かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『君の涙ドナウに流れ ハンガリー1956』
2007年 12月 05日 |
恋愛パートにはハマれないけど・・

1956年のハンガリーの自由革命と“メルボルンの流血戦”としてオリンピック史に刻まれる旧ソ連対ハンガリーの水球の準決勝戦を背景に、水球の花形選手カルチとMEFESZ(ハンガリー独立学生連盟)で活動するヴィキの恋を描く。



歴史に翻弄された東欧・中欧にはとても惹かれるものがある。だから、ハンガリーの史実を元に描かれたこの物語にも大いに興味をもったのだけど、フィクションの恋愛ドラマが主軸になっているところに少し躊躇してしまった。『ドレスデン、運命の日』と同じようなテイストかなーって。

主人公の水球選手カルチに扮するイバーン・フェニェーがなかなかステキです。『ジャーヘッド』にも出ていたらしい。この人と恋に落ちる気持ちにはハマれます。片や、学生運動に勤しむヴィキ役のヒロインがあまり魅力的には見えず、そこに芽生える恋愛ストーリーには必然性を感じずにノリきれずでした。全く自由気ままなご時世だったならばね、カルチのような花形の人気者スポーツマンがちょっと見惚れた女子にちょっかいを出すというのは大いにありえるとは思うのだけど、何しろここ共産圏下のハンガリーの情勢はそんなに浮かれた状況ではないわけで。ソ連寄りの立場にいるオリンピック選手カルチと、ソ連の支配に対して抵抗運動をしているヴィキは生半可な気持ちで近寄ることは憚られる対極の位置にいる者同士なんだよね。淡い恋心なら、自らの生活を守るためになかったことにしようと思う方が自然。なのに、彼らは惹かれ合った。ということは、それほどに覚悟の上で、抑制できないほどに強く激しく互いに恋に落ちてしまったということになるわけなんだけど、何だかあまりそういうふうには感じられなかったんだよね。主軸の恋愛ドラマに必然性を感じず、はまれないというのはやっぱりナンだなぁ。

これは女性監督の作品だと知って驚いた。ヨーロッパの女性監督がメガホンをとったとは思えないほどに、戦闘シーンが激しくて迫力があったから。こんなに凄まじい出来事があの美しい街で起こったのだなぁという衝撃をまざまざと感じた。片や、女性監督が撮ったというのに、なぜなぜこんなに恋愛パートが胸キュン・ロマンチックではないんだろうかという疑問も起こる。全ての女性監督がラブストーリーがお得意とは限らないにしても、あまりにもツボをはずしていてガッカリ。言葉での説明がなくても、ちょっとした演出次第で2人の熱い思いがこちらに伝わってくるものだけど、本作の中では、この2人はこの障害の中で何故に惹かれ合ったのだろうという疑問が拭えなかった。女性の好みの問題?

でもまぁ、恋愛ドラマはあくまでもおまけなのかな。(だったらいらないよなーとも思いつつ・・・)この作品の映画化の目的はあくまでも、史実を風化させずに、若い世代にも伝えていくということだったらしい。ハンガリーでは大ヒットしたらしい。というわけで意義深い映画だったのだろう。私にとっても、知り得てよかったハンガリーの史実であった。
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by CaeRu_noix | 2007-12-05 07:14 | CINEMAレヴュー | Trackback(9) | Comments(6)
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Commented by jester at 2007-12-05 09:06 x
おはようございます♪

>恋愛ドラマはあくまでもおまけなのかな。(だったらいらないよなーとも思いつつ・・・)

わははは~
本当にそう思いました。
なんであの二人が惹かれあうのかがわからん。男のほうはまあわかるとして、女性の魅力が・・・と個人的には思いました。

>片や、女性監督が撮ったというのに、なぜなぜこんなに恋愛パートが胸キュン・ロマンチックではないんだろうかという疑問も起こる。

そうですよね。恋愛ものと期待していったわけじゃないけれど、そのへんももうちょっと丁寧に描いて欲しかったです。
ああいう歴史があったというのはよくわかって、その意義はあるなと私もおもいましたが・・・。

