かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『女帝〔エンペラー〕』
2007年 06月 13日 |
大スクリーンで観られて嬉しい映像美。

古代中国、唐王朝滅亡後の五代十国時代。
かつて思いを寄せ合った女性が父である皇帝の妃となり、隠遁生活を送っていた皇太子ウールアンであったが、父の皇帝が謎の死を遂げる。



アジアン・ビューティー!私の求めるアジアン・ビューティといったら、これですよ、コレ。いえ、チャン・ツィイーのことなどを指しているわけではなくて、東洋美にあふれる映像世界が最高。 美術と衣装デザインの葉錦添(ティミー/ティム・イップ)は、 『グリーン・デスティニー』の美術監督だと知って納得。『PROMISE』だって、映画としてはミョーだったけど、美術だけはステキだったもの。今回も豪華絢爛で厳かでちょっとアヤシイ美術世界にうっとり釘付け。衣装も室内装飾も一つ一つが独創的にハイセンスでそのデザインに見入ってしまうのでした。

単に、衣装や建物が美しいというんではなくて、映画の中で活きているから楽しくなっちゃうの。美術的なものを活かした演出、見せ方に心躍りました。イッツ・ショータイム。冒頭の、隠遁生活を送る皇太子はお面をつけて歌舞に興じていたという情景からして何やら興味深かったのに、そこに暗殺者がやってきてバトルが始まるんだもん。ほとんど"舞"と化したような戦いのシーンっていうのは『HERO』なんかでもあったけど、お面と兜姿というビジュアルは、前衛的なダンスみたいで、私にとっては普通の戦闘シーンより面白かったなぁ。ワイヤーOK。ダースベーダー風の兜はクールで印象的。

宮廷内のシーンは高さと広さを感じさせてくれるから気持ちよかったな。奥行きが大事。皇后チャン・ツィイーが長ーい衣装を引きずりながら、歩いていく姿を後ろからずっととらえるカメラも好き。そうそう、皇太子が髪を洗うためのものなのか優雅な洗髪台?セットもまた面白かった。宮廷見学させてもらいたいくらいの魅惑的な空間。歴史上の豪華な建築美術の風格を感じさせつつも、オリジナリティにあふれるデザインの数々なのがポイントなの。映像で初めて見た馬球風景にも驚いた。ポロスポーツが古代中国にあったなんてー。

とにかく、この映像、演出が気に入ったので、おもしろく鑑賞。その演出は、舞台演劇みたいだなとたびたび感じたのだけど、シェイクスピアの「ハムレット」を原案としていることを鑑賞後に知った。なるほど、そう言われてみれば、そんな人間模様、そんな復讐劇でした。そのことを事前に知らなくても、ストーリーのことなんてあまり気にならず、舞台・ショーを見るような感覚でした。主人公にどっぷり感情移入するというタイプじゃなくて、激しい愛憎劇も客観的に眺め、様式美に歓びを感じるのみ。

女帝 [エンペラー]  THE BANQUET 夜宴
2006 中国.香港  公式サイト
監督.脚本 フォン・シャオガン(馮小剛)
アクション監督 ユエン・ウーピン
撮影 レイモンド・ラム  
美術.衣装デザイン ティミー・イップ
音楽 タン・ドゥン
出演 チャン・ツィイー/章子怡(ワン)、ダニエル・ウー(ウールアン)、グォ・ヨウ(リー)、ジョウ・シュン(チンニー)、ホァン・シャオミン
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by CaeRu_noix | 2007-06-13 23:52 | CINEMAレヴュー | Trackback(2) | Comments(2)
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Tracked from ☆彡映画鑑賞日記☆彡 at 2008-05-15 20:59
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Commented by まてぃ at 2007-06-24 00:47 x
こんにちは。
前衛的なダンスや皇太子の洗髪台など、演出が面白かったですよね。
ただ感情移入できなかったのが、私にとって少し残念でした。
Commented by CaeRu_noix at 2007-06-24 13:53
まてぃ さん♪
演出が面白かったですよねー。中国映画で前衛的なダンスが観られるとは思いもよらず楽しめました。でも、世間の評判はあまり芳しくはないようで、確かに人間ドラマ部分では、主人公に感情移入できないというのは欠点だったかもしれませんね。
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