かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『題名のない子守唄』
2007年 09月 25日 |
Heavyゆえに心揺さぶられる上質ミステリー。

遠くから北イタリアのトリエステにやって来たイレーナは、とある高級レジデンスに向かい、そこで仕事を求めた。



子守唄なんていう邦題に騙されてか、なんだかんだいってもいつものトルナトーレ風味のものをイメージしていたのでとてもHeavyでHARDな物語であることにドキリ。もちろんミステリーということで、これまでのドラマとは違うタッチなのかなとも考えたのだけど、こんなにめいっぱいのスリラーだとは思いもよらず。というわけで、しみじみドラマな味わいではなく、ミステリーとスリルに釘付けになるという楽しみ方。それでいてじわじわとあぶり出されていく真実から見えるものに心揺さぶられる終盤。

トルナトーレといえば故郷の素朴なシチリアが定番だったけれど、やや遅れていた南部に比べて豊かで洗練されている北部の街が今回の舞台。トリエステから来た女じゃなくて、トリエステに来た女というそれだけで、ミステリアスで冷たい空気が漂う感じ。そして、物語に合わせてか、モリコーネの楽曲も驚くほどに激しいではないか。見事に美しい調べなんだけど、主張が強すぎて、不安感を煽るのは効果的だと思いつつも、圧倒する音楽には時々疲れてしまった。

ミステリーな物語にはとにかく引き込まれる。マレーナの優雅さとは大違いでまるで取り憑かれているかのように不審な行動をとるイレーナ。フラッシュバックによって、彼女は過去に凄絶な経験をしているらしいことがわかる。そのことが彼女の現在の行動にどうつながってくるのか、彼女の目的は何なのか、そんな疑問が交互に浮かびながら、イレーナの挙動から目が離せない。時には危険な行動をとったり、ショッキングな残酷な行為に踏み切るイレーナ。何が彼女をそうさせるのか。断片が見え隠れして、その謎に引っ張られ続けた。ミステリーでも確かな演出力。

テアはきっと彼女の・・・っていうことは物語の途中で、誰もが推理することだと思うから、アダケルの名前を知った事情が解き明かされた時のショックといったら・・・。これだけのことをしてきたというのに・・と、あまりにも皮肉な現実に呆然としてしまう。だけど、全てを揺るがす真実が顕わになるというのは物語の顛末としては極上かもしれない。この世界の不条理に心揺さぶられ、人間の業について思いを馳せてみたりして。

真実が見えてくるにつれ、人間のバイタリティ、女の強さを思って心震える。平穏に暮らす私たちには到底真似できない彼女の行動だけど、道徳的な正しさなんて顧みずに、たった一つの理由に突き動かされてまっしぐらに進むその姿には圧倒される。あれほどの痛ましい体験をして、大切なものを失った彼女なら、もはや他に守るべきものも、生きる意味もないんだろう。1人の女の人間性がそこまで失われ、追いつめられてしまったことが歯がゆい。

物語をおもしろくするための素材に過ぎないという感じでもなく、この世界の問題が描かれていることもポイント。ヨーロッパの裏社会ものには、売春をさせるために東欧から女たちを連れてくるなんていう描写が時々あったことを思い出し。貧しい国の女性たちがこういった組織の下で酷い扱いを受けていることって現実にあるんだろうな。赤ん坊の売買もそうだろう。でも、その両方がつながるというのは知らなかったからショック。悪の組織が金のために女性性を食い物にして、非人道的な行いを繰り返していることが本当に怖ろしくも腹立たしい。

そんなふうに女性性が傷つけられ汚されているという怖ろしい事態があっても、女はやっぱり強き母なのであった。事実がどんなに皮肉であっても、そのまっすぐな強い思いは確かにあるんだもの。そして、それに応えてくれる笑顔にはやっぱり感動。痛々しい人生が少しだけ救われる瞬間が嬉しい。


