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『サルバドールの朝』
2007年 10月 10日 |
その若き命に心うたれる。
ほんの30年前の出来事の衝撃は、ただの遠い国の過去の物語ではないと思うから。

1970年代のスペイン、フランコ政権末期。反体制活動をしていたサルバドールという青年が警官との銃撃戦の末に逮捕された・・・。



フランコ将軍率いる反乱軍が1936年に引き起こしたスペイン内戦を描いた映画はいくつか観てきたけれど、その内戦終結後に長期に渡って続いたフランコ独裁体制時代のことはほとんど知ることもなかった。西ヨーロッパの国で70年代半ばまで、民主主義を否定する独裁政権が維持されていたなんて信じられない。だからこそ、興味深かった。独裁政治といっても、ヒトラーやスターリンなどのそれとは同格ではないようで、意義のある側面もあったらしいけれど、それでも、自治・独立を求めるカタルーニャ、バスクの勢力などを厳しく弾圧してきたことは紛れもない事実。フランコ独裁時代が、一般の人々にとってどのようなものであったのかは具体的に多くは描かれてはいないのだけど、サルバドール・プッチ・アンティックの物語を通して、政治権力が分散されていない独裁体制の恐ろしさとそこにある不条理にゾッとしてしまうのだった。

独裁体制下で、反体制的な活動を行った若者が不当に処刑されてしまうというこの作品のことを知った時、『白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々』 のことを思い出した。なので、本作も同じように、終始緊迫感で満たされた重苦しいドラマなのかと思っていたのだけれど、予想に反して前半部は、躍動感にあふれる青春ものテイストだったので、それは嬉しい裏切りだった。先日のスペインラテンアメリカ映画祭で鑑賞してとても気に入ったアントニオ・バンデラス監督作の『夏の雨』は、これよりもう少し後のフランコ独裁時代の終わり頃を舞台にした青春群像劇だったのだけど、そんな若者たちの無邪気な疾走感がリンクして、サルバドールが逮捕されるまでの彼ら仲間たちのアグレッシブな活動の描写には高揚感をもって惹きつけられてしまったの。

映画祭つながりでもう一作、チリ映画の『マチュカ』を観たおかげで、アジェンデ政権がピノチェト将軍のクーデターによって倒されたという劇中に登場したTVニュースも、そこにあったドラマが見えるから衝撃的なものとして響いてきた。そうやって、CIAの擁護で軍部がクーデターを起こし、社会主義政権が倒されて、チリでも強権政治が始まったということが、スペインの状況と合わせて苦々しく感じられる。何しろ軍事政権といえば、つい先頃のミャンマー情勢が鮮明なのだ。デモを行う僧侶たちや日本人カメラマンに発砲する軍政なんて絶対おかしいと思うんだけど。一括りにできるものではないけれど、いかなる独裁政権も軍事政権も容認できるものじゃない。年代、国を限らずこの世界を見つめれば、そんな思いが駆けめぐるから、サルバドールたちの行動の根底にあった熱意にもグッとくるものがあるんだよね。お坊ちゃんの革命ごっこであろうとも。

それから、まさに革命ごっこという言葉でつながる『ベルリン、僕らの革命』 のことも思い出さずにはいられなかった。現代ベルリンで、不平等な社会に異を唱えたいがために、住居不法侵入を繰り返すダニエル・ブリュールの姿が、そのままこちらの銀行強盗するサルバドールに重なった。目指すものも背景も違うけれど、理想を追求する若者の熱いレジスタンス行動は、どこにでも同じように起こりうるものなのかもしれない。目的が何であれ銀行強盗なんてけしからんと良識者は思うのかもしれないけれど、私はこのスタイリッシュな演出によって、暴走する彼らの熱狂に魅せられた。パリの五月革命の影響も受けていたということで、そんな時代に突っ走る若者の姿には、眉をひそめるよりも心高鳴ったかな。

そんなふうに青春模様に高揚したのに、一転して、後半は静かにじっくりと感情を揺さぶられることになる。前半が予想外の動的なものだったことが好感触であり、後半は前半とのギャップがあったからこそ、強く胸をうつものとなった。映像や演出も好みのタッチだったことに加え、私にとっては構成も絶妙だった。本作は、映画のための虚構のエピソードなどを作り上げたりはせず、ありのままの事実を描いているのだそう。それでいて、時間軸を入れ替えたりなど、映画のためのプロットには工夫があったと思うのだけど、その組み立てが私には魅力的で、サルバドールの人となり、その悲しき運命の物語に引き込まれていくばかりだった。ダニエル・ブリュールくん今までで一番好きかも。

