。ポーランドは治安がよくないんですか・・。クラクフにはかなりあこがれますー。でも、W杯のドイツの隣だし。バルト三国はそれほどに見るところはないのでしょうかね・・・。うーん。スペインかなぁ。ユーロの国は割高感があるし。ベルギービールもいいなぁ。と、全然現実的な方向に進めません。(笑) 野宿もきっといい思い出なのでしょうねー。旅話のおつき合いありがとうございましたー!
Commented by 朱雀門 at 2006-06-22 20:49 x
こんばんは
おお、カラフルな映像が目をひきますね!(映画レビューに)写真をのせるのは、かえるさんにしては珍しいことでは?ともあれ、映像・音楽ともに大変満足のできる作品でした。主人公テレザをはじめ、若者たちが精一杯背伸びをしようとしている姿が微笑ましかったです。
レトロでカラフル、そしてポップなんだけれど、単なるノスタルジー映画で終わらないのは、チェコスロヴァキアが歩んできた歴史のためでしょうか(私自身、チェコもプラハも良く分かっていないのですが・・・)。
追伸:スペインに出発されたとのこと。夏至近く、日の長い時期にヨーロッパ方面へ行ってみたいなと思いつつ、果たせた試しがありません(9〜10月の旅がほとんど)。うらやましい限りです。楽しい旅のご感想もお待ちしております。
Commented by CaeRu_noix at 2006-06-26 12:51
朱雀門 さん♪
おお、こういうのもしっかり観に行く朱雀門さんの間口は広いですね。
そうなんです。映画レヴューにはそんなに写真を入れない私なんですが、これはもうビジュアルが大切なので、一生懸命検索して、加工までして、お気に入りショットを入れることにしました。こういうカラフルな世界って大好きなんですよー。B級テイストな作品ではありましたが、この映像、音楽はすごく楽しかったですー。
チェコの歩んできた歴史は複雑ですよね。私も世界史はかなり苦手で、勉強不足なんですが、東欧史にはかなり惹かれていて、小説「存在の耐えられない軽さ」なんかも大好きで、大人になってから輪郭はなぞりました。歴史をふまえてこそ、せつない物語でありました。
6月のヨーロッパは日の入りが夜の10時近くなんですよね。そうそう、それがとても魅力で得した気分でした。。秋のヨーロッパもステキですけどね。プラハは秋がイイ感じでしたよ。
Commented by カオリ at 2006-09-16 21:24 x
こんばんは。目にも鮮やかな「春」でしたね。
もう、画面に釘付けでした。一方で、あの草たちをなぎ倒していく戦車のおぞましさが、対照的でした。
Commented by CaeRu_noix at 2006-09-17 23:20
カオリさん♪
カラフル映像が春のウキウキを倍増させてくれましたよね。
そうなんです。ポップで楽しい青春ものだったからこそ、戦車の登場はショッキングに響きました。
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