が、母性そのものの描き方としては、『サッド・ヴァケイション』の方が心揺さぶるものだったの。

×題名のない子守歌
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by CaeRu_noix | 2007-09-25 08:05 | CINEMAレヴュー | Trackback(32) | Comments(20)
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タイトル : 題名のない子守唄
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Tracked from サーカスな日々 at 2008-06-15 22:43
タイトル : mini review 08304「題名のない子守唄」★..
『ニュー・シネマ・パラダイス』の巨匠ジュゼッペ・トルナトーレの監督最新作。北イタリアの港町を舞台に、忌まわしい過去を抱える美しきヒロイン、イレーナの愛と謎に満ちた物語を描く。イタリアのアカデミー賞ともいうべきダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で最多12部門にノミネートした話題作。ミステリアスなヒロインを、ロシアの実力派女優クセニャ・ラポポルトが演じている。すべての謎が明らかになり、感動がこみ上げるラストまで目が離せない。[もっと詳しく] 「ニュー・シネマ・パラダイス」から20年。あのコンビは哀しき母性...... more
Tracked from スワロが映画を見た at 2008-08-15 10:29
タイトル : 【DVD】題名のない子守唄
原題:LA SCONOSCIUTA/THE UNKNOWN WOMAN 製作年度:2006年 製作国:イタリア 上映時間:121分 監督:ジュゼッペ・トルナトーレ 原作:―― 脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ/マッシモ・デ・リタ 出演`..... more
Tracked from 或る日の出来事 at 2008-09-17 07:01
タイトル : 「題名のない子守唄」
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Tracked from サムソン・H・トマトマス.. at 2008-09-23 13:31
タイトル : 題名のない子守唄
     = 『題名のない子守唄』  (2006) = 北イタリアのトリエステ。 この街にやって来た一人の女性、イレーナ(クセニア・ラパポルト)。 ウクライナ出身という彼女の過去も、ここへやって来た理由も、誰一人として知らない。 やがて、彼女は貴金属商を営むアダケル家に近付いてゆく。 そして、偶然を装い、アダケル家のメイドになることに成功。 夫婦の一人娘テアの子守役も兼ね、次第に家族の信頼を獲得していくが・・。 {{{: 製作国/イタリア  Sc...... more
Tracked from シネマ・ワンダーランド at 2009-04-18 05:12
タイトル : 「題名のない子守唄」(La Sconosciuta)
「ニュー・シネマ・パラダイス」や「海の上のピアニスト」などの作品で知られるイタリアの映画監督、ジュゼッペ・トルナトーレが2006年にメガホンを執ったミステリアスなヒューマン・ドラマ「題名のない子守唄」(原題=見知らぬ女、伊、121分、R15‐指定)。この映画は華麗なエンニオ・モリコーネの音楽をバックに、北イタリアの港町を舞台とし、謎に満ちた1人の美しい女性を主人公に、そのいまわしいく哀しみに満ちた過去と彼女の行動目的を徐々に明らかにしていくドラマだ。本作でイタリアの伝統的な映画が、今日でも...... more
Tracked from シネマな時間に考察を。 at 2010-02-19 17:51
タイトル : 『題名のない子守唄』
『題名のない子守唄』 原題:LA SCONOSCIUTA(THE UNKNOWN WOMAN) 2006年/イタリア/121min 監督:ジュゼッペ・トルナトーレ 音楽:エンリオ・モリコーネ 出演:クセニア・ラパポルト、クラウディア・ジェリーニ、クララ・ドッセーナ 【introduction】 『ニュー・... more
Commented by JT at 2007-09-25 17:38 x
こんにちはー、コメ、TBさせていただきました。
この作品をとても適切に解説されてるので、感心して読ませていただきました<(_ _*)>
ドラマチックに仕上げてありますが、こんな裏社会があると思うと背筋が寒くなりますね。まだまだ貧しい国が沢山あるだけにフィクションなのに、そうは思えない気持ちでみてました。アダケルとう名前の秘密がわかった時のショックは相当なものだったと思いますが、絆を大切にしてくれた結末には救われましたね。
Commented by リーチェン at 2007-09-25 22:32 x
かえるさん、こんばんは!

