かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『王の男』
2007年 01月 10日 |
劇中劇はおもしろいんだけど、外側の劇そのものにはハマれず。

16世紀初燕山君(ヨンサングン)統治の朝鮮王朝時代。
芸人のチャンセンとコンギルは漢陽(ハニャン)に上京し、王権を茶化す風刺劇を披露する。



韓国で大ヒット!したっていう映画はやっぱり私向きじゃないってことね。
芸人達の出し物や、華やかな宮廷は見ごたえがあって楽しかったんだけど、俳優の演技の過剰さがどうも好みじゃなかった。モトが舞台劇だから、俳優の演技も舞台風に大仰にいってみようっていうことだったのかな。チャンセン役の人はなかなかの存在感だったと思うけど、コンギル役の人は顔の造形は美しいけど、ここぞという時の表情での表現が細やかじゃないし。王キャラはそのインパクトが見どころなのかもしれないけど、芝居がいちいち大袈裟なもんだから私はあ然。芸人は「芸」の最中だけ愉快な道化師になる方がメリハリがあっていいと思うんだけど、芸人仲間の奴らも普段からヘンに戯けすぎだし。韓国では濃い演技の方がウケがよいのかな。私は映画の中の芝居はもっとさりげない方がいいなぁ・・・。そして、もっと劇中劇を際だたせるべし。

演技・演出のタイプにやや引きだったことがまずネックで、そして、この物語に登場する16世紀頃に実在した王、燕山君(ヨンサングン)のことやそれにまつわる歴史を私が何も知らなかったことも敗因でした。映画の予備知識は入れないのが基本ながら、歴史もの大作の場合は軽く予習をすることもあり。が、これはエンタメ系だからいいよねって、いつの時代の物語かも知らずに鑑賞しました。チャングムも観たことないし。そんな私は、映画を観ている中では、王の置かれている状況や母親絡みの心の傷の件が、いまひとつ理解できないままでした。

後であらすじを読んで、"王は幼い頃に母親を毒殺され、今でも心に深い傷を負っていた。そのせいか、人前で笑ったことがない。"っていう設定だったのかぁと納得。まぁ、その境遇を理解したとしても、その王キャラ&演技が苦手だったから感情移入はできなかったと思うけど。王はともかく、チャンセンやコンギルにもうちょっと心寄り添えればよかったのだけど、別段誰にも感情移入することなく眺めてしまいました。そんなカンジで人間ドラマにはハマれず・・・。人によっては、これって結構泣ける物語なんだそうですね・・・。

『さらば我が愛、覇王別姫』みたいに圧倒的な世界を期待していたわけじゃないけれど、もうちょっとせつない系かと思っていましたわ。

と、物足りなさはあったけれど、そもそもこれを観たかったのは、歴史コスプレ劇への美術・芸術面での興味が主だったので、やっぱりスクリーン鑑賞の意義はありました。豪華な宮廷生や芸人達の劇や曲芸を見るのはとても楽しく。王の母の物語が演じられたらしい演目は京劇みたいだったのも興味深く。韓国の歴史ものはイム・グォンテク監督作品と 『スキャンダル』くらいしか観たことがなかったので、この燕山君時代を知ることができてよかったです。

