かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『毛皮のエロス ダイアン・アーバス 幻想のポートレート』
2007年 06月 07日 |
妖しさとエロスを期待しすぎたみたい・・・

写真家である夫アランの助手をしていた裕福な主婦ダイアン・アーバスの住む屋敷の上の階に謎めいた男が引っ越してきた・・・。



20世紀の偉大な女性写真家ダイアン・アーバスの物語。といっても、伝記映画ではないそうだ。彼女の遺した写真をヒントに彼女が写真家になった経緯を創作したということなんだろうか。どこまでが創作でどこまでが事実に基づいているのかが気になるところだけど、そこが気になって仕方ないほどにその写真家のことを知っていたわけではないからまぁどっちでもいいかな。でも、願わくば、この映画を観たことによって、その主人公の写真家にググっと興味をもたせてほしかった。ダイアン・アーバスの写真はいくつか見てみたいな、と興味をもって画像検索したりはしたけれど、彼女自身とその半生に関しては、さほど引きつけられたり、関心が増したりはしなかった。"過激な写真技術と題材によってポートレイト写真の意味を変革したダイアン・アーバス"をもっと心に焼き付けてほしかったなー。

d0029596_4183940.jpg幻想とかエロスとかいう言葉には、知らず知らずのうちに期待をしてしまうからいけません。いえ、期待なんてしていないつもりなんだけど、終わってみて物足りなさを感じてしまう自分は、やっぱりめくるめく妖しくエロティックな迷宮世界を望んでいたのねって思う・・・。こんなんじゃ全然足りないんだよーって思ってしまう私って・・・。最近、DVDでフェリーニの『サテリコン』を観たりしていたので、求める妖しさ&エログロのレベルが高かったのかもしれませぬ。キューブリックやリンチクラスの徹底した世界構築を求めちゃいけませんね。これはそういう映画じゃないんだってば。実在した写真家の物語です。はい、すみません。お屋敷のミステリアスな雰囲気やフリークスたちの集うお店の喧騒など素材はなかなかいいカンジでしたが。

ヘアー、ヘアー、マイ・ヘアー♪ 毛皮のエロスっていうタイトルはそういうことからきていたのかという部分はアイディアとして面白かったんだけど、『エクステ』という豪快なヘアー映画を既に観ていた私は、「毛」という素材に対する心のざわつきなども微量でした。ジャンルの違う映画を思い出してしまってすみません。ソリソリのシーンなんかはかなりの見どころなはずなのにあまりドキドキしなかったなぁ。『ソンフレール』のようには。

R-18でエロスを匂わせておきながら、ニコールは『白いカラス』同様、ガッチリ裸体を隠すのも興ざめでした。脱げばいいってもんじゃないけれど、端役の方々はあれだけ寄りで全裸をカメラの前にさらしてくれているのに、ニコールが映る時だけ、肩から上のショットになるっていうのが不自然。『アイズワイドシャット』でもそうだったんだっけ?ハリウッド女優って、みんなこんな感じなんだっけ?それにひきかえ、こないだ観た『ダニエラという女』のモニカ・ベルッチの脱ぎっぷりのよさは感動的でした。あんなに滑稽な役回りなのに。 というわけで、私にとっては、官能的なシーンというのがほとんどなかったかも。彼女に感情移入していたら、 ライオネルとダイアンの2人が過ごすシーンはせつなくドキドキする場面だったのかもしれないけれど。

ダイアンがライオネルに惹かれていく気持ちは何となくわかるけれど、でも彼女が夜1人で彼の部屋を訪れるのはちょっと怖すぎるでしょうと思ったりして、彼女に感情移入するというほどではなく。ドキドキ感を抱くことがなかったので、ハマったとは言いがたいかな。ニコールの演技は相変わらず素晴らしいと思ったけれど、私は『記憶の棘』の時の方が断然気持ちが入りましたね。

まぁそれなりに興味深くは観たのだけれど、よかった点よりも不服点が顕著だったかもしれません。『セクレタリー』の方が断然おもしろかったなー。

毛皮のエロス/ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト
FUR: AN IMAGINARY PORTRAIT OF DIANE ARBUS
2006 公式サイト
監督 スティーヴン・シャインバーグ
脚本 エリン・クレシダ・ウィルソン  原作 パトリシア・ボズワース
撮影 ビル・ポープ
出演 ニコール・キッドマン、ロバート・ダウニー・Jr(ライオネル)、タイ・バーレル、ハリス・ユーリン
 (渋谷 シネマGAGA!)
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by CaeRu_noix | 2007-06-07 19:33 | CINEMAレヴュー | Trackback(3) | Comments(4)
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Commented by カオリ at 2007-06-15 15:20 x
こんちは~。私も、ニコールはここまでか・・・と思いましたよ。最初に「ビーナス園」のシーンもあっただけに。
個人的にはこの作品は、なんかちょっとマトが外れているような・・・「毛皮」も「エロス」も中途半端な感がありました。
Commented by CaeRu_noix at 2007-06-15 18:53
カオリ さん♪
ニコールが脱ぐとは思ってはいなかったんですが、周りの人の撮り方と差がありすぎてちょっとしらけてしまいましたー。裸をさらしたくないなら、こういう作品には出演しなければいいのにって思うんですが、脱がなくていいから出てくれって言われるんでしょうねぇー。
こういうアプローチの作品もうまくやればおもしろくなると思うんですが、私としても、これだったら、現実を辿った伝記的な物語にしてくれた方がよかったかなと思いましたー。
Commented by リーチェン at 2007-06-22 15:22 x
かえるさん、TB&コメントありがとうございました!

邦題と内容に差がありすぎたかなという気がしますね。
ちょっとファンタスティックになりすぎたのか?もうちょっとリアルでもよかったのに~~~
Commented by CaeRu_noix at 2007-06-23 10:13
リーチェン さん♪
邦題にはだまされないようにしているのですが、これはどうも無意識のうちに、ある種のイメージのものを期待でしてしまったようですー。ファンタスティックにいくなら、もっともっと魅惑の世界に誘ってほしかったし、それを徹底しないなら、伝記的にリアルにいく方がよかったですよねぇ。
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