かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
latchodrom.exblog.jp
(映画を見るのにいそがしくてブログはもう)
Top
『ゆれる』
2006年 08月 10日 |
ゆれた・・・



西川美和というその名前を確実に認識したのは、私がお願いした「夢の映画バトン」 の記事で、-ソウウツおかげでFLASHBACK現象-の現象さんが"S臭が香る監督・西川美和を相手に感情を激しく高ぶらせ、言動を荒々しくさせたい。"という興味深い発言をしていたことがキッカケだった。(→その記事) え、S臭が香る監督・西川美和って何者?と思って何気なく検索したところ、その頃から既に劇場予告がお目見えしていたオダギリジョー主演の『ゆれる』という映画の監督ではないか!同年代のスター俳優オダジョーや国際的なベテラン俳優 香川照之に仕事で指示を与えたりしているのかその女史はー。とおかしな方向から興味をもったわけだけど、タイムリーにもカンヌ映画祭監督週間に出品されて評判を呼んだというニュースが続き、私の『ゆれる』への期待と西川女史への関心が高まったのだった。

その人間洞察の鋭さや心理描写の繊細さは、ゆれる前の『蛇イチゴ』DVD鑑賞時に確認済み。今回もまた、人と人が関わり合う中で、ゆれにゆれる感情・心理が、綿密に巧みに表現されていた。吊り橋の上で一体何が起こったのかというサスペンスに引っ張られながらも、真実の追究は二の次で、男たちの気持ちの揺れ動く様に苦しくもおもしろく見入ってしまう。片時も目が離せない緊張感が続く。事件が起こらなければ、引き出されることもなかったはずの感情や言葉たちに胸がざわめく。事件の真相よりも裁判の行方よりも、ゆれる心に見ごたえがある。なんてスリリングで巧妙な心理劇。まるで小説を読み進めるように、スクリーンに映し出される表情一つ一つが細やかに人の思いの揺れを伝えてくれる。

冒頭の車の運転の仕方や視線の流し方一つで、写真家として都会で成功した猛という男の人となりが見えてくる。『スクラップ・ヘブン』の時のキャラクターはマンガチックだったし、『BIG RIVER』の役も中途半端なキャラだったけど、本作のオダギリジョー扮する猛は、いかにもなスカした感じも含めてリアルでバツグンにハマっている。片や、香川照之の稔兄ちゃんは典型的ないい人キャラで全く対照的な兄弟。画に描いたようにいい人である稔が、ゆれて消耗した末に、弟に対する潜めていたはずの負の感情を顕わにするシークエンスは息苦しいほどに圧巻。

人と人の間には、実に多様な思いがあるのだろうけど、とりわけ興味深いものは優越感と劣等感。猛は真面目で温和な稔を、よい兄貴として慕い信頼している。だけど、心のどこかで1人の男としては見下していたんだと思う。優越感を感じる部分があるからこそ、むしろ肉親としては甘えて慕えたのではないか。稔が裁判に勝つために一生懸命になった猛の思いも純粋なものであったと思う。それなのに稔は、窮地に追い込まれてそれが信じられない。「お前の人生は素晴らしい、それに引きかえ自分は・・・」と劣等感を顕わにする。そして、自分を助けたいのじゃなく、犯罪者の弟になりたくないだけだろうという台詞までが吐かれてしまうとは・・・。兄はそんな穿ったものの見方をする人間じゃないと思いこんでいたのに。好意を持つ女性の心を奪った弟を信頼できるはずなんてないのに。そんなことにも気づかないくらい兄は愚鈍で、そんなことは気にしないほどに兄は無頓着だと思いこんでいたのかもしれない。まるでわかりあってはいなかった2人。でも、こんなことが起こらなかったら、一見仲のよい兄弟であり続けたのだろうな。幼い頃の記憶のままの。

『M:i:III』を観た翌日に『ゆれる』を観た。あのイーサン・ハントとこの早川兄弟が同じ人間だなんて実に不思議だ。同僚の裏切りにあっても少しも不信感にかられたりしないイーサン・ハント。ヤツは本当はロボットじゃないのか? いえいえ、ジャンルの違う映画の登場人物と比べても仕方ないですね・・・。イーサン・ハントがもしもあの吊り橋にいたら、転落した女子を飛び込んで助けるだろうな。

智恵子という女のキャラクターもリアルだなーと観ている時は思ったんだけど、彼女は28、9なんだよね。19歳なら、猛タイプの男におちちゃうのはもっともなんだけど、そのくらいの歳になったら、猛のような男が寄ってくるのは遊びに決まっているって警戒しないものかな。命を落とさなかったら、本気で猛の女気分を続けていたのだろうか。まぁ、恋心を抱くのは猛だけど、結婚を考えたら温和な稔タイプがベターかななんて、打算的に分けて考える女じゃないことをむしろ可愛らしいと思うべきか。
そんな智恵子さんにオススメの1本は中国映画『故郷の香り』。香川の思いを受け容れるヌアンを見てほしい。

裁判のシークエンスは一昨年日本アカデミー賞をとった『半落ち』のそれより何倍も素晴らしかった。検事キム兄は、半落ちの吉岡演じる裁判官の何倍もいけていたし。

小説や漫画の映画化ばっかりの邦画界、こんなに巧みな脚本が書ける若き監督の存在がとにかく嬉しい。その実力は揺るぎない。

-cast-
早川 猛 ・・・ オダギリジョー
早川 稔 ・・・ 香川照之
早川 勇 ・・・ 伊武雅刀
岡島洋平 ・・・ 新井浩文
川端智恵子 ・・・ 真木よう子
早川 修 ・・・ 蟹江敬三

