かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『シルク』
2008年 02月 19日 |
エルヴェ;『ある子供』のジェレミー・レニエ
エレーヌ;『クレールの刺繍』のローラ・ネマルク
原十兵衛の妻;  伊藤歩
マダム・ブランシュ; 板谷由夏



というのが、私のキャスティング案。

19世紀の南フランス。戦地から戻った青年エルヴェは軍人をやめて、製糸工場の仕事を引き受け、エレーヌと結婚する。

『海の上のピアニスト』の原作者であるイタリア人作家、アレッサンドロ・バリッコの短編小説を、『レッド・バイオリン』のフランソワ・ジラール監督が映像化。フランスの青年が、良質の絹糸を求め、遥か遠くの異国日本を訪れるという19世紀の物語なんて。
これは評判がイマヒトツであろうとも、映像主義の私は劇場体験しなくちゃと、最寄りシネコンの上映最終週に駆け込み。なるほど、評判が芳しくないのも納得。それでいてやはり、期待通りの美しい映像世界をしっとり堪能できたかな。

これは日本人俳優の有名どころが重要な役で出演しているから、日本でもそこそこに注目されて、シネコンで大々的に上映となったわけだけど、作風としてはとことんミニシアター系という感じ。雰囲気に浸ることこそに至福アリ。確かに、そこにある愛の物語が強く心を揺さぶるというのではなかったけれど、坂本龍一氏の美しい音楽に身をまかせて、その映像詩に酔えたのでした。日本の風景もよかったけれど、イタリアで撮影したというフランスの故郷の美しさにはウットリ。

情景の素晴らしさに比べて、登場人物たちにあまり魅力を感じることができなかったのは残念。個人的にはキャスティングがあまりいいとは思えなかったなぁ。こういう絵画のような質感の映像世界には、キャラクターの先入観のない、イメージの輪郭線の濃くない俳優さんの方がしっくりくると私は思うので、主要キャストの全てに違和感があったかも。キーラはやっぱりアクティヴ女の方がハマるし、マイケル・ピットくんは現代的な青年タイプだし、中谷さんも何だかマダムが似合わない。

謎の美少女は先入観という点では問題なかったけど、それほどの魅惑的な存在には映らなくて・・・。これには文学を映像化することの難しさを感じざるを得ないよね。小説で言葉によって表現されたはずであろう絶対的な美を、主人公の心を釘づけにした圧倒的な少女の魅力を、その映像の中の女優さんの姿には感じることができなかった。外国人から見たら、この日本的な美はもう少し説得力をもつのかもしれないけれど、日本人の自分には響かず。日本パートもよかったと思うんだけど、肝である少女の描写が何とも・・・。

というわけで、心から感動することはなかったけれど、詩的な文学性が垣間見られる物語のステキさは感じたかな。手紙の秘密が紐解かれるシーンなども、もっとハッとさせてもらいたかったのだけど、エレーヌの思いにしみじみとせつなくなりますね。全体的にはこのようなトーンでふさわしかったと思うんだけど、2、3の重要な場面の描写にもう少し伝わりやすい工夫がほしかったかも。多くの期待をしなかったので私は充分に楽しめたのだけど、せっかくの大プロジェクトだったことを考えると、もったいないなぁという思いは残るかな。


じゃあ、どんなキャスティングがいいかなぁと考えてみた。
どうせなら、フランス語圏の俳優にしたいなぁと思ったんだけど、若手フランス俳優って全然思い浮かばないなぁ・・・。
ブノワ・マジメルでもいいけど、もうちょっと若くて朴訥さがある方がいいかなぁと。
十兵衛妻は、蒼井優ちゃんなんかにしたかったんだけど、妻だからなぁ・・・。
という感じで、冒頭のキャスティングに決定。

★★★☆
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by CaeRu_noix | 2008-02-19 23:59 | CINEMAレヴュー | Trackback(3) | Comments(2)
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Commented by kenko at 2008-02-21 14:11 x
こんにちは!かえるさん。
お元気ですかぁ〜

>キャラクターの先入観のない、イメージの輪郭線の濃くない俳優さんの方がしっくりくる

むぅ。そうかも。
そしてかえるさんらしいキャスティングですね〜
といっても私、「ある子供」のジェレミー・レニエくらいしか
お顔がぱっと浮かばないのですが(汗)

さんざん酷評されていますが、私も映像詩に酔いしれることができました。
でもやっぱり『レッド・バイオリン』の方が好きかな♡
Commented by CaeRu_noix at 2008-02-21 20:24
kenko さん♪
気分はしょっちゅう浮き沈みまずが、健康です。w
ふふふ。キャスティングがどうも不満だったので、代替案を出してみましたー。
なかなか適役が思いつかないんだけど、どうせならフランス語でいきたかったのでした。
ジェレミー・レニエが思い浮かぶなら、充分ですー。
シネコン上映ものにしては、マイナーめなキャストですみません。
でも、こういうタイプの作品はメジャー過ぎない俳優の方がいいと思うんですよねー。
完成度の高い映画ではなかったですけど、酷評されていると、ちょっと待ってよ!って言いたくなるんですよね。(笑)
劇場鑑賞できてよかった美しい映画でしたもの。
ええ、確かに『レッド・バイオリン』の方が壮大にドラマチックで見ごたえありましたよねぇぇ。
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