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「ヤスミン・アハマドとマレーシア映画新潮」 鑑賞メモ
2007年 08月 05日 |
注目のヤスミン・アハマド監督作品などマレーシア映画を観ました。



去年の第19回東京国際映画祭で、特集上映されていた4本のうちの1本『グブラ』(ガブラ)を鑑賞し、エラく感銘を受けて、その名前を深く心に刻み込んだマレーシアの女性監督ヤスミン・アハマド。ああ、他の3本も観たかったなぁと思い、またどこかで観る機会のあることを待ちわびていたのですが、意外にも早くその願いが叶いました。
「日本マレーシア友好年」ということで、7月31日~ 8月4日、国際交流基金によって 「ヤスミン・アハマドとマレーシア映画新潮」が開催されました。待ってましたな素晴らしい企画にでかけてきました。
未見のヤスミン・アハマド作品3本と他のマレーシア映画3本を鑑賞ー。
3回券で@700円也。プライスも安みんー。
アテネフランセは前の人の頭が邪魔になりがちなのが難点ですがー。


--ヤスミン・アハマド監督作品--

▼『ムクシン』 Mukhsin 2006
オーキッドは10歳、ムクシンは12歳。学校の休暇中に出会った二人はすぐに親友になるが、やがて恋する季節が訪れて。友情と恋のはぎまで揺れる思春期の輝きを描いたヤスミンの最新作。ベルリン国際映画祭でも好評を博した。(TIFF上映時の邦題『マクシン』を改訂)

▼『細い目』 Sepet 2004
“金城武命!”のマレー系少女オーキッドと、露店で香港ビデオを売る華僑少年ジェイソンの初恋の物語。2005年の東京国際映画祭で最優秀アジア映画賞を受賞するなど、ヤスミンとマレーシア新潮を一躍世に広めたシンボル的傑作。

▼『ラブン』 Rabun 2003 /Betacam
CM業界から映画界へ転身したヤスミンの記念すべきデビュ一作。定年を迎えて田舎町を離れた父と母の姿に娘オーキッドを加え、家族の肖像をコミカルに描く。オーキッドの年代記としては『細い日』と『グブラ』の間に位置する。


オーキッド・シリーズを堪能。オーキッドの物語というか、常にオーキッド一家の物語なのですね。恋愛は自分と相手とでするものだと思っていたふしがありましたが、オーキッドの場合は恋の歓びに浸る時も、哀しみに直面する時も、常に温かく見守り包み込む家族の存在があることが印象深いのでした。恋を描いた映画のようで、いわゆるラブストーリーとは違う感慨があるのは、両親とお手伝いさんの存在があるからで。勝ち気で元気なオーキッドがこんなにも素直で魅力的なのは、両親の大らかな愛情に包まれているからなんだなぁと思わされました。歳をとっても無邪気にじゃれ合ってラブラブな夫婦の両親が微笑ましい。ハタから見たら、ギョッとしてしまう光景かもしれないけれど、そこに幸せが育まれているんだなって。ドライブに行くと、車の中で声を合わせて歌を歌うことが当たり前になっている。笑いの絶えない素晴らしき陽気な家族。

そして、マレーシアという多民族、多宗教、多言語の社会で、その垣根を取っ払おうというアプローチにはやっぱり心打たれます。「細い目」というタイトルの意味を初めて知って、その着眼点がすばらしいなぁと思いました。そうそう、なんで色が白いことは格上なイメージになっているんでしょう。それぞれの民族が、なんとなく自然に他を敬遠して、時には差別していることを具体的に知ることは興味深く、でもそれは個人と個人のコミュニーションによって、簡単に取り払えるものだということも同時に知ることができるのでした。と傍観者の日本人な私は思うのだけど、マレーシアではこんな切り口の映画は検閲に引っかかってしまうらしいですね・・・。

デビュー作の『ラブン』に比べて、『ムクシン』はより演出が洗練された印象が強いです。『ラブン』はお母さん役の人がちょっと好みじゃなかったなぁ。オーキッドに似ている顔立ちの方がしっくりきます。『細い目』の恋する気持ちの高揚感の描写もステキだったけど、『ムクシン』の恋愛未満の気持ちを繊細に切り取ったみずみずしいタッチもとてもよかった。田舎を自転車で走るシーン、凧揚げのシーン、12歳の少年がオーキッドに会う前に着替えて髪に櫛を入れているシーンにはグッときました。

