かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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「悪魔が着たりてプラダ服」
2006年 11月 23日 |
じゃなくて、『プラダを着た悪魔』を先日試写会で観ました。おもしろかったですよ。まぁ普通に。



この手の恋愛がメインではない女子ものハリウッド映画というと、思い出すのは 『キューティ・ブロンド』。あれほどの高揚感はなかったものの、胸をうつテーマも織り込まれ、とにかくワクワク楽しい映画でした。ショーや撮影のシーンがもっともっと見たかった。

日本語的には悪魔というより鬼キャラ。厳つい鬼上司。でも、メリル・ストリープは魔女っぽいから、鬼というより悪魔にふさわしい?魔女っていう方がもっと似合うけど。原題自体が、「THE DEVIL WEARS PRADA」だからね。そうか、アンドレアのこの仕事はまさに"悪魔に魂を売る"というシロモノだったもんな。出版前の原稿を子どもに読ませるなんていう傲慢な行為は紛れもなく。

プラダって、革製品で名高いイタリアのブランドなのに、ナイロンバッグをヒットさせちゃうところがちょいといただけない。でも、お洋服のデザインはステキですよね。買えないけど。ナイロンバッグは一度買ったけど・・・。買ったのかよ。

ファッション・センスのない女という設定といったって、アン・ハサウェイはもとが可愛いんだから、イケていない女には見えようがないんじゃないのかと初めは思ったけど、なかなかどうしてのダサダサぶり。ケーブル編みニットはとりわけイタかったかも。やはり女はいくらでも、ファッションやヘアメイクで変わるものなんだなぁということを目の当たりにしてショック。きれいになることの方ではなくて、いくらでもダサくなり得ることにドキリ。容姿は変らないからとおしゃれマインドを蔑ろにしてはいけませんなーと反省。ワードロープ格差も問題だと思うんだけどね・・・。

で、ファッションのセンスのない女は男を選ぶセンスもないという話?
好みの問題は抜きにしても、恋人の彼がこれっぽっちも魅力的じゃないのが残念。 彼女が仕事をがんばっているのに、むくれるなよっ。「シゴトとワタシのどっちがダイジなの?」っていうのは女のオハコ台詞なのだけど、そんな思いを男の方が抱くシチュエーションは珍しいかもしれません。男が仕事を理由に恋人との時間を優先できないことはまかり通りがちなのに、逆のパターンの場合、舞台が現代のNYでさえ、なかなか受け容れられにくいものとして描かれるわけなんだ。

メリル・ストリープはいつもすばらしくうまくて、仕事のできる手強い編集長という役はピッタリなのだけど、自らがブランド品を着こなし、流行をつくり出すほどのファッション・リーダー的存在というのにはちょっと違和感。そんなメリル斬りについては、雑誌で読んだ石川三千花さんのコラムが鋭くておもしろかったです。(フラウだったか?)この役はフランスだったら、カトリーヌ・ドヌーブで決まりなんだけど、アメリカだったら誰がいいかなぁとも考えつつ、メリル・ストリープなのがむしろポイントなのかしら?あんな魔女顔でオサレに見えない豪傑女も、有能でそういう地位にさえつけば、ブランドものに囲まれて、皆にもてはやされ仰がれるのがこの社会なのねーってな。これがサクセスだ。そして僕らは、有名になりたいとか、皆がうらやむカッコいい仕事がしたいとかいう欲望を当然のごとく身につける。

ハリウッド映画はやっぱりハリウッド映画だよなーって思う部分と、最近のハリウッド映画のテーマは変ってきているのかなー思う部分があって興味深かった。以前のものなら、仕事も恋も大成功でハッピー・エンドっていう展開になったんじゃないかなと。『エリン・ブロコビッチ』的に大サクセスをおさめつつ、子どもの面倒を見てくれるステキな彼氏もキープとか。でも最近は、『イン・ハー・シューズ』みたいに、何かを失ってしまうほろ苦さが印象的。『モナリザ・スマイル』の時代よりも女たちは自由にはばたくようになり、結局はサクセス路線なんだけど、ひねりが見られるところに好感がもてます。人がうらやむよな華々しき世界で活躍するのもよいけど、大切な人を蔑ろにすることなく、本来の自分らしさと夢を追求する道を選んだヒロイン。途中で投げ出すことなく、悪魔な上司にちゃんと認められるまでにいたり、多くを学び、彼女の生き方を否定はしないけれども、倣おうとは思わないという見極めがほどよくステキです。いうてもジャーナリスト志望なので充分に別の意味で華々しいとは思いますが・・・。

