かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『太陽の傷』
2006年 10月 13日 |
おもしろかったけど、展開がちょっと・・・。

妻と幼い娘と暮らす片山敏樹は、ある夜少年グループの浮浪者への暴行を止めに入った。



哀川翔は声がちょっとね・・・。哀川翔はサラリーマンには見えなくって。サラリーマンだとしてもサービス業とか営業職系風味。図面ひける建築家っぽくないよなー。哀川翔は昔はカッコよかったんだよね・・・。それに比べて、風間トオルはあまり変わらずカッコよさを保っていることに感心。ん?

ゼブラーマンに変身すればいいのにーって、お約束の発想が心の中にわき起こる。でも、そんなふざけたことを言っていられないほどに事態は深刻。それはさほど特異な出来事ではないかもしれない。誰の身にも起こりうる悲劇。だから、非道な少年に、幼い娘を殺されてしまったという不幸に直面した父親の苦悩に心痛めずにはいられない。酒鬼薔薇事件などが現実の社会でおこっている以上、それはフィクションの物語と傍観することはできない。片山の苦しみにに寄り添いながら、彼の立場に陥ってしまったらどうしたらいいのだろうと考える。

社会派作品としては平穏に暮らす市民の誰のみにも起こりうる悲劇として描かれる方が意味があると思う。その点が残念ながら、どっちつかずな気もした。哀川翔の突っ走り方は標準的なサラリーマンのお父さんより遙かに犯罪映画的にアグレッシブなんだもの。結局のところ、これは社会派作品でも何でもなく、エピソードが社会問題をふまえているというだけのものだったのかもしれないけど。人は追いつめられたら、片山敏樹のような行動に出てしまうものかもしれないとはいえ、娘の殺人には関わっていない少年たちと飛び道具で決戦という展開は、不条理を通りこして苦笑い・・・。

酒鬼薔薇のような少年が実在したのだから、病んでいるとしか思えないような行動をとる少年が犯人であっても当然なのだろうけれど、人格障害の見られるような少年には設定しない方が興味深く見られたと思う。神木のキャンデーのなめ方や声色からして、いかにも危ない異常少年として描かれているのが個人的には残念。ごく普通の少年が凶行に及んでしまう病んだ現代社会の側面を見せてくれる方が興味深かったかな。ごく平凡に暮らす市民がこんな悲劇にまきこまれてしまうという物語の方が・・・。ところが、このドラマは小市民が巻き込まれた不幸というよりも、熱血片山キャラだけが巻き起こせる悲劇のようにも見えてしまう。

というわけで、物語の進む方向があまり私好みではなかったけれど、考えさせられつつもおもしろく見ることができたかな。結局は、TVドラマ風味の犯罪ドラマとしてのおもしろさの方がメインで、その題材の重苦しさにガツンときたわけではなく。

最後に思ったことは、ああ、妹が可哀想だなぁと・・・。

太陽の傷 2006 公式サイト
監督 三池崇史
脚本 大川俊道
出演 哀川翔、佐藤藍子、森本慧、吉岡美穂、勝野洋

 (渋谷 ユーロスペース)
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by CaeRu_noix | 2006-10-13 07:09 | CINEMAレヴュー | Trackback(3) | Comments(4)
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Commented by 隣の評論家 at 2006-10-13 21:26 x
かえるさん、こんちわー
おおお!ご覧になったのですねぇ。
>哀川翔は声がちょっとね・・・。
もう、ココで大爆笑してしまって、かえるさんの記事を最後まで読み切るのに時間を要してしまいましたわん。
この作品を観終わった時は、色んな想いが怒涛のように押し寄せてきて。冷静に見れなかった私は、記事も熱めになっていますが(苦笑)TB3連打させて頂きやしたっ
『カポーティ』もご覧になっているのですね。かえるさんのレビューは、どうなるのだろー 良い子で待ってまーす。
Commented by とらねこ at 2006-10-14 06:07 x
おはようですー★
かえるさんのお好きな系統ではなかったのですね。
そうですね、熱血片山は、今の日本人のオヤジには流れていない熱い血潮でして、復讐を誓う彼の姿というものを見て、ここまで行かないだろうと・・・。
で、そういう姿忘れていないか?との問いかけがあったように思います。
戦後復興を支えてきた熱いオヤジ達、今こそ、こういった若者に負けちゃあいけんよ、って・・
なんちゃって?
Commented by CaeRu_noix at 2006-10-14 13:13
隣の評論家 さん♪
ひゃー、うけてくれてありがたう。
いや、ホント、あの声はちょっと役者として損をしているような気がしますー。外見が中年化してしまっているのに、声にシブさがないというのは、残念でござる。ゼブラーマン系なら、その声質も合っている気がするんですがー。
一世風靡セピアの哀川翔っていうのは、とってもカッコよかったという記憶が残っている私には、今のアニキを受け入れきれないのかもしれませんー。ギバちゃんは今もスリムなのになー。
わたし的にもおもしろく観られる映画ではあったのですが、どうしてこういう設定・展開にしたんだろうという疑問もわきおこり、社会性のあるテーマについてじっくり考えさせられるとまではいかなかったんですよ・・・。
『カポーティ』のも書かなくちゃー
Commented by CaeRu_noix at 2006-10-15 12:08
とらねこさん♪
好きな系統ではないですねー。それでも、もうちっと社会派作品としての強いアプローチがあったら、手応えを感じたと思うんですが、そのへんが私には足りなかったようです。
片山のような熱血な姿勢を見習えよ、応援しようという気持ちがあるならば、彼の行為が報われなくちゃいけないと思いますー。(めでたしハッピー・エンドだったら、それはそれで質を落とすと思うけど・・)結局、片山の行動がどんどん悲劇を巻き起こしている以上、それを観た観客がその熱さにストレートに感動するのは難しいですよね。むしろ、おとなしく泣き寝入りしていた方が結果はまだマシだった・・・みたいな・・・。だから、片山を見習う/見習わない、ということより、加害者に過保護な少年法の不条理だとか、客観的に社会の問題に注視する方が味わい深い気がしたのです。ところが、社会派としてとらえるのは、片山の走り方がエンタメ・バイオレンス映画寄り過ぎて、そちらへの思いも中途半端になってしまうのでした・・。
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