かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『ツォツィ』 Tsotsi
2007年 04月 22日 |
野獣のような鋭い眼光が和らぐ時。
ハラハラと心が痛み、そしてあふれんばかりの感動が訪れる。

南アフリカ、ヨハネブルグのタウンシップ(旧黒人居住区)ソウェトのスラム街に、本名を隠して"ツォツィ"(スラングでギャング、不良の意)と名乗り、強盗などの犯罪を繰り返す少年がいた。



アフリカ舞台の映画が目白押しの昨今。どれも興味深いのだけど、やはり多くは欧米人の手によって作られたものなんだよね。だから、アフリカ生まれの監督が手がけた『母たちの村』や本作が評価されるというのはとても意義深いと思う。南アフリカ共和国の物語といえば、80年代のアパルトヘイト下を舞台にした『輝く夜明けに向かって』が記憶に新しく、南アといえばやっぱりどうしてもアパルトヘイトかダイヤモンドか喜望峰。そんなふうに凝り固まったイメージを一新させて、現代の南アの一面を、生命のビート感いっぱいに見せつけてくれた、シンプルでストレートな力強い映画。

これが現代の南アの音楽なのか。クワイトという南ア流のHIPHOPも心躍らせてくれた。

サハラ以南のアフリカの貧困は21世紀の今もなお深刻な状況である中、南アフリカ共和国は例外で、白人移民によって近代化し、今も経済は発展しているという。数値からは国全体はそう括られるのだけど、どこの国も多かれ少なかれそうであるように、全ての国民が豊かさを享受しているわけではない。この国は世界一の格差社会と呼ばれる状況にあるという。アパルトヘイト時代の差別が、生活環境と教育や就職機会の格差を生んで、表向きは平等になった今も、人々は雲泥の差の暮らしをしている。白人と一部の黒人富裕層は豪邸に住み、片や質素なバラックに1人で住む少年がいて、土管の中で身を寄せ合って暮らす子ども達がいるなんて・・・。

きちんと教育されることもなくそんな環境に育った少年が、強盗して金持ちから金品を奪おうという短絡的な行動に走ってしまうのは大いにありえることだろう。それにしても彼はなぜ、金品のためにいとも簡単に、ためらいなく人の命をも奪える冷酷な人間に育ってしまったのだろう。命の大切さなんてものは微塵も意識されず、ただ単純に獲物を捕らえることが目的なんだとばかりに荒々しく行動するその姿は、アフリカの象徴のライオンや豹のようだ。そう、ツォツィの眼は、どう猛な野生動物が獲物を睨み付ける時のように鋭いんだよね。彼のクローズアップに釘付けになり、その眼光の変化を目の当たりにすることこそが本作の見どころだ。野性の少年がいかにして人間の心を取り戻してくれるのかということを固唾を飲んで見守ってしまうのだった。彼がもうこれ以上、罪を重ねませんように・・・とハラハラしっぱなしの、心の痛い数十分。

緊張感いっぱいで、ヒリヒリとした痛みを感じながら、彼の動向を見つめていたから、彼の気づきや人間らしい感情の芽生えには、大きな感動を覚えた。他者に感情移入したり、思いやりをもつなんていうことと無縁だった少年が、本能的に、無垢な新しい生命を守ろうとする。そんな姿にただ心をうたれる。この社会ではお金を持っているか否かで人間まるで違う生き物のような姿をして暮らすことになるのだけど、生まれて間もない赤ちゃんのあどけない笑顔、小さな手はそんなものを超越したあるがままの生命の輝きを感じさせてくれるのだ。他人の命を無惨に奪ってきた少年が、初めてその命を守りたいと直感で行動したということが嬉しくて仕方がない。

駅での車椅子のモリスとの会話も印象深く心に突き刺さる。不自由な体で物乞いをする、端からは哀れに見えた彼だけど、それでも生きることに意義とよろこびを感じている。人生に失望して自暴自棄になって暮らすのは、不幸な境遇に育った自分なんだから仕方ないだろうと、心のどこかで言い訳をしていたに違いない少年は、自分の甘えに気づいたのじゃないかな。不遇で不幸であろうが、生命も人生も蔑ろにすべきものじゃないってことを、実感させてくれた邂逅がこの日々にあったのだ。

