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『長江哀歌』 三峡好人
2007年 08月 31日 |
雄大なスケール感、大らかな視点。

ダム建設が進む長江の山峡。古都・奉節(フォンジェ)を舞台に綴られる二人の男女の物語。16年前に別れた妻子に再会するため、山西省からやってきた炭鉱夫サンミン。2年間音信不通の夫を探しに、やはり山西省からやってきたシェン・ホン。



今年のヴェネチア国際映画祭が開幕したばかり。本映画祭はアジアの作品の評価が高い印象があるのだけれど、中国の第六世代監督ジャ・ジャンクーは去年第63回のコンペティションにサプライズ出品した本作で、最高賞の金獅子賞に輝いた。そして、同じ去年のヴェネチア・コンペ出品作の1本であったイタリアのジャンニ・アメリオ監督の作品を私はイタリア映画祭で鑑賞したのだけれど、その『星なき夜に』(La Stella Che Non C'e/The Missing Star)もまた、現代の中国を舞台にしていた。主人公のイタリア人技術者の目線を通して、めざましい発展を遂げているようで決して足並みが揃ってはいない、中国という広大な国に横たわる問題を描写した、味わい深いロードムービーであった。

中国産の食品から有害物質が見つかるというニュースが相次いだ時、私はふと、その『星なき夜に』のこと思い出した。あの中国ならば、そんな問題も起こるべくして起こるかなと感じられてしまった。そして今、これからしばらくは、中国を思う時は本作のことを、雄大な長江をのぞみながらたくましく生きる市井の人々の姿を思い浮かべるのだろうな。淡々とした地味な映画なのに、とても力強くてジワリジワリと心に染み渡って浸食していくの。若者の焦燥感や孤独感を描いた青春ものがお得意だと思っていた30代のジャ・ジャンクーがもはやケン・ローチのような眼差しで、生を営む人々をじっくりと静かに見据えていることに感慨を受けた。中国のさ、何が問題かといったら、ジャ・ジャンクーの映画を国内で上映禁止にしていたことだよね。もったいないよね。経済がナンボ発展したって、厳しい検閲の大人げのなさには未来は見えないんじゃないんだろうか。それでも尚、地に足をつけて、自分の国の姿を映画に撮り続けて来たジャ・ジャンクーはカッコいい。

ラーメンマンも感嘆。中国4千年の歴史。まではいかないけれど、ここ長江の景勝の地、三峡は「三国志」の舞台にもなっており、2千数百年の歴史があるのだった。しかし、その壮大な美しい自然の風景が、ほんの100年弱の構想によるダム建設によって失われている。肥沃な地、川のあるところに文明が生まれて発達し、やがて文明によって川が変貌していくなんて、それは皮肉な結果なのか、当然の流れなのか。ダム建設によって得られるメリットがもちろん大きいからこそ、国はこの巨大プロジェクトを推進するのだろうけれど、その利において部外者である私は、このために立ち退きをさせられた130万人の人々のことを思い気が遠くなる。そこにあった町が人為的に水没してしまうなんてことが正しいことだとはなかなか思えない。だけど、その工事はとっくに始まっているのだから、今それを憂いでも仕方ない。批判的というのでもなく、同情的でもなく、ただ目の前にある大きなうねりをじっくりと捉えたジャ・ジャンクーに心寄り添いながら見つめて、少しせつなさを噛みしめるだけ。

物語の主人公は、それぞれに配偶者を探しに来た2人の別々の男と女。個人的な事情で行動する人間を中心におきながらも、この映画の主役はその限られた人物ではないようだ。彼らの奉節滞在を通して描かれる生きる人々全てが主人公であり、変わりゆく三峡と中国そのものが主人公なのだ。そんなふうに感じさせる静かなるダイナミズムに圧倒させられる。とりわけ、憮然としていてたくましい肉体労働者たちの姿が生命力にみなぎっていて素晴らしい。汗くさそうで汚そうで怖そうなおじさん、お兄ちゃんたちなんだけど、そのリアルな存在感はとてもインパクトがあった。人々はこうやって生きているんだよな。社会の移り変わりに翻弄される者、変化には動じずに目の前にあるものをただ受け容れるだけの者。幾多のドラマがある。その一面を切り取った庶民たち、労働者たちの日常の自然な描写のアクチュアリティにため息。世界はどんどん変わっていくけれど、「烟(タバコ)、酒、茶、糖(アメ)」でヒトトキの安らぎを得る人々の生の営みは変わらないものなのかもしれない。

