かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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ドイツ映画祭2007で 『ピンポン』など
2007年 06月 12日 |
どこのどいつのためのもんだよドイツ映画祭へ行ってきました。



行けたのは1日だけでっす。まったく・・・
かねがね思っているんですけど、こういう映画祭って、どこのどいつに向けての企画なんでしょう?あさひしんぶん主催なのにね。あさひしんぶん購読者って、無職者や主婦がメインじゃないでしょう。リタイヤした世代狙い?と、とにかく、映画を観ることが仕事の一環の人やプータローさんや主婦の方々以外は、存分に堪能することが不可能なスケジュール。勤め人はあ然。去年は海の日が絡んでいたからもうちょっと選択肢があったのだけどねぇ。平日の最終回が18時開始っていうのも不親切。関係者の皆さんが早く帰りたいのかな・・・。同じ会場のフィルメックスのやり方を見習ってほしいです。世界各国の映画と日本で開催される映画祭を愛する私ですが、イタリア映画祭とドイツ映画祭の印象はすこぶる悪ーいです。有楽町朝日ホールは大嫌いだけど、フィルメックスの時はもっと幸せな気分になれるから不思議。

と不満の中、日程的に観ることが可能だったもの2本。

『ピンポン』 Pingpong 2006
監督 マティアス・ルートハルト(Matthias Luthardt)
06年カンヌ映画祭<批評家週間>脚本賞

16歳のパウルが叔父夫婦が住む郊外の邸宅でひと夏を過ごす。
パウルの母の弟である叔父一家の暮らしぶりは裕福でお上品な様子。パウルのいとこはピアノを習っていて大事な試験を控えている。叔母は美しいけれど教育ママ。家族はパウルが突然やって来たことに戸惑いながら、それぞれにコミュニケーションをとっていく。パウルは庭のプールの修理を始める。ピンポンをする。TVゲームをする。

ゲストで来ていた監督は、まるで俳優さんのような風貌といっても言いすぎではない、カッコいい男性でしたよ。髪型がちょっとフシギで、モミアゲが謎だったけど。「ベルリン派」のもっとも若手の監督だそう。「ベルリン派」という言葉は、この映画祭のプログラムを読んで初めて知ったのだけど、ドイツのヌーヴェル・ヴァーグとも称されているグループだそうで、いっさいの"過剰"を排し、リアルで透明感のあふれる映像のなかで緊迫したドラマを展開させるという作風らしい。ということで、私もベルリン派に注目。

そんなわけで、作品のスタイルはとても好みでした。何気ない日常の風景が繊細にリアルに切り取られていて、登場人物たちの心の揺れと変化に見入ってしまうのでした。ささやかな出来事の積み重ねによっていくつもの波風が立つ様は静かながらも緊迫感がいっぱい。その家族の不協和音は愉快爽快な物語ではないけれど、とてもおもしろく観られました。興味深い記号が散りばめられていて、解釈のしがいのあるタイプ。ミヒャエル・ハネケの作品のタッチに少し似ている気がしました。でも、そこまで冷徹ではないかな。少年のひと夏の体験の物語的なほろ苦さが残るのです。

どうして、タイトルがピンポンなんですか?って質問すればよかったな。
人と人の間での言葉や態度のやり取りは、跳ね返るピンポン玉のスピードや角度が、ラケットの角度や力の込め方の微妙な違いによって変わってくるのと同じようなものかもしれないな。なんてふうに思えた、人間模様のリアルが感じられる研ぎ澄まされた一作でした。


『パッション』  Madame Dubarry 1919

出演 ポーラ・ネグリ、エーミール・ヤニングス

それまで小規模な喜劇で名声を築いてきたルビッチがはじめて手がけた歴史大作。パリの帽子屋でお針子として働くジャンヌには、恋人のアルマンがいる。アルマンが恋のさや当てから殺人を犯して逮捕されたのち、ルイ15世の目にとまったジャンヌは愛人として宮中に暮らすことになる。しかし国王の死後、蜂起した民衆によって彼女は死刑を宣告される。ジャンヌのおかげで釈放され、革命家となっていたアルマンも彼女を救うことができない…。