最初のうちは、向こう見ずで軽率なやんちゃな若者にしか見えないサルバドールだったのだけど、末の妹を思いやる優しい兄の姿を目にするにつけ、やがて彼の温かな人間性にほだされていく。そして、彼の父親宛の手紙が読まれたシーンでは、観客の私も看守と共に、彼の思慮深さや優しさに心掴まれて、何故にこのような聡明な好青年が死刑囚にならざるを得ないのかという悔しさ、理不尽な思いが募るのだ。『デッドマン・ウォーキング』が引き合いに出されていたのも納得で、サルバドールと看守へススの交流はとても感動的なものだった。失読症の息子のことに親身になって助言する姿に胸をうたれる。優しさと、そして自分のことでなくても、よりよき状態のために前向きに考える彼の基本姿勢がかいま見えて、ホロリとしてしまうのだ。そんな青年なんだよね。ゴールキーパーという不人気のポジションにつく男。

そんなサルバドールだから弁護士も全力を尽くして彼を助けようと奮闘したのだろうし、姉妹たちにも深く愛されていることも肯ける。獄中のサルバドールと慕い信頼し合う周囲の人たちとのやり取りは温かくて心に染みいるものだった。サイゴのサイゴの姉たちとの別れのシーンも、看守の悲痛な叫びもとても印象深い。『大人は判ってくれない』のラストシーンについて話すシーンがたまらなかったな。私の脳裏に浮かぶ海に向かったアントワーヌ少年の姿がサルバドールに重なったの。獄中にいる彼が、その瞬間、砂浜に佇んでいるような気がした。不当な刑によって、尊き若者の命が奪われてしまうということに対する無念さと哀しみにその体制の横暴に対する悔しさと怒りが混じり、終盤は涙が止まらなかった。

それだけで充分にやるせないというのに、追い討ちをかけるのは、ガローテという鉄環絞首刑の恐ろしさ。こんなに残酷な方法の死刑が、70年代まで国家のもとで正当なものとして行われていたなんて。我が国の法相が、大臣が判子を押さなくても自動的にコトが進んでいくような方法はとれないものかというような発言をしたことを思い出しつつ、『サン・ピエールの生命』などの時以来で、久しぶりに映画を通して、死刑というものについても思いを巡らせた。

初めは何でスペイン映画の主役にドイツのダニエル・ブリュールなんだろうと疑問に思ったんだけど、母親はスペイン人というバルセロナ生まれのハーフだったのだね。『グッバイ、レーニン』でドイツの激動の時代を生きる主人公を演じ、イギリス映画やフランス映画を経て、今度はスペインでこういった題材の映画の主演をするなんて、世界を股にかけた活躍ぶりがカッコイイ。サルバトールの生き方もダニエルの生き方もそれぞれにステキだと思う。

多くの味わいがあった見ごたえのある一作で私はとても気に入ったな。
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by CaeRu_noix | 2007-10-10 00:39 | CINEMAレヴュー | Trackback(24) | Comments(20)
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タイトル : サルバドールの朝
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74.サルバドールの朝■原題:Salvador■製作年・国:2006年、スペイン■上映時間:104分■鑑賞日:10月6日、シャンテ・シネ(日比谷)■公式HP:ここをクリックしてください□監督:マヌエル・ウェルガ□脚本:ルイス・アルカラーソ□製作:ハウメ・ローレス□...... more
Tracked from おきらく楽天 映画生活 at 2009-07-21 23:39
タイトル : 『サルバドールの朝』を観たぞ〜!
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Commented by シリキ at 2007-10-10 01:55 x
力強い感想ですね。ラテンといえばアルゼンチンの反政府活動家へのすさまじい弾圧を描いた映画はいくつかみたけどスペインにもそんな時代があったとは、、、なんとか観たいなあ。
不当逮捕といえば「死刑台のメロディ」も思い出しました。辛い映画だと判るので最近観に行くのがちょっとシンドイのですが...

余談ですがバンデラスの作品みたかった〜〜〜(彼もメキシコの反体制の英雄パンチョ・ビラを見事に演じましたね)
Commented by moviepad at 2007-10-10 02:02 x
かえるさん、こんばんわ!
僕はこの映画を見て
「デッドマン・ウオーキング」ではなく
イギリス史上最悪と言われる冤罪を扱った
「父の祈りを」という映画を思い浮かべました。
「父の~」では15年!もの歳月はかかれど無罪を勝ち取るわけですが
サルバドールはまともな裁判も受けられず...。

この映画はこのサルバドール事件を
風化させないために作られた作品だと思います。
Commented by テクテク at 2007-10-10 12:41 x
こんにちは(^^)
TB&コメント、ありがとうございました!