2006  公式サイト
監督.脚本  西川美和
音楽 カリフラワーズ

(渋谷 アミューズCQN)
[PR]
by CaeRu_noix | 2006-08-10 08:07 | CINEMAレヴュー | Trackback(38) | Comments(53)
トラックバックURL : http://latchodrom.exblog.jp/tb/3545422
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Tracked from ソウウツおかげでFLAS.. at 2006-08-10 18:43
タイトル : ゆれる@アミューズCQN
アングルは斜め上から、しかも傾いて、時にグラグラと揺れ、緊張が続く。全ての映画、その傑作に当てはまるとは断言しないが、映し出されたものから緊張感が醸されて、保たれると見応えは増長する。 兄の稔は山梨の実家に残り、家業を継いだ。弟の猛は家を出て、東京でカメ... more
Tracked from 映画通の部屋 at 2006-08-10 21:13
タイトル : ゆれる
「ゆれる」製作:2006年、日本 119分 監督:西川美和 出演:オダギリジョー... more
Tracked from Bizarre Biza.. at 2006-08-10 23:29
タイトル : 「ゆれる」
監督:西川美和 出演:オダギリジョー/香川照之/伊武雅刀/新井浩文/真木よう子/木村祐一 ネタバレしてます。 兄の稔は田舎の大きな家の長男で、跡取りとして父親に信頼され、家業も継ぎ、アルバイト従業員からも慕われている。足りないものといえば、あとはお嫁さんだ...... more
Tracked from Brilliant Da.. at 2006-08-11 00:45
タイトル : 『ゆれる』
泣けた、とても・・ この兄弟関係に自分たちを重ねて共感し、 目頭を熱くした観客は多いと思う。。 レディース・デーだったからか、 それとも口コミで評判が広がったからなのか? 公開してもう一ヶ月近く経つのに、満席立ち見が出ていました! ストーリーは”火サス風”三..... more
Tracked from 映画雑記 at 2006-08-11 07:42
タイトル : ゆれる
映画鑑賞中は、弟の視線で考えて、その後、兄の視線で考えたりしてるんですが、 いろいろな解釈を受け手に持たせる作品が好きだったりするので、 良い作品を観たなって実感しております。 そして、原作無しで、そんな作品を作り出した西川監督には、素直に脱帽してしまいました。 前作の「蛇いちご」も迷わずDVDを購入して、近日中に鑑賞する予定ですし、 今後、西川監督の作品は押さえておきたいって思ってます。 オダギリジョーは、どちらかと言うと好きな俳優ですが、 この人の演技は、気が入っている時と入...... more
Tracked from シャーロットの涙 at 2006-08-11 17:36
タイトル : ゆれる
東京で写真家として名を上げている弟の猛(オダギリジョー) 地元で家業のガソリンスタンドを継ぐ兄の稔(香川照之) そして二人の幼なじみの智恵子(真木よう子) この三人をめぐるサスペンス。ただのサスペンスでもない。感情を激しく揺さぶる内面に隠れた何かへの負い目。 段々と兄弟の心が揺らいでいく様が見事に描写されている。 三人で訪れた渓谷。 ここでつり橋から智恵子が落下してしまう。 しかし実際に智恵子が落下してしまうプロセスはスクリーンには出てこない。後に法廷劇へと変貌を遂げていく。 実際はどうだったのか...... more
Tracked from レザボアCATs at 2006-08-11 20:08
タイトル : 61.ゆれる
深くこころを揺さぶられる、出色の出来映え・・・オダギリジョーは、カッコイイばかりでなく、演技も本当に心に残るものだった。... more
Tracked from シネ・ガラリーナ at 2006-08-12 22:40
タイトル : ゆれる
2006年/日本 監督/西川美和 女のドロドロした粘着質な物語「ヴァイブレータ」を描いたのは、男性の廣木隆一監督だった。そして32歳の若手女性監督西川美和は、男の見栄や嫉妬をさらけ出し、兄弟の再生の物語を作った。女性の監督だから繊細な物語が撮れるとか、男性だからダイナミックにできるとか、そういった男性、女性という分類は、もはや全く関係ない。ようやくそういう段階に来たのだ、と非常に感慨深く思う。 それにしても、西川監督の人間描写には全く恐れ入る。人間の心の裏側、その裏側まで徹底して侵入し、そ...... more
Tracked from お楽しみはココからだ~ .. at 2006-08-17 01:16
タイトル : 「ゆれる」
(2006年・シネカノン/監督:西川美和) これは、ここ数年において久しぶりに登場した、人間ドラマの秀作である。 物語は、都会でプロのカメ... more
Tracked from とにかく、映画好きなもので。 at 2006-08-17 21:17
タイトル : ゆれる
   東京でカメラマンをやっている猛(オダギリジョー)は、母の一周忌で帰郷する。  兄・稔(香川照之)とは良好な関係を保ちつつも、父とは折り合いが悪い。  久しぶりに幼馴染の智恵子(真木よう子)と渓谷へと向かい、遊びに興じる。    智恵子の....... more
Tracked from 空想俳人日記 at 2006-08-19 13:26
タイトル : ゆれる
ゆうらリと こころゆらゆら たまゆらの   ゆれた。何が。心が。どうして。「ゆれる」を観たから。私たちは、毎日吊り橋を渡っているようなものかもしれない。あるいは、吊り橋を渡ってきた記憶が私たちの一人一人の人生をつないでいるのかもしれない。切なく、そう実感さ... more
Tracked from まったりインドア系 at 2006-08-20 00:55
タイトル : 崩壊と再生?~『ゆれる』
 残酷で怖い映画だ。肉親が「いちばん身近で理解し合える存在」と思うのは、ある種幻想なのか。実は、ささいなことが原因で一瞬にして破綻する、非常にもろくて危うい関係かもしれないと恐ろしくなった。 性格も容姿も正反対の兄弟を演じた、オダギリジョーと香川照之が実にいい。自由奔放で我の強い弟は単調で閉鎖的な田舎暮らしに嫌気がさし、故郷を飛び出して東京でカメラマンとして成功する。一方、実直で温厚な兄は地元に残り、気難しい父親の面倒を見ながら家業を継いで地道に暮らしている。二人とも独身だが私生活はまったく対照的で、...... more
Tracked from ダディャーナザン!ナズェ.. at 2006-08-20 23:35
タイトル : 【劇場鑑賞77】ゆれる
弟 ―東京の売れっ子カメラマン 兄 ―家業を継いだ独身の男 事故か 殺人か 愛情か 憎しみか あの橋を渡るまでは、兄弟でした。 ... more
Tracked from マダム・クニコの映画解体新書 at 2006-08-22 00:31
タイトル : ゆれる/神の試練
 父と息子、それぞれの兄弟の確執の物語。人間の根源に関わる゛他者との関わり”を深く掘り下げた必見の名作である。 goo映画   言うまでもなく、人類最初の殺人事件は、旧約聖書の「アダムとイブ」の息子たち「カインとアベル」によって引き起こされた。  父の仕事だった定住の農耕を継いだ兄カインと、より自由な遊牧の仕事に従事する弟アベル。兄は、弟の方が神に気に入られていることに嫉妬して、感情の赴くままに殺害する。しかし、神はカインを赦し、誰からも傷つけられないようにと印を授けたため、彼は罪意識を抱えながら...... more
Tracked from ~青いそよ風が吹く街角~ at 2006-08-23 00:26
タイトル : 『ゆれる』・・・ ①演出・演技 ※私感+ネタバレ有
2006年:日本映画、西川美和監督作。 ①演出・演技について。... more
Tracked from ginpeichanの映.. at 2006-08-24 20:09
タイトル : 『ゆれる』★★★★★★★★☆(8.5点)
こんばんは。 タメにタメていた、『ゆれる』の感想をば書いてみようかと思っております。 『蛇イチゴ』でデビューした西川美和監督の長編最新作で、 吊り橋の上から幼馴染みの女性を転落死させてしまった兄・香川照之と その兄と、法廷で、面会室で向き合う弟・オダギリジョーの物語です。 単館公開ながら大ヒット中とのことで、日曜の昼に観に行った僕もビックリ、 神戸のシネカノンの座席が半分埋まってました。 観終わって、ふぅ~と深いため息。 兄弟って、一番理解し合える存在かもしれなくて、 でも、...... more
Tracked from パピ子と一緒にケ・セ・ラ.. at 2006-08-28 20:27
タイトル : ゆれる
『蛇イチゴ』の西川美和監督による、重厚なドラマ。本音と建前、明と暗の間でゆらぐ人の心、それと同様に揺れ動く人と人の関係の不確かさを、綿密に練り上げられた演出とストーリーで見事に撮りあげた。兄の心の暗部に触れて湧き上がる感情を、時に繊細に、時に激しく演じ...... more
Tracked from AKATUKI DESIGN at 2006-09-02 20:23
タイトル : ■ゆれる~”蛇イチゴ”の西川美和監督作品
お決まりの映画の日利用で、”蛇イチゴ”の西川美和監督作品の”ゆれる”を見てきました。 新宿の武蔵野館では、立ち見客もいる大入りの場内。 この映画は、オダギリジョー演じる猛(たける)と香川照之演じる稔(みのる)の兄弟の物語。 母の通夜に久々に帰郷した猛は、幼馴染の智恵子と再会する。 その智恵子が二人といる時につり橋の下に転落してしまうのだが・・・ はたして、事件なのか事故なのか? --- 一人の女性の死を巡って兄弟の絆を独特な視線で描くサスペンス? 信じる心。 疑う気持ち。 裏切り。 復讐。...... more
Tracked from Diarydiary! at 2006-09-02 21:19
タイトル : ゆれる
《ゆれる》 2006年 日本映画 東京で写真家として成功している弟、地元に残り... more
Tracked from 水曜日のシネマ日記 at 2006-09-03 10:23
タイトル : 兄が内に秘めるモノ。弟が内に秘めるモノ。『ゆれる』
山梨の実家にあるガソリンスタンドを継いだ兄と、東京に出てカメラマンとして成功した弟の、ある事件をめぐる物語です。... more
Tracked from シネクリシェ at 2006-09-13 21:02
タイトル : http://cliche.cocolog-nifty...
 兄弟に限らず確執や葛藤といった人間の内面を描く作業は、映画のもっともむずかしいところでしょう。  この作品はそのむずかしい作業にあえて挑み... more
Tracked from amapola at 2006-09-15 17:44
タイトル : ゆれる
あいまいな記憶に基づく映像からは、なにが真実だったのか最後までわからない。 ただひとつだけ、兄の浮かべた笑顔だけが妙な重みを帯びていたような気がする。... more
Tracked from カリスマ映画論 at 2006-09-19 01:00
タイトル : ゆれる
【映画的カリスマ指数】★★★★★  ゆれ堕ちた…その先にあるもの  ... more
Tracked from don't worry!.. at 2006-10-07 18:02
タイトル : 「ゆれる」は生々しくて痛くて複雑な映画。
 東京でカメラマンとして成功し、自由に生きる弟・猛オダギリジョー。 母の一周忌に久々に帰郷した彼。 父の事業ガソリンスタンドを手伝う兄・稔香川照之は、 いやなお客からのクレームにも誠実に対応し、 炊事洗濯などの家事もこなしながら、父親と暮らしている。結婚していない。 猛は頑固な父とは折りあいが悪かったが、 温厚な稔がいつも2人の間に入っていた。 兄弟はガソリンスタンドで働く幼なじみの智恵子と3人で近くの渓谷にドライブする。 ところが、川に架かる細い吊り橋で、 智恵子が眼下の渓流へ...... more
Tracked from 我想一個人映画美的女人b.. at 2006-10-08 21:47
タイトル : ゆれる
恥かしながら...オダギリジョーの演技、初めて観た、、、、{/hiyo_s/}{/kaminari/} あまり関心なくって、ドラマも観てないし、、、、でもびっくり☆ 自然で素晴らしい役者さんなんだ。(今頃 {/dogeza/}{/ase/} やっと観てきましたー。 どうしても公開中に観たかったの、 観た周りの人にも勧められてたから。皆の評判もどこからともなく聞いてたし、、、。 初めに予備知識として知ってたのは、 男兄弟の物語、どちらかが罪を犯してしまう、、、ということのみ。 "ゆれる"って、何...... more
Tracked from 芸能新聞【究極の芸能新聞.. at 2006-10-13 19:54
タイトル : オダギリジョー
オダギリジョーに関する厳選した記事を集めてみました。どうぞ!... more
Tracked from 俺の明日はどっちだ at 2006-10-14 16:16
タイトル : 「ゆれる」
東京で写真家として成功した弟の猛(オダギリ ジョー)と地方に残り実家の家業のガソリンスタンドを継ぐ兄の稔(香川照之)。二人は幼なじみの智恵子(真木よう子)とともに懐かしい渓谷へと足をのばす。そこで起こったひとつの出来事。事故なのか、事件なのか。その出来事をめぐって、弟と兄の人生がゆれ動く……。何度か観た予告編から受けた印象では、もしかして観念的な思い込みの強い映画なのではといったお節介極まりない危惧があったのだけど、とんでもない! そんなものすっかり消え失せ、その見事なまでに完成された映画世界を大いに...... more
Tracked from いろいろと at 2006-12-13 22:52
タイトル : ゆれる
出演 オダギリジョー、香川照之、伊武雅刀 ほか 母の一周期で帰省する。 猛(オダ... more
Tracked from 八ちゃんの日常空間 at 2007-01-17 00:08
タイトル : ゆれる
散々観よう観ようと思いつつ後回しにしてしまった作品です。気が付いたら終わっていました。仕事休んでも横浜映画祭行こうかとも考えたのですが、やってくれて良かったです。 もちろん、オダギリジョーなんかではなく、真木よう子がお目当てですからぁ。... more
Tracked from ひょうたんからこまッ! at 2007-02-23 19:07
タイトル : ゆれる、ゆれる。
『ゆれる』(2006年・日本/119分)公式サイト『第28回ヨコハマ映画祭』2007年2月4日(日)横浜関内ホールにて鑑賞。以下ネタバレ「あの橋を渡るまでは、兄弟でした。」・・・本当に?本当に彼らは「その事件」を境に兄弟で無くなったのか?都会に暮らす弟と、実家で父と暮らしながら家業を継ぐ兄と。二人の心の間にはいつしか、離れて暮らした年月と同じだけの長さの吊り橋が架けられていたのではないだろうか。ゆらゆらるれる吊り橋。足元を見るとその不安定な空中感覚に気を失ってしまいそう。高いところも、吊り橋も、苦手な...... more
Tracked from ロッタのひなたぼっこ at 2007-02-24 21:02
タイトル : ゆれる
やっと『ゆれる』を観ました。 母親の一周忌で田舎に帰った著名なカメラマンの猛は、久々に家族と再会を果たすが、父親とは相変わらず険悪なムードのまま。 そんな二人をとりなしたのが、兄の稔でした。 ガソリンスタンドを経営する父の後を継ぎ、優しく温厚で腰の低い彼は、猛とは正反対。 母親の葬儀にも来なかった弟を、温かく気遣ってくれました。 幼い頃の思い出がつまった渓谷へと誘いますが、猛は昔の事を覚えていませんでした。 稔の店で働く幼馴染みの千恵子と再会しますが、兄には内緒で彼女のアパートへ上がり...... more
Tracked from Production R.. at 2007-03-06 00:53
タイトル : 映画レビュー#41「ゆれる」
基本情報 「ゆれる」(2006、日本) 監督:西川美和(蛇イチゴ) 脚本:西川美和 制作:熊谷喜一 企画:是枝裕和 出演:オダギリジョー、香川照之、伊武雅刀、真木よう子、新井浩文、蟹江敬三、木村祐一、田口トモロヲ 2006カンヌ国際映画祭監督週間正式出品作品 公式サイ..... more
Tracked from Akira's VOICE at 2007-03-06 11:07
タイトル : ゆれる
揺れるよ揺れる,どこまでも・・・ ... more
Tracked from ときたましらこ at 2007-04-16 09:44
タイトル : 香川
ゆれる(2006年 / 日本 ) 監督: 西川美和 出演: オダギリジョー 香川照之 伊武雅刀 新井浩文 真木よう子 他 最初、オダギリジョーのエロさにくらくらしましたが、伏兵は香川照之でした。一つの表情の裏にたくさんの想いを想像させる演技です。 この人....... more
Tracked from Prism Viewpo.. at 2007-04-21 00:18
タイトル : か細い橋は朽ちていなかった●ゆれる
「兄を取り戻す」 取り戻したのは、兄が弟を取り戻していた。 主人公のカメラマンである、弟の早川 猛(たけし)役には、 『激辛カレーを食べて、あなたは「辛い!」と怒ります?●SHINOBI』や、 『ラストま... more
Tracked from ミーガと映画と… -Ha.. at 2008-01-15 16:33
タイトル : ≪ゆれる≫(DVDレンタル@2008/01/01)
元旦の昼は<バーミヤン> で食事した後にすぐ隣にあるレンタル店へ 今年一本目の映画に何を観ようかと悩んだ結果… ゆれる まぁ、暗めで正月っぽくはないんだけど、昨年末に発表された “オダギリジョー”結婚記念って事で彼が主演のこの作品... more
Tracked from はらやんの映画徒然草 at 2009-08-10 21:18
タイトル : 「ゆれる」 「檻」の囚われ人
「ディア・ドクター」の記事を書いたとき、同じ西川美和監督の「ゆれる」を未見と書い... more
Tracked from おそらく見聞録 at 2009-09-13 00:01
タイトル : 映画「ゆれる」
監督:西川美和(ググったら カワイイ人で驚いたですよ賞 受賞) 出演:オダギリジョー(◎)香川照之(絶品!) 真木よう子  出演:木村祐一(とてもいいエッセンス)伊武雅刀    東京で写真家として活躍する弟。田舎に残った兄。ある時、 弟の昔の恋人で現在は兄が好... more
Commented by たかこ at 2006-08-10 12:04 x
あの女の子、28でもうすぐ29になるって設定でしたね。
わたしも20歳前後でこういう感じの感情に悩んだことはありますが
とても28,9には見えませんでした。
ある意味純粋で器用じゃないのは昔の自分を思い出しました。
智恵子さんに映画オススメしてあげてください♪(いや、まぢで)