その出逢いがあったことを本当に嬉しく思い、大きく感動させてくれたのは若き母ミリアムの存在。質素な部屋であるのは、ミリアムの部屋もツォツィの部屋も大して変わらないというのに、彼女の部屋に流れる空気はなんて優しいんだろう。女手一つで赤ちゃんを育ているのに、訝しいお金はいらないという毅然とした彼女。彼を警戒しながらも突き放すことはなく、同じように、それ以上に包容力のある母の愛で、彼が連れてきた赤ちゃんを優しく抱きしめる彼女の姿に心うたれるばかり。そんなミリアムの姿を見ていたら、ごく自然にケモノの戦闘装備を脱いでしまうのが人間というものだろう。
ああ、ツォツィはデヴィッドに戻れるのかなと感動を噛みしめる。

ツォツィ TSOTSI
2005 南アフリカ/イギリス 公式サイト
監督.脚本ギャヴィン・フッド
原作 アソル・フガード
音楽 マーク・キリアン、ポール・ヘプカー
出演 プレスリー・チュエニヤハエ(ツォツィ)、テリー・フェト(ミリアム)、ケネス・ンコースィ(アープ)、モツスィ・マッハーノ(ボストン)、ゼンゾ・ンゴーベ(ブッチャー)
.
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by CaeRu_noix | 2007-04-22 12:57 | CINEMAレヴュー | Trackback(28) | Comments(20)
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タイトル : ツォツィ
 予想を上回る感動作でした。  筋金入の不良(ツォツィ)だった主人公が、ふとしたことから乳児を誘拐してしまい、それをきっかけに人間愛に目覚めていく話です。  ストーリーに対する感動もさることながら、非... more
Tracked from don't worry!.. at 2007-07-07 22:20
タイトル : 映画「ツォツィ」
 南アフリカの映画「ツォツィ」を見た。  アパルトヘイト以後、 国際社会は南アフリカを見守ることを忘れてしまったかのようだった。 次のワールドカップの舞台だと決まっているし、 アフリカの中で一番個人所得が高いときいていたこともある。 でも、この映画で、現実を知った。 ものすごい格差社会だ。  主人公のツォツィ(不良という意味のスラングらしい)と呼ばれる黒人の男は、 スラム街の中にある小屋のようなところに住んでいる。 仲間と徒党をくみ、恐喝や強盗をして、お金を得ているのだ。 ...... more
Tracked from Diarydiary! at 2007-08-09 20:52
タイトル : ツォツィ
《ツォツィ》 2005年 南アフリカ/イギリス映画 - 原題 - TSOTSI... more
Tracked from 虎猫の気まぐれシネマ日記 at 2007-10-07 16:44
タイトル : ツォツィ
2006年度アフリカ映画としては初のアカデミー賞外国語映画賞を受賞した南アフリカのヨハネスブルグが舞台の 究極の不良少年更正物語。予告編で,そのストーリーのシンプルさは予想できたので「退屈しないかな」とやや危惧しながらの鑑賞だったが冒頭,スラム地区から「いざ出陣」とばかりに,仲間を引き連れ肩をいか... more
Tracked from とんとん亭 at 2007-10-26 22:12
タイトル : ツォツィ