原題の「三峡好人」とは、三峡の善人という意味で、資本主義社会では善人は生きづらいということを寓話的に描いたブレヒトの戯曲「セツアンの善人」からとられたのだそう。
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by CaeRu_noix | 2007-08-31 12:01 | CINEMAレヴュー | Trackback(25) | Comments(18)
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Commented by 風情♪ at 2007-08-31 13:35 x
こんにちは♪

中国のユルリとした人間ドラマは大好物だし、本作の作風も
悪くは無かったんですがどうも肌に合わなかったと言った感
じでモヤモヤとしちゃいました。
ジャ・ジャンクー監督作品初体験だっただけに残念でなりません…。
労働者たちがたむろする部屋の蒸し暑さや扇風機の動きに合わせて
体を動かす演出あたりはツボでした♪ (゚▽゚)v
Commented by やく at 2007-08-31 16:14 x
はじめまして。
TBさせていただきました。
万里の長城に匹敵するらしいですね、この三峡ダムの事業は。
中国ってところは、すごいこと考えますよね。
それにしても人々はコツコツ生きている。そんなギャップを見事に表現していると思いました。
ジャンクー監督の目の付け所がすばらしいです。
Commented by yanks at 2007-09-01 10:06 x
おはようございます。
コメント&TBありがとうございました。

実に「足に地をつけた」人たちが織り成す情景が心を打ちました。また、どっかと根を下ろした場所にあって、地面から足が離れて裕福な生活に傾く人間の安っぽさも見えるようでした。最後にハン・サンミンと仲間が乾杯し見送る場面は映画ひとつの回答だと思います。
日本でも以前は地方の近代化のために親の転勤で地方に来た子供と、昔から住む子供が一緒に学校で学ぶ中で、差別的な教育も多くあったと聞かされています。日本と中国は全く違うようでそうでもない...と思えたのでした。
Commented by シャーロット at 2007-09-01 10:30 x
こにちはー。
ご覧になられたのですね。かえるさんが高評価なのでうれしいです。
えええ、ジャンクーの映画って中国人は見られないのですか。
それはなんとも残念な事です。自国民をとっても広い心で見つめているのに。なるほど、ケン・ローチ的に見える気もしてきます。
変わらないもの。変わりゆくもの。静かに見つめる視線にグッときました。
ユーモア部分にまず反応しちゃった私ですが、かえるさんの記事でまた静かに感動したところを鮮明に思い出しました。ありがとですー。
「星なき夜に」・・・日程上の関係で見送ったのですが、見たかったなあと何気に後悔;