Commented by CaeRu_noix at 2006-08-10 15:01
たかこさん♪
もうすぐ29って、そういえばキム兄が言っていましたね。
まるで昔のたかこさんのように?ある意味純粋で不器用でしたよね。
現代の28歳には珍しいように思え・・・。 そりゃー、シャワー浴びたばかりのオダジョーに「なーに、服着てんだよって」って抱きつかれたらもう理性なんて飛んでしまうだろうけどさ。28なら、こういう男を部屋に入れたらどうなるかを想像できると思えたんだけど。あんど、このビミョウな関係の男2人の兄弟とおでかけしちゃうのものんき。
智恵子さんに観てもらいたい映画はたくさんありますとも。
Commented by 現象 at 2006-08-10 19:04 x
紹介していただいちゃって、あざーす!
西川監督なんていうんですかね、
サディスティックで性格が悪いと勝手に思い込んでいるのですが、
そこを馬乗りになって服従させたいという気持ちを持ちつつも、
理詰めで言いくるめられて逆に言葉攻めにあうのもまた良し、
馬乗りされて罵られると興奮するかも、
なんつって結局はどっちでもいいんです。
どっちにしろ変態ですが何か。
そんな個人的SM論でずいぶん書いてしましたが、
彼女の実力は揺るぎないっす。
常日頃から人間の洞察を怠っていないのだろうなぁと感じました。
Commented by 隣の評論家 at 2006-08-10 21:18 x
かえるさん、こんにちわー。
記事をアップしたのですね。ひっそりと楽しみにしておりましたよー。
>人と人の間には、実に多様な思いがあるのだろうけど、とりわけ興味深いものは優越感と劣等感。
うんうん。この作品では、サラッと上手いぐあいに描いていたような気がしました。タイトル通り、揺れまくりでしたねー。
私は、兄弟にばかり目がいってしまい、智恵子の事を観察するのを忘れておりました。かえるさんの記事は、とても興味深かったです。
『故郷の香り』 すいません、未見です。「香川照之が好き」って豪語している割には『鬼が来た!』すらも見ていないんです。口ばっかりなんですわー。必ずや見ますです。
Commented by マダムS at 2006-08-11 00:57 x
TB有難うございました♪ かえるさんは結構前にご覧になっていたのね^^ 私はやっと昨日新宿で「ローズ~」と2本立てでした~
いやまったく才能ありますよねこの監督! 「蛇イチゴ」も面白かったけど、それ撮った時はまだ20代だったつぅことですよね~凄いわ~。
役者も良かったですが。
智恵子ちゃんですが・・私はなかなかしたたかな女だと思いましたわよ?
猛にくっついて東京に行こうと思ってたんだから、つまんない田舎なんかお兄ちゃんと一緒に捨てちまって(怖) と私には見えたんですが(笑)
Commented by mar_cinema at 2006-08-11 07:49
かえるさん、おはようございます。

