かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『デジャヴ』
2007年 04月 10日 |
おもしろくって、ろまんちっくー



"デジャヴ "って、フランス語だよー。
ジェリー・ブラッカイマー作品のタイトルにこの愛するフランス語を使われるのは心外、侵害。でも、トニー・スコットだから許す。トニスコはラブストーリーの名手だっていうことを実感したもの。ロマンチックなデジャヴの感覚を映像で伝えてくれたその手腕は見事。ブラッカイマー印のど派手なアクションにそのせつなさが埋没することなく。ハラハラドキドキのストーリー展開を楽しみながら、胸キューンなヒトトキ。

デジャヴというのとは違う話だけど、こないだジャック・ドゥミ作品を観た時に、水兵に会いたーいって思ったんだよね。しかし、水兵が登場する映画なんて、『踊る大紐育』 くらいのもかなと思いきや、こんなにすぐに現代のサスペンス・アクション大作の中で水兵ちゃんの姿を見ることができてビックリ嬉しかった。余談ですが。

普段は事前に作品情報を入れるなんてことはしないんだけど、この作品は観に行こうか見過ごそうかを迷っていたので、何人かの人のレヴューを拾い読みして、タイムトラベル・タイムパラドックスものだということを先に知ってしまっていた。だから、そこで起こる"デジャヴ "という現象は正体不明の不思議な感覚なんかじゃなくて、時間旅行か何かによって主人公が実体験したものか何かなんだろうと俄に予測。そう思って、自分が本来"デジャヴ"という言葉に抱いている思いをすっかりクールダウンさせていた。それが功を奏したようで、タイムトラベルの無機質に科学的なストーリーだと思っていたからこそ、逆にそこで登場したデジャヴの取り扱い方にしてやられた!って感じ。ドラマチックでいいじゃんー。

噂の「タイム・ウィンドウ」の映像もとにかく面白い。製作費の莫大なハリウッド映画で見せてほしいのは最新技術を使ったこんな映像なんだよね。爆発の派手さやカーチェイスと衝突の凄まじさなんか見せてくれなくていいから。捜査官ダグ・カーリンの細かい指示で、タイムウィンドウの操作者は即座に反応し、画面がぐるっと回ったり、素早く照準が絞られたりする。TVゲームやパソコンを操作するような感覚で、大画面いっぱいに映し出された広範囲の街がスピーディにくるくる動くのだからスゴイ。でも、それだけなら、すぐに飽きただろうな。

そして、科学的で無機質に思えたその最新技術の映像の中に、死んでしまったクレアの生前の姿が現れる。そのせつなさったらない。『ブラック・ダリア』 のエリザベス・ショートに魅せられたのと同じで、映像内映像のヒロインに恋しちゃう感覚がたまらない。だって、この時点では、このクレアは無惨な死体で発見されている女性なんだもの。過去の彼女の姿を特殊なシステムによってのぞき見しているという複雑な状況においても、クレアが魅力的であればあるほどに不思議な恋心と喪失感が入り交じって押し寄せてくる。SFな浮遊感の中でかき乱されるリアルなエモーションにきゅーん。

やがて、タイムウィンドウに映るクレアに抱いた不思議な恋心の正体が明らかになっていくというストーリーがいい。それは、その死を知っているからゆえの喪失感や錯覚ではなかったんだ。トラベルにチャレンジして、こうやって2人はもう一度出逢うという絶妙のプロットにワクワクしてときめく。初めて訪れたはずのクレアの部屋でデジャヴを抱いたのはこういうことだったのかと合点がいくのも気持ちよく。時を超えてもう一度育まれようとしているラブストーリーにクラっと感動してしまうのだった。

前作 『ドミノ』 は大のお気に入りで一番の感銘ポイントはラブストーリー部分だった私。男と女の恋愛とは違うけど、『スパイ・ゲーム』も『マイ・ボディガード』もラブストーリー的に一途な思いにグッときたもの。トニー・スコットはラブストーリー上手だと思う。

Déjà vu
DEJA VU 2006 公式サイト
監督 トニー・スコット
脚本 テリー・ロッシオ、ビル・マーシリイ
撮影 ポール・キャメロン
プロダクションデザインクリス・シーガーズ
出演:デンゼル・ワシントン(ダグ・カーリン)、ポーラ・パットン(クレア・クチヴァー)、ヴァル・キルマー、ジム・カヴィーゼル、アダム・ゴールドバーグ
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by CaeRu_noix | 2007-04-10 00:34 | CINEMAレヴュー | Trackback(2) | Comments(10)
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Tracked from ☆彡映画鑑賞日記☆彡 at 2008-10-14 22:27
タイトル : デジャヴ
 『すでに起こった事件を、あなたは防げるか? すでに殺された女性を、あなたは救えるか? すべての答えは【デジャヴ】の中に―。』  コチラの「デジャヴ」は、ジェリー・ブラッカイマー製作&トニー・スコット監督&デンゼル・ワシントン主演の3/17公開になったSF系....... more
Commented by めかぶ at 2007-04-10 09:02 x
かえるさんが、メジャー級の、しかもジェリー・ブラッカイマー作品のレビューだあ?と、しばし目がテンに(笑)。
でも、確かにラブストーリーとタイムパラドックスとサスペンスの絡ませ方が見事な脚本。タイムパラドックスの表現にちょっとファンタジックな感じのする映像は~、うむ。かえるさんのメガネに叶う作品だったかも、と。
デジャヴをこういう視点で捉えてしかもロマンチック~ってのは、新鮮な驚きでしたわ。ラストでもう一回巻き戻してオープニングシーンを穴の開くほど見直したいと思いました♪
Commented by CaeRu_noix at 2007-04-10 13:12
めかぶ さん♪
いやいや、どっちかというとメジャー大作のレヴューは省きがちなんだけど、ぱいれーつ・おぶ・かりびあんだって観に行った私ですもの。ぶらっかいまーっていうのはホントネックだったんだけど、スコット兄弟の映像はすこぶる好きなんですよ。そして、そして、これも面白かったですわ。
「タイムウィンドウ」みたいなものは、例えば、『マイノリティ・リポート』にも出てきたような気がするけど、あちらの映像はひらすら未来SF風味だったのに比べ、こちらは映画的感傷をもたらすような質感だったのが好みでした。やりすぎといわれる、トニスコのすたいりっしゅ映像は基本的に好きなんですよー。
そうそう、ただサスペンスものとして、タイムパラドックスが見えてくることが面白いだけじゃなくて、辻褄が合うことで、ロマンスな感銘がわきおこるというつくりが絶妙でしたよね。巻き戻したーい
Commented by 睦月 at 2007-04-10 19:28 x
こんばんわ。
ブラッカイマー大先生、あんまり好きじゃないんです。
なのに、いつも観てしまう・・・(苦笑)。なぜ?なぜ?