Commented by CaeRu_noix at 2007-09-01 15:55
風情 さん♪
モヤモヤしちゃう人がいるっていうのはわかります。
肌に合う合わないでいったら私の肌に合ったというでもないんですが、とにかく好き嫌いとは別に、監督のまなざしに共鳴しちゃったのでした。ため息の感銘。
ジャ・ジャンクー監督作品初体験でしたか。ジャ・ジャンクー作品は二度目鑑賞時の方がより味わい深かったりします。ヨーロッパの映画祭で評価される作品はこういう淡々系が多いので好みは分かれるのは仕方のないことです。
労働者たちの部屋の蒸し暑さの描写は見事でしたよね。いつもはジャジャンクー作品には埃っぽい乾いた空気を感じるんですが本作は湿度がありましたよね。
Commented by CaeRu_noix at 2007-09-01 15:56
やく さん♪
はじめましてではないですよん。
漢方薬剤師さんとは記憶の棘の時にやり取りしたかと。(^^)
ものすごいプロジェクトですよねぇ、これは。万里の長城をつくる際は技術も今ほど発達していなくてもっと多くの労役がかかったのでしょうけど、昔は統治者にそういったことを進める力があったわけですよね。現代ならば、鶴の一声では進められないはずなのに、反対の声があろうとも、130万人が住処を奪われようとも、やっぱり下々の者は抗いようがないというのは、万里の長城の頃と大して変わっていないんでしょうかね?
とにかく、抗えはしないけれどたくましく生きる人々をとらえた監督の目の付け所はすばらしいですね。
Commented by CaeRu_noix at 2007-09-02 00:42
yanks さん♪
それはなんてことはない日常なのかもしれないけれど、地道に暮らす人々、地に足が着いた人々の姿は胸をうつものがありますよね。狭い島国ニッポンだって、大いに格差社会で、マネーゲームで大もうけして高層マンションに暮らす人と日雇いの肉体労働しながら住む場所もない人がいたりするわけですが。広大な中国もまた、上海のような大都会とこういった肉体労働をする人たちでひしめき合う奉節のような地が同じ国だということが信じがたいほどの差のある光景。命の危険を承知の上で働く彼の姿はつらいけれど、その仕事は誰かがやるんですよね。それがシステム。
日本もそういう仕組みの上では大きく変わらないですよね。差別的な教育があったというのは知りませんでしたが。
Commented by CaeRu_noix at 2007-09-02 00:44
シャーロット さん♪
ああ、すみません。ジャ・ジャンクーの作品はずっと中国では上映禁止だったみたいですが、『世界』はちゃんと上映されたようです。だから、もうブラックリストからは外されたのかな?本作も上映されているんじゃないでしょうか。こういう素晴らしい作品がその国の人に観てもらえないなんてもったいないですよね。
私が主によく観た中国映画というとチャン・イーモウあたりの作品だったので、庶民が時代に翻弄されながらひたむきに生きる物語っていうのは馴染みがあったんです。でも、それらはもっと過剰にドラマチックだったんですよ。だから、ジャ・ジャンクーのような静かに大らかに社会や人間を見つめる眼差しはわりと新鮮だったんですよね。
ユーモアというのも、それと気づかないほどに当たり前のように受け止めました。あの変なカタチの安定感の悪そうな建物、なんか妙だなーって思って眺めていたら、発射して空に飛んでいったので、好都合だわって思ったりして。(笑) 観客をクスリと笑わせるために意図的に挿入したユーモアという感じではなく、思うままに撮ったら、ユーモラスな場面がいくつもあったというようなナチュラルな感触でした。
Commented by moviepad at 2007-09-02 08:01 x
かえるさん、おはようございます
この映画で一番印象的なのは、やっぱり霧がかった長江の映像で
人間ひとりひとりの想いなんて簡単に飲み込まれていきそうです。
また人の性格とか感性とかは住んでいる環境に大きく左右されるんだなと改めて感じました。
見終わった後、妙に不思議な沈殿物を心に残してくれる作品。
うーん、この映画の世界を言葉で表現するのはとても難しいですね(笑)今年のベスト作品の1本になりそうです!
Commented by latifa at 2007-09-02 08:51 x
こんにちは、かえるさん。
>『星なき夜に』(La Stella Che Non C'e/The Missing Star)
という映画は、知らなかったです。すごく見てみたい気持ちになっちゃいました。
この映画、評価が分かれている映画みたいですが、私は面白くみました☆
Commented by CaeRu_noix at 2007-09-03 00:38
moviepad さん♪
霧がかった長江は印象深いですよねー。山水画のように撮ったということですけど、まさにそんな美しさでした。船の上からだとか川上から見る景色がとにかく見事で心に残っています。雄大で美しい様を目の当たりにするほどに寂しさもこみ上げますね。とても複雑な気持ちになりますよね。