「ツォツィ」 2007年 南ア/英 ★★★★☆ やはり映画は、何の予備知識もなく観るのが私にはいい。 この映画は、劇場で予告で何度も流され・・・・観なくても内容が大体わかってし まい感動が半減した気がします。 尤も劇場では1週間上映で、ぎっくり腰...... more
Tracked from 虎党 団塊ジュニア の .. at 2007-12-27 23:56
タイトル : 『ツォツィ』'05・南ア・英
あらすじツォツィ=不良と呼ばれるその少年は、仲間とつるんで窃盗やカージャックを繰り返し、怒りと憎しみだけを胸にその日を生き延びていた。ある日、ツォツィは、奪った車の中にいた生後数ヶ月の赤ん坊と出逢う・・・。感想不良の品格南アフリカでツォツィ(不良)と名乗...... more
Tracked from Ripe Tomato .. at 2008-01-02 15:10
タイトル : ツォツィ 【2005 Tsotsi】
[[attached(1,center)]] 南アフリカ。  ヨハネスブルクのスラム街に暮らすツォツィ(プレスリー・チュウェンヤガエー)は、仲間とつるんで窃盗やカージャックを繰り返していた。 ある日、高級住宅街にやってきた彼は、女性を撃って車を強奪する。 しばらくしてツォツィは、車の後部座席に、生後間もない赤ん坊がいることに気が付いて・・。 {{{: 監督・脚本: ギャヴィン・フッド 製作: ピーター・フダコウスキ 原作: アソル・フガード 出演: ...... more
Tracked from Sweet*Days** at 2008-01-16 10:56
タイトル : 『ツォツィ』
ツォツィ プレミアム・エディション(2枚組)(2007/10/19)プレスリー・チュエニヤハエ.テリー・ベート商品詳細を見る監督:ギャヴィン・フッド CAST:プレスリー・チュエニヤハエ、テリー・フェト 他 アカデ...... more
Tracked from 茸茶の想い ∞ ~祇園精.. at 2008-03-05 01:45
タイトル : 映画『ツォツィ』
原題:Tsotsi これがアパルトヘイトのあった南アフリカのスラム街の現実なのか、世界一の格差社会といわれる国の現在なのか、まだ幼さの残る子供達の怖ろしい現実・・ 南アフリカはヨハネスブルク、そのスラム街に不良グループのツォツィ(プレスリー・チュエニヤハエ)が... more
Tracked from ☆彡映画鑑賞日記☆彡 at 2008-07-05 20:13
タイトル : ツォツィ
 『拳銃を持つその手で、小さな命を拾った。』  コチラの「ツォツィ」は、2006年アカデミー賞外国語映画賞をアフリカ映画としては初めて受賞した作品で、4/14公開となったパワフルなヒューマン・ドラマなのですが、観て来ちゃいましたぁ〜♪  ツォツィ<不良>と名乗....... more
Tracked from シネマな時間に考察を。 at 2010-03-13 10:38
タイトル : 『ツォツィ』
犯罪にまみれた愛を知らないその手で、 小さな命と出会い、不器用に触れてみる。 闇の中に差し込む一条の光が、 彼に失われた人間性を取り戻させた。 『ツォツィ』 Tsotsi 2005年/イギリス・南アフリカ/95min 監督・脚本:ギャヴィン・フッド 出演:プレスリー・チ... more
Commented by 隣の評論家 at 2007-04-23 20:55 x
かえるさん、こんにちわー。
TB&コメントありがとうございました。
いやぁ、素晴らしい作品でしたねー。私は、心から感動しました。このままいくと、上半期ベスト1は本作で決まりです。本当に観に行って良かったと思っています。