せっかくの素材なんだから、もっと演出に凝ったら面白いのになーという残念ゴコロも残りつつ・・・。

王の男 THE KING AND THE CLOWN
2006 韓国  公式サイト
監督 イ・ジュニク
原作 キム・テウン (演劇「爾」)
脚本 チェ・ソクファン
出演 カム・ウソン、イ・ジュンギ、チョン・ジニョン、カン・ソンヨン、
 (新宿ガーデンシネマ)
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by CaeRu_noix | 2007-01-10 17:52 | CINEMAレヴュー | Trackback(6) | Comments(10)
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Tracked from 茸茶の想い ∞ ~祇園精.. at 2007-01-14 00:46
タイトル : 映画「王の男」
英題:The King And The Clown 燕山君(ヨンサングン)という暴君な16世紀初頭の実在の王と、一座を逃げ出して漢陽の都にやってきた旅芸人というフィクション設定の、哀しみの愛憎物語 旅芸人一座で幼馴染の花形チャンセン(カム・ウソン)と女形のコンギル(イ・ジュンギ)... more
Tracked from 映画通の部屋 at 2007-01-15 21:33
タイトル : 王の男
「王の男」 KING AND THE CLOWN/製作:2006年、韓国 122... more
Tracked from しぇんて的風来坊ブログ at 2007-01-18 03:09
タイトル : 王の男
この映画は、フィクションを交えたといえ、歴史の読み方、というより歴史上の人物であってもヒトであり、凍りついた凍った顔の狂王(この映画のヘソ)と最下位層被差別職種・芸人(当時)の両者における人物像と生き様を、寧ろ映画的に手を加えることによって、これほどまでに描いたのであれば、韓国で大ヒットしたのも頷ける。 イ・ジュンギの美青年は、確かに中世中性的だが、頓智も利いて、運動神経も抜群。 この映画はラストのクライマックスで、そうしなかったらの平安も含め、夢を追うことについても語っている。それはあくまで肯定...... more
Tracked from the borderla.. at 2007-01-20 11:38
タイトル : 「王の男」
思わせぶりなタイトルと予告編で、王様と芸人のドロドロ三角関係になるんじゃないかと思ってました。それが意外にもあっさりしていて、ヨメさんはがっかりして、私はホッとしてました(^^; 男同士の絡みがなかったのは良かったけど、全てにおいてキレイすぎな気はしますね。 【ネタバレぎみ】 燕山君(ヨンサングン)が暴君ということだったので、どんだけ悪い奴かと期待してたのに、極悪加減がほとんど描かれてない。これは韓国人には当たり前だから省かれたのでしょうが、何の知識もない私には、重臣に抑えられて自由が...... more
Tracked from はらやんの映画徒然草 at 2007-01-20 23:29
タイトル : 「王の男」 ひとりの人間として見てもらえない息苦しさ
タイトルにある「王」とは朝鮮王朝第10代国王燕山君(ヨンサングン)のこと。 朝鮮... more
Tracked from 八ちゃんの日常空間 at 2007-01-25 02:36
タイトル : 王の男
宮崎あおいとの共演が楽しみな、韓国一美男のイ・ジュンギ主演、…って、韓国一は、デュエリストのカン・ドンウォンじゃなかったの?... more
Commented by mako at 2007-01-12 00:39 x
こっちにもおじゃまを。わたしは大奥路線というかあえてゴージャスかつ下世話路線を珍しく期待してたので、ありらんならぬありゃりゃんという感じでやっぱ乗り切れずに終わってしまいました。
>韓国では濃い演技の方がウケがよいのかな。
うんうん。普通に構えてるとひいちゃうぐらい大きく笑いをとって→ぎゅぃーんと大転換→最後にドドーっと泣かすーっていうのはそういう教則本でもあるんじゃないかと思うぐらい判で押したようにおんなじような印象受ける映画多いですよね。予告編だけでどうこういうのもなんですけども。
Commented by CaeRu_noix at 2007-01-12 12:27
mako さん♪
こちらにもありがとうございます。
ですです。アリランならぬありゃりゃんでした。(笑
もうちょっとシリアスに耽美に官能的な方向であってほしかったです。『スキャンダル』みたいな方がよかったっす。チャン・イーモウの「紅」関係作品みたいなヴィヴィッドな愛憎劇とかー。
ああ、やはり、そういうつくりの韓国映画はよくありますよね。しかし、その笑いについていけない・・・というパターンが多いかも。泣かせ部分もベタだしー。イマイチなものが多いので、私も今は特定の監督のもの以外は観ていないけれど・・・。予告で引くもの多し。
Commented by とんきち at 2007-01-13 15:35 x
ホント、ありゃりゃんでしたね〜。
でもご一緒できて楽しかったです。どうもありがとうございました。

笑いも泣きもオーバーなのが、あちら風なんだろ、、、と納得はするんですが、自分が乗れるかどうかはやっぱり別です。

「春の日はすぎゆく」のDVDを買ってきたので、
楽しみにしています。

Commented by CaeRu_noix at 2007-01-14 11:47
とんきちさん♪
無事にご帰還されてよかったです。お疲れさまでした。
映画はチョットありゃりゃんでしたよねー。(この表現、気に入ってまーす>makoさん)
でも、そんなありゃりゃりゃんぶりについてもその後に語らうことができて楽しく消化できました。本当に本年初映画をご一緒できてよかったです。新年らしい?ゴージャス絵巻物でした。
ツボがあえばオーバーでもなんでもいいんでしょうけど、自分がノレないのに、劇中で大騒ぎしている主人公を眺め続けるのは居心地が悪いんですよねぇぇ。
おお、「春の日は過ぎゆく」お買いあげとは嬉しいです。とんきちさんの好みに合うかどうかはわかりませんが、こちらはみずみずしいナチュラルな日常がとてもよいんですー。
Commented by しねまま at 2007-01-14 20:26 x
ほんとにありゃりゃりゃん(名言!)でしたね~(笑)。
でも私は韓国映画自体が久々でハードル低かったせいか、
結構イベント的に楽しめました。芸の部分は派手で面白いし。

