かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『ジェシー・ジェームズの暗殺』
2008年 01月 21日 |
映像美と緊迫感に圧倒されて魅せられる。

アメリカ西部開拓時代の伝説のアウトロー、ジェシー・ジェームズと彼を撃ち殺したロバート・フォードの物語。



西部劇というジャンルにはどうも惹かれないし、ジェシー・ジェームズのことなんて知らなかったし、そんな有名人を殺した人にも興味はないし、監督も知らない人だし、何しろ長いしと、決して観るのを楽しみにしていた1本ではなかった。劇場鑑賞しなくてもいいかなぁとさえ思った。ところがそれは浅はかな判断、間違ったイメージだった。だってこれは、ブラッド・ピットの最優秀男優賞受賞も印象的な、ヴェネチア国際映画祭コンペ出品作だったんだもんね。撮影監督は、コーエン・ブラザーズ作品でおなじみで、何度も各賞を受賞、ノミネートされているロジャー・ディーキンズなのだった。『バーバー』を撮った撮影監督というだけで、劇場鑑賞必見じゃない。(ついでに、賞には全然からんでないけど、『レディ・キラーズ』の映像も非常に気に入っていた私。)大スターの出ているアメリカの作品だからってむやみに敬遠するものじゃないと反省。『マイティ・ハート』の時に、ブラピのプロデューサーとしてのセンスをかったことを、もう忘れてしまっていてゴメン。製作には、リドリー・スコットの名前もあるじゃない。というわけでこれは、最初に抱いたイメージとは大違いの、私好みのアート寄りな作品だったのだ。スクリーンで観られて大満足!

スクリーンいっぱいに広がる空と広野の美しさに息を飲み、シネスコの魅力に感嘆。黄金色の麦の穂が風に揺らめく様を見て、テレンス・マリックの『天国の日々』を思い出した。西部開拓時代のヒーローが主人公の映画で、まさかこんなに静かで美しいショットに出逢えるとは。出来事をなぞるだけならば、もっと短い上映時間にまとめることができたに違いないのに。あえてこの長さによって、この美しさを切り取ること、流れる空気をじっくりと描写することに妥協しなかったセンスとこだわりを評価したいな。映像に合わせて音も、自然を重んじて、繊細に表現されていた。小さな虫の羽音が、さりげなくもジリジリと不安感を感じさせるなんて絶妙。ハリウッドの王道の仰々しいオーケストラのシンフォニーによって、むやみに観客のハラハラドキドキ感を煽ろうとする演出とは大違いでエクセレント。音楽の使い方も好みで、視覚でも聴覚でもそのセンスを満喫。

そんなにも美しい映像で魅せてくれるのだけど、ウットリと耽溺する時間はすぐに奪われ、しばしば緊迫感に圧倒された。これは、アクション活劇などではなくて、緻密な心理ドラマなのだった。人物像が単純化されていることの多いアメリカ映画だけど、このドラマでは、本来の人間の持つ複雑さが描かれている。明解な英雄と思われていたはずのジェシー・ジェイムズは、疑り深くて気難しく、時に冷酷で、ロバート・フォードはその仲間になっても、思いの他心安らぐことはなかった。ロバートの立場に寄り添い、ジェシーに恐怖を感じて不安に苛まれずにはいられない。銃を装備している者同士だからそうなのか、彼らの心理が微妙に揺れるごとに、ハラハラと気持ちが追い詰められていくのだった。何を考えているのかよくわからなくて畏怖を覚える存在を体現したブラピの演技は見事だった。ケイシー・アフレックの蔭りある顔つきも素晴らしく、危険な兄貴分と対峙する複雑な心理、恐れを細やかに表現。演技と演出が呼応して、上質なドラマに仕上がっていた。食卓のから笑いのシークエンスは何とも印象的。

浮かび上がるテーマ性にも心うたれた。『父親たちの星条旗』的に、ヒーローなんてものはつくり出された虚像に過ぎないということを痛感するのだった。英雄たるジェシーというのは彼のほんの一面、一つの見方に過ぎないにも関わらず、長い間そのままヒーローとして祭りあげられてきた男。片や、卑怯者のレッテルを貼られ続けたロバートについても、英雄扱いされている者を撃ち殺したことでむやみに蔑まれているけれど、同じ立場に立ったなら誰もが同じ末路に向かったかもしれないと思わせるものがあった。背後から仲間に銃殺されるという悲劇で最期をむかえたのでなかったら、これほどまでにジェシーも人々に支持される人物にはならなかったのかもしれない。それは今日の社会を見ても明らかなのだけど、メディアと大衆はいとも安易に、ヒーローと悪役を作り上げてしまうものなのだよね。ロバートが自らの暗殺劇をネタに舞台上演する構図・構造もシニカルでこの上なく面白い。クール!

