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『キング 罪の王』 THE KING
2006年 12月 03日 |
救いようのないダークな物語なんだけど、映画としてはすこぶる気に入った。

海軍を退役した21歳の青年エルビスは、亡き母から聞かされていた父親デビッドに会うため、テキサス南部の小さな町を訪ねる。



ガエルくんの役者根性は素晴らしい。世界のファンを夢中にさせるような好青年役ではなくて、観客が感情移入できないような非道なアンチヒーローになりきってしまうのだから。主人公エルビスは何を考えているのかよくわからない、不気味な男なんだけど、それはガエルくんの悲しげ子犬キャラのせいか、脚本や演出の巧妙さなのか、被害者家族の肩を持ちつつではなく、主人公エルビスの側から事の成り行きをおもしろく見つめてしまった。

俳優達の存在感と演技が見事だったということも重要なポイントだったのだけど、私はとにかく、本作のカメラワークや画づくり、編集の仕方も含め、映像の運びがとても気に入ってしまった。退役の日に兵舎で身支度をするエルビスの描写からもうこの映画が好きだなーと感じて、その映像、演出のセンスに釘付けになった。エルビスの狂おしい物語を楽しむのと同時に、映画の作り方そのものを眺めて手応えを感じて、私にとっては大いに満足なヒトトキだった。こんなにも恐ろしいお話なのに、スクリーンに映し出されるそのカットが好きだなーっていう高揚感に何度も包まれて。ショーン・ペン作品的に好み。特定の人物に感情移入する余地などを与えない一貫したクールな描写が秀逸なのだ。

牧師の父が狩猟で射止めた動物の死骸と血に染まった床を平然と掃除する16歳の娘マレリーの姿はとても印象的だった。そして、16歳の少女に性の悦びを教えていくという過程の描写もとてもエロティックに描かれていることにも圧倒された。官能的であるほどにショッキングであり、居たたまれなさを感じつつも、その演出に魅了される。

エルビスの非情な行為の数々は、倫理道徳的には嫌悪せずにはいられないものなのだけど、それに拒絶反応を持つこともなく、ほとんどエルビス側から彼の動向を見つめ続けた。そんな自分の道徳心はどうかしているのかと考えてしまったが、必ずしもそうではなく、父デビッドの態度やその人間性の非を目にした観客は、エルビスの方に憐れみを覚え、無意識的に被害者家族に同情しづらくなっているようだ。善悪に対する感覚なんて気まぐれなものだよな。どちらの肩を持つわけでもなく物語を見つめ、それでいて何だかエルビス側に立っている自分に気づき、その自分の感情の正当性を模索してみたりする。おもしろいじゃないか。