想像外の衝撃的な展開に驚きながら、音楽のやりすぎ感に「まるでホラーやん!」とツッコミを入れていると、ちょっと冷静になってしまいました(笑)

目的のためにはどんな手段をもと非情な女に見えていた前半と、テアを前に笑顔を見せた後半、見終わったあと久しぶりにズシリときた映画です。
Commented by かのん at 2007-09-26 11:29 x
久々に身震いするようなサスペンス映画に出会った気がします。フラッシュバックの映像でイレーナの不遇な過去、苦痛、憎しみを描いて観客の気持ちをイレーナにたっぷり引きつけながらの急展開は彼女同様に衝撃を受けました。それゆえのあのラストシーンがたまらないものになったんですね。
Commented by CaeRu_noix at 2007-09-27 20:39
JTさん♪
ありがとうございます。テキセツというよりテキトーかもしれませんが・・・。
こわいですよね、裏社会。トルナトーレのシチリアというえばマフィアが有名な地だったのに、今まではそんなイメージとは結びつくことはなかったんですよね。逆にシチリアを離れてこういう題材を扱うというのがおもしろいです。ドラッグに武器兵器、臓器に女に赤ん坊に、何でも売買されているんだろうなっていうグローバルな世の中ですからね・・。ただの虚構のサスペンスとしておもしろがるだけにとどまらない衝撃がありました。
途中まではイレーナに感情移入はしていなかったのに終盤は一緒に衝撃を味わってしまいました。それゆえにラストはすんごく救われましたー。
Commented by CaeRu_noix at 2007-09-28 00:31
リーチェン さん♪
音楽は激しかったですよねー。『あるスキャンダルの覚え書き』でフィリップ・グラスらしからぬ激しめスコアに驚きましたが、このたびは同じようにモリコーネに!ホントにホラーっぽい音楽でしたよね。パイレーツカイビアンのハンスジマーに耐えられない私ですから、ドラマチックに激しすぎる音楽はどうも苦手ですー。たびたび気になってしまいました。フラメンコ音楽の激しさにはウットリなのに何故でしょうー。
それはさておき、見ごたえのあるミステリーでしたよね。あんなに強烈な行為を繰り返す主人公なのに、心掴まれてしまうウマイ脚本でしたー。
Commented by CaeRu_noix at 2007-09-28 00:55
かのん さん♪
身震いしましたね。何が何だかわからないうちから、ドキドキさせられっぱなし。女がああいうふうに虐げられるのって、ホントに腹立たしいので、最初のフラッシュバックから、彼女の過去に釘付けになったし。音楽も映像も過剰な部分もありましたが、確実な演出だったかもしれません。そうなんですよ、いろんな感情がわき起こりながらも、終盤はしっかりイレーナに心寄り添ったので、一緒にがーんとどん底に突き落とされ、最後の最後に幸福感を味わえましたー。
Commented by となひょう at 2007-09-28 21:10 x
かえるさん、こんにちわ。
ちょっとご無沙汰ちゃん気味です
TB&コメントありがとうございました。

これ、私はもの凄いハマリましたわー
お恥かしい話、公開当初は余り気にかけていませんでした。
トルナトーレ監督と言うと、緩やかで穏やかで温かいストーリーだというイメージが強かったもので。蓋を開けてみると、癒しを求めて観に行くと火傷してしまいそうなタッチだなぁと思いましてん。
癒しよりも激しさを映画に求める傾向が強い私としては、嬉しい驚きだったりしました。