★★★★☆
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by CaeRu_noix | 2008-01-21 23:14 | CINEMAレヴュー | Trackback(20) | Comments(16)
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Commented by 哀生龍 at 2008-01-22 00:14 x
“自然”を中心とした映像美や空気感は、本当に素晴らしかったです。 特に寒々しい風景が・・・
そしてロバート・フォードという男にも、とても興味を惹かれました。
でも、肝心の“伝説のアウトローの魅力”、皆が“なぜジェシーを?”と思うような彼の“憧れのヒーロー像”が良く分からず・・・(涙)
出発点を見失ってしまった哀生龍には、ストーリーそのものが長く感じてしまいました。
ジェシーをもっとよく知ってから見れば良かったと、かなり後悔しちゃったのでした。
でも、かえるさんの「悲劇で最期をむかえたのでなかったら」という部分を読んで、死んだ後もなおジェシーの英雄譚は増え続けるのかもしれない・ヒーロー像は大きくなり続けるのかもしれないと、見落としていた“視点”に気付かされましたよ!
Commented by CaeRu_noix at 2008-01-22 00:48
哀生龍 さん♪
ロバート・フォードという男も、ジェシーという男もそれぞれに興味深かったです。
"伝説のアウトローの魅力"は、この映画を観て伝わってくるものじゃないですよね?大前提に、ジェシーはヒーローだったという事実があり、実はそれは虚像に過ぎなかったんじゃないか・・という物語ようなので。ここで、伝説のアウトローの魅力が感じられなくて当然です。ロバートがジェシーに憧れたのも、噂をきいたり、新聞や本を読んだりしてなんでしょうね。私も全然、ジェシー・ジェームズのことなんて知らなかったんですが、ロバートがジェシーに憧れて近づいていった描写はごく自然に感じたし、ケイシーの演技の巧さゆえか、その思いに説得力を感じましたよー。
映画を観た後で、ネットで関連記事を読んで、女性や労働者はターゲットにせず、金持ちからのみ金品を奪っていたことなどなどの伝説が英雄像を作り上げたということ等を知りましたー。
ずっとアイドル視されていたブラピゆえ、ジェシーの虚像の物語に共感したそうです。
役によって作り上げられる俳優のイメージなんかも同じなんですよねー。
というわけで興味深いテーマでしたー。
Commented by 真紅 at 2008-01-22 19:34 x
かえるさま、こんにちはー。
うんうん、これってすごく丁寧に作られた映画ですよね。
「2時間以内にまとめて欲しい」って評をよく見かけますし、今はスタジオ側も長い映画はNGだそうですが、作り手の妥協のなさを感じさせますね。
私は観たとき、あまりにも体調がよくなかったので「睡魔」が・・・(泣)。
かえるさまの評を読んで、やっぱいい映画だったんだなってつくづく、シミジミ思います。
ロクな感想が書けなかったのですが、TBさせて下さいまし。
ではでは、また来ます~。
Commented by となひょう at 2008-01-22 23:21 x
かえるさん、TB&コメントありがとうございます。
そして、とても楽しめたようで何か嬉しいですよー
私も鑑賞前はそんなに期待していませんでした。
長いんだもんとボヤく声も多いし、尺だけで言ったら無駄に長い映画って好きじゃないしで。でも、本作は短くまとめちゃうと楽しめない仕上がりになってしまうかもーと思ったり。