とオーキッド・シリーズを通して、ヤスミン・アハマド監督が描こうとしているものがより見えてきた気がします。それぞれの面白さがありましたが、私は去年観た『グブラ』が一番ツボだったかもしれません。オーキッドの物語はこれで打ち止めのようですが、これからもヤスミン・アハマド監督作品は追いかけて行きたいです。


--他--

▼『グッバイ・ボーイズ』 Goodbye Boys 2005
監督: バーナード・チョーリー
ボーイスカウトの課題で100キロ走破に挑戦する17歳の少年たちを描く青春群像劇。さまぎまな困難を乗り越えて大人へと成長していく。チョーリーはマレーシア新潮きっての論客で、批評家・脚本家から監督に転身した。

▼『鳥屋』 The Bird House 2006
監督: クー・エンヨウ(邸涌輝)
マラッカの旧市街に建つ家屋の継承をめぐって性格や学歴の異なる兄弟の意見が対立する。保守と刷新の間で揺れる家族の姿から近代化を問う、新人監督クー・エンヨウのデビュー作。

▼『愛は一切に勝つ』 Love Conquers All 2006
監督: タン・チエイムイ(唐翠梅)
地方からクアラルンプールに上京した純朴な少女アー・ピンがたどる恋と転落の物語。女性監督タン・チエイムイは本作でデビューするや、釜山とロッテルダムでグランプリを連続受賞する快挙を成し遂げた。


TIFFの時に気になっていた作品など。
これらは皆、Betacamで撮られたもので、その自然で躍動感を感じる映像がいいなと思える部分と、映像の奥行きのなさが気になってしまう部分とがありました。そんな撮り方を活かして、とにかくナチュラルな空気が魅力的でした。

去年釜山とロッテルダムの映画祭で受賞していた 『愛は一切に勝つ』はとても観たかった作品でしたが、これはとりわけ気に入りました。スタッフのプロフィールを知らなくても、映画を観て、これは女性監督の作品に違いないと確信してしまうのでした。何ら説明的ではないんだけど、少女の心の機微がとても丁寧に描かれているから、その展開に見入ってしまいました。男にせまられている時は素っ気なく振る舞っていた彼女の態度が徐々に変わっていく様は実にリアルでした。言葉は決して多くはないのに、わかるなーって思ってしまうさりげない描写の一つ一つがよかったです。
正しさや愚かさとは関係なく、当事者の女にとっては、愛は一切に勝つものなのです。


と満足度の高い特集でした。がんばれマレーシア映画ー
.
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by CaeRu_noix | 2007-08-05 14:40 | CINEMAレヴュー | Trackback(5) | Comments(17)
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Commented by kusukusu at 2007-08-06 10:53 x
マレーシア映画が突然、身近になりましたね。
僕はヤスミン・アハマド以外の作品まで追いかける余裕はありませんでしたが、今回、『グブラ』『ムクシン』を見て、アハマドの4作品をフォローすることが出来ました。
おっしゃる通り、オーキッドものは背景の家族がいいんだろうな。お手伝いさんとの関係にも主従関係の気難しさはなく、フランクで、笑いが絶えず、女上位の家庭。とにかく女性がたくましく、生き生きとしていて。アハマドが実際に育った家庭をモデルにしているようですが、これはマレーシアでもかなり変わった家庭ではあるんだと思う。イスラム教の家庭というののイメージを打ち破るものがあると思うからです。イスラム教というと女性に対する戒律が厳しいというイメージがあるので。政治的な題材の映画でもないのに、マレーシアでアハマドの映画が問題視されることがあるのは、そこらへんにイスラム教から逸脱しているとみなされるところがあるからなのでは?
Commented by kusukusu at 2007-08-06 11:06 x
そうした家庭に育ったから、オーキッドは男関係でも決して男に従い泣いているばかりではないから、たくましくて、すがしがしさがあって。『グブラ』で、浮気している夫が悪いんだけど、オーキッドだってちゃっかり浮気していたんだし、愛人の前で非難を言わせるあたりのたくましさ(オーキッドのほうが男より上手というのか)に微笑んでしまいました。
おっしゃる通り、『ラブン』と『ムクシン』を比べると、『ムクシン』のほうがより描いている世界がはっきりとしてきてよく出来ているように思うんですが、『ラブン』に含まれているいろいろな要素が後の作品でくり返されて出てきたりしている点が興味深く思います。(シャワーを夫婦で浴びるという、オーキッドの両親と自身の家庭を象徴する話とか。)それが処女作ということなのでしょうが。
それから、オーキッドものは4作とも、パターンをくり返しているわけではなくて、それぞれ趣向が違ったりする点も面白い。『グブラ』などは半分はオーキッドものですが、残りの半分は全然、関係ない人達の話でしたからね。
Commented by kusukusu at 2007-08-06 11:07 x
僕は、最後にそれぞれのエピソードが絡むのかと思ったのですが(たとえば『クラッシュ』みたいに)、結局、絡まないで終わってしまう。(もちろん、テーマ的には「祈り」という部分で重なっているわけ
ですが。)ずいぶん、大胆な群集劇のつくりだと思いました。