ただ私の大好きな「男たちの三角関係・葛藤」は物足りなかったな。
『スキャンダル』や『紅夢』みたいな魅力的な女優もいなかったし。
けどコンギル役の男優は綺麗でした。もちっと繊細な表情の変化
がほしかったけど(爆)。演出も大げさなわりに大味でしたね。
仰るように素材は良かったんだから、もったいない~。
Commented by CaeRu_noix at 2007-01-15 12:07
しねまま さん♪
ありゃりゃりゃんでしたねー。
いやー、私もエンタメな韓国映画に多くは期待しないので、ハードルは低いつもりだったんですが、それでもやっぱり、ありゃりゃりゃんを奏でてしまいました・・・。
でも、いろんな意味で楽しめました。ゲイは物足りなかったけど、芸は見ごたえがありましたよね。芸人ものは好きなので、面白かったです。ゲイ人ものとしては、やはりモウヒトコエほしかったですよね。韓国版BBMという呼び声も小耳に挟んだんですが、そういうせつなさは感じなかったです。(でも、人によっては泣ける映画だったらしい・・)
ヒースのような、とまでは言わないけれど、もーちっと表情一つで引き込んでほしかったですよねー。もったいないー。
Commented by borderline-kanu at 2007-01-20 11:44
こんにちは。私もヨンサングンのこと全く知らずに鑑賞したのは、失敗でした。当然知ってることを前提に作られてるから、やはり韓国の人以外にはハードル高いですね。当時の芸が本当にあんなに下ネタばっかりだったのかは、わからないけど、2人の芸は楽しませてもらいました(^^) カヌ
Commented by CaeRu_noix at 2007-01-20 13:11
カヌ さん♪
ヨンサングンについての知識がなかったために話に着いていけない部分があったのは残念でしたよねー。韓国では誰もが知っているのかしら??
でも、芸人達の芸はおもしろかったですよね。それにしても、アジアのコメディって、排泄ネタが好きですよねぇ。同じシモネッタでも、欧米ものだとファック系が多いのに比べ・・・。ありゃりゃーんです。
Commented by cookie at 2007-01-23 01:09 x
おひさです。私も韓国映画初劇場鑑賞ということで、昨年度は感動すべき作品にはまれなかったので、記念にベスト10に入れましたが、それはそれ、やはりお国の映画事情というか、成熟度というか、それなりの位置に自分が近寄っていかないことにはつらいものがありましたね。一緒に見に行った人は、たいそう年若い女性でしたが、微妙・・・って言ってましたもん。実は、わたしはありゃりゃんじゃなく、部外者として体に不協和音が響いてやや体調が悪くなったくらいなんです。演出は皆さんがおっしゃるとおりの印象でした。ただ、その国の人たちがそこまで入れ込む作品だということで、部外者にはわからない文化的歴史的背景がありそうですね。今の政治とのかかわりも見え隠れしますしね。基本的に、形成外科に頼った美というのは認めたくはないのですが、イ・ジュンギさんのそこまでやるか!の造顔は天晴れでした。
Commented by CaeRu_noix at 2007-01-23 19:15
cookie さん♪
韓国映画の記念すべき初劇場鑑賞作品だったんですね。私の初はシュリ かな。そうそう、ベスト10入りしていたので、意外にもお気に召したのかなと思っていたのですが、実は体調不良をおこすほどだったとは・・。韓国映画も素晴らしいものはたくさんあると思うんですが、韓国で興業的に大ヒットしたものはどうもちょっと大仰さに引いてしまいがちなんです・・。ブラザーフットもトンマッコルも。(グエムルもちょっとかな)韓国でNO1のものって、映画としておもしろいからっていうんじゃなく、国民の思い入れが強いから話題になって皆が観に行くというカンジなんでしょうか。ホントに部外者からするとなぜこの映画が・・と思わなくもなかったのでしたー。ま、演技演出は好みに合わなかったものの歴史の一幕を知る上では興味深かったです。
えええ?イ・ジュンギさんって造顔なんですかー?!半島男子にしては珍しい顔の造形だなぁと思っていたんですが・・。女子だけじゃないんですね。アッパレ。
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