『サッド・バケイション』

本当は気になっている1作なんですがー
『helpless』も『ユリイカ』も未見なので、順番に見た方がいいのかなぁと迷っている内に時が過ぎていきました・・・
DVDになってしまってでも、是非とも3作併せて見たいところです。
Commented by CaeRu_noix at 2007-09-29 00:21
となひょうさん♪
大満足でよかったですー。私は音楽にちょっと引きそうになりましたが・・・。
そうですよね。一見となひょうさんが興味をもつタイプに見えないかもしれませんね。トルナトーレといったら、シネパラのイメージが何よりも強いですから、ミステリーとは知っていても、ハートウォーミングな要素が多いのかなと思ってしまったのでした。癒しを求めたわけではありませんが(笑)、私自身もフタをあけてビックリでしたー。私はほのぼの系の方がより感慨が深かったと思いますが、となひょうさんにはこの方向性が功を奏しましたね。
どうでしょう。サッドヴァケはとなひょうさん向けではないような気もするので、あえてオススメはしませんが。黒沢きよし監督と仲良しさんの青山監督なので、いずれ試してみてくださいー。
Commented by みほぽりんご at 2007-09-30 02:03 x
TB させていただきました。
私、ニューシネマパラダイスの監督って後で知ったので、びっくりしました。BGMは火サス並でしたね(笑)
でも、衝撃なラストでした。ヘビーなお話に、R15納得です。
でも、満足でした♪結末をふまえた上で、
DVDでたら、もう一度みてみようかな?と思います。
Commented by CaeRu_noix at 2007-10-02 01:03
みほぽりんご さん♪
火サスの音楽はこれほどに美しいハーモニーではなかった気もしますが、火サスちっくな激しさではありましたよねー。トルナトーレはモリコーネにどんなふうに依頼をしたのでしょうねー。
そして、ニューシネマパラダイスの監督だと知らずに観る方がよかったかもしれません。知っていて観に行った人はハートウォーミングなものを期待しちゃう気がするので・・・。と意外性はありましたが、手ごたえのあるドラマでした。私はあえてもう一度観たいとは思わないのだけれど・・・。
Commented by 真紅 at 2007-10-04 13:24 x
かえるさま、こんにちは。
「母性」っていう言葉を使わないかえるさんのレビュー、好きです。
(意識されているのかどうかはわからないのですが)
イレーナの行動を母性っていう視点から語るよりも、女性としての強さや激しさ、哀しみを描いていることに着目されていますよね。
とても力強い物語でしたが、衝撃的でもあり・・・。考えさせられました。
『サッド・ヴァケイション』是非観たいです。
TBさせていただきました。ではでは~。
Commented by jester at 2007-10-04 20:13 x
こんにちは~
私もやっとレビューをアップしたので遊びに来ました。

前知識、全くなしで見たのですが、ぐいぐい引き込まれちゃいました!

>真実が見えてくるにつれ、人間のバイタリティ、女の強さを思って心震える。

母の想いが切ないです。
でも彼女の立場になったら、自分もああしてしまうかも、と思えるところがありました。

>モリコーネの楽曲も驚くほどに激しいではないか。見事に美しい調べなんだけど、主張が強すぎて、不安感を煽るのは効果的だと思いつつも、圧倒する音楽には時々疲れてしまった。

