かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『イタリア的、恋愛マニュアル』
2007年 07月 25日 |
軽く楽しいー。恋愛エピソードなコメディ。



普通の恋愛映画なのかと思いこんでいた私にとっては驚くほどにコメディ色が強い作品だった。ラブストーリーというか、ロマコメってやつね。いや、ハリウッドもののいわゆるロマコメよりも笑いに比重が置かれていた気がするなぁ。一つの物語じゃないからそう感じたのかな。主人公は一組のカップルじゃなく、オムニバス仕立てにほど近いリレー形式の4つのドラマ構成になっていることも知らなかった。というわけで、ラブストーリーならば共感することやときめきがポイントなのだけど、本作は主に笑って楽しむ映画でした。

イタリア人は底抜けに明るくて情熱的だっていうイメージはあるものの、近年印象的なイタリア映画はやや重めのシリアスタッチのものがほとんどだった。本作のコミカルなノリに近いものというと、ベニーニの『人生は、奇跡の詩』くらいしか思いつかない。だから、なんだか新鮮だった。陽気なイタリアーンの情熱的な恋愛物語は王道のようで意外と物珍しいものかも。まくしたてるイタリア語台詞に引きそうになりつつも、これぞ、イタリア的ー!

完全なオムニバスでもなくて、ささやかに繋がりはあるものの、群像劇のようにそれぞれの物語に絡み合いがあるわけでもない『彼女を見ればわかること』っぽいカンジ。 これはこれでおもしろいと思うのだけど、個人的には、どうせなら分断されない群像劇にしてもらった方が満足度が上がったような気がしたな。結局はコメディだったからか、それぞれのドラマを単独で気楽に楽しむ感じになってしまい、テーマが多重に響いたり、積み重なってうねりになって迫ってくる感銘のようなものがなかったのが残念。『ラブ・アクチュアリー』のような手応えを感じたかったかなぁ。


「めぐり逢って」
ジュリアに一目惚れしたトンマーゾ。

「すれ違って」
倦怠期に入ったマルコとパルバラの夫婦。

「よそ見して」
夫の浮気に気づいた婦人警官のオルネッラ。

「棄てられて」
妻に逃げられた小児科医ゴッフレード。


1話目のトンマーゾはちょっとビミョウだった。お調子者キャラは楽しいけれど、こんな軽薄男はイヤだなぁって思うわけで。ストーカー行為も嘘も若気の至りで笑って許せるところ、つきあい始めるところまでで終わってくれたらよかったのに、結婚までいっちゃうのはどうもノーテンキ過ぎて、共感度が薄まり・・・。

2話目の中年夫婦の気持ちのすれ違いぶりのコミカル描写はなかなかツボでした。夫のうんざりぶりがよかった。とシニカルな笑いを楽しみつつ、問題から目をそらさずに倦怠期にも2人できちんと向き合うイタリア人ってすばらしいなと思ったり。

3話目の婦人警官のプライベートのイライラを仕事で発散の図もおもしろかったー。真面目に見たら許されないことなのだろうけど、女子的には痛快な職権乱用ぶり。この容赦ない逆襲を見ているから、彼女の夫の浮気の悲劇も気楽に笑って見てしまうことはいいのか悪いのか・・・。

4話目の小児科医のふんだりけったりぶりも笑えた。「恋愛マニュアル」の本がせっかく登場するのに、それほどに物語上のキーアイテムとして活躍しなかったのは残念な気もしたけど、本だけじゃなくて出会いによって、1話目との繋がりがもたらされたことは粋。その反面、繋がりがある構成の方がいいよって思っていたくせに、その出会いはちょっと出来過ぎ・都合よすぎやしないかというふうにも感じられてしまったんだけどね。まぁ、いいか、ハートウォーミングな帰着。海辺のレストランってステキ。

恋愛にまつわるエピソードや思いは、マニュアルが作れてしまうほどに皆が似たり寄ったりの体験をするもの。それでいてやっぱり、マニュアル通りにうまくいくものではなくて、意外な展開があるのが人生なのね。
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by CaeRu_noix | 2007-07-25 07:15 | CINEMAレヴュー | Trackback(16) | Comments(6)
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Commented by めかぶ at 2007-07-25 09:49 x
こんにちは♪
微妙にオムニバス。しかもラブストーリーでイタリアーン!観る気満々で公開を待っていました。
ちょっと期待しすぎたかなー。(笑)
いや十分楽しかったんですけど、私も「ラブ・アクチュアリー」の時のようなたくさんの愛の物語てんこもりのハッピー感を最後に感じたかったんだけどそこまでいきませんでしたわ。しっとりとした静かな幸せ感もあれはあれでいいんですけどね。