この映画は見ごたえがありましたよね。
私もサルバドールと看守の関係の変化が印象的でした。
威圧的な態度の看守に対しても、
常に誠実な態度のサルバドールの様子からも、
彼の人間性が伺えました。

そして、あのラストシーン…。
国家から恩赦を受けるという事が、
実父の成れの果てである、こういう事を意味するのならば、
例えば、サルバドールが恩赦により死刑を逃れたとしても、
その先にある現実を受け入れられたのかどうか…
やはり考えさせられる作品でした。
Commented by 哀生龍 at 2007-10-10 17:32 x
>映画のためのプロットには~(中略)、その組み立てが私には魅力的
哀生龍も同じく、見せ方や演出が素晴らしいと感じました。
重い内容ではありながら目を逸らすことなく、最後まで戦う彼らに心が捕らえられたまま、体を熱くしていました。
哀生龍は、弁護士さんに一番シンクロしていたんですけれど・・・
サントラも素晴らしくて、特にラストの曲は今聞いても胸が苦しくなってしまいます。
Commented by シャーロット at 2007-10-10 22:15 x
>ゴールキーパーという不人気のポジションにつく男。
そうそう、サルバドールってそういう人でしたね。
ダニエル君の繊細な心理表現はいつも一目おいてしまうのですが、こんなにペラペラスペイン語カタルーニャ語話してるなんてただものじゃないと正直驚きまして。やっぱりハーフだったんですね。
後半は私の涙腺は壊れまくり;;涙にくれました。
↑哀生龍さんの横レスですが;サントラとても良さそうですね…
Commented by CaeRu_noix at 2007-10-10 23:23
シリキ さん♪
あら、映画をご覧じゃないのに読んでいただいてありがとうございますー。
Heavyな内容のものや社会派作品の感想はこういう語り口になりがちなんですー。
そうなんですよ。ほんの30年前までスペインがこんな社会情勢だったなんて全然知らなかったです。中南米には反体制勢力の弾圧って多いようで、映画にもそういった題材やエピソードはわりとありますよね。
『死刑台のメロディ』は観なくちゃですー。
そういえば、自国内のお話とは違うけれど、『グアンタナモ、僕達が見た真実』なんかも思いきり不当な拘束が描かれていました。こちらは何十年か前の出来事じゃなく数年前のお話・・・。
バンデラス監督作品はホントにすごく気に入りまして、今年はスペイン映画が大ヒットでっす。久々に観た主演作、『レッスン』でもステキだったのですよ。
サルバドール、気が向いたらご覧くださいー。
Commented by CaeRu_noix at 2007-10-10 23:31
moviepad さん♪
『父の祈りを』を思い出しましたかー。
そうですね。こちらは独裁政権下ゆえ、判決と執行が早かったですけど、あちらの長い長い闘いはまた別の苦しさがありましたね。どちらもやるせないし、腹立たしいです。
『デッドマン~』は死刑囚との温かなふれ合いみたいな部分の共通項で引き合いに出されているようですが、主旨はべつものですよね。あちらは政治犯じゃないし。政治犯じゃないものでいったら、『それでもボクはやってない』の悔しさや周囲の人の奮闘のことも思い出したりしました。
スペインの人たちがサルバドールのことを忘れないためだったり、他国の私たちも彼のことを知り得ることができ、意義深い映画化だったと思います。監督のインタビューを読むと、今の若者には批判的なエネルギーが足りないんじゃないかなんてことをいっていたのでそういう働きかけもしたかったのでしょうか。
Commented by CaeRu_noix at 2007-10-10 23:34
テクテク さん♪
こちらこそ、ありがとうございます。
看守の変化は大いなる感銘ポイントでしたよねー。
前半ではそれほどにサルバドールの人柄のよさを感じず、普通の青年にしか見えなかったんですけど、看守との交流を通じて、その聡明さや優しさにはハッとさせられました。看守が職務を超えて、彼に興味と好意をもってしまうのは当然ですよね。
そして、お父さんのことも心に残りますね。結果的に恩赦を受けることがどういうことなのかというのはちょっとピンとこなかったんですが、とにかくずっと恐怖の中にいることは人間性を失ってしまうのだなぁと思いました。サルバドールの場合ももしかしてそうなのかもしれないけど、フランコ政権がまもなく終焉を迎えたのだから、生きていてさえくれたら、父とは異なる前向きな生き方ができたかもしれないなと・・・。
Commented by CaeRu_noix at 2007-10-10 23:40
哀生龍 さん♪
この構成、よかったですよねー。
現在と過去の回想シーンが交互に展開するというのはよくあるのだけど、巧く組み立てられていたと思いますー。どんどんサルバドールの人柄に惹かれてしまうのでした。
彼の最期がどうなるかということは知っているというのに、何とかならないか・・・という気持ちで見入ってしまいましたよねー。
弁護士さん、よかったですよね。彼の志と行動には大いに感動させられました。シンクロするというのは、共感する/感情移入する/同化するという意味合いでしょか?それはひとえにウヨアさんが好きだから?(笑) いえいえ、ウヨアさんもスバラグリアさんもブリュールさんもよかったです。
音楽も好みでした。早速、サントラ購入されたのですねー。
Commented by CaeRu_noix at 2007-10-10 23:51
シャーロットさん♪
銀行強盗もしているし、警官に発砲もしているし、共感しにくいという声もあるようですが、私は妹思いのキーパー・サルバトールの人柄にとても惹かれてしまいました。ゲバラに惹かれてしまうのと基本は一緒なのかな。上にたてついてでも、世のため人のため、弱者のために動ける人はスゴイなぁと思ってしまうのです。
ダニエル・ブリュールくんの活躍はめざましいですが、いつもはそんなにいいと思わなかったんですよね。ベルリンや青い棘では主演格の別の俳優の方がいいと思ったりして。でも、今回はホントにその繊細な演技にやられましたです。4ヶ国語話せるらしですね。すごいー。今度はボーンシリーズにも出るらしいけど、ハリウッドはそこそこにしておいて、ヨーロッパ映画界でがんばってほしいですー。
終盤は涙にくれましたよね。
Commented by となひょう at 2007-10-11 00:21 x
こんにちわん。
TB&コメントありがとうございました。
おっ、とても熱のこもったレビューですね。

