かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『世界はときどき美しい』
2007年 04月 24日 |
5つの短編からなるオムニバス。美しい映像詩。
とても好きです。こういうの。
映画に求めているのは詩なのだ。



ため息の出ちゃうその美しい映像は8mmで撮影したものなんだって。
いやー、いいなぁ。
デジタルのクリアな画質とはまるで違う。
ナチュラルで、でも陰影が濃くて、肌触りというものを感じさせてくれる映像。
目映い光。みずみずしい緑の草木。

そして、心に染み渡る印象的な音楽とモノローグなナレーションも心地よく。
俳優達も素晴らしくて、それぞれの人生と日常が本物に見えた。
呟かれる素直な言葉たちにグッときたり、共感してみたり。

でも、予告を観た時に予想した通り、第一章には拒絶感がありました。
なぜ、この女優さんを使ったのかしら、息子を使おうとしたらセット商品だったのかしら、なんて思ってしまったほどだったんだけど。
ナレーションの声もちょっと不快で、その内容も共感にはほど遠かった。
それ以外の人はキャスティングの絶妙さを感じたけれど、この人は苦手・・・

親子抱き合わせ商法で仕方なく使った疑惑を勝手に浮上させてみたもののその説は見当違いでした。すみません。
2003年に最初に作られた短編作品がこの第一章だったのですね。
そして、その後に5章からなる作品にバージョンアップしたもよう。
ということは、時を経て、キャスティングのセンスが変わったり、監督の作品をつくる力がアップしたということなのかな。

第一章では、タッチは好みだけど、肝心なところで外しているなーっていう感想だったのに、第二章のモノクロの世界からはググッとはまりこんでしまった。ただの飲兵衛オヤジの日常もこんなに美しく綴られるなんて感動的。第三章の彼女の思考の世界も大好き。第二章以降はどれも気に入りました。ハッとして胸キュンです。
市川実日子はいいよねぇ。片山瞳のフシギちゃん感もいいです。
クレジットがなかったら気づかなかった 遠山景織子のママぶりも素晴らしい。
柄本明は言うまでもなくハマり役。可笑しいけれどせつないです。

世界はときどき美しいのか?
時々美しくて、時々美しくないわけじゃないけど。
日々の暮らしの中では、本質的に美しいものがそこにあっても、その美しさには簡単には気づけないものだったりするから。
その美しさに気づかせてくれる映画がときどき必要なのだ。
こんなふうに美しく日常を切り取ることができるのはこの上なくステキだと思う。

タイトルは、フランスの詩人、ジャック・プレヴェールの詩篇「われらの父よ」より引用された言葉なのだそう。

第一章「世界はときどき美しい」
第二章「バーフライ」 Bar fly
第三章「彼女の好きな孤独」
第四章「スナフキン リバティ」
第五章「生きるためのいくつかの理由」

世界はときどき美しい 2006 公式サイト
監督.脚本 御法川修
撮影 芦澤明子
出演 (第一章)松田美由紀、(第二章)柄本明、遠山景織子、尾美としのり、(第三章)片山瞳、瀬川亮、松田龍平、浅見れいな、(第四章)あがた森魚、桑代貴明、(第五章)市川実日子、木野花、草野康太、南加絵、鈴木美妃
 (渋谷 ユーロスペース)
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by CaeRu_noix | 2007-04-24 23:58 | CINEMAレヴュー | Trackback(6) | Comments(4)
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5つの非常に短い各々別の日常、というか日常を感じた独白的な何気ない事を、粗く薄ぼやけた境界が不鮮明な映像で包んだオムニバス的なもの。話自体に特段のインパクトがあるわけでない。生きることや世界が何気ない事が美しいということですけれど、むしろ死後の意識があったらこんな風に何気ない事が思い出せたら幸せかも、というのが美しい音楽で強調的な話法を廃しつつ進められます。ドラマチックな事は何も起きないしドラマでもドキュメントでもなく独り言映像詩のような作。内容は現実的でありつつ、独白の柔らかさの夢的な感じもあって、...... more
Commented by peridot at 2007-04-28 12:34 x
かえるさん、TB&コメありがとうございます!
>片山瞳のフシギちゃん感
ふふふ、たしかに!
息子、パワーアップしてますよね〜。
目が離せません!
Commented by CaeRu_noix at 2007-04-30 01:27
peridot さん♪
片山さんはハマり役だったと思いますー。
モデルな女の子を誰でも彼でも俳優業に引っ張り込むのはどうかと思いますが、このコはいい感じでした。空想にも共感ー。カジュラホー
息子くんの活躍ぶりはすごいですよねー。
Commented by カオリ at 2007-09-07 00:35 x
こんばんは。短い時間ながらものすごく感じ入ることが出来た作品でした。まさに「詩」ですね。
私は最後のお話がすきです。
Commented by CaeRu_noix at 2007-09-07 01:26
カオリさん♪
ステキな作品でしたよねー。私も2話目以降はどっぷり浸りました。
映像美がとにかくツボだったんですが、音楽も台詞も皆よかった。
詩のような映画って大好きです。一つを選ぶのは難しいけれど、ラストのオハナシは私も好きですー。
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