>生まれて間もない赤ちゃんのあどけない笑顔、小さな手はそんなものを超越したあるがままの生命の輝きを感じさせてくれるのだ。

仰る通りですね。小さいけれども、ツォツィには生命力に溢れて見てたに違いないです。
私は書くのをスッカリ忘れてしまいましたが、若き母ミリアムの存在は大きかったですね。お金を断る毅然とした態度が本当に素敵でした。
あー、できれば多くの方にご覧になって欲しい作品ですー♪
Commented by 睦月 at 2007-04-24 00:40 x
かえるさん、TB&コメントありがとうございました。
ヨハネスブルクといえば、次のサッカーワールドカップが行われる場所ですよね。世界3大危険都市の一つ・・・そんなところで生まれて生きていくことなぞ、私にはとてもじゃないけれど想像もできません。

危険の中で生きていく術を身につけながら、家族の愛情も自分自身の未来も忘れて、どんどん心を消耗させていく日々がツォツィをあのような青年にしてしまったのでしょうか?

かなりシリアスな描写を含みながらも、後に残るのは温かな気持ちと人間の良心だったように思います。・・・素晴らしい1作でした。
Commented by CaeRu_noix at 2007-04-24 11:58
隣の評論家 さん♪
上半期ベスト1になりそうですか!となひょーひょーは去年の『ホテル・ルワンダ』に続き、今年もアフリカな映画が絶好調ですね。ルワンダはちょっと物語がドラマチック過ぎる感じが好きになりきれなかったんですが、本作はシンプルでストレートなつくりだったのがとにかくよかったと思います。緊張感いっぱいの空気が持続して、ナミダに暮れて釘付けでしたー
『トゥモロー・ワールド』をちょいと思い出したのですが、人は自分の子どもだとかは関係なく、小さき命を守ろうとする本能があるんでしょうかね??
私はミリアムに最も感動させられましたですよ。彼が赤ちゃんに出会っただけだったら、ああいう結果にまではいたらなかった気がするんですよね。ツォツィの鋭い眼とはまた違うんだけど、守るべきもののあるミリアムの強い眼の光りも印象的でした。
多くの人にご覧いただけるといいですねー
Commented by CaeRu_noix at 2007-04-24 12:00
睦月 さん♪
ヨハネスブルクって、まるで身近でない都市ですよねぇ。サポーターの皆さんは遥々遠征されるんでしょうか。世界3大危険都市っていうのは、睦月さんのところのコメントを読んで、知りました。そんなに危険なんですね。日本人の価値観で見ると想像を絶するということになるんだけど、そこで生まれ育ったらその暮らしを受け入れるしかないんでしょうね。最初に、なぜこの少年はこんなにも残酷で粗暴なんだろう?という疑問をもたせて、途中で少しずつ、トラウマ的な生い立ちの記憶の断片が映像化するというのがよかったです。親の愛情を充分に受けられなかったことは大きいですよね。心を凍りつかせて、疑問さえ持たず、ただ生きるために残酷な行為を繰り返す姿は痛々しかったです。
リアルな痛みがふんだんに描かれているからこそ、温かさなものたちに大いに感動させられるんですよねー。
Commented by バニ at 2007-04-25 19:20 x
かえるさん、こんにちは。
仰しゃる通り、アフリカ出身監督のアフリカ映画が高い評価を受けるのは意義あることですね。舞台がアフリカでも、ちょっと観光客風な視点だったり、文化の違いをクローズアップする映画は多くても、「アフリカの今」を見せてくれる映画は貴重ですね。
トラックバック送らせてもらいました。
Commented by jester at 2007-04-26 11:10 x
かえるさん、おじゃまします。

>アフリカ生まれの監督が手がけた『母たちの村』や本作が評価されるというのはとても意義深いと思う。

う~~ん、そうだったのですね~
そういえば「約束の大地」だってヨーロッパ出身の監督でしたものね。
外人が作った日本映画を考えれば、やはり現地出身の監督が映画を撮るってすごいことなんですよね~

>ミリアムの部屋もツォツィの部屋も大して変わらないというのに、彼女の部屋に流れる空気はなんて優しいんだろう。

え~~、反省した私は家に帰ってせっせと片づけをしました。(爆)
ミリアムの部屋、ほんとにきちんと片付いてましたね。
ベッドとかもシワ一つないし。

私も感想を書いたので、TBさせていただきました。
Commented by CaeRu_noix at 2007-04-27 12:52
バニ さん♪
ヨハネスブルクの今、見ごたえありましたよねー。
アフリカ舞台の映画が最近本当に多いんですが、やっぱり欧米の視点で映画化したいものというと戦場だったりアパルトヘイトだったり舞台やテーマが限られたものになってしまいがちですよね。本作の原作は現代ではなかったそうですが、あえて今を描いたことに意義があると感じられました。音楽やカルチャーの一面も興味深かったですよねー。
Commented by CaeRu_noix at 2007-04-27 12:52
jester さん♪
そうなんですよ。映画製作においては、欧米の資本が入るのはまだまだ当然としても、アフリカで生まれ育った監督の作品というのは貴重ですよね。
『約束の旅路』の監督は、父親がナチの迫害を受けていたりという経験があって、そういったテーマに取り組んだのでしょうけど、もちろん直接エチオピア生まれというんではないですもんね。(でも、俳優の彼は当事者だったんですよね。『イノセント・ボイス』の脚本家のように国から逃れて自らの経験を西洋の国で映画にしてたなんて例なども思い出し。)

