かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『エレクション』
2007年 02月 02日 |
裏社会のリアルには引き込まれず。

香港最大の組織、和連勝会(ウォーリュンセン)で、2年に一度の新しい会長を選ぶ選挙が行われる。



ジョニー・トーは、綿密に裏社会を取材し、演出を抑めにしてリアリティーを生み出したのだそう。そうか、これこそがリアルな裏社会だったのね。私にとっては、香港のギャングの世界というのは虚構のエンターテインメントでしかないのだろうな。激しさに圧倒されることを期待し過ぎてしまったみたい。あまりハマれず・・・。

そもそも、選挙のお話っていうのがあまりワクワクしないわけで。ロクとディーのどちらが会長に選ばれるのかっていう競り合いにどうも興味をもつことができなくて。少女時代のマルグリット・デュラスを愛人にしたレオン・カーフェイは、どうしてこの人が会長候補なのかよくわかんないようなチンピラキャラ。それはたぶん、落ち着いたロクのキャラとのコントラストを明確にするための人物造形なのかなと思うけど、私だったら会長候補にもいたしません。じゃあ、ロクが魅力的に感じたかというと、そういうわけでもないんだけどね。

いや、本当は、ジョニー・トーの映画には、魅力的な主人公に感情移入してドラマ展開を楽しむことなんて求めているわけじゃない。むしろ感情移入は不要なんだと思う。状況がまるでつかめなくても、激しい銃撃戦が繰り広げられたり、残酷なバイオレンスシーンを見せてくれて、ドラマへの共感抜きに映画に引き付けてくれるパワーが素晴らしいのだ。でも、今回は、圧倒的なバイオレンスはなかなか見受けられず、選挙の根回し活動を眺め続けなくちゃいけなくて。面白みを感じるポイントを見つけられないまま、多くの時間が過ぎてしまった。竜頭棍、そんなに大事っすか?

ジョニー・トーの映画にイケメンは必要ないとわかっちゃいるけど、物語にハマれないとキャスティングの地味さが気になってきたりして。こないだDVDで観た『ベルベット・レイン』のアンディ・ラウはステキだったなぁなんてー。いや、きっと、アンディ・ラウみたいな人が黒社会のボスっていうのは、まさに映画の中だけのことで、レオン・カーフェイみたいに甲高い声のチンピラ風男が大物だったりするのがリアルな裏社会なのかもしれないけれど・・・。レンゲ食いもリアル?

でも、夜の街の映像はやっぱり素晴らしかったし、夜の道路で激突、すっぽりINドラム缶詰めのあたりはなかなか見せてくれたと思う。昼間の会談じゃなくて、もっともっと、夜が見たかったなぁ。
釣りシーンの展開はビックリしたけど、そんなやり方はかっこよくないよなぁと・・・。でも、それがリアルってことなのね・・。
『あるいは裏切り~』もハマらなかったし、権力闘争系の勝負って、どっちでもいいやーって思ってしまうのかな・・・。

そんな感じで、私の評価は 『PTU』 > 『ブレイキング・ニュース』 > 『エレクション』

エレクション 黒社會 ELECTION
2005 香港  公式サイト
監督:ジョニー・トー
脚本:ヤウ・ナイホイ、イップ・ティンシン
撮影監督:チェン・シウキョ
出演;サイモン・ヤム、レオン・カーフェイ、ルイス・クー、ニック・チョン、ラム・シュー
 (テアトル新宿)
.
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by CaeRu_noix | 2007-02-02 19:07 | CINEMAレヴュー | Trackback(7) | Comments(10)
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「黒社会」2005年香港、ジョニー・トゥ監督。 香港の裏社会の凄みを見せつけられる映画。 「真心英雄」を好きな方にはお奨めできるかな?? 香港最大の組織で2年に一度の会長選出(エレクション)が行われる。 組織に忠実で穏健なロク=サイモン・ヤム 会長の座を狙う野心家ディー=レオン・カフェイ 現会長の推薦によってロクが次期会長に決まるが、賄賂を渡していた ディーは会長の座を奪いとろうと、ある行動にでる。 この二人の他にも数名、組織のボス的人物が登場し、 どちらの味方をするかわからないので、やや複雑な...... more
Tracked from 龍眼日記 Longan.. at 2007-03-18 18:27
タイトル : エレクション(黒社會)
香港黒社会最大の組織「和連勝会」で2年に1度の会長選出の選挙が行われていた。 候補者は2人。 温厚で人当たりがよく会に忠実で年配者を敬うロク(サイモン・ヤム:任達華)と 短気で型破り、欲しいものはすぐにでも手にいれようとするディー (レオン・カー・ファイ:梁家輝)。 幹部の話し合いにより会長は信頼の厚いロクに決定する。 しかしそれを不服としたディーはすぐさま報復に出る。 そこから会長の座の証「竜頭棍」の争奪戦が始まる・・・。 私が毎度言うところの大好きなタイプの香港映画。 ヘ...... more
Commented by まてぃ at 2007-02-05 00:22 x
こんにちは。
ジョニー・トーだったらもっと激しいバイオレンスを期待しますよね。私も少しその面では期待はずれでした。監督が綿密に取材して、うつりゆく香港の記録的な意味でも撮ってるらしいので、あれがリアルな黒社会の姿なのかもって思いました。
Commented by CaeRu_noix at 2007-02-05 11:48
まてぃ さん♪
そうなんです。ジョニー・トーはいろんなジャンルの作品を撮っているようですが、私が魅せられたのは何といっても闇とバイオレンスだったので、ついついそういったものを期待してしまいました。まてぃさんもそうでしたかー。後で、監督のインタビュー記事を読んで、あえて事実に即した描き方にこだわっていたことを知りました。それを記録するというのも意義深いですよね。作品としては楽しみ損ねましたが・・。
Commented by at 2007-02-05 16:32 x
>もっともっと、夜が見たかったなぁ。