>緻密な心理ドラマ

でしたねー。一目でわかる激しい起伏ではなかったかもしれないけれど、この男達の胸の内を色々と想像してしまってハラハラしました。
私も本作にはスーッと入っていけて、レビューの書きがいのある作品でした。
ところで、オヤジ祭りに参加して頂き、ありがとうございますー
しかも、何とも立派なコメント!!!!!
コメントだけでも嬉しいのに、かえるさんのセレクション30も教えて頂いて。ジックリと拝ませて頂こうと思いまっす。
これは元々考えて用意してあるものなんですか?
一瞬で作るのは、とても大変なんではないかと思ったのですが・・・
楽しい作業ではあるけれど、色々調べたりしてたのかなぁと思って。嬉しいというより、感服いたしましたですーーー
Commented by CaeRu_noix at 2008-01-23 00:24
真紅 さん♪
丁寧に、センスよく作られていたと思います。
もうちょっと短くてもよかったんじゃないとも思うんですが、だからといって、この風景の映し方、その時間は削らないでほしいのでした。
普通のメジャースタジオだったら、もっと短く編集しなくちゃいけなかったのかもしれませんね。エンタメ作品志向ではないブラピが主演・プロデュースする映画だったから、OKだったのだなぁと。
私も睡眠不足で、前半はやや朦朧としておりまして、読み逃した字幕なんかがひょっとしてあったかもしれません・・・。
でも、映像・演出に見惚れて、その空気感にどんどん引き込まれていったのですよ。
一般的には、退屈な作品なんだろうとは思うんですが、例えば『呉清源』なんかが気に入られた真紅さんなら、体調次第でもう少しは好感触だったかもしませんねー。
Commented by CaeRu_noix at 2008-01-23 00:25
となひょう さん♪
全然楽しみにしていなかったのに楽しめましたー。
楽しめたというよりも耽溺しましたって感じです。
この時間の経過の仕方こそが本作の持ち味、魅力だったと思うので、エピソードを削ってもっと短くすべきだなんて、私には思えなかったですよ。流れる雲や風にゆれる平原の映像を省くってことももってのほか。
私はこれでよかったと思ってますー。はい。
男たちのいる空間の緊迫感がたまらなくよかったですよね。
このクールな空気、美学の感じられる演出のシブさに惚れました。これをもうちょっと派手にしたらマイケル・マンの演出に似ているかもなーとか、クールな不条理感はコーエン兄弟風味だよなーとか、ちょっとガス・ヴァン・サントっぽい感じもあるかもーとか。エンタメ系風味じゃないところがとことんポイントでした。

おやじセレクトはもちろん一瞬でピックアップしたわけではなく、今日1日仕事しながらずっと考えてました。(笑) 十数人くらいは常々気になっている俳優だからすぐ上がるし、後はデータを見ながら、プラスしていきました。
こういうのって楽しいですよねー。私はジイサン俳優セレクトをやろうかなぁ。
Commented by moviepad at 2008-01-23 02:17 x
かえるさん、こんばんわ!

この映画はいわゆる"ブラピファン"の好みではないだろうし、
ミニシアター映画ファンはブラピの名前だけでスルーする(笑)
ちょっともったいない映画ですね。

>背後から仲間に銃殺されるという悲劇で最期をむかえたのでなかったら、これほどまでにジェシーも人々に支持される人物にはならなかったのかもしれない。

まさにその通りだと思いますね。
ジェシーは犯罪の大部分を兄のフランクと共同で行っているのに
なぜかジェシーだけが英雄視されている。
ルックスの違いもあるんでしょうけど。
ジェシーは非業の死をとげた...
一方フランクはジェシーの仇討ちをすることもなく、
1年後に自首したそうです。
ここが"伝説"になるかならないかの境目だったんでしょうね~
ジェシー暗殺後の、ロバートと兄の関係も興味深いところです。
時間ができたときに原作も読んでみたいな、と思いました。
Commented by 豆酢 at 2008-01-23 09:38 x
この作品のサントラ盤が出ないかなあと思っている豆酢です(^^ゞ。
演出において、“音”も大切な要素を担っていました。なにより、今では考えられないほど美しい情景も、多くを物語っていましたよね。

ロン・ハンセンの原作、ぜひぜひ読んでみてください。原作の方では、ロバートの晩年がより丹念に描かれています。はっきりいって悲惨です(泣)。ですが、映像とはまた違った感触が得られると思いますよ。
Commented by cinema_61 at 2008-01-23 23:06 x
こんばんは。
ヨーロッパティストのハリウッド映画は好きです。
とにかく映像が美しい、そしてあのブラピがセリフなしで見つめる表情がイイ!ロバートに「殺してほしい」と頼んでいるような眼差し・・・・・・・。
でも、オスカーの助演男優賞にノミネートされているけど、主役のようなロバート役のケイシー・アフレックの演技!
長すぎるとか、知らない人物の映画化が難点とか、文句言う友人もいるけど、私は好きだ~
Commented by CaeRu_noix at 2008-01-24 07:46
moviepad さん♪
これは思いきりミニシアターテイストですよねー。
私はブラピ好きなんですけどね。好きなのだけど、映画の好みとしてはアンチ大作志向なもので、ハリウッドの大スターのその人が主演の映画というとどうしても自分の好みと逆の映画のイメージを抱いてしまっていたのでした。個人的には、『トロイ』なんかもすごく気に入っていた私です。

なるほど、そうなんですか。兄の方は全然なのに、ジェシーだけが英雄として語り継がれたといのは面白いですね。卑怯者に殺された被害者に対する同情が好感度をアップさせる作用ってやっぱりありますよね。サム・シェパードの兄役も出番は少ないながら素晴らしかったですよねー。彼は自首をしたのですか。そんな兄フランクにも俄然興味が増しますね。
Commented by CaeRu_noix at 2008-01-24 07:46
豆酢 さん♪
音楽も素晴らしくよかったですよねー。アメリカの大作系はなかなか音楽が好みのものが少ないんですが、これは痺れました。サントラ、出ていないんですかー。
撮影はカナダで行われたみたいですね。音楽とマッチした美しい景色でした。それが主人公たちの心象に重なって、哀切を伝えてくれましたよねー。