ミリアムのお部屋は居心地がよさげでしたよね。あの手作りの飾りのキラキラもステキでした。あれがほしいーなんてことを私は考えていたのに、お片づけをしたjesterさんはえらーい。
Commented by ぺろんぱ at 2007-04-30 15:09 x
こんにちは、かえるさん。
これ、観に行くつもりだったので、かえるさんのブログを読むのを我慢していました。28日に観てブログもアップしたので落ち着いて読みに来させていただきました。
ミリアムの存在の大きな映画でしたね。
できることなら全てを償った後で、彼をミリアムのもとへ行かせてあげて欲しいと強く願わずにはいられません。

またお邪魔しに来ますね。
Commented by CaeRu_noix at 2007-05-01 13:11
ぺろんぱ さん♪
ご覧になりましたかー。
そうなんですよ、ミリアムの存在につきますよねー。
予備知識はいれないようにしていたものの、主人公が赤ちゃんを抱き上げるショットの写真はどこかで目にしていたから、赤ちゃんとの出会いによって、彼の中に何かが起きるんだなぁということは、どうしても鑑賞中に意識してしまいました。だけど、彼女の登場は想定外だったので、感銘が大きかったです。
そうですねー。再会の日があると信じたいです。彼女はまた来ていいって言いましたもんね。
Commented by 狗山椀太郎 at 2007-05-04 11:56 x
こんにちは
短めの作品ながら、心に残りました。
>そんなミリアムの姿を見ていたら、
>ごく自然にケモノの戦闘装備を脱いでしまうのが人間というものだろう。
そうですね。ツォツィにとってはちょっと都合の良すぎる人物設定にも感じましたが、ミリアムのような女性との出会いは、人生の中で本当に貴重だと思います。道徳心とか、教育とか、お金とか、そんなものよりも前に、心が安らぐ相手と場所が人間には必要なんじゃないかなと思いましたよ。緊迫したシーンが多かっただけに、ラストの静かで温かい雰囲気にはグッと来ましたね。
Commented by きらら at 2007-05-06 12:21 x
こんにちは♪
これまたいい作品でしたねー。とても強く訴えてくるものがありました。
あのおうち、バラックというのですね。穴だらけじゃん、、、なんて思ったけど土管から比べたら全然いいおうちなんでしょうね。
あの土管は見ていて本当に悲しくなりました。
ツォツィがやっていることは必ずしも正しいことではないにしろ、彼に同情せざるを得ない環境でしたね。
Commented by CaeRu_noix at 2007-05-06 21:46
狗山椀太郎 さん♪
コンパクトさがよかったですよねー。的を絞って強く心に訴えるものがありました。
あら、ミリアムが都合の良すぎる人物設定に感じられましたか??人物設定というのは、人柄性格的なものでしょうか。夫を亡くしているなど環境的なもの?私は全然都合がいいなとは感じませんでした。彼女が最初から彼を優しく包み込むような対応をしたらそう感じたのかもしれないけど、脅迫されて仕方なくという感じだったから人柄も出会い方も自然に思えました。確かに、ツォツィのような育ち方をする一方で、同じような環境でミリアムのような人格者が育つという例は極端かもしれませんが・・・。
そうですね。心安らげる人がいることって何よりも大事だと思います。教育を受けていても道を踏み外す人はいくらでもいますもんね。そんなことを的確に実感させてくれるスバラシイ作品でした。
Commented by CaeRu_noix at 2007-05-07 11:58
きらら さん♪
よい作品でしたねー。外国語作品アカデミー賞受賞も納得。
ちゃんとした建物じゃない小屋はバラックといいますよね。たぶん彼にとっては、土管時代に比べて大いに暮らし向きはよくなったんでしょうけど、強盗なんかで稼いだお金で手に入れたものかと思うと寂しいですよね。土管で暮らす子どもの姿はとても衝撃的でしたよね。あんな高層ビルの立つ大都会の片隅でそんな子どもがいる社会なんておかしいですよね・・・。
ツォツィのやっていたことは思い切り間違ったこと犯罪行為ですけど、その背景には同情してしまいますよね。自身の過ちを省みて、しっかと更生してくれたら嬉しいですね。
Commented by とらねこ at 2007-05-07 22:44 x