エルビスの行為は言語道断であり、彼がそんなことをシレーっとやってのける残酷な人間になってしまったことは悲しいとしか言いようがないけれど、そう屈折してしまったことはどうにもならないのなら、そんな人間を正しい方向に導く手助けをするのが宗教であり、牧師の仕事であってしかるべきじゃないか。それなのに、牧師という職業に就いている父親ときたら、息子が遙々会いに来た出会い頭に、「家族に近づくな」ときたものだ。自分自身の立場を守るために躍起になる男の器の小ささにあきれ、復讐されたのもすべてアナタが巻いた種だという思いを消すことができなかった。彼自身は、息子ポールの失踪後、公の場で過去の罪とエルビスの存在を告白し、これで懺悔はした、すべては赦されたというつもりだったのだろうけど。そんなに都合のいい甘い世界ではないんだっていう辛辣さに打ちのめされる。偽善に満ちたアメリカン・ビューティの崩壊にため息。
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キング 罪の王 THE KING 2005 公式サイト
監督. 脚本  ジェームズ・マーシュ
脚本  ミロ・アディカ
撮影 アイジル・ブリルド
出演 ガエル・ガルシア・ベルナル、ウィリアム・ハート、ローラ・ハリング、ペル・ジェームズ、ポール・ダノ
 (渋谷 アミューズCQN)
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by CaeRu_noix | 2006-12-03 12:33 | CINEMAレヴュー | Trackback(30) | Comments(38)
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タイトル : キング 罪の王
キング 罪の王/The king 監督:ジェームズ・マーシュ 出演:ガエル・ガルシア・ベルナル,ウィリアム・ハート,ペル・ジェームズ,ローラ・ハリング,ポール・ダノ 製作年・国:2005/米 系統:サスペンスドラマ 配給:メディア・スーツ 翻訳:岡田壮平 海...... more
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タイトル : キング 罪の王
 人間の原罪とは何なのか・・・この作品は、人間の欲や偏見、そして過去の罪から生まれた悲劇を語る。  海軍を除隊したエルビス(ガエル・ガルシア・ベルナル)は、母から話に聞いていた一度も会った事の無い父親に会うためにテキサスのある町を訪れる。 ...... more
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タイトル : 【劇場映画】 キング 罪の王
≪ストーリー≫ 海軍を除隊した21歳の青年エルビスは、一度も会ったことがない父親に会うため、テキサスの小さな町を訪れた。しかし招かざる客のエルビスは、父デビッドに拒絶される。デビッドは今では教会の牧師になり、妻と高校生の息子と娘がいる幸せな家庭を持っていたのだ。やがてエルビスは父の娘、つまり自分の妹である16歳のマレリーに接近し、関係を持つようになる。それは悲劇の始まりだった…。(goo映画より) ガエル・ガルシア・ベルナル君の主演映画。 非常に怖い映画だった。 能面のように張り付いたうそ...... more
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タイトル : キング罪の王
「キング罪の王」 2007年 米/英 ★★★★★ 無邪気な悪魔? とても気になっていた作品。ようやく公開されたが期待を上回る出来だ。 海軍を退役した21歳の青年エルビス(ベルナル)は、メキシコ人の亡き母 に聞かされてきたまだ見ぬ父へ会いに行く...... more
Tracked from なんでもreview at 2007-01-27 23:10
タイトル : 『キング 罪の王』
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Tracked from ネタバレ映画館 at 2007-03-03 01:32
タイトル : キング 罪の王
 エルビスの選んだ仕事がピザの宅配でよかった・・・ハンバーガー屋だとバーガーキングになってしまうもん。... more
Tracked from 俺の明日はどっちだ at 2007-03-03 22:55
タイトル : 『キング 罪の王』 THE KING
海軍を退役した青年エルビスは、亡き母から聞かされていた父親に会うため、テキサス南部の小さな町コープス・クリスティへとやって来た。父デビッドは、今では牧師となり、美しい妻トゥワイラと2人の子ども、息子ポールと娘マレリーと幸せな家庭を築いていた。そんなデビッドにとって、突然現われたエルビスは平穏な家庭を脅かす厄介者でしかなかった。結局、冷たくあしらわれてしまったエルビスは、マレリーに接近、異母兄妹であることを知らない彼女を巧みに誘惑していくのだった…。 何ともやりきれない映画なのに、人間が持つ本質的なおぞ...... more
Tracked from Diarydiary! at 2007-03-04 21:20
タイトル : キング 罪の王
《キング 罪の王》 2005年 アメリカ映画 - 原題 - THE KING ... more
Tracked from ショウビズ インフォメー.. at 2007-03-16 17:53
タイトル : キング 罪の王
「天国の口、終りの楽園。」「モーターサイクル・ダイアリーズ」のガエル・ガルシア・ベルナル主演の問題作。 まだ見ぬ実の父に息子として受け入れられることを願う青年が、現実を前に期待を裏切られ復讐へと突き進む姿を... more
Tracked from 茸茶の想い ∞ ~祇園精.. at 2007-12-04 01:43
タイトル : 映画『キング 罪の王』
原題:The King プライドは高く何処までも続く・・彼に潜むのは悪魔なのか、愛の欠如か屈折した心なのか、復讐の鬼と化した天涯孤独な青年が禁断の近親タブーを冒す・・・ 青年エルヴィス・バルデレス(ガエル・ガルシア・ベルナル)は海軍を退役、娼婦だった亡き母から聞か... more
Commented by 哀生龍 at 2006-12-03 13:41 x
>無意識的に被害者家族に同情しづらくなっているようだ
哀生龍は牧師家族に嫌悪感を憶えてしまい、殆ど同情できませんでした。

>これで懺悔はした、すべては赦されたというつもりだったのだろうけど
懺悔すれば赦される。
それを逆手に取ったような悪魔の微笑が・・・

人間の弱さと冷たさと恐ろしさが詰まっているのに、作品としては楽しめてしまえるのですから、本当にこの作品の作りは巧みだと思います。
Commented by 睦月 at 2006-12-04 03:32 x
こんばんわ!TB&コメントありがとうございます!
かえるさんのレヴューを楽しみにしていました。・・・うーん、やはりさすがだなあと思います。

私はこの作品への解釈というものを非常に困ってしまいながら、実に深く深くのめりこんでしまったんです。グサリグサリと突き刺さるような妙な痛さを感じながらも、じっとりと見入ってしまう・・・エルビスに自分の持つ悪の側面を見せられたような気になったりしながら。

≫どちらの肩を持つわけでもなく物語を見つめ、それでいて何だかエルビス側に立っている自分に気づき、その自分の感情の正当性を模索してみたりする。おもしろいじゃないか。