こちらで、この作品のような娯楽大作レビューを読めるだなんて、
なんだかとっても新鮮です。でも、おっしゃるように、タイトルだけは
フランス語なので・・・そこらへんは違和感ないかな(笑)。

私もトニー・スコット作品は好きです。
世間的には評判が悪かった様子のドミノもかなり好きな作品でした。
ザラザラした濃密な画とかがステキで、おっしゃるようにすごく洒落っ気
たっぷりな恋愛劇を映し出してくれる。・・・ステキですよね♪
Commented by CaeRu_noix at 2007-04-10 23:54
睦月 さん♪
おおお、そうですよねー。
大好きっていうのはあんま聞いたことないです。
いや、しかし、物心つかぬうち?から、アレコレ見ちゃってましたよねー。ヒットメーカーですもんねー。大味だけどー。
ふふふ、ありがとうございます。シネコンものレヴューもサクッと書きました。
トニー・スコット作品はイイですよねー。
そうそうそう、ドミノ!アクションものなのに、女がちゃんとカッコイイ主人公で、添え物的な男の相手役なんかじゃないというのがいいよねって、睦月さんと共感したんじゃないですかー。フェミニストの睦月さん。『ドミノ』はいいっすよ。ぬんちゃくだし。
トニスコ映像は時に激しすぎるけど、おっしゃれーですよね。
Commented by margot2005 at 2007-04-11 01:16
ゔぉんそわ!
私もこの映画はラヴ・ストーリーとして観てしまいましたわ。デンゼルのあの眼差しは、演技を超越してそうでしたが...
Commented by 睦月 at 2007-04-12 02:41 x
かえるさん、こんばんわ。
そうなのそうなの!かえるさんの記事を読んで、久々に自分のとこのドミノを読み返してみたんです。かえるさんには実はずいぶん昔からお付き合いしていただいてるなあと思って、なんだか感慨深くなりました。

今もフェミニスト変わってない・・・年を重ねるごとに意地っ張りなフェミニストになっていく一方です(大泣)。

かえるさん・・・ホントにいつもありがとうございます。
Commented by CaeRu_noix at 2007-04-12 10:43
margot さん♪
おお、そうですかぁ、嬉しいです。
ラヴストーリーとしての味わいがステキでしたよね、ホント。
デンゼルのあの眼差しにもかなりグッときてしまいましたが、あれって、ひょっとして演技を超越してたんでしょうか?
以前、デンゼルは人気があるから、ファンの嫉妬を考慮して、ヒロイン役はいつも美女じゃないという話を聞いたことがあったんですが、今回のクレアはちゃんと魅力的な女優さんでしたから、デンゼルもいつもよりリアルに恋心が表現できたのかもしれませんね?
Commented by CaeRu_noix at 2007-04-12 14:56
睦月 さん♪
振り返っていただいて嬉しいです。もちろん、やり取りしたコメントの全部は憶えていないですけど、ドミノのことは記憶に残っていたんですよね。ふふふ。
そうそう、かれこれ長らくおつき合いをしていただいております。感謝! おととしくらいにやり取りしていた方の中には、ブログの更新をされなくなった方とか、次第に疎遠になってしまった方もいるのだけど、睦月さんは今もなお精力的に活動され、こうやって時々元気な声をきかせてくれるので嬉しく思いますー。こちらこそ、どうもありがとうー♪
意地っ張りになりすぎてはいけませんが(笑)、フェミニストマインドを捨てられるような世の中ではありませんから、いいんですぅ。
Commented by kusukusu at 2007-04-12 22:31 x
>やがて、タイムウィンドウに映るクレアに抱いた不思議な恋心の正体が明らかになっていくというストーリーがいい。

>トラベルにチャレンジして、こうやって2人はもう一度出逢うという絶妙のプロットにワクワクしてときめく。

なるほど、そう考えるとたしかにロマンチックな気もしてきましたが・・でも、実はこれって時空をこえたストーカーものかも・・(笑)
Commented by CaeRu_noix at 2007-04-13 10:03
kusukusu さん♪
言ってみりゃ、時空を越えたスーパーストーカーでしたね。
いやー、でも、命がけですよ。心臓とまってそれで終わりかもしれない、過去に赴くなんていう未知の危険を冒してくれるんですから、始まりはストーキングちっくなものだったとしてもやっぱりろまんちっくなのですー。そこらのストーカーにはできませぬ。
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