こんばんは。
>そんなミリアムの姿を見ていたら、ごく自然にケモノの戦闘装備を脱いでしまうのが人間というものだろう
ミリアムは本当に静謐な素晴らしい空気を出していましたよね。
恐れながらも、誇りを失わない様子が、凛としていてとても素敵でした。
激しさばかりを強調するでなく、丁寧に描かれていた感じが意外な気がして、すごく良かったですよね。
Commented by CaeRu_noix at 2007-05-08 17:25
とらねこ さん♪
凛としたミリアムの存在はステキでしたね。
彼女こそ、品位を大切にしている人間でしたよね。
彼は彼女に母の姿を重ね、赤ん坊に幼き日の自分を重ねたというとらえ方をしている人も多いようですが、私はもっとストレートに単純に、彼が1人の人間として、ミリアムのような生き方をしている1人の人間に出会ったことによる覚醒に心うたれた感じです。
そうなんですよ。少年ギャングが主人公っていうともっと荒々しく進む映画なのかと思っていました。予想に反して丁寧で真摯な作品でしたねー。
Commented by シャーロット at 2007-05-26 02:08 x
やっと六本木まで行ってきましたよ。
まず音楽のノリの良さにしびれました。アフリカ人て声が透き通る感じで、ハーモニーもすごくグッときますね~
ビートがきいててソウルフル。やっぱり生きてく力が漲ってる国であり人種なんじゃないかなあと思いました。赤ん坊もちっこくても他人への影響はとても大きいものですしね。赤ちゃんのいる生活はいいものです。
ミリアムの姿、品位ある姿でしたね。私はもっと乱れた感じだったかも;笑
Commented by CaeRu_noix at 2007-05-26 15:48
シャーロット さん♪
クワイトって呼ばれている音楽のことは初めて知りましたが(初めて知ることばっかりじゃん)すごくよかったですよねー。劇場へのいきしなに、本作の宣伝ちらしじゃなくて新聞タイプのやつに目を通してクワイトのことを知り、音楽にしっかと注目(注耳?)しました。アフリカ系アメリカ人が発展させたHIPHOPとはまた違う土壌で、こういう音楽が盛り上がっているなんてまた面白いなーって。後で、HMVでもサントラ試聴したりしたけど、パワフルでいいっす。アフリカの人たちはやっぱりリズム感がよくて、声量もあるから、歌も素晴らしいですよね。リズム感のない、音痴のアフリカンもいるのだろうか・・・。
ミリアムは気品にあふれていました。確かに、女手一つで子育てしたら、普通はもっと髪の毛振り乱して、生活に疲れた感じになってしまうかも・・・。
み、乱れるっていう響きには、悪い人妻的なまた別のニュアンスが感じられて、どきり、、
Commented by なな at 2007-10-07 16:53 x
かえるさん はじめまして
とらねこさんのお宅から来ました。ななといいます。
昨日この作品をDVDで鑑賞して,感動さめやらぬまま感想を書きました。
かえるさんの記事を拝見して,とても丁寧で深い理解をされているなあと
感心することしきりです。
私も主人公の少年が,次第に人間性を取り戻していく過程を息を詰めて見守り,ラストでは切なさと共に温かな涙がこみ上げてきました。
TBさせていただきました。これからもよろしくお願いします。
Commented by CaeRu_noix at 2007-10-08 01:24
ななさん♪
はじめまして。ようこそ。
とらねこさんのところから、虎猫さんブログのななさんがいらっしゃったなんて。
おお、もうDVDが出ていたんですっけ。
ストレートに胸に響く感動作でしたよねー。
いやいや、深い理解かどうかはわかりませんが、本作はわりとシンプルでテーマやポイントが伝わりやすかったですよね。感じ方は人それぞれというタイプじゃなくて、多くの人が同じような感動をし、この場面では多くの人がこう感じるのだろうなぁと思えるタイプ。
なので、私自身にも主旨が明確に伝わり、素直に心動かされ、そのままの思いをレヴューに書けたという感じです。
中盤のハラハラ緊迫感が持続したからこそ、最後はホントにグッと感動でしたねー。
またよろしくお願いしますー。
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