たぶん・・・そこなんですよね。
私も気づけばエルビス側に立って物語を見つめていました。非情なのかモラルがなくなったのか・・・ちょいと屈折しているのか。それでもそんな視点で淡々と物語を観る自分が、うん・・・やっぱ面白いなんて感じたわけですよ(苦笑)。
Commented by CaeRu_noix at 2006-12-04 12:30
哀生龍 さん♪
牧師のみならず、牧師家族全体に嫌悪感をもちましたか。
私は、奥さんや子どもは不憫だなぁと思ったんですが、だからといってやはりさほど同情はしなかったんですよね。が、息子のキャラなんかは滑稽ですらあって、ブラックな笑いに誘われそうにもなったり・・・。
牧師がデビッドが酷い男だからといって、あれほどの復讐を受けてしかるべきとは思いません。思わないのだけれど、ラストの悪魔の微笑みのシニカルさは物語的にはふさわしいと感じられました。非道で押し通したところがいい。おもしろかったです。
これって、ひょっとして、アマロ神父の差し金? カトリックでは聖職者の男女関係はご法度なのに、プロテスタントでは家庭をもってOKなんて都合がよすぎるじゃないかと、アマロ神父の不満が分身を生んだ悪魔の使いがエルビスだったのです。なんて。
Commented by CaeRu_noix at 2006-12-04 12:30
睦月 さん♪
ありがとうございまーす。
のめりこんじゃいますよねー。サスペンスフルで時折道徳心をチクチク刺激されつつ・・・。眼をそらしたくなるような残酷な行為を無表情で続けるエルビスを何だか興味深く見つめ続けてしまいました。復讐行為そのものはとんでもないんだけど、父親にあんなふうに拒絶された時の深い悲しみと憎悪は理解できますしね。牧師がそんな態度をとるなんて実にけしからんという思いも加わり。あとやはり虚構の世界ゆえ、16歳の少女とキンシンソーカンなんていうえげつないアプローチを興味本位で楽しんでしまっている自分もいたかもしれません。きゃー。自分が屈折しているっていうのもあるかもしれませんが、倫理・道徳観って、物事を見る角度によって変わってしまうものだよなーっていうことを感じさせられてニヤリ。エルビスの行動が異常なのは言うまでもないのだからもうそこは置いておいて、牧師の自業自得な崩壊劇場を楽しんでしまった模様。
Commented by ラクサナ at 2006-12-04 17:33 x
ひゃひゃ!そうか~っとかえるさんのレヴューを読んで、自分の気持ちの奇妙さと、この作品について納得がいきました。^^
数々の罪を犯すガエル君の演じるエルビスに、嫌気がしないのが自分が嫌というか・・・(笑)、ラストには気持ちが良かったりする自分の気持ちがキツイというか・・・(笑;)
牧師である父親を演じるウィリアム・ハートには、終始嫌悪感が付きまとってるんですけどね。
この監督、牧師という職に何だか恨みがあるような気がしてなりませんでしたけど。
おそらく、あの妹は家族内にある偽善的な空気を肌で感じていた気もしますよね。
Commented by チョコ at 2006-12-04 18:49 x
TBありがとうございました。

後味のいい映画ではないのですが、なぜか嫌いではないです。
でも人にそう言えないような、なんとも微妙な映画でした。

牧師も、その家族も、そしてエルビスも、
登場人物全てが心を病んでるような、そのくせ表面はいたって穏やかでその2面性がすごく不気味でした。
自分がどんな気持で観ていたのかなかなか言葉で表せないのですが、
かえるさんのレビューを読んで、「ああ、そうだったんだよ。」
と改めて自分の感想を整理できた気がします。

