かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『ノートに眠った願いごと』
2007年 11月 30日 |
秋の絶景の中でせつなくも心洗われる。

1995年6月29日に起きたソウルのサムプン(三豊)百貨店の崩壊事故。
司法研修院生のヒョヌの恋人のミンジュは、テレビの旅番組のディレクターをしていた。



韓国映画のラブストーリーって、せつなくてロマンチックで一頃は好感触だったんだけど、ブーム以降は、お涙頂戴ものが目につきすぎて、時にそのドラマがあまりにもクサすぎていて、どうも敬遠しがちだったんだよね。だけど、旅ムービーが大好きで、韓国恋愛映画のmyベストが『春の日は過ぎ行く』の私なので、本作はスクリーンで観たいなと思ったのだった。

この監督の『バンジージャンプする』も、何やら興味深い物語だったから、観ようと思いつつも結局未見。そうね、私はやっぱり、イ・ビョンホンよりもユ・ジテが好きだなっ。ユ・ジテくんの仔犬系なあたたかマイルドなキャラクターに心和み、主人公の2人のラブラブぶりもすごくステキに感じられるの。主人公に魅力がなかったら、勝手にやってくださいって冷めちゃうと思うのだけどね。彼女のミンジュもハツラツとしていてとてもキュート。『チャーミング・ガール』 では思いつめた大人しい主人公だったキム・ジスだけど、今回は正真正銘のチャーミング・ガール。

それは失われてしまうものだから、あえて2人の幸せな日々が強調されて描かれているわけだけど、まんまとそこにグッときて浸ってしまうの。思い出の中のミンジュはあまりにもまぶしくて、だからその喪失には悲しみが押し寄せてくる。その大事故が描かれているのは承知のことだったし、何しろ現実に起こった出来事でもあるわけだから、悲劇性に冷めてしまうこともなく、涙なしでは見られない。大切な人がある日突然、不慮の事故で目の前から去ってしまったら、という悲しみには素直に心寄り添えるものだよね。方向性違うけど、ブレイブ・ワンもしかり。

そして、悲嘆に暮れる日々がクドクドと描写されることなく、時が経過するというのがよかったな。10年の月日が経っていたとは気づかなかった私・・・。心の整理はある程度はついている頃に、すがすがしい気持ちで、彼女の遺したノートに添って旅に出てみるっていうのがいいよね。2人の旅行が実現しなかったことはせつなくもあるけれど、彼女の笑顔を思い出しながら、美しい風景を巡る旅はとてもステキ。韓国屈指の景勝地を訪ねながら、ゆっくりと深呼吸して、心が洗われていくのだ。これが旅の効能。

もう1人のワケアリ女性の登場も興味深く、彼女の苦しみにもまた引き込まれてしまったな。現実の悲惨な事故を題材にしながら、亡くなった1人の女性の愛した旅を通じて、1冊のノートによって、運命のイタズラの偶然の出逢いが導かれるというのは映画的にロマンチックであたたかいじゃない。こんなかたちで赤の他人だった人と痛みを分かち合い、ステキな彼女の思い出を共有することができるなんてせつなくせつなくハートウォーミングー。きゅーん。

砂丘が残る小さな島のウイ島、伝統的な庭園ソセウォン、古都キョンジュ(慶州)、モッポ(木浦)、キョンジュケリム(鶏林)。ロケ地を探すのに3ヶ月もかけたという秋色の美しい風景にもウットリ。旅ものはいいなぁー。
ユ・ジテの笑顔、そりゃあ一番好きだよねぇー。
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by CaeRu_noix | 2007-11-30 23:55 | CINEMAレヴュー | Trackback(2) | Comments(0)
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