あと、個人的には音楽がだめでしらけてしまいました・・・
Commented by 風情♪ at 2007-12-05 10:16 x
こんにちは♪

カルチの動機が些か不純だった気がしないでもないですが
傍観者から革命運動に参加していくあたりは好感が持てました。
国が間違っていることを知りながらも体制側に身を置かなきゃ
スポーツが出来ない選手たちの存在が辛かったです。
Commented by シャーロット at 2007-12-05 19:49 x
こんばんは。ってハンガリー語ではなんというのだろう・・・。
イヴァーンは素敵でしたね**どうせなら恋愛ものよりスポーツの世界でのことを中心に持ってきたほうがこの監督さんなら面白かったかも。なーんて;
女性監督って私も後で知りましたが、確かにロマンティックさはあまり感じませんでしたよ。どちらかというと女性の強さみたいなものはスクリーンからは伝わってきましたけど。ゾフィー・ショルも思い出しながらも、私はまさに「ドレスデン・・・」と同じ印象を受けちゃいました。
Commented by CaeRu_noix at 2007-12-07 02:09
jester さん♪
そうなんですよ。
惹かれ合う過程にもっと説得力を持たせてほしかった。
何故そこに恋が芽生えるのかちいともわからず入り込めずでした・・。
彼女は彼女でいいと思うけど、一目惚れはしないですよねぇぇ。
映画の紹介文で、恋愛ストーリーが主軸になっていることは知っていたので、期待はせずとも、その流れを洞察してしまったわけですが、あまりにもお粗末なカンジでした。今年観た他の社会派シリアスドラマの数分間の恋愛描写の方がよほどにロマンチックだったなぁと。
プロデューサーの意向なのか、ホントにこの女性監督はそのへんが不得手なのか・・・。せっかくの主軸の恋愛にハマれないと全体のドラマの味わいが損なわれてしまいますからね。残念。
背景の部分は興味深かったんですけどね。
スタンダートなのかもしれないけど、音楽、演出全般的にセンスはよろしくなかったかも・・・。
Commented by CaeRu_noix at 2007-12-07 02:11
風情さん♪
カルチの動機の不純ささえもしっくりこなかったのが残念です。
それほどに彼女に一瞬にしてハマってしまったというのがよくわからず・・・。
そういう切実なご時世じゃなかったら、こういう不純な動機はそこらじゅうにあっても不思議じゃないですが。
彼が彼女に近づきたいがために運動に参加してしまったことはしっくりこなかったものの、次第に、ソ連の圧力に疑問を感じていくところには共感できました。
ホント、政治権力に懐柔されないと、得意のスポーツを目一杯できないなんて悲しいですよね。そんな時代のやるせなさが印象深いです。
そういえば、ソ連や共産圏はオリンピックで強かったんですよね。
Commented by CaeRu_noix at 2007-12-07 02:19
シャーロット さん♪
ヨーエシュテート!ですって。
イヴァーンは素敵でした。そこが一番の見どころといっても過言ではありません。
水球というスポーツも興味深かったです。しっかし、なんでわざわざ水の中で球技やるんでしょうね。人間って、おもしろいですよね。いっそのこと、湯球はどうよ、とか、時には菖蒲湯球とか・・・。ビジュアルの強烈そうなイカ墨球、青汁球はいかがかしら、とか・・・。
正直もうしまして、ベッドシーンの描写がダメダメでした。『サルバドールの朝』の恋愛パートの方がよほどにときめきましたですよ。
せっかく色男を使っているんだから、もっとセクシーな場面にしてくれなくちゃだわって思いました。
ヴィキはゾフィー・ショルのような活動をしていたのでしょうけど、ゾフィーのように1人の女性としての魅力は感じなかったですぅ。
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