ガエルってホントに目が離せない役者さんですね。
Commented by CaeRu_noix at 2006-12-04 23:25
ラクサナ さん♪
ひゃひゃ。納得の手助けになったのならば光栄ですー。
エルビスくん、ちょっと待ってよ、やめなさい!とは思わずに、さて次はどうするのかなー?って楽しんで観ていましたよ、私。が、そんな思いって問題アリかしら?と不安にもなったりしました。この映画を観た多くの人は、エルビスのことを非難するものかなぁと思っていたので。しかし、必ずしもそうではなく、皆さんの心は複雑に反応しているようですね。ますます興味深いっ。
牧師に個人的な恨みがあるわけではなくて(あるのかもしれないけど)アメリカ原理主義、キリスト教原理主義を問題視するというような姿勢じゃないんでしょうかね。
妹マレリーは父に反発する思いもあったから、エルビスの誘いのった部分もあったんでしょうね。やはり逆らえない流れ。
Commented by CaeRu_noix at 2006-12-04 23:26
チョコ さん♪
コメントありがとうございます。
おお、嫌いじゃないですか。それは嬉しいかも。
確かに、こんな映画をすげーおもしろかったとか、大好きーとか言ってしまうのは人格を疑われそうな不安もありますよね。ここだけの話にしておきましょうー。
みんなそれぞれに病んでいましたよね。でも、牧師の方は無自覚なんですよね。仕事においても家庭においても自分は成功者であり模範的な生き方をしていると自負していたんでしょうね。エルビスは全く人間らしい感情を見せてくれないから不気味でしたしね。誰にも好意をもてない、共感できないからこそ、見物人としてこの残酷なお話を楽しめるのですよね。自分自身の反応もおもしろいものです。
型にはまらないガエルくんからは目が離せませんよねー。こーんな嫌なヤツも見事に演じきってくれるとは素晴らしいー。
Commented by margot2005 at 2006-12-05 00:21
こんばんは!いやはや宗教ってkowaiですね...
我ら日本人は宗教というものが非日常的なので、こういったテーマってかなり非日常的なんですが...
いやあの“懺悔して天国へ...”は理解出来ないですね。
言語道断なエルビスですが、なぜか??ガエルが演じると自然な感じになってしまうと言うか...なんというか??ガエルは不思議な俳優です。
Commented by CaeRu_noix at 2006-12-05 10:22
margot さん♪
怖いですねー。宗教そのものが怖いっていうんではないんですが、一つのものを狂信し、その価値観に見合わないものを排除しようという姿勢は恐ろしいものがあります。牧師の宗教心というのは確かにじゃぱにずには身近ではないんですが、特定の思想や共同体の掟を絶対的に妄信してしまうことって、日本にもありふれていると思うので、そういったものに置き換えてみたりもしました。傲慢な権威者というのもいくらでも・・・。
神を信じ、懺悔さえすればいちおー天国にいけるんですっけ?聖書に対する極上の皮肉?ガエルくんはすごいですよね。エルビスという不可思議な人格がホントにリアルにそこに存在していましたもの。
Commented by myums at 2006-12-05 13:59
初めまして!
>スクリーンに映し出されるそのカットが好きだなーっていう高揚感に何度も包まれて。
この一文にものすごく共感してすぐさまTBさせてもらいました。この映画、私も好きです。宗教のあり方をああいう風に描けるのってなかなかの才能ですよね。キリスト原理主義の人にこそ見てもらいたいと思いました。
ナポレオン・ダイナマイトの再来を思わせる息子のロックンロールには笑っちゃいました!(* ̄m ̄)o))
Commented by mako at 2006-12-05 16:08 x
そうかーわたしはカメラというか撮り方のほうにばっかしおもしろいなあと気が行ってましたが、演出の妙でありますよね。やっぱ要チェックの監督さんになりそうです。
宗教に関わっている人すべてが欺瞞に満ちているわけではないだろうけれど辛辣残酷何とも言えない気分になりました。でもどこかきゅーっと引きつけられた作品でもありました。
Commented by charlotte at 2006-12-05 21:36 x
いつ、感想が聞けるのかとお待ちしてましたー。
なんというか、私的にはすごく丁寧に物事を追って撮るんだなと思えました。淡々としてるというのとも違うし、う…また言葉に詰まる。ふぅー
物事の成り行きもハラハラしながら見つめていましたけど、やはりそこに映し出されるがえる君が絵になってるなとも感じて。
あの沼?湖?のそばで佇む姿とか。
個人的にはどうにも狂人には見えず、また復讐心もあったのかわからず、なんとも見ながら人物像が確定できなくて考えて疲れたーというところでした。・・・で見終わって、むしろガエル君が非道に見えなかったという自分に気がつき、これって自分がおかしいのか??なんて思ってみたりして。こわかった。笑・・・いや、笑っていいのか?!