次作はオーキッドものではないようですが、『グブラ』のオーキッドものでない半分の部分が発展していくのかもしれませんね。
Commented by mako at 2007-08-06 14:34 x
こんにちはん。
わたしも去年見逃していた『グプラ』『ムクシン』みました。『細い目』は一昨年から何度かみているのでどうしてもそこ中心でみてしまうんだけれど、『ラブン』はちょっとだけ番外編みたいな感じもありますが、以降の2作は完ぺきであったりそれとなく思い出させたりと『細い目』に戻っていくようなつながりがあって、しばし涙腺をゆるませたオトメなわたしでした(爆)。オーキット・シリーズが終了して、次にどんな作品を撮ってくれるのか楽しみですね。
あと、『愛は一切に勝つ』も好きでした。
Commented by CaeRu_noix at 2007-08-06 18:17
kusukusu さん♪
突然身近になりました。去年の秋まではマレーシア映画を1本も観たことがなかったというのに。これで7本!(ツァイ・ミンリャン作品のロケ地がマレーシアだったことも思い出しつつ) そして、念願のオーキッド4部作鑑賞が達成できてよかったですよねー。
オーキッドのモデルというのは監督の妹さんなんですっけ?とにかく、監督自身の家族の物語が反映されているみたいですね。だから、ちょっと変わった面白おかしさもリアルに感じられるし、とても温かいです。イスラム教じゃなくたって、家庭でもこんなに女性たちが伸び伸びとしていることって珍しいかもしれません。でも、やはりムスリムゆえ、国ではそこが問題視されるのですかね。あと、やっぱりマレー系と中華系の恋愛もタブーらしいですね。オーキッド一家の当たり前の多くのことが、マレーシアの上の方々にはけしからーんっていうことなんでしょうか。お手伝いさんと家族のように付き合っちゃうっていうのもステキです。それは宗教に関係なく、なかなか実現し得ないことだからこそ。
Commented by CaeRu_noix at 2007-08-06 18:17
オーキッドの豊かな感情表現はとってもチャーミングだと思います。ハリウッド映画のロマコメ女優が、表情豊かに笑ったり泣いたり怒ったりするのを見ると、もうちょっと内に秘めろよーって思いがちな私なのに、オーキッドの素直さはホントにカワイイなぁと思いました。その勝気さたくましさもみな微笑ましいですよね。
そうそう、デビュー作の『ラブン』で登場したエピソード・要素が後の作品で登場したのが興味深かったです。(キム・ギドクの鰐を観た時と同じように)
オーキッドはとにかく魅力的なんだけど、恵まれた家庭環境あってこその輝きということなのかなぁと思ってしまうとちょっと寂しい気もするので、次に『グブラ』のような構成にしたのはよかったと思えました。グブラの方が二つの家族が描かれていたこともあり、私にはテーマが多重に響いてきたので、絡まないで終わることに肩透かしを感じたりはしなかったんですよね。
次はどのような人たちが主人公になるのか楽しみですねー。
Commented by CaeRu_noix at 2007-08-06 18:19
makoさん♪
おおお、makoさんも行かれたのですねー。
やはりやはり『細い目』が原点という感じなんでしょうかね。私は今回は、去年観た『グブラ』は外したのですが、『細い目』を観た後には、やはりもう一度観たくなりましたよ。回想シーンももっとグッとくるに違いないー。細い目の記憶があってこそ、次の作品もより楽しめるという感じですね。オトメなmakoさんの泣きポイントはどこかしら。順序は違った私だけど、ムクシンのエンディングのナレーションは、その後のオーキッドを知っているからこそ、グッときましたわ。私の涙ポイントは、ムクシンのデートの支度風景だとか凧揚げだとか、細い目の詩のシークエンスだとか、いろいろありますた。
きゃー、『愛は一切に勝つ』もよかったですよね。嬉しいですー。きゅんきゅん。
Commented by umikarahajimaru at 2007-08-06 20:45 x
やっぱりいらっしゃいましたか。
アテネ・フランセなわりには、女性のお客さんが多くて、シネフィルな感じはしませんでしたね。
Commented by CaeRu_noix at 2007-08-07 12:01
umikarahajimaru さん♪
行きましたとも!umikarahajimaru さんもいらっしゃったんですね。
そうですね。女性の比率は結構高かったかもしれません。受講生なのかなと
思える若い人たちも見かけるし。ニューウェーブなんていうのは、巨匠監督ものよりはシネフィル指数は低いのかもしれませんね?
Commented by umikarahajimaru at 2007-08-07 22:47 x
コメント&TBありがとうございました。
ヤスミン・アハマド監督のインタビュー記事を訳したものもアップしましたので、よかったら覗いてみてください。
Commented by CaeRu_noix at 2007-08-08 01:19
umikarahajimaru さん♪
ありがとうございます。拝見させていただきますー。
監督はホントにステキな方だそうですねー。
Commented by y at 2007-09-01 01:57 x
かえるさん、一ヶ月遅れのコメントです。自分は田舎にいて一度も東京へ行けなかったのですが、満足度が高かったようで、何よりです。「細い目」は、クアラルンプールで初公開された時、KLCCにある映画館で見たのですが、マレー系、中国系、インド系、様々な人種の観客が見に来ていて、一つ一つの場面に生き生きと反応していました。その中で見るのは実に楽しかったです。感激して、見終わった直後、もう一度切符売場に走ったくらい! <<全席売切でした。