そうですね。人は環境で作られる生き物ですよね。状況に応じ、順応し、強くなっていくものなのでしょうか。その強さに対してもまた、複雑な思いが残り・・・。本当に一言では語れない世界ですね。とにかく余韻の残る多様に味わい深い作品でした。金獅子賞も納得です。
Commented by CaeRu_noix at 2007-09-03 00:39
latifa さん♪
『星なき夜に』はイタリア映画祭の上映作品だっただけなので、あまり知られてはないと思います。私はこのジャンニ・アメリオ監督のロードムービーが好きなのですかさずチェックしたのですが。こちらもわりと淡々としていて、テーマがわかりやすい感じでもなかったんですけどね。一般公開の予定は今のところないのかな。
ジャ・ジャンクーの作品は広く一般ウケはしないと思いますが、その才能を絶讃している人も多いですよね。楽しめてよかったですー。
Commented by まてぃ at 2007-10-13 12:31 x
こんにちは。
なんというか、地に足をつけて中国の今を切り取っている感じがしました。そこで生活する人たちの存在感は抜群でしたよね。
Commented by CaeRu_noix at 2007-10-14 00:49
まてぃさん♪
今の中国のリアルが伝わってきましたよねー。ごく自然、それでいてダイナミックで詩情にもあふれ美しく。素晴らしい作品だと思いますー。
そこで暮らす素朴な人々の姿はホントに印象的でしたー。
Commented by 狗山椀太郎 at 2007-11-01 21:56 x
こんばんわ。
中国の事情についてはよく分かっていないこともあって、アメリカ以上に「でかくてつかみどころのない国」という印象を持っています。ともあれ、かたや高度経済成長、かたや環境・景観の破壊、そういう中国のポジティブ&ネガティブな側面を上手く切り取って映し出している作品ですね。ナレーションがつけばドキュメンタリーにもなりそうな映画だと思います。
そうそう、肉体労働をしているオッサン達の姿も印象的でした。あの黒光りした皮膚を見ていると学生時代の夏休みに工事現場で警備のバイトをしていた時のことをふと思い出したりします。主人公を別れの杯で送り出す場面は、むさ苦しくて汚らしいのに不思議と嫌悪感はなく、むしろ親しみを覚える微笑ましい情景でした。
Commented by CaeRu_noix at 2007-11-03 10:32
狗山椀太郎 さん♪
つかみどころのない国ですよねぇ。自分はその一部しか知らないんだろうなって思います。映画では古い時代か文革の時代を描いたものを観る機会が多かったので、こうやって今の中国の一面を見せてもらえるのは興味深いですよね。こんだけ広くて人口が多かったら一筋縄でいかないのは当然。エネルギッシュでありつつ、やっぱり多くの問題を抱えているんだなぁという印象です。もともと他のドキュメンタリーを撮っている時にこの題材に興味をもったということなので、本作自体もアクチュアリティに満ちたドキュメンタリーテイストの作品ですよね。で、その元になったドキュ作品が今月の東京フィルメックスで上映されるのですー。
おお、警備員のバイトをされていたのですか。いわゆる現場で働くオジサンたちってwhite-collarの人々と全然違いますよね。同じ年代なら肉体を酷使しているはずの彼らの方がくたびれていないという印象。ジャジャンクーが興味をもったのも納得の一種の魅力があると感じられます。別れの杯のシーンはよかったですよねー。
Commented by 真紅 at 2008-06-17 09:25 x
かえるさん、こんにちは。
この監督の作品を初めて観たのですが、今までは青春モノを撮っていたのですか。
本国で上映禁止なんて・・・。なんだかなー、ですね。
労働者たちがほとんど裸同然、ヘルメットさえ着けてないのに驚きました。
中国は本当に、急激に変化しているのですね。。
でも、そこにどうしても「歪み」を見てしまいますね。
スクリーンで観たかったと思う映画でした。
他の記事にもコメントしたいのですが、また来ますね。ではでは!
Commented by CaeRu_noix at 2008-06-18 00:42
真紅さん♪
初鑑賞おめでとうございます。21世紀の重要な監督の一人ですものー
そうなんです。これまでの作品は若者が主人公で青春もの寄りでした。
上映禁止に関しては、今はもう解除になっているもようです。
過去の作品『青の稲妻』の中に、次のオリンピックの開催地が北京に決まったことがニュースで流れるシーンがあったりするのですが、そういったことについても冷静に見つめているジャジャンクーの立ち位置はいつも気になるのです。
国土も広いし、人口も莫大な国ですから、めざましい発展といっても、一体となっているわけではもちろんないのですよね。
日本以上に格差があるのでしょうし。そう、「歪み」がありますよね。
中国はどこへ向かうのでしょうかー。
ええ、ジャジャンクー作品は劇場鑑賞必須ですよー♪
過去作品もよろしければどうぞご賞味あれー
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