Commented by リーチェン at 2006-12-06 17:08 x
遅ればせながらTB&お邪魔いたします。

本当に、私が言葉にできずただ気に入ったとしか書けなかったことを、見事に文章化されていて感動!(笑)
本来被害者のはずの一家だけれど、そういうふうに意図的に描いていないですよね。
物事も描き方によって変わるな~とうれしい裏切り方をされた気分です。
高校生のマレリーよかったですね。少女が女の歓びを知ってちょっと大人びるところも、どこか淡々としたところも、彼女には同情してしまう部分が大でしたが兄を殺した相手でも悲しむ家族の中で、そのことを隠し通したものね。
Commented by CaeRu_noix at 2006-12-06 23:02
myums さん♪
はじめまして。ようこそー。
共感ありがとうございます。イイですよね、これ!
ヨーロッパの映画では宗教についてシニカルに迫ったものもたまに見かけますが、アメリカ舞台のものでは珍しい気がします。 (ケヴィン・スミスの『ドグマ』のような極端なコメディは別にして) 原理主義の人はこれを見ても、冒涜だと立腹するだけのような気もしますが・・・。
ナポレオン・ダイナマイトの再来というのは妙に納得!でも、ナポレオン・ダイナマイトは脱力しつつ愛嬌がありましたよね。ポールは真面目にやっているのが危うかった・・・。
ダーウィンを否定するって、ギャグかと思ったんですが、アメリカでは本気でそういう主張がされているらしいですね。
Commented by CaeRu_noix at 2006-12-06 23:31
mako さん♪
カットの一つ一つ、カメラワークにセンスが感じられて好みだったのがイチバンなんですが、それを含めて、全体的な演出にしびれました。場面のつなぎ方とか、音楽の入れ方とか、登場人物の表情や小道具の映し方とかすべて。要チェックです、ジェームズ・マーシュ監督。これまではドキュメンタリー作品で評価されていたみたいですね。今日、キネ旬のバックナンバーの大場正明氏の評を読んだら、これはテレンス・マリックの影響を受けていて、ショーン・ペン作品に通じる感性をもっているというような指摘があり、ちょっと嬉しかった私です。狩猟の場面がそう思わせたのかな。残酷なのだけど、作品として気に入ったので、後味が悪いなんて感じなかったのでした。
Commented by CaeRu_noix at 2006-12-06 23:49
charlotte さん♪
お待ちいただき光栄ですー。charlotteさんはいつもいつも早く観すぎー。
「物事」というのが何を指すのかちょっと曖昧なんですが、とにかく、人物の行動や台詞から出来事を描写するっていうだけじゃなく、直接的には無関係な部分で人の動作や静物や風景を感覚的に映し出すことによって、核のドラマに味わい深さが増しているという感じでした。物事を丁寧に追うというよりは、ちょっと変則的な語り口に感じられましたー。
ガエルくんは画になりますよね。この髪型だと決してカッコイイとは言い難いのに、何ともいえない魅力があります。やっぱり眼差しかなぁ。『太陽がいっぱい』のアラン・ドロンが引き合いに出されるほどに素晴らしい存在感。
「狂人」というものの定義はよくわからないんだけど、精神異常レベルではないという感じでしたよね。復讐心はあったと思いますけど、燃えたぎっていたという感じでもなく。とらえどころはなかったけど、こういう人間はいそうだなっていうリアリティはありました。彼の行動は紛れもなく極悪非道なんですが、見えるか見えないかでいうと、非道には見えないんですよねー。ガエル力。
Commented by CaeRu_noix at 2006-12-07 11:11
リーチェンさん♪
同じような感じ方だったとは嬉しいですー。
エルビスったら本当に酷いことをしているのに、あまり憎悪を感じなかったように、ニュース報道されている極悪犯罪人の犯罪についても、見る角度によっては感じ方が変わってくるかもしれないなーと思ったりしました。
エルビスの行為は確実に犯罪ではあったけれど、例えばキリスト教の七つの大罪に当てはまるのはむしろエルビスより牧師の方だったりして・・・。いろんな点で興味深かったです。
マレリーの存在も格別でしたよね。少女の面影に危うい色っぽさも見えて。あの一家にはあまり同情をしなかったなりに、16歳少女マレリーの心情には幾たびか寄り添い、わかるわかるーって思いました。だからこそ、マレリーの受けたショックは壮絶でした。
Commented by マダムよう at 2006-12-07 11:41 x
TBありがとうごさいました。

的確なレビューですね。
私は、もっと軽い感じで見たんです。
日本で起こっている犯罪も短絡化していますから、どこか通じる部分があるんじゃないかと。
とにかく、ガエル君をはじめキャストがすごいですね。
そして、おっしゃる通り、計算された映画作り演出、見事でした。
Commented by CaeRu_noix at 2006-12-07 15:29
マダムよう さん♪
コメントありがとうございます。
あ、私もたぶん映画に向かっている時は軽い感じで見ました。
振り返ってみると、多様な角度から考察できるのがまた面白かったのですが。宗教というものに照準を合わせて考えることもできるし、アメリカの国家の問題、アメリカの一般家庭の問題にも当てはまるし、おっしゃるように、若者の短絡的な犯罪行為などにもに通じますよね。身勝手で場当たり的な行動の数々。
キャスティングがまた見事でしたよね。その物語における登場人物個々の役割をそれぞれが忠実に表現してくれました。
Commented by tomozo at 2006-12-08 22:27 x
なるほど、ショーンペン&テレンス・マリックですか。どちらも大好きな監督です。だから、気に入ったのかもしれません。
あの妙にざわつくカット(蚊とか黒猫とか)が、記憶に残るのは、やっぱり映像と演出ですかね〜。

