かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『待つ女』 7ANS
2007年 11月 06日 |
囚われるということ・・・

メイテの夫ヴァンサンは7年の刑で服役中だった。



例えば家族が犯罪者になってしまったら、一体どういう状況になるだろうなんてことを想像したことはあったけれど、その曖昧な想像も入口の部分止まりだったな。長い間、待ち続ける立場の人の日々の心情なんて考えたこともなかったかもしれないな。

待つということは、どういう事情のものであれ、辛く心惑うものだと思うけれど、服役する夫を7年待つ妻の思いというのも、何とも不安でやるせないものなのだろうな。7年後に出所するという希望に支えられながらも、その毎日は鬱々としてしまうものだろう。面会に行った時はあくまでも励ます方の立場であって、自身の孤独感や不安は行き場がないんだよね。

そんな寂しさ、鬱蒼としたやるせなさという心の問題に加えて、満たされない肉体についてをも描くのがフランス映画なのだ。そして、寂しさをもてあました女が別の男との情事にのめり込んでいくという官能物語になるのかと思いきや、一筋縄ではいかないの。屈折した性が見えてくるのだからドキリ。満たされない肉体といったら確かに、塀の中にいる夫の方がHeavyなんだもんね。

淡々としていて陰鬱な空気のドラマなのだけど、心理描写は細やかで、特異な物語展開ながらも、そんなこともあるかもと思わせる人間の欲望や衝動のリアリティが感じられて、彼らの妙な関係を興味深く見続けてしまった。やるせない思いを感じつつも、客観的にはおもしろい切り口のドラマだったな。物語そのものが好きだとは言い難いけれど、好みのタッチの演出だったし。

倒錯してはいるけれど、そこにリアルを感じるのは、題材が現実に基づいていたからなのかな。ドキュメンタリーを多く手がけた監督は、実際に多くの囚人の妻たちの話を聞いたのだそう。囚人であるのは夫の方なのに、待つ妻たちもが囚われ人のような精神状態になっているというのはとても痛々しい事実。
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by CaeRu_noix | 2007-11-06 01:02 | CINEMAレヴュー | Trackback(6) | Comments(4)
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Commented by シャーロット at 2007-11-08 18:00 x
私はどちらかというと看守の方に肩入れして見ちゃいました;着地点はああやっぱりそうなるよなあと思いつつ、7年後以降夫婦は仲良く元通りになれるのかしら??なんて。この時の事を持ち出して、喧嘩になったりしない?って心配しちゃったり。私は待てない冷たい人なんで(笑)なんだか待てる女の人は羨ましいです;
でも確かにこういう空気感は私も好みかも。でも★は三つ半くらい
Commented by CaeRu_noix at 2007-11-08 23:30
シャーロットさん♪
看守の彼も何だか可哀想でしたねー。
といっても私は、誰かにそれほどに感情移入するとか、共感するとか、肩をもつとかいうのはなかった気がします。客観的に、そのちょっと倒錯した愛欲模様を眺めていた感じです。場面毎に彼らの閉塞感が心に迫ってきたりしたのですが。
夫の出所後に夫婦関係がギクシャクしてしまう可能性もありますよね。でも、服役の地獄の日々は悪い夢だったと思って、新たにやり直せるのかもしれませんー。
待つというのもいろいろなパターンがあると思うけれど、服役というのはとしんどいですよね・・・。
シャーロットさんは待たない女?じゃあ、避けられない状況で過失致死傷罪かなんかで懲役刑をくらってしまったら、別れますますか? うん、それは冷たい人かも。(笑)
お気に入りでもないけど、おもしろかったし嫌いじゃないっす。
星は3つ半。厳密にいうと、3.72584点かなー
Commented by kimion20002000 at 2008-04-28 00:04 x
TBありがとう。
そうですねぇ、僕たちはどちらかというと、「極道の妻たち」のシリーズなんかで、「待つ女」をイマージしてきたから、おフランスとはいえ、この作品はちょっと新鮮でしたよ。
Commented by CaeRu_noix at 2008-04-29 11:09
kimionさん♪
「極道の妻たち」のシリーズな感じっていうのはちょっとよくわからないんですが、もっと強い女たちの姿がスタンダードなのでしょうか??
たまたまだんなさんが犯罪者になってしまった普通の主婦というのも実際にはたくさんいるのかもしれませんね。普段はあまり考えたことがなかったゆえに興味深い設定のドラマでしたね。
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