>終始緊迫感で満たされた重苦しいドラマなのかと思っていたのだけれど

私は、予想通りの展開の方が好みだったのかもしれません
この前半があるからこそ、後半にグッとくるというのも納得ですね。

ダニエルくんがハーフだったとは知りませんでしたよ~
スペイン語って難しそうなイメージがあります。
喋れなくてもいいから、一度は訪れてみたいですよ~
Commented by CaeRu_noix at 2007-10-11 01:15
となひょうさん♪
やや、熱はそんなにこもってないかもしれないんですが、書きたいことがいっぱいあってなかなか書き終わらなかった長めレビューでしたっ
私は青春ものテイストな前半あってこそ、好感触でしたー。
上のコメントで書いて思い出したのですが、これって、『グアンタナモ~』に似ている部分もありましたよね。あちらも導入部は青春テイストだったのに、捕まってから緊迫感と恐怖でいっぱいのシークエンスに変わっていった冤罪の拘束もの。で、となひょうさんはグアンタナモはOKで、こちらはもうヒトコエだったのは、やっぱりその激しさの違いかしらん?と思いました。こちらの重苦しさはヒューマンドラマを交えつつの静かなテンポな感じだったけど、グアンタナモの暴力的な身に迫る恐怖感はじゃんじゃか激しかったですもんね。とまたしても、私はとなひょうさんは激しい演出がお好みなのだなぁと思った次第。単純なまとめ方ばかりしちゃってごめんなさい。(人の好みの傾向を分類したがりなんですー)

スペイン語の響きに魅せられていますー。ぽるけぽるけー
スペインという国はいいですよー。アンダルシアとカタルーニャじゃ全然違う見どころがあって、多様に楽しめますですよー。
Commented by margot2005 at 2007-10-15 21:10
こんばんは!
こちらこそご無沙汰でございます。
「白薔薇の祈り〜」と「ベルリン、僕らの革命」思い浮かべましたね。
バンデラスのその作品は是非観てみたいです。
ダニエルは正にInternationalな青年ですね。
ベルリンに住んでいるということですが、両親の国の言葉以外にフランス語も英語も話していますもの。
重い、辛い作品でしたが、胸にジーンときました。
Commented by CaeRu_noix at 2007-10-16 00:38
margot さん♪
独裁体制のもとで不当に若き命が失われるって、ゾフィー・ショルと同じような感じでしたよね。ゾフィーは銃を撃ったりさえしていないのに死刑になってしまったけれど・・・。そして、青春テイストな反体制活動はベルリン、でした。
バンデラスのは一般公開されるといいのですが。せめてDVDにー。
ダニエルくんったら、4カ国語話せるなんて素晴らしいですよね。それを活かして世界的に活躍してほしいですー。これからも期待。
Commented by Nyaggy at 2007-10-30 21:24 x
かえるさん、こんばんは。
ウズベキスタンに行かれてたのですねー!ステキです。
中央アジアのイスラム国もいいですねぇ。旅行記拝見させていただきます。

