かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『ステイ』
2006年 07月 04日 |
世界観は好きなんだけど、そんなにハマれなかったかな。
脚本もおもしろいし、映像もおもしろいけど、映画としては普通。

NYで精神分析医を務めるサムは、同僚から担当を引き継いで患者の大学生ヘンリーに会ってから、謎の出来事に見舞われる。



あなたの感覚を試す感動のイリュージョン・スリラー!?ってどういうこと?
と本作のフライヤーを見つけた時から興味津々。
すっごくおもしろそうなんだけど、この手のものはビミョウだよなぁという不安もあり。

なので、観に行くのを迷っていた。そして、何人もの方の高評価を目にし、映像もスクリーンで観るべきものであるみたいだしと、劇場鑑賞を決意。が、その迷いによって、人のレヴューをちら見したのがいけなかったかな。「せつないラスト」という言葉がしっかりと刻み込まれてしまった。

『ジャケット』よりは楽しめたと思うんだけど、主人公サムの不思議体験にどっぷりハマりきれなかった。あんまりドキドキハラハラしなくて、一体どういうことなの?と謎解明に前のめりになるということもなく、冷静に眺めちゃったカンジ。オチがすべてではなくて、過程を楽しみたい私は、スリラーをもっと堪能したかったなぁ。映像は興味深かったのだけど、それによってグワッと不安感にかられるまではいかなかった。

こないだプラド美術館で見たゴヤの絵が登場したのが嬉しかったな。



---ネタばれ気味で---



この謎めいた雰囲気は、『バニラ・スカイ』っぽいって思った。(NYだし、俳優がメジャーなのでオープン・ユア・アイズではなく、あくまでもバニラスカイ。アザーズマインドもかぶりますね。)そして、その『バニラ・スカイ』っぽいところが、俄に夢オチの可能性をちらつかせるから、目に見える出来事が現実ではないという方向でつい考えてしまった。彼は死に瀕しているか、或いは既に死んでいる線が濃厚だよなぁ。何しろ、STAYだし。せつないといったら、何らかの無念さによるものだよね・・・。そして、ヘンリーの大学で複数の双子ちゃん、三つ子ちゃんの姿を目にして、ますます非現実のアナザーワールドでしょという方向へ。

『マシニスト』なんかは謎解きなんて気にせずに、真実が明かされるまでその不安感を大いに楽しめたのに。こちらに切迫感がないのは、繰り返されるイリュージョンな演出が虚構の線を早いうちから色濃くしたからかな。ヒントを散りばめすぎ?それって、誰かの悔恨の願望じゃないのと匂わされる。
激やせクリベーの身に起こった出来事はハラドキクラクラの連続だったけど、ユアンは謎めきシリアス路線がどうも似合わないし。同じナオミ・ワッツ出演でも、『マルホランド・ドライブ』の迷宮ぶりにはほど遠く。もっと憂鬱が似合う俳優の方がよかったような?

終盤で、2年ほど前に観た『キス・オブ・ライフ』を思い出し、そういうテーマのものなのかなぁと的が絞られてきた。

そして、エンディング。確かにせつないなぁと納得。
ラストの橋のシークエンスがとても素晴らしく、彼を励ます2人の姿にうたれた。彼の無念さを思い、悲しみに包まれる。彼の悔恨に胸がいっぱいになる。おもしろいプロットだと思うし、こんなふうな生と死へのアプローチは好き。

なんだけど、具体的にではないにせよ、描かれているものはある程度見えてきていたので、そこにほとばしる感銘はなかったかなぁ。そして、冷静に一つ一つの場面を思い出し、なるほどと思ったり、この件は意味がわからないと思ったり。最後の最後に楽しみどころもあったのだけど。ガツンとくるようなインパクトは受けなかったかな。

公式サイトの謎の答えを読んで、更になるほどという思いを深める。
サムのズボン丈が短い理由はわかったけど、素足なのはなぜ?

事故が自殺宣言になってしまうのはよくわからなかったけど。マーク・フォースター監督が幼い頃に兄が自殺をしたことを記事で知り、『チョコレート』のヒース・レジャーを思い出しつつ、監督の個人的な理由でそうなったのかもと納得。

ステイ 公式サイト
STAY 2005 アメリカ
監督 マーク・フォースター
脚本 デイヴィッド・ベニオフ
プロダクションデザイン ケヴィン・トンプソン
出演 ユアン・マクレガー、ナオミ・ワッツ、ライアン・ゴズリング