かえるさんのレビューは、なんか自分で整理しきれない部分を、すっきり整理してもらった感じです。映画を見ている間、悪魔なエルビスに少しも嫌な気がしなかったけど、あとからぞっとして、エルビスを正当化してあの家族に罪があると思いこもうとしたのは確かです。ガエルにやられた、と思ったけど、監督もなかなかですよね。
Commented by acine at 2006-12-08 23:33
CaeRu_noixさん 今日はTB&コメントどうもありがとうございました。
そうなんですよ。ホントはガエルが犯罪者なのに、悪いことしてない
はずの、父親一家の方が異様に見えてくる・・・という不思議な映画
でした。
なんだかあの父親もすごくいかがわしい牧師に見えてしまい、みんな
ガエルに肩持ってしまいますよねー。
そして、あのマレリー役の人、実は26,7歳なんですよね。これにも驚き!
”偽善に満ちたアメリカン・ビューティの崩壊にため息”すごくピッタリな
表現です!
Commented by CaeRu_noix at 2006-12-09 12:23
tomozo さん♪
ショーン・ペンの感性が私は大好きなんですよー。テレンス・マリックの世界観も素晴らしいですよね。tomozoさんもお好きなんですね。それは嬉しいです。私が映画に求めているのは、物語そのものではなくて、そういった感性の表現なので。映像と演出ありきですよね。本作のざわつくカットの数々はゾクゾクするほどに印象的でした。
ありがとうございます。エルビスの行為は残酷だということは常識的には認知できるのに、嫌悪感はあまり感じなかったですよね。正当化しようとしていたのかも。そのへんが興味深く、ニヤリとさせられたりしました。
ガエルにもやられましたが、脚本+監督の技にも注目ですよね。
Commented by CaeRu_noix at 2006-12-09 12:23
acine さん♪
不思議タッチの映画でしたよねー。
雰囲気に流されず、エルビスに拒絶反応を覚える冷静な人もいたみたいですが、ガエル寄りで見てしまうという人が多くてビックリです。
宗教上の罪や犯罪という定義をはずしたら、本当に罪深いのはやっぱり牧師の方なのかなーと思えてしまうんですよね。
そうそう、マレリー役の人も素晴らしいですよね。本当にティーンエイジャーに見えましたもん。
崩壊の仕方は全然違うけど、『アメリカン・ビューティ』そのもののことも思い出してしまったんですよ。ブラックなところが似ています。
Commented by 隣の評論家 at 2006-12-10 17:58 x
かえるさん、私も観て来ましたー。
>そんなに都合のいい甘い世界ではないんだっていう辛辣さに打ちのめされる。
作品の上映が終わった後も、これから一体どうなってしまうのかと色々と考えを巡らせたくなるような魅力を感じました。凄い見応えですね。
『ルナシー』は、何だか入りきれなかったのですが。本作は素晴らしく面白いと感じましたよ。
私も、殆どエルビスの視点で作品を追い続けておりました。コレって、まずいかしら?と少し思ったのですが。ブログ巡りをしてみると、たくさんの方がそうだったようですね。
派手さはないしハッピーエンドではないけれど、周囲に思わずおススメしたくなる1本でした。
Commented by CaeRu_noix at 2006-12-11 11:06
隣の評論家 さん♪
打ちのめされましたよねー。私は、現実問題としてあの後どうなるのかなんて考えもしなかったんですが、牧師の心境を思うならば、それはもう地獄ですよね。牧師という職についている人に何の恨みもないのですが、彼が苦境に立たされ思い知らされることになった展開には一種の爽快さすら感じたかもしれない・・・。
エルビス役を人気者のガエルくんじゃない他の憎たらしい風貌?の俳優がやったなら、観客の感じ方は違ったのだろうか・・・なんてことも気になりました。善悪って何だ?と揺さぶりをかけられながら、もはや理屈ぬきで魅惑的な映画でしたよね。
『太陽の傷』などもバイオレンスに走らずにこういうアプローチがあったら好みだったかなと・・。
脚本家のミロ・アディカ作品、『チョコレート』も『記憶の棘』も好きなんですよね。アメリカ製のシリアスドラマではかなり評価できるタイプのものを手がけてくれています。
Commented by contessa at 2006-12-11 12:35 x
見てきましたよvv
日本でも案外牧師に肩入れする人が少なくてホッとしました。ええ、イエス・キリストがもし生きていたら、あの牧師は後ろからとび蹴り食らわされていた事でしょう。マチガイなく(笑)
偽善は信仰と紙一重、人の心を無自覚に侵食していくウィルスのようなもので、外から見ればもう鼻持ちなら無い状態になっていても本人には自覚がなく、根治が難しいのです。それを観客の誰もが納得するほど醜く暴き立てて魅せる事が出来たのは、ガエル君のあの人を引き付ける不思議な美しさのもつ力、なのかもしれません。セーラー服、万歳です(笑)
Commented by Puff at 2006-12-11 18:05 x
ドモドモ-♪
>救いようのないダークな物語なんだけど、映画としてはすこぶる気に入った
同感ですー!
演出の仕方によっては、ホラーちっくにもサスペンスにもなりうる題材なのに、観た感じはそれらとは全く違いましたね。
人間の深層心理を探るドラマになっていたと思います。
自分ちのブログにも書きましたけど、エルビスは「異邦人」のムルソーを思い出しました。