「色が白い」云々ですが、「Boys in the Hood」などのCMを見ても感じるのですが、ヤスミン監督は、東南アジアの、多文化社会という、自分たちのありかたを、大切にして、発展させようという考えを持っていらっしゃるのじゃないでしょうか。御両親は音楽家だそうで、いつも世界中の多様な音楽を巧みに使うのは、その影響もあるのでしょうね。「細い目」は、自分の若い頃の経験にもとづいていると、おっしゃっていました。違法コピーを売る少年は、闇社会とつながっていて、結局、彼とは結ばれなかったそうです。 

検閲にひっかかり、
Commented by y at 2007-09-01 02:03 x
映画館で上映する時にカットされたのは、オーキッドのお父さんの着物がずり落ちてパンツ一つになる場面や、「all malay are lazy」という台詞などです。VCDでは、それらの場面もカットされず、そのまま販売されています!

「ムクシン」のたこあげの場面は、あの二人(に似た夫婦)が登場し、幸せそうだったのが、印象的でした。来週、あいち女性国際映画祭でも上映されますね。

幾つかのテレビ・コマーシャルも傑作だと思います。
http://www.leoburnett.com.my/creative_petro.htm
「グブラ」の中の、病人同士の会話は、「Param`s Bicycle」を参照しているのではないだろうか?