そうですね。原作小説も興味あります。映画では雰囲気で惹かれ、緊迫感や不安感、"感"の部分に勝手にハマっただけなのですが、小説を読んだら、彼らの置かれた状況や心理がもっと明確に理解できるのでしょうね。悲惨な晩年かぁぁ。
Commented by CaeRu_noix at 2008-01-24 07:47
cinema_61 さん♪
アメリカのスター映画でも、ヨーロッパ映画っぽいつくりのものはいいですよねー。
去年でいうと、『記憶の棘』なんかのの美しさを思い出します。
ブラピの演技はよかったですよねー。アメリカの賞関係では、評価されていないみたいですけど、ヴェネチアの審査員がブラピに賞をあげたくなったのも納得できる、ブラピ史上最高かも、と思えるものでした。
そして、事実上の主演のケイシーも素晴らしかったですよねー。クレジットでは2番目でも、物語上は主演でしたよね。
世間の評判はイマイチだけど、私も好きだー。
Commented by ルールー at 2008-01-29 14:53 x
かえるさん♪♪こんにちはー☆
わたしもこの映画、かなり気に入りました。
実はもろもろ重なって席についたのが映画始まってから5分以上経っていて、もう最初から観てないと全然わからないじゃ~ん!(T_T)と思いながら必死で状況把握&人間関係をつかもうとしたのがかえってよかったみたいで、最初から深く物語の中に入り込めましたわ。
2人の演技も相当素晴らしく、息詰まる心理的な駆け引きにゾクゾクしたし、なんといっても画も素晴らしかったですよね。
まるでお天気すら登場人物の心情を表わすのに味方しているみたいに美しかったですわ。
評判を見ると、みなさん長い長いと言われていて、いやたしかに長いかもしれないけど、それだけじっくりじわじわ心に沁みてきました。
Commented by turtoone at 2008-01-30 23:43
こんにちは。

コメントするのは初めてだと思います。
かえるさん? で良いのですか。
この作品で私の思うところに近い方をはじめて発見いたしました。
TB有難うございます。

この作品はものすごい心理戦ですね。名人戦とかのレベルの心理戦を出演者の殆どがものの見事に演じてくれました。
ブラピも見事です。私は彼の端正なマスクより演技の方が何倍も高く評価しています。

それから、こちらのブログのセレクションは素晴らしいですね。
私ファンになりましたので、同じエキサイトでもあり、リンクさせていただきますね。

これからも宜しくお願いします。
Commented by CaeRu_noix at 2008-01-31 07:26
ルールー さん♪
かなり気に入られたなんて嬉しいです♪
そうそう、サスペンスな要素もあるので、ちゃんと状況把握をしていかなくちゃって思わせられますよね。
どんな映画もある程度は向き合う姿勢が評価を左右する気もします。
映像はとてつもなく美しく、演出はクールで、彼らの演技はこれまた見事なものでしたよねー。追いつめられた心理描写は、多くのハリウッド映画だと大袈裟な音楽に煽られるという演出がされるのだけど、本作では、俳優の演技が尊重されていたことで、大いに緊迫感をもたらしてくれました。
空も地平線も風景は飾りなんかじゃなくて、心情描写と相乗的なものになっていましたよね。素晴らしい。
長いっていうのは確かなんだけど、この長さだからよかったと思いますー。
Commented by CaeRu_noix at 2008-02-01 07:08
turtoone さん♪
ありがとうございます。
コメントいただくのは初めてかもしれませんね。
最近はほとんどやり取りはなかったかと思いますが、
同じエキブロということもあり、「利用価値のない日々の雑学」 は
私がブログを始めた2005年頃などは、よく拝見していましたし、トラックバックをいただいていたりしましたよ。
去年の年始に今年気になる作品の記事にトラコメもしたような・・・。
そんなわけでリンクしていただくのは光栄です♪
鑑賞作品はとにかくミニシアター系、インディペンデント系、ヨーロッパ作品、マイナーものに力を注いでいますー。
本作は、巷の評判はあんまりですが、turtooneさんの評価も高いようで嬉しいです。
緊迫感で張りつめたその心理劇に圧倒されましたよねー。
本作のブラピの演技もすばらしかったです。
なかなかアメリカでは評価されないみたいだけど、センスはよいし、力はあると思いますー。
今後ともよろしくお願いします。
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