THE DEVIL WEARS PRADA 2006 公式サイト
監督 デヴィッド・フランケル
原作 ローレン・ワイズバーガー
出演 メリル・ストリープ 、アン・ハサウェイ 、エミリー・ブラント 、スタンリー・トゥッチ 、エイドリアン・グレニアー 、トレイシー・トムズ
 (ワーナーマイカル)
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by CaeRu_noix | 2006-11-23 22:15 | CINEMAレヴュー | Trackback(6) | Comments(8)
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Commented by マダムS at 2006-11-26 11:17 x
むっふっふ。いつもながら上手いことおっしゃいますね>悪魔が着たりて・・
あの彼氏でもうガックンー もうちょっと核になるカップルに魅力が欲しかったですよねーー!
悪魔なメリルが魅力的に見えちゃって(^^;)
どちらにしても 何度でもやり直しがきく若さが羨ましいどぇ~す♪(自爆)
Commented by mar_cinema at 2006-11-26 17:13
かえるさん、こんばんは。
エッセイリストも、小者っていう感じだったし、
彼氏は、肝っ玉小さいし、男を見る目がない主人公だなって思ってましたが、
まぁ、主人公も共感も魅力も感じなかったんで・・・(笑)

ナイジェルには、好感を持ったのですが、
メリンダとのコンビも息があってていいんじゃないのって思います。
Commented by CaeRu_noix at 2006-11-27 12:57
マダムS さん♪
むっふっふ。お粗末でしたー。
ええ、あの彼氏はよくわかりませんでした・・・。この手の映画の恋人役って、それほどにステキじゃないことは時々ありますが、こんなに見た目も人柄も魅力がなくていいんでしょうか?? 
メリルの出来る女っぷりはかっこよかったですよね。
若いっていいですね。若いだけでもだめなんでしょうけどね・・。
Commented by CaeRu_noix at 2006-11-27 12:57
mar さん♪
あの作家さんの役回りもなんだか中途半端でしたよね。概して、男性陣のキャラと役割がいまひとつだったかも。ナイジェルは重要なおいしい存在である割には、私はあんまり印象に残っていないんですよね・・・。彼なしでは主人公の成功はありえなかったですよね。彼女はあまり周りの人たちに感謝をしない人じゃありませんでした?
男性はあまり共感はしないんでしょうか・・?まぁ魅力的というんではなかった気もしますが、悪戦苦闘する姿は楽しく見ることができました。
Commented by Bianca at 2006-12-08 13:29 x
こんにちわ。見てしまいました。なかなか刺激的な映画でしたね。
TBさせていただきます。
Commented by CaeRu_noix at 2006-12-09 12:19
Bianca さん♪
刺激的でしたかー。私にとっては刺激的というんではなかったかもです。アメリカ的競争社会で生き抜くことって大変なんだなぁぁとか・・・
Commented by pezhetairoi at 2006-12-17 17:10
おひさしぶりです。ようやく、見てきました。
ついでに、キープしていた座布団も1枚の所を2枚にしてお渡し致します(但しクーリングオフ不可)。

それはさておき、この映画の主人公と彼氏をみていると、「だめんず・うぉ〜か〜」見たいに見えてしまいました。ちょっと違うのはこの映画の場合、結局うまくいってしまっているところですが。他人から見たらどうみても「だめんず」な彼氏でも何かあるのかもしれませんね。また、主人公の働く姿勢があんな感じだったので、もっといじめてやれと思ってしまいました。
Commented by CaeRu_noix at 2006-12-18 23:18
pezhetairoi さん♪
座布団二枚ありがとうございます。
「だめんず・うぉ〜か〜」はマンガもドラマもみたことがないんですが、アンドレアはひょっとしてダメンズウォーカーなのかと思える部分もありましたよね。あの彼氏は、女性にはどうも評判が悪いんですが、男性からみたら必ずしもそうじゃないそうです。彼は自分の仕事に誇りをもち、やりたい仕事のために地道にがんばっていた。片や、アンドレアは、やりたくもない仕事に従事して、その職場に対して批判的でありながら、上司に振り回されていると・・・。だから、彼氏の方にむしろ共感できるという男性の意見を聞き、なるほどなーと思いました。女性の感想ではアンドレアよりミランダに共感したという声がわりと多く、男性は女性以上にアンドレアに共感できないという人が多いみたいですね。男性は女性よりも働く姿勢に対してにポイントを置いているんだなぁという見方の違いを認識できましたです。


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