この作品、鑑賞後1月以上経っているのにも関わらず、
いろいろ感想で『ゆれて』おります(笑)
智恵子の心情も予想っていうか、理解できちゃうんですよね・・・
それだけに、結論的には、兄と弟の確執の起因としかなりえず、
兄と弟の心から、薄れていっているようなのが哀れっていうか、
なんていうか・・・
Commented by じぇるの at 2006-08-11 11:14 x
かえるさん、はじめまして。
優越感と劣等感、まさにそうですね!!
最後に猛の気持ちは決着がつきましたが、観ている私は(真相があきらかにされていないせいで)、猛のようにすべてを信じきれずにいるのです。
そう、私も「ゆれて」いるのです(笑)
でも、そうやってずっとゆさぶり続けさせられる事がこの映画の面白さなのかも、と今は感じています。
TBありがとうございます。よみごたえのあるレビューをありがとうございました!
Commented by charlotte at 2006-08-11 17:46 x
こんにちはー
今日はりんごですか?感想を秘かにお待ち申し上げてます。
ところで。ゆれる・・・監督の才能にホント嫉妬するくらい揺さぶられちゃいました。
人って優越感がないと息苦しく、劣等感がないと傲慢になるんですかね。
どっちも必要なのかな。それをわたり続けて生きるというか。途中で落ちちゃったらきっとイーサンが助けてくれる事を願いながら…爆
智恵子さんのように打算的ではなく生きたいなあ。またヘタレまるだしで失礼しました。
Commented by CaeRu_noix at 2006-08-11 18:09
現象さん♪
どういたしまっ。馬乗り&言葉攻めされている図を私も見学させていただきたし。時には参加します。名脚本家の彼女のことだから、攻撃的でいやらしいー言葉で攻めまくってくれるでしょうねぇ。どきどき。でも、どっちでもいいっていうのはSMの道に反するのではないでしょうかー。Mの方いいわく自分にぴったりの女王様との出会いを求める長い旅をするらしいです。って、ゆれるとは何も関係ありませんー。どっちでもいいけど、とりあえず馬乗りははずせないのねー。w みわりんはプライベートではかわゆい女なのかもしれないしー。と、彼女の素性にも興味をもってしまうほどに、30そこそこの女性がこんなに鋭く人間の暗部をあぶりだせるなんてすごいなぁと・・・。常日頃から洞察、分析しているのでしょうね。今後も期待。
Commented by CaeRu_noix at 2006-08-11 18:09
隣の評論家さん♪
ありがとうございますぅ。人と人との間に起こる厄介な思いの中で、近年「優越感と劣等感」には関心をもっていたので、とても興味深く見ることができました。わたし的には「サラッと」ではなく、さりげなくも色濃く描かれていた印象なだったんですが、そういうものをちゃんと盛り込んだ邦画って、なかなかなかったと思うんですよ。(たとえば、嫌われ松子が元親友を避けたのは劣等感が大きかったんだけど、その思いは突き詰められたりはしないんですよね。)私も鑑賞中は、兄弟のゆれる思いにとらわれるばかりでしたよ。でも、後からちょっと、命まで落としたのに、猛にも観客にも同情されない智恵子についても気になってきましたのです。かわいそう。
あら、『鬼が来た!』は見ごたえ満点の衝撃的にすばらしい作品ですので、これは絶対観てくださいー。『故郷の香り』も私は大好きなんです。香川照之の出演作ってすごく多いので、私も一握りしか観ていないですが。すばらしい俳優ですよね。
Commented by とらねこ at 2006-08-11 20:06 x
こんばんは!かえるさん、この映画私大好きになりました。
私の中で、邦画の今年のナンバー1なんです!
なので、かえるさんの記事を読めてとっても嬉しい♪