へー、そういうお話だったのかと紹介文を読んで、知りました。
すみません。まったくもって集中できず・・・。

ここの会場は、収容人員数の割りにスクリーンが小さいので、前方に座るのがベターなんですが、前方ブロックは段差がないので、前に人がいると視界が遮られるという大きな難点があり・・・。入場したのが遅かったので、前列中央はビッシリ埋まっていて、中途半端に前方ブロックに行っても、スクリーンがちゃんと見えなさそうだなと、前列に人のいない位置を確保できる後方の席に座りました。そして、スクリーンはとても遠い世界っつぅ感じでした。

そして、今年はダメでした。ピアノの生演奏。『カビリア』に続き。
去年は、アリョーシャ・ツィンマーマン氏のピアノ生演奏付のルビッチ作品2作にめちゃめちゃ感動したというのに・・・。今年は耳障りに感じられてしまいました。映画に集中できないからウルサイと感じてしまうのか、音楽が煩わしいから映画の世界に入り込めなかったのか・・・。どっちが先かはよくわからないけれど、とにかくお手上げ。
去年のサウンドはもっと軽快でジャジーなテイストだったと思うんだけど、今年のは娘さんのバイオリンとの合奏だけあって、クラシカルなタイプでした。だから、ダメだったのかな・・・。
もー、生演奏付無声映画って、私向きじゃないのかも・・・。
いえ、ホント、去年の『牡蠣の王女』は最高に素晴らしかったんだけどね。
『結婚哲学』の活弁ものも、活弁士さんが台詞を大げさに感情を込めて読むっていうのが煩わしくって好きじゃなかったな。
もう生演奏付は敬遠。
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by CaeRu_noix | 2007-06-12 12:53 | CINEMAレヴュー | Trackback(1) | Comments(6)
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Tracked from working titl.. at 2007-06-12 22:55
タイトル : ピンポン(ドイツ映画祭2007にて鑑賞)
ピンポン (2006) マティアス・ルートハルト監督  静かに、深く、病んでいる。現代人の孤独と闇。  大変好みの作品でした。  限られた登場人物、密室に近い閉鎖空間、たいした事件は起こらないのに一級のサスペンスのような緊張感。カメラワークもストーリーもセリフもタイトかつミニマム。しっかりと見応えのある作品でした。  「かげろう」というE・ベアール主演の作品に(テーマやモチーフは違いますが)構成や雰囲気が似て感じました。あちらも閉鎖空間、限られた人物、少年と大人の女性、ちょっとだけ似ていま...... more
Commented by たかこ at 2007-06-12 17:28 x
「ピンポン」観たかったです。映画館で公開されたら観たいなぁ。

「花嫁人形」は内容に合わせて軽快な音楽だったし、おもしろかったです♪

所有している数少ないDVDの中の「結婚哲学」は活弁ナシなのでよかった~
Commented by sabaha at 2007-06-12 23:10
こんばんは、エキサイト、微妙に調子悪いですね。。
私は映画祭の日程その他はそんなに(怒)マークではないですが、朝日ホールで両脇のブロックに座ると画面が見切れるのは、映画上映スペースとして失格だと思ってます。はじっこ好きの私ですが、あそこでは真ん中に座ります。
さて、「ピンポン」一本鑑賞でしたが、大変気に入りました。私もハネケっぽいなーと思いましたが同じくハネケより後味が全然いいと思いました。本当に色々な解釈を許す感じがよかったです。
私も後から「ピンポン」の意味を聞けばよかったなーと思いましたが、それもまたそれぞれの解釈でよし、という感じでしたね。
Commented by CaeRu_noix at 2007-06-13 01:02
たかこさん♪
ピンポン観てほしいですー。
でも、娯楽性はないし、新人監督だし、出演俳優も無名だし、一般公開される可能性は少ないかもしれません。ダニエル・ブリュール出演作なんかの方が公開される可能性はあるような・・・。

