かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『監督・ばんざい!』
2007年 06月 20日 |
BANZAI BANZAI Ah振られて振られてチェッチェッチェッチェッ♪



北野作品はかなり好きなのだけど、今作は題材的に全然惹かれなくて。もうとっとと『舞妓Haaaan!!』を観に行ってしまいたかったんだけど、まぁ一応観ておこうかなと・・・。という程度の気持ちで観に行ったわけだけど、期待せずに観たおかげで思いの外楽しめたーというんでもなく、こんなものね・な印象。

「映画」な映画は大好きなんだけどね。映画製作の物語も、映画館や実在のフィルムが登場するものも。だけど、その映画という素材の料理の仕方は期待はずれ。得意のギャング映画をもう撮らない宣言をしてしまった監督が、どんな映画を撮ろうかと考えて、次から次へと多彩なジャンルの企画が持ち上がったというんだけど、発案やがてボツという流れがナレーションで語られるだけのプロットがちっとも面白くなかった。結局前半は、小津安二郎風人情劇、ラブ・ストーリー、SFスペクタクルなどなどのショートムービーの一つ一つを楽しむだけのこと。これじゃあ、短編集を観ているみたいじゃないか・・・。『TAKESHIS’』の構成がとても面白いと思った私だったので、今回は構造、プロットが練られていなかったことにちとガッカリ。

ずっとショートムービー仕立てで続くのかなと思ったら、後半はようやく撮る映画が正式決定したらしく、岸本加世子・鈴木杏母娘を主人公にした物語が展開していった。『TAKESHIS’』のセンスなら、この後半の母娘物語に、前半のそれぞれの物語が絡んできたりしたと思うんだけど。そういう遊び方はなくて、観客に残された道はギャグを断片的に面白がることだけなのかな、それが笑えなかったらどうしたらいいのかな、と困ってしまうドタバタ劇場が続いていった・・・。タケシのギャグは基本的に私の笑いの好みとは違うので、あまり面白くないのだよね。"足立区に衛星"、"毛髪偽造禁止法"等をザザッと読み上げたあたりはちょっと面白かったんだけど、ズッコケシリーズは全然ダメでした。

前半では、ただのショートムービーの連続?とその構成に少し失望はしたけれど、後になって思えば、その一つ一つはなかなか面白かったかなって思い出されてきた。短いながら、豪華なキャストで、俳優北野はおいしすぎ。主演俳優を兼ねている映画監督って、ホントに監督・ばんざいって感じだよね。ウディ・アレンか北野武か。と監督の役得に苦笑いをしたりしたんだけど、そういった邪念を抜きにしたら、小津安二郎風人情劇も、恋愛ものも、昭和30年代ものも味わいがあったかな。そうそう、昭和編の子ども達が遊ぶ姿や駄菓子屋のおばちゃんはよかった。

映画をヒットさせるべくどんなジャンルの映画を撮ろうか模索するという前半の過程は、単純なジャンルの括りでウケルうけないが決まってくる日本映画界を皮肉っていたりなどするのかもしれないけれど、あまりそういう部分は感じられなかったかな。『大日本人』では、テレビ業界やメディアや大衆に対する皮肉を感じて、そういうところも面白かったんだけど、こちらはそういうのがあったのかどうかもよくわからなかった。小ネタも松本印の方がツボだし。まっちゃんの場合は、今までTVのバラエティ番組でやってきて理不尽に感じたことを映画で表現したから面白かったといえるのだけど。タケシは、長年監督業をやってきてこのたび"映画監督"というテーマに取り組んだというのに、映画への思いや監督という仕事への思いがあまり伝わってこなかったのは残念でした。

2007 公式サイト
監督.脚本 北野武
出演 ビートたけし、江守徹、岸本加世子、鈴木杏、吉行和子、宝田明、藤田弓子、内田有紀、木村佳乃、松坂慶子、大杉漣、寺島進
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by CaeRu_noix | 2007-06-20 23:41 | CINEMAレヴュー | Trackback | Comments(2)
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Commented by 狗山椀太郎 at 2007-06-21 01:01 x
こちらにも、こんばんは。
私も、やっぱり前作と比較してしまいました・・・。
『TAKESHIS'』は最高に面白くて二度も見に行ったのですが、
今回は、ことごとくツボを外された感じでしたね、ガッカリ。
本作をきっかけに、良い意味で吹っ切れてくれると嬉しいのですが・・・。
ちなみにこの日は、ギドクの『絶対の愛』を見た直後だったので
よけいに気分が重くなってグッタリしてしまいました(苦笑)。
Commented by CaeRu_noix at 2007-06-21 12:45
狗山椀太郎 さん♪
『TAKESHIS'』は面白かったですよねー。
あれは独創的で、それまでのバイオレンスものやアート映画とは異なるものとして支持できたんですが、今回のはワクワクする部分がほとんどなくて、こんなタイプの自分映画を作るんだったら、ギャング映画の方がいいかも・・・って思ってしまいました。
これに比べたら、『絶対の愛』の脚本や演出はとても巧みだと思いますー。どっちも好き度は低いけど。でも、椀太郎さんにとっては、まずい組み合わせだったんですね・・・。自分の好きなように映画を撮るのはよいと思うけど、笑えないコメディはやっぱり退屈ですぅぅ。
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