こんなに緊張感を持たせて鮮やかに葛藤を描いた、切り味鋭い作品は、なかなかないように思います。
『ローズ・イン・タイドランド』を見に行って、立ち見が続きました。1度目に、『サイレントヒル』を観て、二度目に『ゆれる』を見たのですが、(そしてようやく3度目に『ローズ~』見ました。)
『ゆれる』の予告編、すごく良さそうだったのですが、私も確かに現象さんの記事がなかったら、違う映画を見ていたかも・・・なんて、思いました。
かえるさんも結構“現象系”ですか。
私も実はかなりの現象系です。
Commented by CaeRu_noix at 2006-08-12 00:17
マダムS さん♪
私は一週間前に渋谷で3本ハシゴだったんですが、『バルトの楽園』の後にこれを観たために、余計に演出の見事さを感じましたー。どうしてこうも違うんだろう・・・。恐るべき才能。なんでその若さでこんなに人間をわかっているんだろうと驚きましたよね。ウマイ俳優をつかっても、マイチさえないキャラクターの映画も多いことを思うと、その脚本力・演出力の違いを感じますよね。
智恵子ちゃんはですねー。稔への態度を思うとしたたかな女なんですが、一時的に実家に戻っただけの都会で業界な仕事をしているカッコイイ猛の彼女になれると思いこんじゃったのだとしたら、年の割に世間知らずというか、自分の魅力を過信していたのか?恋は盲目というやつでしょうかね。
Commented by CaeRu_noix at 2006-08-12 00:26
mar さん♪
もう1ヶ月経つんですね。でも相変わらず劇場は混雑しているようですし、この映画でまだゆれ続けている方もいるのですね。鑑賞直後と今とでは解釈が変わってきたのでしょうかー。
智恵子の心情はよーくわかるんですよ。気持ちの動きは大いに。ただ、理性的な部分で、大人の女だったら、猛のような男を部屋にいれないか、入れるなら遊びなのを覚悟しないかなーって思ってみたりしたんです。だからその点では打算的なようで計算のできない無垢さがある女なのかなぁと?? で、そうなんですよ、事件と罪のせいで、智恵子ちゃんの個人的な死を兄弟が悲しむことさえもなく、その役回りはあまりにも哀れでした・・・。
Commented by CaeRu_noix at 2006-08-12 00:37
じぇるの さん♪
いらっしゃいませ。コメントありがとうございます。
真実は一つなのかもしれないけど、人間の記憶は実にいい加減なものだし、その思いやひっきりなしにゆれるものですよね。猛もとりあえずは、8ミリ映像を見て、一つの感情がわき起こり、駆け出さずにはいられなかったわけだけど、でもそれで気持ちに決着がついたとも言えないかもしれませんー。本人たちも観客の1人ひとりもずっとずっとゆれ続けるのかもしれませんよね。そうなんですよね。真相が明らかにされていなくて、感じ方が人それぞれで、考えるたびに解釈や感じ方がグラグラゆれてしまうのがこの映画の魅力ですよね。答えは一つじゃないんですよね。こちらこそ、ありがとうです。
Commented by CaeRu_noix at 2006-08-12 00:53
charlotte さん♪
りんごでしたー。短めに2本まとめていってみました。
charlotte さんは明らかに描かれる方がよかったんですっけ?
本当は優越感や劣等感なんて持つことなく生きていけたらいいと思うんですけど、この社会ではありとあらゆるものに「価値」がつけられて、比較をせずにはいられないんですよね。二言目には「勝ってる」とか「負けてる」とかいう表現がされ・・・。でも、意外と、相手に優越感/劣等感があることで、負い目を埋めるかのように誠実に親しみをこめて接することができたりもするんですよね。必要なものとは思いませんが、この競争社会→格差社会においては、意識しないで生きるのは凡人には無理でしょうー。ちぇっ、負けてると思いながらも、自分は自分とマイペースでいくしかありません。吊り橋に3人で出かけることを避ければ、修羅場は回避できるかもかも。智恵子はその点がオバカでした。女友達もう1人誘って2対2で行くべきでしたー。
Commented by CaeRu_noix at 2006-08-12 01:05
とらねこ さん♪
鮮やかな語り口でしたよね。出来事とその結果をわかりやすく描くだけの物語が多い中、そこにある人の心のゆれ・葛藤をこんなに細やかに描写した邦画の登場は偉大ですよね。オダジョー目当てな人が多いのかもしれないけど、こういう人間の心理にスポットを当てた繊細な映画が大いに注目を浴びているのは嬉しい限りです。混んでいましたよねー。
邦画のナンバー1ですかー。好き嫌いでいったら、今年の邦画では『かもめ食堂』の方が上なんですが、『ゆれる』ほどに手に汗握りながらおもしろく観られた邦画はなかったかもしれません。見ごたえ満点。
いや、私はさほど現象系ではありません・・・。たまにソウウツ系?
Commented by galarina at 2006-08-12 23:00
TBありがとうございます。私は猛を部屋に招き入れてしまった智恵子の気持ちがすごいわかるんですよ~。女は昔の男に弱いんです(笑。しかも彼女は田舎の閉じた空間で抑圧されていたと思うし、そこにあんな都会のきらびやかさを持った昔の男が現れたら、私でもふらふら~っと行ってしまいます。その後の「私も一緒に東京行く」ってのはどうか、と思いますけど、そういう勘違いする女の人ってのも結構多いと思います。いずれにしても、すばらしい映画でした。
Commented by CaeRu_noix at 2006-08-13 22:20
galarina さん♪
そうかぁー、昔の男には弱いものですかねー。確かに、オダジョーの車に乗っていて、「おまえんち行っていい?」とか言われたら、冷蔵庫の中に大したものがなかろうが、部屋がちらかっていようが、コクンと頷いてしまいますよねぇ。(それは昔の・・・とか関係ない話だが。) 客観的に見たら、ちょっと考えなしのオバカ女にも感じられますが、その場では仕方ないものかもしれませんよね。翌日冷たくされるなんてことは思ってもみないんですよね。28歳にしてはちょっと・・・と思ったのですが、案外フツーなのかもしれませんね。そんなことまでいちいち考察したくなる、きめ細やかでリアルな映画でしたー。
Commented by orange at 2006-08-17 21:04 x
兄弟とは?と問われると、どう答えたらよいか分からないですね・・・
僕にも弟がいますが、良いのか悪いのか、仲が悪くなる事も無く良い均衡状態を保っています。
人間を描くという事に関して、この西川監督は良く見ているなと感心ですよね。兄弟が久方ぶりにあった感じ、お互いのコンプレックスを表情や間から感じさせる演出、演技。嫉妬ではないけど、何かこの監督に対しては、その才能・・・分けてくれと言いたいような気持ちです。
智恵子の存在は、僕は、こういった田舎社会からの脱却を猛に託そうと妄執している感じがしました。何か新しい刺激が欲しくて、このままじゃ終わりたくないと思わせる田舎町の年頃を迎えてしまった女性観が現れていると・・・
そういった人間の描写に長けた作品でしたね♪
Commented by CaeRu_noix at 2006-08-18 12:35
orange さん♪
兄弟の絆について考えさせられましたね。なんなのでしょうね。血のつながり、親というつながりがなかったら、仲良くなることなんてないような2人の男が、何年も会ってなくても、親しく手を取り合うことができる。でも、そのつながりが逆に、ただならない負の感情を煮えたぎらせたりもする。この上なく複雑ですよね・・・。orangeさんも弟さんがいらっしゃるのですねー。大人になってからの兄弟はそんなに仲良しこよしではいられるはずはないから、ほどよく均衡状態を保ち続けているのはよいですね。自身のことを照らし合わせたりしながらご覧になったのでしょうか。
智恵子の思いもよーくわかります。田舎町GSで働く日常のまま人生を終わらせたくはないという思いは大いにリアルで痛かったです。猛の反応を予想できないというところも実はリアルですよね。そういう田舎であがく女を、同世代の女性でありながらも、立ち位置は雲泥の差の成功者・西川さんが、容赦なく痛烈に描写しているところがまたすごいなぁと・・・。ゾッとするほどに人間の描写が卓越しておりましたー。恐るべし。
Commented by ゆっこ at 2006-08-20 14:16 x
初めまして!TB&コメントをどうもありがとうございました。
私が映画を見たのはかなり前なのですが、考えが整理できなくて
なかなか記事を書くことができませんでした。

西川監督は、「S臭が香る」ですか、なるほど(爆)。
たしかに、この監督さんの人間観察眼は鋭すぎてコワイです。
でもそれだけに、一瞬たりとも目が離せない仕上がりになっていましたよね。
>真実の追究は二の次で、男たちの気持ちの揺れ動く様に苦しくもおもしろく見入ってしまう。
これ、全く同感です。
私も事件の真相よりも、ひたすら兄弟の心の揺れに釘付けになりました。
それに平凡な人間の「業の深さ」に、たじたじとなったり。

今後の作品が楽しみな監督さんの一人になりました。
Commented by CaeRu_noix at 2006-08-21 00:43
ゆっこ さん♪
そうですよね。私も心に響いた作品はわりとすぐに書けないことが多いです。罵詈雑言は気軽に書き始められるんですけどー。これは確かに、感じたことは多々あるのだけど、それを順序立てて書き連ねるという作業が難しかったです。(その結果、導入をS臭が香る~にしてしまった私・・・)
S臭が香るのかはよくわかりませんが、サディスティックなほどの辛辣さがないとこんな映画はつくれませんよねぇ。なんて意地悪なことを考えつく人なんだろうと感心することしきりでした。本当に鋭いですよねー。
細やかに描写された心のゆれには終始心をつかまれましたよね。吊り橋の上ジョウタイのスリルをずっと味わっていた感じ。
なるほど、単なる善悪や因果応報じゃなくて、業の深さというものを感じますね。事件にまつわる愛憎劇にとどまらない深さがすばらしいです。
これからも西川さんのSぶりから?目が離せませんねー。
Commented by マダム・クニコ at 2006-08-22 00:30 x
>優越感を感じる部分があるからこそ、むしろ肉親としては甘えて慕えたのではないか。