それにしても、ガエルくんは、普通っぽさと精悍さとセクシーさといろんな魅力を兼ね備えた俳優さんですねー
この映画のエルビスも演じる人によっては嫌悪感を抱きかねないのに、ガエルくんが演じるとサラリ・・・とした感触になるんですよね。
あのライフル銃をカシャカシャするシーン。
見事な腕前(かなり練習しないと出来ないよね)に、またまた惚れ惚れしちゃいました☆ウフ
Commented by CaeRu_noix at 2006-12-11 21:02
contessa さん♪
なるほど。あの牧師は跳び蹴りされてトーゼンなんですね!
と、、イエスが跳び蹴りをくらわす姿をちょっと想像してしまいました。(笑) 十字架を背負った跳んでくれますでしょうか? きゃー
>偽善は信仰と紙一重
というのもなるほど納得です。こういった人たちの場合、心の中で舌を出すという感じではなく、無自覚なケースが多いのでしょうか。怖いですね。
牧師に対する不信感や嫌悪感を自然に感じられたのは、やっぱりガエルくんの力によるところが大きいかもしれませんね。セーラー服姿はラブリーでしたよね。短髪とのアンバランス感がたまりませんー。
Commented by CaeRu_noix at 2006-12-11 21:02
Puff さん♪
ありふれていないタイプの作品だったのが面白かったですね。
宗教からみの背徳ものということで、私もアマロ神父のことを思い出したし、それを引き合いに出している人は結構いたようですが、実はずいぶんと違うものでした。あらすじを読んだだけでは想像もしなかった語り口。ある意味ホラーな不気味さもありました。
「異邦人」のムルソーのことはよく憶えていないんですが、ムルソーの殺人動機は不可解で真っ当でないのに比べ、エルビスの復讐の動機はとりあえずは理解できますよね。でも、小説を読み進むと、不条理なりに、読書はムルソーの心の動きを知ることができるの。片や、映画の観客の私たちは、エルビスの心理がまるでつかめない。という、小説では味わえない奇妙な面白さがあったと思うのです。
ガエルくんは人気だけでなくて、実力も伴っていることを改めて思い知りました。銃扱いの手さばきもお見事でしたよね。『ダウン・イン・ザ・バレー』を思い出し・・。
Commented by orange at 2006-12-21 00:56 x
こんばんわ☆TBありがとうございました。
この作品の不思議な所は、何故かエルビスに寄り添って観てしまう所ですね。彼の行いは目も当てられないのですが、家族の温もりを知りたいだけなのに、疎外され、罪に走る姿に思わず・・・彼の感情も分からないではないなと思わせてしまう所がこの作品のもう一つの罪深いところかもしれません。
父も、凄い偽善者っぷりで、ウィリアム・ハートは上手いなとほとほと感心ものです。
ガエル・ガルシア・ベルナル。ますます成長株!『バベル』も楽しみですね♪
Commented by CaeRu_noix at 2006-12-22 12:33
orange さん♪
そうなんですよ。道徳的にも問題アリアリ、究極の犯罪行為にまで手を染めてしまう非道なエルビスなのに、観客の私たちの気持ちはどうもエルビス寄りになってしまいがちでした。復讐なんてすべきことではないし、原因理由が何であれ、人としてやっちゃーいけないことを彼はしているんですが、、、その絶望感そのものは大いに理解できるんですよね。おもしろいタイプの物語だと思います。いろんな読み方ができるのがいいですよね。そうか、作品自体も罪深いんですね。
『ヒストリー・オブ・バイオレンス』の記憶もまだ新しく、ウィリアム・ハートはホントにうまいなぁと思いました。常にイメージを覆す、ガエルくんの実力にも脱帽です。『バベル』も『恋愛睡眠のすすめ』も楽しみですー。
Commented by とんちゃん at 2007-01-23 18:15 x
こんにちは☆
何度かコメントしようと打ったのですが・・・入らなかったのでまたもTRYしてみます。
あ、さっきはコメント有難うございました。
好きな映画のレビューを書いた後は、他の人のレビューもしっかり読ませていただきますが(数名に絞ってですけど^^)かえるさんのレビューはいつも、感心して読ませていただいています。
好きな映画も似ているところがあって・・・嬉しいです(*^^)v
また来ますね。春まではTBばかりになってしまうかもしれませんが宜しくお願いします ぺこ
Commented by CaeRu_noix at 2007-01-25 07:29
とんちゃん♪
今度はOKですー。お手数おかけしてごめんなさい。
いつもレヴューを読んでくださり、ありがとうございますー。映画を観た直後は他の方のレヴューも参考になりますよねー。
おお、好きな映画が結構似ていますかー。それは嬉しいです。本作もよかったですよねー。
春まではお忙しいんですね。がんばってください。TBばかりでもOKです。私はTBだけの人には、そのままTBだけを返すというパターンなんですが、(自分に思い入れのない映画だと返すこともしない場合もあるし) とんちゃんのステキなイラストが目にはいると、ついコメントも残しておきたくなるんですよ♪
Commented by あむろ at 2007-01-27 23:29 x
こんばんは。TBありがとうございました。