さて、ようやくこちらの作品を見てきました。
どうも評判はイマイチのような感じなんですが、私は見て良かったです。
かえるさんも、お気に召されたんですね~。
看守との交流は心に染みました。姉妹とのやりとりも暖かくて良かった。
私も、彼らの熱意には心打たれるものがあります。
青くても、身勝手でも、真剣に自由を求めて何かを変えたいと願った思いは
とても尊いような気がします。
作中で引用されていた『大人は判ってくれない』を未見だったのが、ちょっと
悔しかったです~。気になるなぁ。
Commented by CaeRu_noix at 2007-10-30 23:16
Nyaggy さん♪
そうなんです。中央アジアのウズベクに行ってきました。
気持ち的にはメキシコ、グアテマラ、ペルー、ブラジル、アルゼンチンに行きたいのですが、物理的に無理なのでー
イスラム圏のエキゾチシズムにはとりわけ惹かれますー

で、サルバドール。
Nyaggy さんもよかったとは嬉しいですー。
巷では、彼に信念が感じられないだとか、共感できないだとかいう声がちらほらありましたのですが、普通の青年なところがいいじゃないですかねー。それでいて、やっぱり彼はそこらの若者よりも高い志をもったヤツなんだなってことが見え隠れして。青さも含めて、その生き様には心うたれましたよねー。こういう情熱ってホントに大事だと思います。尊いですとも。
『大人は~』は、直接的には関係ないんですけれど、映画の主人公の少年は犯罪で鑑別所に送られ、やるせなさをかみしめ、周囲の大人たちに思いをわかってもらえないっていうのがちょっと重なりました。せつなく苦い思い。とにかく、映画の話をすることそのものにも感慨があり。
はい、よく引用される名作なので、一度ご覧いただいても損はないと思いますよー
Commented by リーチェン at 2007-11-06 16:42 x
さすがは、様々な映画をご覧になっているかえるさん。
当時のほかの国の情勢などを交えてのレビューは、これまた納得!でございました。

方法が正しいかどうかはともかく、既存政権をなんとか自分たちの手で変えて自由をみんなのものにしたいという思いは、あの当時の若者ならではだったような気がします。

死刑のシーンは・・・今まで見た中で一番残酷でしたね。
ダニエル君、本当に魅力的な役者さんです♪
Commented by CaeRu_noix at 2007-11-06 23:03
リーチェン さん♪
映画は常につながっているんですー。
いやしかし、その映画を観ていない人にとっては、タイトルを羅列しすぎるのはじゃまくさいかもしれませんね。ですが、多くのことを映画で学んでいる私はどうしても関連事項が思い浮かんじゃうー。
若者はいつでもこんな風に暴走してしまいがちなものなのでしょうね。フランスの5月革命だとか日本の学生運動にしても、通じる部分がありますよね。向こう見ずに青臭い行動ではあるかもしれないけれど、そこにあるまっすぐな思いには心うたれますよね。
死刑はどんなやり方だって酷だと思うけれど、これは並大抵ではない残酷なものでしたよね・・・。ゾゾ・・・。
ダニエルが演じてこその魅力的なサルバドールでしたー。次はボーン・アルティメイタム。で、来年公開のジュリー・デルピー監督作にも出ているようでこれまた楽しみですー。
Commented by acine at 2007-12-17 10:20
こちらにもお邪魔です。 そうそう!私も何でD・ブリュールがスペイン映画?と思ってました。
正直、捕らえられる原因となったくだりは、全く共感できないけど、
あれよあれよと言う間に、スバちゃん同様、何故かサルバドールを
なんとかしてあげたい・・・という気になってくるんですよね。
皆素晴らしかったけど、個人的には弁護士役のトリスタン・ウジョアが
凄く良かったです。
Commented by CaeRu_noix at 2007-12-18 09:26
acine さん♪
ダニエルはてっきりてっきり100%のドイツ人だと思ってしましたよねー。確かに言われてみると、純ゲルマン顔とは違う気もしてくるのですが。注目しちゃう好きな俳優さんには、両親の出身国が違う人が多いかもしれません。いわゆるハーフ?血が混じっている方がエキゾチックに魅力的な容姿になるのかもしれないなーと。(アーシアは八分の1くらいロマの血が入っているそうで。)
サルバドールの行動には確かに非もあったとは思います。でも、だからといって、死刑になってしまうことが妥当、仕方がないはずはないわけで・・・。何とか救えないものかといたたまれない気持ちになりますよね。
弁護士さんの奮闘も胸をうちましたねー。
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