(恵比寿ガーデンシネマ)
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by CaeRu_noix | 2006-07-04 02:00 | CINEMAレヴュー | Trackback(10) | Comments(6)
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Commented by 哀生龍 at 2006-07-04 06:01 x
>脚本もおもしろいし、映像もおもしろいけど、映画としては普通
>映像は興味深かったのだけど
謎解きサスペンスとしての部分には、哀生龍もこれと言った驚きやハマれるほどの面白さは感じなかったのですが、映像的には“映画館で見ないと美味しく味わえない作品だなぁ~”と思ってしまいました。
役者的には、ヘンリー役のライアンの持つ雰囲気が良かったです!
Commented by CaeRu_noix at 2006-07-04 12:35
哀生龍 さん♪
見ごたえある映像世界でしたよねー。美しかったです。でも、スタイリッシュながら、ビミョウに好み系ではなかったかな。(ロシア映画の『ナイトウォッチ』みたいな映像の方が好み) 他作品で見たことのあるような場面、画が多かったような気がしてあまり斬新さを感じなかったし・・・
謎の答えはなかなか素晴らしいと思うので、個人的にはもうちょっと途中で興味深く引っ張ってほしかったですー
ライアンくんはハマり役でしたよね。ユアンはさておき、彼はこういうタイプの作品がハマりますね。面長はあんまり好みじゃないので、『ジャケット』のエイドリアン・ブロディといい、ライアンくんといい、スクリーンでアップで見続けたくない顔立ちなんですが・・・。でも、醸し出す雰囲気と演技力はすばらしい。
映像の醍醐味は感じつつもこれって、小説にしても面白いかもとも思ったりしました。ベニオフの書き下ろしも読んでみたいかも。
Commented by ラクサナ at 2006-07-08 12:29 x
意外にもオチがスッキリした作品でしたが、そのオチもぼかしたいかの如く、謎が全開の迷宮系風味な作品でしたね。
私は切ないというより結構楽しんで鑑賞しちゃいましたが、やはりユアンは似合わなかったかも・・に一票!^^;
ラスト、ユアンがナオミ・ワッツをお茶に誘うくだりで、現実のユアンにも干渉しちゃった(そうなるとホラーですよね? 爆)ライアン君の思考?観念?ってものの、あんなに大きな悔恨の思いは何だったのか、それもちょっとボンヤリしてる気がしました。
ベニオフの書き下ろし、面白そうですよね。
意外にも彼はアメコミ好きらしく、ウルヴァリンのスピンオフ物の脚本も、望んでしたためているらしいですが・・・それはちょっと勇気あるなぁ~っと・・!(笑)
Commented by CaeRu_noix at 2006-07-09 09:57
ラクサナ さん♪
迷宮でしたね。あの感覚はよかったです。オチが明確であるゆえに、それに辻褄が合うようにエピソードが描かれていたので、目星がついちゃうとその謎に深い興味をもてなくなってきたのが惜しかったですが・・。せつないと感じるのはラストを迎えてのことなので、途中楽しんでご覧になったラクサナさんのような見方がきっと一番です。私は不思議な流れに身を委ねて楽しむことがあまりできず、退屈しのぎについつい理性で謎解きしてしまったようだから・・。
実はたった数分間というのがミソですよね。その悔恨の強さは時間で推し量るものではないかもしれないけど、数分間のものが1時間半の不思議ドラマになっちゃうのはしっくりこなかったりして。思考・観念が投影された虚ろな夢のようなものじゃないんですかね。覚醒状態の思考だったら、目の前にいる人より、主人公はやっぱり自分で現実生活での恋人家族がメインキャストになると思うので・・・。ううむ。
へー、ベニオフって、アメコミ好きなんですかー。いろんな作品を手がけてほしいです。世間の評価はさほどでなかったトロイのストーリーも私は気に入ってます。あ、25時のラストは本作の世界観に通じるものがありますね。
Commented by kazupon at 2006-07-11 20:42 x
かえるさん、そうですね。インパクトとか迷宮ぶりということでは
「マルホランドドライブ」には程遠かったですが、メジャーと
インデペンデントのなんか中間みたいな作品で、たまには
こういうのもアリかもって思いました。
ユアンは「アイランド」の後、ナオミは「キングコング」の後です
もんね~^^
監督の性格が映画に強く反映してる気がしました。あんまり
ギミックとか設定で驚かすの好きじゃないんだろうなって・・。
Commented by CaeRu_noix at 2006-07-13 12:46
kazupon さん♪
キャッチ・コピーに見合うほどの斬新さがあったとは感じられなかったんですが、何かと何かに似ているようで似ていないところが意外と個性的だったかもしれませんね。こういうのはアリですよね。期待したほどではなかったものの面白い試みだと思いましたー。
そいうなんです。ユアンには、「アイランド」の状況がかぶってきちゃいました。ナオミはやっぱりマルホだし。
なるほど。監督はそういうタイプなんでしょうかね。同じ脚本を別の監督が映像化したら全然違うタイプのものになちゃうのかな。『ネバーランド』はファンタジー風味の割にわりと着実な撮りかたをしていましたもんね。
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