おお、『花嫁人形』、よかったですかー。私もそっちが観たかったなぁ。
いえ、パッションもコンディションがよければ面白い作品だったのかもしれないのだけど・・・。ピアノは軽快に弾かれていたのだけど、私の耳には重厚に響きました・・・。
『結婚哲学』も面白かったんだけど、活弁たろうのはりきった声がまた苦手でしたの・・・。今度は静かにルビッチを観てみたいっす。
Commented by CaeRu_noix at 2007-06-13 01:18
わかばさん♪
ピンポンを観にいらっしゃっていたんですねー。
終わった後のトイレでシャーロットさんは発見しましたが。
あのホールは本当にイヤですー。そうなんですよね、サイドブロックに座ると、スクリーンの端が見えないという難点もありますね。映画を上映する施設じゃないと思います。あれで1300円なんて・・・。他のところが主催してくれて、普通の映画館でこじまり上映された方が個人的にはいいかな。普通の映画館なら、平日の最終回は7時スタートにするでしょうー

それはさておき、ピンポンはおもしろかったですねー。
ベルリン派入門ができてよかったですよね。他のベルリン派作品も観たくなったし。
やはりハネケっぽい感じはしましたよね。でも、そうなんです。ハネケほどに意地悪な感じはしないのです。多様に解釈できますよね。小道具使い、演出がよかったですー。
監督にタイトルに関する質問をしたら、それぞれに解釈してくださいって言いそうですよねー。
監督自身の体験がエピソードに盛り込まれているんだろうかなんてことも勘ぐりたくなりました。もしや、オバと・・・
Commented by シャーロット at 2007-06-16 19:18 x
こんにちはー。
やっとピンポンまで感想が書けました。
んー、今回はちょっとお勤めの方には厳しい日程でしたね。
私は今になってその時のツケがまわってきて、中々新作も見れません;

ベルリン派と呼ばれる作品達は、きっとかえるさん好みだろうなとは思ってましたが、ルビッチがダメだったとは~。
私は回避してしまったけれど、去年は結構良かったですよね?!
なんでだろ。今年はバイオリンもでしたか。なんか重厚?
カビリアは私もダメでしたが、あんな感じだったのでしょうか。。。
でも、とにかく「ピンポン」が気に入っていただけたなら、まだよかったかしらん。
私が見た「イェラ」と「サマー04」と今作品が結構似ていて、みな同じ監督さんが作ってるような気分にさえもなってきて。でもこれが<ベルリン派>というものなのねーと、体で覚えてきましたです。笑
それと・・・えええ、わかばさんもいらしてたとは。
かえるさんにおといれでハッケーンされ、ちょっと照れました、私。
独映画祭、来年はもう少し改善されるといいですね。
あと椅子も変えてくれー
Commented by CaeRu_noix at 2007-06-18 13:05
シャーロット さん♪
5作のレヴューを全部書かれたのですね。すばらしい。
果たして、一般公開されるものはあるのでしょか。
今回の日程は本当にガックリでしたわ。去年が海の日シーズンだったんだから、今年も同じにすればいいのに・・。ホールが空いていたのがこの時期だけだったのか?またはツィンマーマン親子の都合?
ベルリン派は好みのタイプでした。サマー'04とピンポンは似ていると他の方も書かれてしました。ドイツ映画祭も新作も、今月はなぜか緊迫系?が多く。
ルビッチは、とにかく去年観た2作がとても面白かったので、今年も観られるものは観ようと飛びついたのだけど、やっぱり全部が全部気に入るわけではないかも。集中力のなかった自分のコンディションも問題ありだったんだけど、とにかくカビリアと同じくらい受け入れにくかったです。カビリアは苦痛だったけど、断片的に映像を楽しめたのに比べ、今回のルビッチは苦痛というほどではなかったけど、物語世界に入り込めなくて筋書きがわからなくて、無駄に時間を過ごしてしまったような・・。ダメすぎ!
人を見つけるのが苦手な私もシャーロットさんは後姿でわかるようになりましたよ。てか、バッグが目印だったんだけど。
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