同感です。アンドリュー・ラウ(「インファナル・アフェア」)の闇が情感たっぷりなのに対して、ジョニー・トーの闇はクールで、しかも光の当て方とかに工夫があって、一作ごとに色んな楽しみ方をさせてくれますね。でも私も「釣りのシーン」だけはどうにもダメでした。
Commented by CaeRu_noix at 2007-02-06 01:01
雄さん♪
ジョニー・トーの描く闇はクールですよねー。夜の街の闇と光が静かな美しさを放つ中で、激しく非情にバイオレンスが展開するのにしびれてしまうんです。(『インファナル・アフェア』の闇はよく憶えていないのですが、全体的に情感が感じられる演出でしたよね。)
釣りのシーンはむしろ評価するべきところなのかもしれないんですが、どうもいただけませんでしたよね・・・
Commented by 風情♪ at 2007-02-09 11:02 x
こんにちは♪

ラストはある程度読めましたがあのシュチュエーションだった
んでかなりショックでした。
ディーのように力&金だけじゃ組織を纏めることはムリと言うの
がとてもリアルでオモシロかったです。
続編もあるようなので楽しみです♪ (゚▽゚)v
Commented by CaeRu_noix at 2007-02-10 11:45
風情 さん♪
ショッキングな展開でしたよねー。
というか、そのドラマにのめりこんでいたら、ガツンと衝撃的なんだと思うんですが、あまりハマっていなかった私は、ナンダカナーという感じで眺めてしまったかも・・・。
力&金だけじゃ組織を纏めることはムリだなんてことをわかっていないような男が対立候補だったのが私にはわからなくて・・・。
『エレクション2』はフィルメックスで上映されていますが、ちゃんと一般公開されるといいですねー。
Commented by パフィン at 2007-03-12 22:49 x
こんばんは、初めまして。
香港映画好きで、ジョニー・トウ監督の「暗戦 デッドエンド」が気に入ったので「エレクション」を見ましたが、記録映画的な意味合いもあり、リアルな黒社会の描写に圧倒されてしまいました。二人が夜の町を見下ろしている場面は良かったです。
Commented by CaeRu_noix at 2007-03-13 22:56
パフィン さん♪
コメントありがとうございます。
あ、はじめまして、でしたっけ?生態は何度か観察させていただいていました。
香港映画お好きなんですね。私は全然香港アクションや香港ノワールものにも関心はなく、香港といえば、ひたすらウォン・カーウァイ作品とフルーツ・チャンあたりを追っかけるのみだったのですが、ジョニー・トーに出逢って、ちょっとこういうタイプにも惹かれるようになったのです。「暗戦 デッドエンド」がよかったんですね。
本作には私はあまりハマれなかったんですが、そのリアルさは意義深かったと思います。
Commented by sabunori at 2007-03-18 18:35
かえるさん、こんばんはー。
こちらではやっと今頃公開ですよん。
私はジョニー・トゥ監督の作品ってどれもこれもノレないのですが、(女の描き方がチープな気がして)これは好きでしたねぇ。
男ばかりの世界だったからかしら?
>竜頭棍、そんなに大事っすか?
あはは!多分これを考えてしまったらもうハマれないんでしょうね。(笑)
Commented by CaeRu_noix at 2007-03-19 12:36
sabunori さん♪
お待ちかねでしたねー。
ジョニー・トゥ監督って、多様なジャンルの作品を撮っているんですよね。私はラブストーリーなんかは観たことがなくて、この手のものを4作観たのみです。が、その中では、これが最もハマれなかったんですよね。sabunoriさんとは逆ですかね。(笑)
恋愛ものではどうなのか知らないけど、「ブレイキング・ニュース」のケリー・チャンのキャラなんかは確かにちょっとチープな香りがしました。本作はとことん男の世界だったのがよかったですよね。
私はフランス映画祭で観た『暗黒街の男たち』という裏社会ものにはハマれたので、これには何でのれなかったのだろうとまた考えてしまいました。黒社会のリアルな描写は好きなはずなのに・・・。やっぱり選挙戦にどうしても興味がもてなかったのかなぁぁと。
竜頭棍なくても、会長の引継ぎはすりゃーいいじゃんって思った私。どこの世界も形式が大事なんですね?
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