そういう見方も面白いですね。
発見です。

それにしても楽しみな監督ですね。
前作は、ちょっとね、でしたが・・・・・・。

TB&コメントに感謝!
Commented by CaeRu_noix at 2006-08-22 11:58
マダム・クニコ さん♪
私はそんなふうに思えるんですよねー。対等ではなく、優劣の意識がいくらかある方が、互いがつながりやすい気がするんですー。でも、亀裂が走った時は、傷が大きく深くなるものかもしれません。
前作はイマイチでしたか? 私は『蛇イチゴ』にもうなりました。大袈裟なコメディなのに、やっぱり描写はリアルで緻密なんですもの。この調子でがんばってほしい監督です。
Commented by ginpei_chan at 2006-08-25 18:36
こんにちは!
TB送らせていただきました&TBありがとうございました!
『MIⅢ』との比較、笑わせていただきました!
それから、『半落ち』の吉岡秀隆、あれは無いですよねえ~!
あの幼さと言動、ありえねえ~!と思いながら観てましたよ。
Commented by CaeRu_noix at 2006-08-26 15:21
ginpei_chan♪
コメントありがとうございます。
いやー、あのハリウッド・アクション大作の主人公を引き合いに出してもしょうがないんですけど、ホントにイーサンのキャラクターは謎だったんですよー。
『半落ち』の吉岡秀隆のくだりに共感いただき嬉しいです。あれで日本アカデミー賞助演男優賞にノミネートされていたから笑えました。主演賞の寺尾の演技も、ついこないだまで刑事をやっていた人間とは思えないほど、間を取りすぎのしゃべりでした。こういうわざとらしさが素晴らしいと評価されるなんて・・・。あれは、感動的ないいお話ではありましたが、映画としてはクサすぎでしたよねー。そんなわけで、『ゆれる』のような日本映画が登場してくれて何より。
Commented by 睦月 at 2006-09-19 00:59 x
こんばんわ。TB&コメントありがとうございました!
この作品については、たくさんの方々が実に素晴らしい見解で記事を書いてらっしゃったので、もう私はいう事はありません(笑)。

≫イーサン・ハントがもしもあの吊り橋にいたら、転落した女子を飛び込んで助けるだろうな。

そうですね(笑)。スーパーマンだったら、テレポートして美智子を死なせはしないだろう。

それにしても素晴らしい作品でした。オダジョーにはゆれませんでしたが、映画にはグラングランゆさぶられました(笑)
Commented by CaeRu_noix at 2006-09-19 12:27
睦月 さん♪
言うことなしの秀作ということですねっ。
スーパーマンならどんな危機も回避してくれそうですね。やっぱり飛べるっていうのはいいですよね。そうでなくても、スーパーマンやイーサン・ハントなら、女子に「キモチワルイ」と言われ怯えられることもないから、吊り橋落下事件は起きないのかもしれませんしね。ハリウッド映画の主人公とは正反対の内にこもる稔キャラがやっぱり秀逸でしたー。
睦月さんのはーとを揺さぶれないようではオダジョーもまだまだですなっ。笑
Commented by やす at 2006-09-25 00:49 x
「ゆれる」、私もかなりの衝撃でした。実は私はかなり関係者に近いところにいて、西川さんも是枝さんの「ワンダフルライフ」のスタッフに大卒でアルバイトで入った時から知っています。S臭で話題になっていますが、ごく普通の、きさくでかわいい女性です。率直で、ずけずけ物を言いますけどね。それがいいところで、是枝さんもそういうところが気に入っていたのだと思います。でも、こんなにすごい映画を撮る人になるとは・・・。むしこ彼女を、テレビマンユニオンの社員の採用試験に立ち会い、落とされた彼女を自分のスタッフに入れ、彼女の映画をプロデュースした是枝さんの眼力に敬服します。この映画に感動して、すぐ西川さんに久しぶりに電話し、翌日会って(自分が書いている新聞のエッセイに載せるために)取材させてもらいました。むしろ昔より女っぽくなって、かわいくなっていました。でも、映画は本当に体当たりで、自分の人生を賭けて作っているという姿勢がひしひしとあり、胸打たれましたね。カメラを担当された方が、お会いした2週間前に脳梗塞で倒れて、まだ意識不明だということで、そのことではとても落ち込んでいました。
Commented by CaeRu_noix at 2006-09-25 11:46
やすさん♪
はじめまして。コメントありがとうございます。
衝撃的な作品でしたね。監督たちとお知り合いだとはうらやましいです。是枝作品も大好きです。西川監督は是枝監督に育てられた人だと知った時は嬉しかったですー。ホントにその人を見る目は素晴らしいです。
S臭漂う人なんて遊んでしまってすみませんー。その話の元ネタを提供してくれた現象さんのお友達の方も確か、西川監督と一緒に仕事をしたことがあるらしく、その時にキツイ人柄という印象をもったみたいです。容姿がかわいらしいから、そのギャップを余計に感じてしまうんでしょうね。そして、この才能ですから、ちょっとやっかんでS臭女なんて言ってみたくなったりしますが、やっぱりそういうキツさも含めて優れた人なんでしょうね。ズケズケ物を言える妥協のなさが完成度の高い映画をうむのかな。
やすさんは新聞にエッセイを書かれているんですね。その取材記事が読みたかったです。西川監督は素晴らしい作品を仕上げ、より魅力的になっていたんですね。カメラマンの方の件は心配ですが。真実の西川さんについてのお話をありがとうございました。やすさんもがんばってください。
Commented by やすさん at 2006-09-27 02:34 x
こちらこそこの膨大なブログの中で遅かりし私のコメントにお返事下さいありがとうございます。メルアドがあれば、新聞のエッセイ、ワードのファイルを添付して送りますよ。月に一度、福井新聞という私の出身の地方紙に、仕事場で出会った人たち、という感じのエッセイを写真入りで1000字書いていて、連載5年目です。私の本職は作曲家ですが。ここのコメント欄は字数制限があり、私が先日書いて送信押したら、857字削って下さい、と表示され、削りに削りました。エッセイをそのまま落とし込むのが字数的に無理だと思いますので。昨夜「蛇いちご」がBSjapanで放映され、久しぶりに観たら、初回観た時より、ずっと面白く感じました。あれもかなりの映画ですね。
Commented by CaeRu_noix at 2006-09-28 00:54
やすさん♪
再度ありがとうございます。
コメントの返事は古い記事でも何でもしております。ブログ運営者同士のコメントはお馴染みの相互ものである場合が多いので、たまたまこちらに辿り着いた方にあえてコメントをいただくのは嬉しいものです。それもご活躍されている作曲家の方に書き込んでいただけたなんてとても光栄です。というわけで、『ワンダフルライフ』をまた観てみたくなりました。
エッセイの方は送ってくれというのは図々しいような気もしたので検索をしてみたところ、部分的に発見できました。ご自身のWEBサイトの今は閉鎖されているのでしょうか?私は映画バカで、舞台はミュージカルなどしか観る習慣がないのですけど、手がけられたシェイクスピア劇にふと興味がわきました。
こちらのコメントは字数制限があるのですよね。せっかく書いていただいたのに申し訳ありません。(分割して書き込むことは可能です。)
『蛇イチゴ』は劇場で観ていなかったので、『ゆれる』を観る前にDVDで観ましたが、これまたとても面白かったです。『Female』というオムニバスの短編も観ましたが、センスが際だっていました。
Commented at 2006-09-29 00:33 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2006-09-29 00:35 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kusukusu at 2006-10-05 11:25 x
ようやく見ましたが、ちょっと個人的には苦手な作品でしたが・・。
でも、見ている時はあまりいい印象ではなかった(むしろ、不快感を感じた・・)んですが、後から思い返すといろいろ興味は沸いてくるので、そんなに悪い映画ではないのかもしれないけれども・・。