やっていることはすさまじいのに、どうしてもエルビスから目が離せませんでした。
父親に認められなくてかわいそう、というのではなくて、あの自己愛の甚だしいエルビスの中にある何かが観ている私の中にもあるのではないか?と怖くなったからです。いや、「あるのではないか」ではなくて「ある」んです。それを抑えて日々生きているんですね。

次にスクリーンでガエル君に会えるのは『バベル』。こちらも期待しています。
Commented by CaeRu_noix at 2007-01-28 23:28
あむろ さん♪
コメントありがとうございます。
エルビスに釘付けでしたよね。嫌悪感を感じて突き放してしまうことなんてなく。なるほど、エルビスは自己愛の強い人間と見ましたか。私は、他者を愛せないのと同様に自分さえも愛していない人間だと感じたかもしれません。そして、私たちの心にも、きっと彼と同じような暗部がありますよね。理性がそれを抑えることができるのだけど、まもるべきものが何もなかったら、彼のような行為をしてしまえるかも・・・。
『バベル』は作品としても素晴しいようで、楽しみですよねー。そして、『恋愛睡眠のすすめ』も可愛くて期待してます。
Commented by めかぶ at 2007-09-18 16:38 x
またこんな今頃な作品にコメントで失礼をばっ。
当然私の好みではなさそうな作品だとは思ってらっしゃるでしょうねえ(笑)。
劇場鑑賞を見送り、レンタル開始後も今頃なわけですからまさにそのとおりなワケで、観てみたもののやはり気に入ったとはいかなかったわけで。観ている間もどこか集中できない自分がいてぼんやりしていた気すらするのさ。なのになぜわざわざコメントを?
それがですね、無表情のガエル、人でなしの牧師、つかみどころのない息子・・・。それぞれの演技がどこかでひっかかってるのかなあと。非情な役を淡々と演じるガエルの不思議さ、人でなしの人物をこれ以上ないだろうってくらいに演じてしまうウィリアム・ハートの巧さを常に感じていました。この二人が完璧な出来のため観客のガエルやハートに対する見方が不思議な状況になるのだと思ったりー。
好みじゃないながら不思議な感じを残す作品であったなーと今更ながら思うのですわ。

>脚本家のミロ・アディカ作品、『チョコレート』も『記憶の棘』・・・

あー、なんか納得。ストーリーは全然違うけど、みんな似たような感じ方をしてる気がします。
好きじゃないけど、どこかで何かが引っかかる・・・。(笑)
Commented by CaeRu_noix at 2007-09-19 02:08
めかぶ さん♪
はい、とーぜん、めかぶさん好みじゃなかろうと思います。
私も昔は、ハッピートーンの映画の方が好みだったんですが、今では、そこに愛はなかろうが、後味が悪かろうが、現実の不条理を巧みに描いたものには、エラくハマってしまいます。ハネケ、トリアー系
そう、これは映像や演出にしびれたことが大きかったんですが、映画を一層味わい深く鮮烈にしていたのは、ガエルくんとハートの緊張感あふれる対決。2人の存在感、演技力ですよねー。(あと、娘役の彼女にもドキドキさせられた。)2人のキャラ設定、エピソードがこれまた実に巧み。私は善悪を単純に二分化できないというテーマを内包した作品が好きなのですが、これも2人のポジション・役割が曖昧で紙一重であることが、居心地悪くて、それが大いなる魅力だったと思うんです。どっちかに感情移入して、100%応援できる物語の方が見ていてラクですよね。そうじゃないところが客観的にはすこぶるおもしろいんですが。もうとにかくこの作品の冷たさったら、格別でしたよね。
恋愛睡眠のガエルと同一人物には見えませぬー
アメリカンな映画には安直なものも多いので、私はミロ・アディカ脚本のような切り口は嬉しいですー。
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