恋愛に対するイタリアーンの情熱、ストレートさって日本人とは対極的にあるような気がします。私なんかその典型的なもんで、こんなことしたら嫌われるとか返ってくる反応が怖いとか守りに入っていい子になってしまう。問題にする前に自己解決。って、本当は何も解決になってないのにね。
こんなに真っ直ぐにできたら気持ちいいだろうなー。羨ましくなってしまう可愛くて愛すべきイタリアーン。(笑)
Commented by マダムS at 2007-07-25 20:44 x
ロマンチックな恋愛ものを連想するような日本側の宣伝の仕方でしたもんね、勘違いして観に行く若いカップルなどいるんじゃないかな~と心配でした~ こんなにコメディ色強いとは思わんよね(爆)
とはいえ、イタリア人にとっては幾つになっても大問題な「愛」
逞しきイタリアンのドタバタ恋愛劇は、ちょっと昔のイタリアン・コメディに近くて懐かしい気さえしましたよん♪ 各エピソードのタイトルも 字幕監修の大石さんの仕事でしょうか、小粋に生まれ変ってまして、2度目も楽しく鑑賞しました。 
Commented by CaeRu_noix at 2007-07-25 23:59
めかぶ さん♪
私は予告をちゃんと観たことがなかったんだけど、予告が流れるたびに笑いが起こっていたので、どんな笑えるシーンが織り込まれているんだろうと思いきや、全編に渡ってコメディ色の強力な作品だったということにようやく気づきました。オムニバス形式っていうことも知らなかったんです。いろんな意味で予想外。で、そうなの。期待はずれというわけでもないんだけど、想定したほどに胸キュンのなかった映画でした。ラブストーリーなわりに。複数の物語が絡み合うのならば、ラブアク的な満足感を求めてしまいますよねー。最後は最後でよかったんだけど、いきなり転調されても、スッとしみじみトーンにはハマりきれずでした・・・。
という物足りない感はあったものの我々日本人は学ぶことが多かったですよね。(笑)ホント、日本人って、内側に向かいすぎだとつくづく思います。自分勝手、わがままをぶつけるだけなのはいけないだろうけど、時にはこういうふうにまっすぐに相手に本音をぶつけることもよりよい効果をもたらすものかもと思わされました。イタリア人を見習おうー
Commented by CaeRu_noix at 2007-07-26 11:46
マダムS さん♪
私はあんまり宣伝は気にしないし、予告も観ないのですけれど、ジャスミン・トリンカちゃんの名前や顔が目に付いていたので、初めはてっきりその若いカップルの物語だと思っていたんですよ。その後、マダムの記事に、中年カップルのお話が多いっていうような文を見つけて、さて、それはどういう意味だろう?サイドストーリーがあるのかなぁとボンヤリ考えたんですよ。そして、そして、ようやく劇場鑑賞して、リレー方式の四つの物語構成だと知りました。すっきり。どうせなら、20代、30代、40代、50代という構成がよかったかもー。
ちょっと昔のイタリアン・コメディっていうのは私はたぶん全然知らないんですよねぇ。イタリアといったら、フェリーニ、ベルトルッチ、トルナトーレでした。その後で知ったモレッティにはそういう要素があるのでしょか。あと、ベニーニ、踊れトスカーナ。
あのまくしたてるイタリア語をコンパクトに訳して字幕化するのはさぞ大変だったでしょうねー。字幕の日本語は笑えて自然でしたー。
Commented by margot2005 at 2007-08-01 01:17
こちらにもお邪魔を...
コメディって二度見ると笑えないということを実感しました。
一度目は笑いまくりでしたのに...
それぞれに面白いエピソードでしたが、婦人警官と小児科医バージョンは実に面白かったですね。
しかしこういった笑えるイタリア映画は日本人には受けないのでしょうかねぇ??
Commented by CaeRu_noix at 2007-08-01 11:20
margot さん♪
わはは。そうですか。
マダムSさんは二度目も楽しまれたようですけど、margot さんはそうはいかなかったんですね。ああ、でも、確かに、舞台で鑑賞済みの「プロデューサーズ」を映画で観た時、そのギャグをあまり笑えなかったです。そうかも。
笑えるイタリア映画ってちょっと新鮮でした。コメディ好きな人ならこれも気に入るんじゃないでしょうかね。私はもうちょっとテンション低めの方が好みだったかな。
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