ヤスミン監督は、おばあさんが日本人だそうで、片言の日本語をしゃべりますが、なまりが無くて、とても自然な感じがしました。新作の「Muallaf」は東京で十月にプレミア上映するとはっきりおっしゃっていたので、その時、再来日すると思います。少しでも知名度があがりますように!
Commented by CaeRu_noix at 2007-09-01 21:11
y さん♪
おかげさまで念願のオーキッドシリーズが鑑賞できてよかったです。できればもっと大きいスクリーンで観たかったです。なんて贅沢を言ってはいけませんね。
マレーシアに行ったことがなく世界の都市事情も知らない私は、「KLCC」というのを検索してみて初めて知りました。クアラルンプールで暮らす様々な人種の人達と一緒に鑑賞したなんてステキですね。部外者の私だって、いい映画にはいくらでも共感するところはありますが、マレーに住む人達は細かい部分でより楽しめて感慨深いのでしょうね。
「細い目」は、監督ご自身の経験がもとになっているんですか。作り話なんかじゃないから、こんなにみずみずしくてリアルな感情が掬い取られるんですね。観る前は、女性の方(つまりオーキッド)が先に恋におちる物語なのかとなんとなく思っていたら、実際は熱く惚れられる側だったわけですが、それが実体験に基づいているというのは、さすがという感じです。
多文化社会ではやっぱり異文化をもつ民族同士がよい感情を抱いていないんだなぁという一面を知ることも興味深かったですし、その壁をなくそうとしている監督の思いが随所に表れていてとても感動的でした。
Commented by CaeRu_noix at 2007-09-01 21:16
y さん♪
若い頃からそういう経験をしていただけのことはあります。
そして、監督のおばあさんは日本人なんですか。さらにインターナショナルですね。御両親は音楽家とは芸術一家なんですね。ごく自然に世界全体を分け隔てなく見つめる目線をもって育ったということでしょうか。
テレビ・コマーシャルの紹介もありがとうございます。
新作の「Muallaf」も楽しみですね。ヤスミン監督の知名度はシネフィルさんの間では徐々に上がっているんじゃないでしょうかね。myブログの検索ワードにもヤスミン・アハマドというのが25件くらいありました。こちらを読んでくれた人は次回ヤスミン作品をチェックするに違いありません。(笑)
興味深いお話をありがとうございました。
Commented by y at 2007-09-03 00:19 x
かえるさん、KLCCというのは、クアラルンプールにある、ショッピング・モールや、映画館などのある場所です。慣れていないので、ごく少数の人間以外には、分からないことを書いてしまいました。どうかお許しください。

スクリーンが小さいと、迫力が無くて、つまらないですね。でも、首都圏では色々な映画が見れてうらやましいです。昔から特集上映や映画祭は東京に集中していて、首都圏と地方では映画を見る環境に違いがあったのですが、最近はその格差が以前の何倍にも大きくなったように感じます。

オーキッドは、先に恋に落ちないが、熱く惚れられる、というかえるさんの解釈は(自分と少し違うけれども)面白かったです。期待と違っていたのですね。

「グブラ」「細い目」には、宗教、民族、文化の違いによって生まれる誤解、偏見の壁を乗り越えようという気持ちを強く感じました。「ランプは違っても、光は同じ」とか。でも、そういう映画って少ないですね。他の主題の秀作なら、いろいろ公開されますが。

タン・チュイムイ(陳翠梅)さんも、これからが楽しみです。
Commented by CaeRu_noix at 2007-09-04 00:47
y さん♪
KLCCは検索してすぐわかったので問題なしです。クアラルンプールってこんなに大都会だったとは、知らなかった私です。
アテネフランセの特集は素晴らしいものが多いのですが、映画鑑賞する施設としてはかなり寂しいものがあります。とはいえ、上映されるのはありがたいです。東京はそういう点では本当に恵まれていますよね。地方都市のミニシアターでもがんばっているところはあるみたいですけど、やっぱり本数は全然違いますもんね。最近になって格差が広がったというのはちょっと残念ですね。

宗教・民族・文化の壁を取っ払おうっていうようなテーマの映画がそもそも大好きな私なので、もちろんヤスミン監督作もそこに感動し、気に入ったという感じです。初恋の瑞々しい感情を切り取った作品という意味では、『細い目』はそれほどに私の心に響いたわけではなく(そういう恋ものという部分では劇中に登場した『恋する惑星』の方がツボ)、やっぱり差別や偏見をなくしたいという思いにグッときました。『グブラ』もまずはそこでした。
私はそういうテーマの映画が好きなので、多く観ている印象なんですが、全体的には少ないのでしょうかね。
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