私は音楽も気に入って、映画館でCDを買ってしまったほどです。(最近このパターンが多い)
Commented by CaeRu_noix at 2007-10-05 02:06
真紅 さん♪
鋭いです!
そうなんですよ。あえて、母性という言葉は避けました。
"母性を宿したすべての女性に贈る衝撃の感動作"っていうのに首を傾げちゃいました。母性という言葉の定義・解釈によると思うんですが、私の感覚では"母性"を描いているとは言い難いんです。母性本能による行動や思いはありましたが、母性そのものが描かれているとは捉えられなかった感じなんですよ。女性性はポイントだったと思うんですけどね。テーマには感じ入りつつ、その言葉にはやや違和感が残ったのでした。
『サッド・ヴァケイション』の方はその言葉を使うことに違和感がなく、母のサガを感じたのでしたー。
Commented by CaeRu_noix at 2007-10-05 02:17
jester さん♪
ぐいぐい引き込まれましたよねー。
冒頭からラストまで心掴まれたまま一気でした。
そうですね。彼女のような境遇、同じような経験をしたなら、同じような行動をとってしまうかもしれませんね。そこまでまっしぐらな強さをもてるかどうかはわからないけど、せっぱ詰まった状況は理解できます。悲しいことですけれど。
おお、音楽、気に入られましたかー。美しい曲ではあると思うんだけど、私は苦手なタイプでした。モリコーネなら、ミッションやワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカなんかの音楽はすごくいいと思うんですが。
最近買ったサントラは「ショートバス」。
Commented by カオリ at 2007-10-06 04:03 x
こんにちは~なるほど、サッド・ヴァケイション・・・しかし私も前2作を観てないんですよね。
最近「ミス・ポター」「エディット・ピアフ」などを観て、女性の生き方と言うのは今も昔も翻弄されやすいものだなと思いました。自分の思ったように生きるのはなんと難しいのでしょうね。だからこそ女性は強くなれるのでしょうか・・・
Commented by CaeRu_noix at 2007-10-07 01:00
カオリさん♪
サッド・ヴァケイションは前作を観てない人にも配慮はされていますです。
といっても本来はここで引き合いに出すものでもないんですけどね。
たまたま私はこれを観た後に、サッドを観たので、"母性"の描写について、関連づけてしまったのですが・・・。
そうなんですよねぇ。世では、女がまわりに翻弄されずにまっすぐ生きることって難しいんですよね。だからこそ、そんなテーマの映画には心うたれるのですしね。女は本質的には強いんですよね、きっと。
Commented by Mの「残日録」 at 2007-10-16 02:12 x
サスペンスとは思えなかった.原題からすると,知らない子守歌を意味するし,再会しえない子供をも意味する.ここがミソではないか?血のつながりなしの愛生成.さらに,赤ちゃんを売買する貧しさ.東方の国の貧しさ.南伊の残酷さ.養子を買う豊かな階級の残酷さ.トルナトーレは下方へトルナーレしてしまったのだろうか?これ,狂った老人の感想?
Commented by CaeRu_noix at 2007-10-16 22:26
Mの「残日録」さん♪
訪問ありがとうございます。
サスペンスと思えなかったというのは、映画のジャンルとしてサスペンスとは呼べない ということでしょうか。それとも、サスペンスとしてハラハラ楽しめなかったというところでしょうか?
私としてはそういうドキドキ感がこの映画のおもしろさを引っ張っていたと思うので、サスペンスだと感じましたが、やはりメインテーマ、監督が描きたかったのは、社会問題にも言及しつつの人間ドラマの方かなと思いましたよ。着地点には温かなものがありましたが、この世界のいくつもの残酷さが描かれていましたよね。お金のために何でもやったり、お金があれば何でも買えたり・・・。
名匠トルナトーレの映画としては、寂しい部分もありましたが、これはこれでおもしろかったです。
別段、狂った感想とは思わないですが、主旨を取り違えていたらごめんなさい。
Commented by swallow tail at 2008-08-15 10:55 x
かえるさん、こんにちは~。
ご無沙汰しておりましたがお元気でらっしゃいましたか??

この作品、劇場で見逃したのでDVD鑑賞となりました。
「サスペンス」という予備知識しかなくて、
いざふたを開けてびっくり!!
重厚すぎるよ・・・

>道徳的な正しさなんて顧みずに、
>たった一つの理由に突き動かされてまっしぐらに進む
>その姿には圧倒される。
そうですね・・・
彼女は犯罪にも手を染めた。
でも、それが罪かどうかは二の次であり
彼女が背負っている人生と、
シャバでやり遂げなくてはならないテアへの愛情を注ぐことが
とてつもなく痛ましくて・・・

見終わった後、どっと疲れました。
Commented by CaeRu_noix at 2008-08-16 07:09
swallow tail さん♪
お久しぶりですー。私は普通に元気でしたー。w
トルナトーレ監督作というだけで、わたし的には劇場鑑賞必須作品でしたが、スワロさんの場合は、非英語圏の作品はそんなに優先順位は高くないみたいですね。
トルナトーレがこういうタイプの作品を撮ったということで私としてもびっくりでした。
重厚というのとは違うような気もするんですが、扱われていた題材はとても重苦しいものでありましたよね。
私たちのような安全、平穏な暮らしが法によってまもられている人間の場合は、犯罪を犯そうなんてことはめったに思わないものなのですが、彼女のような境遇の人間にとっては、法的な罪を犯すことにもはや罪悪感なんて感じないのかもしれませんね。まもるべきものなんてほとんどなくて・・・。
ホントに痛ましいものでしたね。
人身売買ゆるすまじ。
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