ところで、西川監督は広島出身で原爆の被爆者の2世(か3世)らしいです。家族の話にこれだけこだわるのは、そこらへんで何か、特別な体験をしているからなのではないかと思っているんですが・・。(あまりそういう先入観で見てはいけないのかもしれないけど。)
Commented by kusukusu at 2006-10-05 18:34 x
>智恵子という女のキャラクターもリアルだなーと観ている時は思ったんだけど、彼女は28、9なんだよね。19歳なら、猛タイプの男におちちゃうのはもっともなんだけど、そのくらいの歳になったら、猛のような男が寄ってくるのは遊びに決まっているって警戒しないものかな。

これはちょっと違うと思う。智恵子は田舎を出たかったのでは。猛が本気じゃないことぐらい、分かってただろうけど、猛の誘いに乗って関係して昔の話を持ち出して、自分を東京に連れ帰ってよと猛にせまって田舎を飛び出そうという「打算」だったのでは?
僕はそういう目的があるからあんなに簡単に猛の誘いに乗ったのだとばかり、思って見ていたけれども。
僕はむしろ、女はそういうつもりで乗ってきているのに、そういうことを全然、考えてなくて、後から女に東京に連れてってと言われてあせっている猛の方に、おいおい、ちょっと待てよ、女はそういうつもりだからあんな簡単にOKしたんだろ、そんなことも気づかないで寝てるのかよ、お前、寝たからには責任もって女のこと、ちゃんと面倒みろよって猛に腹を立てていたんだけど・・。
Commented by kusukusu at 2006-10-05 21:12 x
というか、たまたま初めて会った女をナンパしたら東京に連れてってと言われたということなら、そう言われることを予測がつかなかったのは分かるんですよ。でも、猛と智恵子っていうのは初めてどころか、昔、かなり付き合っていたんでしょう。かなり深い仲だったと思うよ。だから、智恵子が東京に連れていってほしいと思ってOKしていることが分からないのはおかしいんだな。
もしかすると、猛は分かっていたのかもしれない。そう言われることを分かっていて誘って寝たなら一層、なんで誘ったんだということになるんだけど・・。
Commented by kusukusu at 2006-10-05 21:13 x
気軽に誘ったんじゃなくて、本気だったってことなのかな? というか、昔、本気だったのかもしれない。もしかしたら、昔、猛の方が本気で好きで熱をあげていた時期があったのかも。危険を承知で誘ったのは、昔、ふられた女を誘って昔を取り戻そうみたいなことだったのかも。
でも、セックスの後で食事して、食べ物を「これは昔は嫌いだったけど」みたいなことを言ったでしょう。あれは、「昔は嫌いだったけど今は好きだ」ということだから、昔と今は違うということで、つまり、「昔は智恵子のこと、本気だったし、一緒に東京に連れてくつもりだったけど、今はそうではない」ということ、昔と今は違うんだということを言おうとしたのかもしれない。だとしたら、智恵子が「東京に連れてって」と言うことも予測していて、それでもあえて誘ったのかもしれません。
Commented by kusukusu at 2006-10-05 23:36 x
それから、僕は智恵子はもしかしたら稔とだってすでに寝ているかもしれないって思うよ。
だって、もし裁判で稔が言っていたように一方的に稔が智恵子に片思いしているだけの関係ならさ、智恵子の方に何もないなら、稔にばれるのが恐いとか、智恵子が考えることもないでしょう。むしろ、稔にも付きまとわれて困っている、猛、あなたが救ってよって猛にもっと迫ればいいわけで・・。すると、稔ともそれなりに何か、あったのではないかと。
Commented by kusukusu at 2006-10-05 23:36 x
智恵子は、そんなに田舎がいやなら自分ひとりでも出ていけばいいのに、男と一緒でないと出れないというのはちょっと男に頼りがちのところがあるのかなと思う。それで何かのはずみで稔とも出来てしまったのかもしれない。たとえば、猛が智恵子には黙って都会に出てしまってさ、智恵子はどうして私を置いていったのと思っていて、そこを稔に慰められて、猛の代わりみたいにしてふと稔と寝てしまったのかも。でも、それはあくまで猛の代わりでしかなくて、猛が黙っていなくなったから代わりにその兄貴とふと寝てしまったんであって・・。それで、智恵子は自分でもしまったなあとか思っていたのかも知れない。でもはずみでも稔とも1回、寝てしまい、関係が出来て稔をその気にさせてしまったし・・。そういう迷いがあって、それが橋の上での稔と智恵子のやり取りになったのではないかと・・。
ちょっと妄想か?(笑)
でも、それぐらいでないと橋の上のあのやり取りになるかなあ?何もなかった2人ならば。
Commented by CaeRu_noix at 2006-10-06 01:16
kusukusu さん♪
長編の「智恵子抄」をありがとうございます。(笑)
智恵子って、そんなに東京行きを切望していましたっけ?
渓谷で、東京に行こうかなと言ってたのは覚えているけど、それが最重要目的だったとは思わなかったな。田舎生活から抜け出したい、東京に行けたらいいなっていう気持ちはあったとは思います。が、"猛に東京に連れて行ってもらおう"という打算とは?連れて行って東京で住まいや仕事を手配してくれる? 本気でなくても、関係した以上、東京で同棲? 
智恵子ももちろん猛が自分との真剣交際を考えて誘ってきたわけではないとは頭ではわかっていたと思います。でも、せまられて受け容れちゃったのは、猛への恋心があったからでしょう。で、関係してしまったら、ちょっと恋人気分になり、つながっていたいと思った。一緒に東京に着いていきたいなって、夢を見てしまったのです。でも、猛にとっては、単なるお手軽な欲望処理&兄貴が好意を寄せている女をおとすという意地悪に過ぎなかった。そして、一夜の遊びのはずだったのに、勝手に1人で盛り上がる智恵子が猛にはうざくなった・・。というふうにしか私には見えなかったんですけどね。稔と智恵子はもちろん寝ていませんしー
Commented by kusukusu at 2006-10-06 02:32 x
というか、そもそも僕は智恵子のこと、そして稔と猛がそれぞれ智恵子とどのような関係だったのかがあまり描かれていないことがこの映画の最大の不満なのです(個人的には)。
たしかに僕が書いたようなことは描かれていないので、かえるさんの解釈の方が正しいのかもしれないけど、その程度の、猛がつい一夜の遊びで智恵子と寝てしまった、稔はただ片思いしていただけという程度の話なのだったら、不満なのです。

しかし、僕はやはり疑問なのは、一夜の遊びっていうけど、猛と智恵子ってふらっと会ってナンパしたとか、そういう関係ではないんですよね?幼馴染みで、しかも猛は智恵子が自分に気があることを知っていたんでしょう? 一夜の遊びで後腐れなくすぐ別れられる相手じゃない。面倒なことになるに決まっているじゃないですか? いくらオダギリジョーとはいえ(笑)、そういう幼馴染みの自分に気がありそうな女を一夜の遊びの相手に選ぶものなんでしょうか?
Commented by kusukusu at 2006-10-06 14:21 x
>智恵子って、そんなに東京行きを切望していましたっけ?

というか、ここらへんが明確じゃないんですね。智恵子というのはちょっと自分の意志が薄弱というのか、はっきりしていない感じがするのです。猛の誘いにすぐ乗っちゃったりする。たしかにどれほど田舎を出たかったのかは分からない。そこが曖昧。
田舎が嫌で猛のことが忘れられないならば、さっさと猛を追いかけて自分も都会に出ればいいじゃないですか? あなたを追ってきちゃったと迫ればいい。そういうことはしない。
また稔にだって、その気がないならもっと早く「ごめーん。あなたとは仕事仲間の関係だから」とか、うまく言ってさけるようにすればいいのです。そこがはっきりしない。まあ、勘違いする男の方も問題で、勘違いすることについては僕には言える資格はないんだが。(笑)
ゆれているのは智恵子なんですよ。
Commented by CaeRu_noix at 2006-10-08 12:43
kusukusu さん♪
智恵子と猛は幼馴染なんでしたっけ?まぁ狭い町ですから昔からの知り合いではあったし、おそらく前に関係があったんでしょうね。でも、じっくり長くステディの関係だったというんではなさそうだし、継続的に友人関係にあったわけでもなさそうですよね。智恵子にとって猛はほとんど過去形の男だったんだと思います。猛の方からのアプローチがなかったら、再燃することもなかったんでしょうー。
猛もこの町に住んでいたら、智恵子と関係するなんて面倒くさいことはしなかったと思います。でも、彼は法事のために帰省しただけの東京人。その次はもういつ帰ってくるかもわからないから、軽い気持ちで手を出せるんだと思います。やっぱりそこは兄ちゃんを慕いながらも、どこかで見下している部分があったからこそ、この自信家のモテ男は、兄貴が好意を寄せている智恵ちゃんをいただいちゃおうかと思ってみたのだろうし。智恵子なら簡単におとせるだろうと、いつものプレイボーイぶりを発揮しただけにすぎないと見受けられました。当然、智恵子のこともかなり軽んじていたわけで・・・。
Commented by CaeRu_noix at 2006-10-08 12:44
片や、智恵子の方は、猛に抱かれて一気にヒートアップしちゃったと思います。こういうワルい男を部屋に入れちゃったのは理性的に軽率だと思いましたが、気持ち的にメロメロになっちゃうのは必然。猛が現れさえしなかったら、妥協して、いいヒトな稔とつき合ってみるという可能性もゼロではなかったと思うんですが。でも、稔は智恵子にあからさまに迫ったりはしなかったと思うので、ハッキリと拒絶する必要もなかったんでしょうし。しかし、猛の登場で、稔が鬱陶しく感じられちゃったんでしょうね。

本筋の落下事故の真実や、裁判の証言時の心情や、猛と稔のひとつひとつの感情と行動に関しては、明確に断定しきれないでいます。でも、智恵子については、自分の思い込みであれ曖昧さなんてものはなかったんですよね。

>猛がつい一夜の遊びで智恵子と寝てしまった、稔はただ片思いしていただけという程度の話なのだったら、不満なのです。

不満ではないんですが、たったそれだけの女があんなふうに簡単に命を落としてしまうという筋書きが残酷だなぁと思いました。
Commented by kusukusu at 2006-10-08 14:50 x
>でも、智恵子については、自分の思い込みであれ曖昧さなんてものはなかったんですよね。

なるほど。分かりました。
かえるさんからすると智恵子については曖昧さはまったくないんですね!
そうかぁ。

いやー、だけど、あれ、男のほうからすると、智恵子は、はっきりしない、何、考えているのかなーと思うんですよ・・。つーか、観客の僕が、智恵子は何、考えていたんだろうって思って、それで映画が終わってからもこうして考えて、まあ、妄想が入ってきているかもしれませんが(笑)。
そういう風に男からすると見えるんだと思う。少なくとも、稔からはそうでしょう。稔はかなり期待する気持ちがあったんだと思う。でも言い出せなかったのは、稔の性格もあるだろうけど、猛のことを好きなんじゃないかと疑っていたんじゃないのかな?
実際はもしかするとかえるさんが言うように猛と智恵子はそれほどの仲ではなかったのかもしれないけど。(もちろん智恵子は猛に好意をもっていたんだろうけど。誘いに簡単に乗ったんだから。だけどそれはかえるさんが言うように過去形のものでしかなかった。)しかし、稔はずっと疑っていたのかもしれない。
Commented by kusukusu at 2006-10-08 14:51 x

というのは、ドライブに誘うでしょう。あれは稔は智恵子、猛と一緒にドライブして、智恵子と猛の関係がどういうものかをたしかめたかったんだと思う。もしかしたら、それで智恵子と猛が現在形の関係ではないということを確認したら、智恵子に告白するつもりだったのかもしれない。つまり、猛のことが気になって告白できないでいた面があるのではないかと・・。
そう思うのは、稔がドライブに誘ったのは、猛と智恵子が関係する前でしょう。猛と智恵子が関係して、そのことに気がついて探りを入れようと思って誘ったわけではないんですよね。だから最初から2人の仲を疑っていて探りを入れようとしたのではないかと・・。

でも、こうしていろいろ考えさせられるのは、結局、悪い映画ではないということでしょうか。。これだけ書くといい作品だと認めざるを得なくなってくるな。(笑)

長々、すみません。
Commented by CaeRu_noix at 2006-10-09 11:56
kusukusu さん♪
渓谷に3人でおでかけというのはちょっと不思議な計画ですよね。っていうか、それがなかったら、吊り橋からの落下事故が起きないから、最重要なおでかけ計画なんですが、完璧な脚本の中、ビミョウに不自然だと思いました。猛のようなタイプはそんな計画につき合ったりしないと思うんですよね。そこは世話になっている兄ちゃんを尊重したと思うしかないかな。で、稔の方もせっかくのデートに強力なライバルの弟をあえて誘うのが不思議。自信がなくても、二人っきりででかける方が嬉しいんじゃないかな・・・。でも、そこは他ならないいい人の稔。せっかく弟が帰省しているのだから、女と二人っきりになることより、思い出の渓谷に弟も連れて行きたいという思いが強かったのかな。打算も何もない、そんな人間なんだなーって理解することにしました。
イマイチしっくりこなかったおでかけの動機ゆえ、kusukusuさんが思ったように、"2人の仲を疑っていて探りを入れようと誘った"説もなるほど納得がいきます。
Commented by CaeRu_noix at 2006-10-09 11:59
でも鑑賞時は、猛が智恵子を車で送っていったその夜までは、智恵子にとって猛が過去形の男である以上に、稔にとっても"猛と智恵子の仲は気がかりでも何でもなかったととらえていました。何しろ猛は東京で成功しているカメラマンで別世界で生きる男ですから。なので、稔が智恵子に対して積極的になれないのは、猛という相対的な存在が気になっているからではなく、稔が絶対的に自分に男としての自信がなかったからだと思いました。
もちろんその心理にしても、常々全てがカッコイイ弟のような人間と自分を比較せざるを得なかった人生でつくられた自信のなさとも言えるので、やっぱり猛の存在を抜きで稔の人柄を語れないのかもしれませんが。とにかく稔の劣等感については興味深かったですー。
やっぱりそうやって、稔と猛の間にあるものに焦点を移さざるをえないんですよね。それに比べると智恵子は謎じゃないんですよね。でも個人的には興味深い女でした。というか猛的に仕事で成功している西川美和という女性が、稔同様に田舎で地味に暮らしている智恵子という女性をどういう気持ちで描いたいたのかにすごく興味がありました。というわけで、智恵子について語らうのは意外と楽しかったですー。
Commented by hyoutan2005 at 2007-02-23 19:27 x
TB&コメントありがとうございました。
ブログもさることながら、コメント欄が充実していますね。
公開された頃から遅れてやっとこの作品を見ることができました。
皆さんに支持されるだけあって、後まで心に残る作品でした。
コメント、また今からゆっくり読ませていただきますね。
Commented by CaeRu_noix at 2007-02-27 12:46
hyoutan さん♪
ありがとうございます。
みなさんのおかげでコメント欄は時々濃いものになります。
レヴュー記事の中に思考したことのすべてを書き出せるわけじゃないので、コメントを通じて、より深く考察できたり、新たに気づくことがあったりするのはまたおもしろいですよね。
本作が作品賞に選ばれたヨコハマ映画祭でご覧になれたというのはいいですね。
Commented by こんばんは at 2009-09-13 00:00 x
またまた、古い記事に失礼します。
中国映画『故郷の香り』って知らない映画です。
香川さんが出ている映画なのですかね。
興味津々。
Commented by CaeRu_noix at 2009-09-13 23:27
おそらく見聞録 の himagine さん♪
『故郷の香り』 は、映像美にあふれる私のお気に入りの中国映画の1本です。
香川さんの出演作は夥しい数ですが、本作はその一つで、かなり重要な役をやっています。
日本映画だと似たようなキャラクターのわき役を演じる機会も多いのですが、中国映画の『故郷の香り』、『鬼が来た!』はとにかく屈指のインパクトのある役どころなんですよ。
機会ありましたらぜひご覧くださいー。
その後も、ドイツ人監督の南京舞台の映画などにも出演しているのですが、あれはテーマがテーマだけに、日本では上映される気配がないですね・・。
<< 『アブラハム渓谷』 、 『りん... PageTop 『蛇イチゴ』 >>
XML | ATOM

個人情報保護
情報取得について
免責事項
Beige Shade by Sun&Moon